特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『日本の真の問題』(日経『荒波をこえて』)と『題して「ジンギスカン」』

 神戸の地震から30年。
 震災の当日 午前中はまだ、東海道新幹線は動いていました。ボクは午前中に大阪まで行って、午後には勤務先の営業所の給与などのデータをサルベージするために裏道から非常線を突破して(笑)尼崎周辺まで入ったので、あの時のことは忘れ難い。

 遠くで煙がいくつか上がっていました。煙の下には建物の下敷きなどでまだ人がいたケースもあったと、後で聞きました。

 そんなことがあったんです。30年経ったとはいえ、兵庫県民は犠牲者の数すらわからない奴が知事でいいんでしょうか?

 一昨日のこのニュース↓、三浦瑠麗みたいな脳味噌カラッポの東大バカを持て囃してたマスコミは反省しないんでしょうか。三浦瑠麗は詐欺会社を共同経営してたはず。初犯で実刑っていうんだからよほど悪質と判断したんでしょう。

 これ↓を不思議に思わない奴がいる、のもボクには信じられません。
 政策はないって、政党じゃない(笑)。こんなバカは報道する必要ない。

 三浦瑠麗だけでなく、石丸(京大)や斎藤(東大)、維新の吉村(京大)とか、ボクは顔を見るだけで虫唾が走ります。結局 学歴って関係ない。こういうバカ連中は平気で嘘をつくし、他人の意見を聞かず自分の都合を押しつけるだけで、他人と会話できない。
 
 社会として将来の目指すべき方向性を議論したり共有しないから、カスみたいなポピュリストがはびこる。与野党含め、既存政党への不満からです。政治家やマスコミの責任は大きい。


 、将来の方向性の話です(笑)。
 先週も触れた日経新年の論考『荒波をこえて』、最初に岩井克人教授が日本全体の総論を述べ、『じゃあ、どうすればよいのか』という各論が続きました。
 その中から、カリフォルニア大教授のシェーデ氏と政策研究大学院教授の北尾氏の話をご紹介したいと思います。

 最近話題になっているシェーデ教授の論考は企業戦略なので詳しくは書きません。「日本企業はGAFAのように規模は追えないのだから、得意分野に特化することで競争力を高めていく『舞の海戦略』を目指せばよい」というお話です。

www.nikkei.com

 昨年はNHKにも出演しています。

www.nhk-ondemand.jp

 この人が指摘する『日本は低成長という代償を支払ったものの、社会の変化をスローにすることで社会の安定を選択することができた』はまさに目からうろこ、です。
 リーマンショックのようなことがあっても日本の企業は雇用を守ったし(その皺寄せは非正規に行きましたが)、欧米に比べれば倒産も少ない。経済成長率は低かったが失業率も貧富の差も比較的低く、社会の分断も欧米よりは激しくない。

 政府や経産省、それにマスコミは何でもかんでもアメリカの真似をしようとしますが、日本は胸を張って自ら社会の安定を選択していることをもっと大事にするべきではないか。

 安倍晋三が進めたコーポレートガバナンスコードなど株式市場の改革なんかまさに愚の骨頂で、アベノミクスの円安で外国人株主が増えた結果、毎年4兆円もの配当が海外流失しています。

 先進国が通貨安で自国を安売りしても、経済が良くなるなんてことはない。

 バカげた話です。日本に本当の右翼はいないのか(笑)。


 一方 政策研究大学院の北尾教授は『日本の真の問題は高齢化ではなく、政策が時代遅れなこと』と指摘しています。政策が社会の変化についていけない、というのです。

www.nikkei.com

 内容を要約します。

・日本の一人当たりGDPはG7最下位、世界34位にまで低下した。今や、日本は停滞の教訓を学ぶ対象である。

・低所得層や老後への支援は重要だが、日本の最優先課題ではない。近年行われている住民税非課税世帯へのバラマキは大半が裕福な高齢者層に届いてしまい、むしろ格差を拡大させている。貧困層の支援は生活保護など福祉として行うべきで、うまく機能していないのなら福祉制度の整備を進めるべきだ。日本で平均資産が最も多いのは高齢者で、貧困が深刻なのは20~50代の若年層である。

一時的な給付金や消費税廃止などのバラマキは、将来の成長を阻害する。バラマキでは企業は設備投資や雇用拡大を行い生産力を強化しないし、減税やバラマキに伴う事務コストは将来の増税に結びつくからである。

日本の問題は高齢化ではなく、社会変化のスピードに政策や制度が追い付いていないことである。例えば平均寿命が延びたにも関わらず、年金支給年齢すら変わっていない。持続的な経済成長には労働者と企業の生産性を高めるしかない。政府が企業に賃上げを求めても成長にはつながらない。

・政府が将来の成長分野やベンチャー企業を予測することは不可能である。政府ができることは高校教育義務化や大学などの高等教育の環境整備など人的資本への投資の強化を行い、国民のスキルの底上げを加速させることだ

 共産党やれいわなどアホ野党が主張している減税なんて愚の骨頂ですが、給付金や補助金などのバラマキもコロナのような緊急事態には息継ぎにはなるけど、継続的な経済効果はありません。バラマキで一時的な需要が増えても企業は国内に設備投資しないからです。せいぜい派遣社員を増やすくらいでしょう。

