この週末に明治神宮を歩いていたら、久々に旅行者らしい外国人を見かけました。マスクなんかしていません。
IOCのバッハは虎ノ門のホテル・オークラに泊まっているそうですが、都心や湾岸だけでなく赤坂や渋谷あたりのホテルにもオリンピック関係者が泊っているから、その関係でしょうか。電車でもそれっぽい外人を見かけるしなあ。
東京都千代田区の赤坂エクセルホテル東急が、館内のエレベーター前にそれぞれ「日本人専用」「外国人専用」と掲示していたことが11日、分かりました。新型コロナ対策で東京五輪・パラリンピック関係者と一般客の動線を分ける目的でしたが、差別との批判があり撤去しました。 https://t.co/MpIleOPtU6
— 東京新聞編集局 (@tokyonewsroom) 2021年7月11日
もともと日本に住んでいる外人(アジア系以外)はマスクをしてる人は少ないですが、クマのようにでかい外人がマスクなしで歩いていると流石におっかないです。連中は息(ウィルス)だって、遠くまで届くだろうし(笑)。
電車や街の様子を見る限り、ジャーナリストも選手もIOCのバカどもも平気で出歩いている、とボクは判断しています。
予想通り、オリンピックで来日した外人はまともに隔離も待機もしていない。差別でもなんでもなく、ボクは連中には極力近寄らないようにしてますが(笑)、感染は更に広がりそうです。
#東京五輪「#おもてなし」外国選手〝はとバスツアー〟計画 組織委・橋本会長も検討
— サンスポ五輪パラ (@sanspo2020) 2021年7月11日
東京五輪の #選手村(東京・晴海)から外国選手らを乗せて都内の観光名所を巡る〝はとバスツアー〟が計画されていることが11日、関係者への取材で分かりました。https://t.co/ospBkni7mz pic.twitter.com/m5rj7wWvlY
それでも政府は利権のためのオリンピックには固執する癖に、飲食店や問屋、そして国民に負担を押し付け続ける。
元マイクロソフトの成毛真らが、『総選挙で自民と公明以外に投票しよう』というポスターを都内の飲食店5万店以上に貼る運動を始めたそうです。これは良いと思うな。#自公以外じゃ足りなくて、#自公維以外、だけど。
www.tokyo-sports.co.jp
#自公以外
#自公維以外
と、いうことで、新宿で映画『1秒先の彼女』
bitters.co.jp
台北の郵便局に勤めるアラサーのOLシャオチー(リー・ペイユー)は仕事もプライベートもパッとしない。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画で笑うタイミングも人より早い...。台湾では七夕の日は「七夕バレンタインデー」と呼ばれデートをして過ごすのが一般的。ある日、シャオチーは公園でダンス講師のウェンソン(ダンカン・チョウ)と出会い、七夕バレンタインデートをすることになるものの、朝起きるとなぜかバレンタインの翌日になっていた。秘密を握るのは毎日郵便局にやってくる、常にワンテンポ遅いバス運転手のグアタイ(リウ・グァンティン)らしい。
以前は台湾と言う国は全く興味がなかったのですが、ここ数年『52Hzのラブソング』などの台湾映画の良作を見て、俄然 興味を持つようになりました。
同性婚の合法化など日本より遥かに民主的・文明的な国になった台湾です。我々と価値観を共有できる、良い映画が沢山出てくるのも当然です。
コロナが明けたら、ぜひ行ってみたいと思っています。
spyboy.hatenablog.com
この映画は2020年の作品、台湾のアカデミー賞と言われる金馬奨賞で作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、視覚効果賞を受賞しています。SFでも何でもないのにバレンタインデーが消失する、という話はいくら何でも無理があるだろう、とは思ったのですが、評判が良いので見に行った次第です。
前半は主人公のアラサー女性、シャオチーの目から見たドラマが進んでいきます。
母親を残して海沿いの地方部から台北に出てきたシャオチ―は一人暮らし。何をするにもワンテンポ早い彼女は周囲から浮いています。郵便局の給料は安いし、仕事も面白くない。彼氏もいない。郷里に残してきた母親はうるさいし、彼女が高校生の時に家出した父親のことは今も心の中にとげのように刺さっている。
そんなある日 彼女はハンサムなダンス講師のウェンソンと知り合い有頂天になります。折しも七夕、台湾のもう一つのバレンタインデーです。デートを楽しみにしていた彼女ですが目が覚めたら、なんとバレンタインデーは終わっていました。
映画では彼女の生活がコミカルに描かれていきます。前半はまったりとした、オフビートなコメディです。シャオチーが日本語で『海老フライ』と書かれたTシャツを着ていたけど、台湾の人もここは笑うところなのでしょうか(笑)。
NYと台北、舞台は違うけれど、ボクはスコセッシの『アフター・アワーズ』を思い出しました。
後半はバレンタインデーがどうなってしまったのか、謎解きの旅に移っていきます。
お話はシャオチーの視点から、バス運転手のグアタイから見たものになっていきます。グアタイは何をするにしても人よりワンテンポ遅い、せっかちなシャオチーと正反対の人間です。今時珍しく、いつもカメラを首から下げている。
毎日グアタイは郵便局に一通だけ手紙を出しに来ます。シャオチ―の窓口へやって来て切手を1枚だけ買い、手紙を投函する。ただ、それだけです。シャオチ―達は彼のことをただの変人だと思っている。
見る前は、バレンタインデーが消失するなんてお話としては無理がある、と思っていたのですが、後半にかけて伏線が見事に回収されていきます。納得しました(笑)。
そして登場人物たちのキャラクター、特に父親の話は素晴らしかった。この映画、緻密で、心が温まる、すごく良くできたお話です。
『君は、この世界のことを全て判っているつもりなのかい?』、まさにその通りだと思います。
主役の女の子もすっごく良い。前半はコミカルなお話の中で重厚な演技(笑)を見せているのですが、それが後半になって効いてきます。前半と後半で表情もがらりと変わる。
映画を見て久しぶりに泣きました。うれし泣きです。
まるで、この映画は不器用に生きる平凡な人たちの背中を押してくれる応援歌のようです。昔のハリウッド映画みたいなウェルメイドな物語。ユーモアと洒脱な音楽、緻密に組み上げられたお話、そして、それでも、人生は生きるに値するという固い信念のもとに作られている。『素晴らしき哉、人生!』や『スミス都へ行く』のフランク・キャプラの作品みたい、と言ったら褒めすぎでしょうか。
素朴と言えば素朴ですが、今や日本でもアメリカでもこういう作品は殆ど作られなくなってしまった。こういう感性を作品にするのは今やフィンランドのカウリマスキ監督の作品やインド映画くらいでしょうか。
今の世の中を見ていると嫌になっちゃうことも多いじゃないですか。政治家は無能なだけでなく自分の私利私欲ばかり、生まれつきの格差は広がっていくし、生活保護叩きのように困っている人を助けるどころか自己責任と叩いたり、奇妙な同調圧力ばかり目につきます。何よりも毎日 生活に追いまくられて、自然の美しさにほっとしたり、深呼吸することすら忘れてしまう。
所詮 世の中は良いこともあるし悪いこともある。悪いことは相手にしないよう自分を律して生きていけばいい、とは思ってるんですけど、ボクのような凡人は日々の重みに負けてしまうことも多い。
だから『それでも世の中は生きていくに値する』と教えてくれる、こういう映画がボクには必要なんです。
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