 貧困層への支援は重要ですが、高齢者支援のように『福祉』としてやるべきことと教育など『投資』としてやるべきものは区別して考えるのは当然です。今の日本では将来リターンが返ってくる『投資』の方が優先順位は高いに決まっています

 少子高齢化は止められないのだから、日本が経済成長をするためには働いている人の生涯所得を高めるしかありません
 経済成長なんかしなくていいという考え方もありますが、ある程度は成長しなければ教育、医療や介護の費用は賄えないし、食糧もエネルギーも輸入できない(笑)。経済成長をするためには生産性を上げるしかない。
 生産性を上げるとは無駄を削ることに加えて、高付加価値な仕事をすることです。

 冒頭に挙げたように、東大ですらアホを量産する日本の社畜教育に税金をつぎ込んで効果があるのか、という気もしないではありません。
 でも北尾教授が言っているように、政治の役割は『教育により人々のスキルを底上げし、人々が自律的に成長の源泉を見出すよう後押しする。多様性を尊重し、挑戦を促し、失敗を受け入れ、自由に伸びる環境を作る』はその通りです。

 日本の政治は与野党ともに戦後からずっとバラマキばかりで、社会の変化に追いついていない。それが諸悪の根源。
 
共働きが多数なのに第3号被保険者制度が残っているのはもちろん、選択的夫婦別姓すらできなくて、自由や自律も減ったくれもないでしょう(笑)。

 政府がやることは教育とセイフティーネットで多様な人々が自由に自律的に成長していける環境を整備することです。ところが自民党だけでなく言論の自由を認めないファシスト共産党まで、日本の政党は多様とか自由とか自律とか程遠い(笑)。与野党ともに時代遅れ
 そりゃあ、こうなります↓(笑)。北尾教授が言うように『持続的な経済成長には生産性を高め、生涯所得と生産力を増やす以外に道はない』のですから。


 新年最初 の外食は虎ノ門でした。
 銀座で映画を見た後イザベル・ユペールの新作「不思議の国のシドニ」でしたがサイテーでした(怒)。名優イザベル・ユペールを使って、良くこんな酷い映画を作れた、と感心した)(笑)、お正月でもやっている虎ノ門ヒルズへ行ったのです。

 と、言っても、以前から毎月通っていた自由が丘(現在 休業中)のイタリアンの姉妹店です。
 自由が丘の店は選りすぐりの材料を『料理命』のオーナーシェフが趣向を凝らす手の込んだ料理ですが、こちらは自由が丘と同じ材料を焚火焼きにして自家製の発酵調味料でシンプルに味付けする、というカウンター形式のお店です。


mosaicdesign.jp

 いつもどおり、最初は泡。銘柄も自由が丘とは違います。

 お通しは発酵野菜のスープを使ったポタージュ。カリフラワーだったかな。自由が丘はコンソメでした。

 こちらは自由が丘と同じ、特殊な(笑)農園の野菜を使ったバーニャカウダ
 普通 バーニャカウダのソースはアンチョビですが、こちらは肉を磨り潰したもの。ソースも美味しいですが、野菜自体が甘いのでソース無しでも全然OK。

 カジュアルな店ということもあって、オープンキッチンの中に居るのは殆ど20代ばかりです。それでも休業中の自由が丘の店に居たマネージャーに挨拶されたりして、初めて来たような気はしませんでした。

 こちらは軽い、ネッビオーロ。エレガントです。ボクはネッビオーロが一番好き。

 アナゴの炭火焼き。上には西洋わさびとすりおろしたチーズ。こういうシンプルなものは美味しいです。下には炭火焼きのレンコン。これもうまい。

 王様シイタケという巨大なシイタケの上にサルシッチャ(ソーセージです)を載せて焼いたもの。

 ここでワインはちょっと重くなって、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ

 じゃーん。メインはです。モモとロース、異なる部位を藁で燻しています。

 それがこうなります。題して『ジンギスカン』。
 美味しい野菜と異なる食感の羊。それにジンジャーと発酵調味料のソースがかかっています。滅茶苦茶うまいし、ヘルシー。

 勿論 甘いものは欠かせません(笑)。
 こちらはこの店風にアレンジしたババ。別添えのラム酒をかけて食べます。この店に限らず、ボクはババが大好きなんです。

 もう一つ、パンナコッタ
 杏仁が入っていたかもしれない。手作り感満載の味でした。

 お正月ということもあって、お客さんは渋い年配の人ばかりでした。さすが、良い客層を掴んでいるのでしょう。
 20席もない店に中国人の子供連れが二組来ていました。ジャージに下駄ばきみたいな恰好でしたから、虎ノ門ヒルズの超億ションにでも住んでいるのでしょうか(笑)。
 共産党の政治を嫌って中国人の富裕層が日本に続々と移住しているとは聞きますけど、現物は初めてみた(笑)。

 言うまでもなく、そういう人たちは大声でベラベラ喋ったりしません。マナーはちゃんとしているし、味も判っている。
 奥さんは日本人みたいで、子供が話している言葉は日中英チャンポンでした(笑)。きっと学費が毎年何百万円も掛かるインターナショナルスクールにでも行かせるのでしょう。ちなみにインターへ子供を行かせている知り合いに聞いたら、彼女の学校では成績上位は殆どが中国人の子供だそうです。
 うーん、美味しいものを食べていても、時代の趨勢から無関係でいることはできません。