特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

映画『女性の休日』

 東京でも紅葉を見かけるようになりました。これは渋谷区の神社。

 これはマンションの中庭。

 色が変わる葉っぱが心を慰めてくれるのですから、日本の四季には感謝しかない。それを感じる自分も動物なんだなと思います。
 地球温暖化で二季になってしまったら、我々の感性はどのように変わっていくのでしょうか。かなり味気ないものになってしまうに違いありません。


 N国の立花が捕まったのは良かったですが、そもそも遅すぎる。

 それにこいつらはどうなんでしょうか。

 先週 ニュースで朝3時から高市が会議を開いたって大きく扱われてましたけど、公共の電波で取り上げるような話でしょうか。ほんと、マスコミってくだらない。

 バカウヨは良く左翼マスコミが高市の足を引っ張っていると言ってるけど、むしろ逆でしょう。高市の早朝会議だって官邸がリークして朝3時から記者、カメラマンを官邸前に張りこませたわけでしょ(笑)。バカバカしい。日本のマスコミは権力者の阿諛追従ばかりです。

 そんなくだらないことにかまけて、今 起きていることに危機感を持てないというのが、理解できない。

 昨今の情勢を考えると、ボクも安全保障は考えなきゃいけないとは思うけど、肝心の大本がまるでダメなんだもん。莫大な税金使って武器を買っても無駄、無駄。


 と、いうことで高市とは種類が異なる女性たちのお話です。映画『女性の休日

 1975年6月 国連女性年に合わせて、アイスランド各地から集まった組合や市民団体、地域団体など約300人の女性たちによる会議が開かれた。男尊女卑の風習が蔓延っていたなかで女性の存在意義を示す方法を話し合った結果、10月24日に女性が一斉に仕事や家事を休むストライキを実施することが決まる。当日、首都レイキャビクの広場には当時の人口の10%にあたる2万5000人以上が集結し、アイスランド各地の20カ所以上で集会が開催された。国は機能不全になり、女性がいないと社会がまわらないことが証明され、その後、アイスランドは最もジェンダー平等が進んだ国となった
kinologue.com

 1975年10月24日、アイスランドの全女性の90%が仕事や家事を一斉に休んだ「女性の休日」を題材にしたドキュメンタリー。それまで男性優位社会だったアイスランドがこれをきっかけに変わり80年には世界で初の女性大統領が誕生、現在は世界で最もジェンダー平等が進んだ国と言われています。

 映画は当事者たちによるたのしげな証言と貴重なアーカイブ映像、カラフルなアニメーションを交えながら振り返ったもの。監督は、エミー賞受賞経験を持つアメリカ人監督パメラ・ホーガン。
 主題歌はおそらくアイスランド最大の有名人である歌手のビヨーク。裏は取れなかったんですが、ビヨークが映画に出資しているとも聞きました。

 ボクは知りませんでしたが、今年の8月にも「女たちがいなくなった日 “男女平等先進国”アイスランドの原点」というタイトルでNHKにて短尺版が放映されました。

www.web.nhk


 御多分にも漏れず、アイスランドは男性優位社会だったそうです。同じように水産加工品の工場で働いていても何故か女性の方が遥かに給料は安い。農家の組合には寡婦を除いて女性は入れない。家事・育児の分担は言わずもがなです。バイキング(海賊)の影響もあるのか(笑)。

 そんな社会の風潮に対し、60年代後半から高まってきた女性の権利拡大のための運動の影響でアイスランドの女性には不満、怒りが高まっていました。

 折しも1975年、国連の国際女性年。その夏 アイスランドでも女性の権利に関する会議が開かれることになり、保守的な団体から急進的な女性たちまでが集まって、女性の権利を拡充するにはどうしたらよいかが議論されました。

 左派の女性たちからは、女性たちが一斉に『ストライキ』をしたらどうか、という提案が出ます。しかし保守派は労働運動を思い起こさせる『ストライキ』という言葉に強烈なアレルギーを示します。話し合った結果『女性の休日』ということになりました。
 左派は不満でしたが、確かにこの言葉の方が敷居は低い。

 10月25日、当時はネットもスマホもありません。アイスランドにはラジオ局も一つしかない(笑)。

 そのような社会で女性たちはどうやって連帯し、ムーブメントを起こしていったのでしょうか。ごく少数ながら男性も参加していたことも忘れられません。

 人々は思想も立場も異なります。職業も職場も異なる。病院や介護など休みは取れないエッセンシャルワーカーだっています。

 女性たちは議論を重ね、一歩一歩仲間たちを増やし、職場(主に男)を説得していきます。例えば新聞社ではストライキの日は休みにするが翌日(深夜)に『女性の休日』特集を発行する、ということで話が付きました(笑)。

 結果として、女性たちの90%以上がストライキに参加します。銀行も郵便も電車も工場も学校もストップアイスランドの社会は文字通り麻痺状態になります。

 この1日の出来事で国は機能不全となり、女性がいないと社会が回らないことが証明されました。

 その後、アイスランドは1980年に世界初の民主的選挙による女性大統領が誕生し、15年連続でジェンダーギャップ指数1位(2024年現在、世界経済フォーラム発表。日本は118位)を維持しています。

 これは今年の10月25日の光景です。毎年『女性の休日』を記念して、集会が行われています。

 このような変革を起こせたのは人口が100万もいない小さな国だから、というのはあるかもしれません。映画の中で女性の休日を体験した女性たちは『やるかやらないか』と言ってました。ストライキをやるかやらないか、だけでなく、意見を言うか言わないか、行動するかしないか、そういうことなんだと思います。ある意味 仕事と一緒です。

 その後 アイスランドは2008年のリーマンショック金融危機に陥ります。原因は過剰融資に走った金融機関の経営陣が男ばかりだったからではないか、との反省が生まれました。当時の経営陣は責任をとらされ牢屋行(笑)、その後 女性経営者・役員が大幅に増えて経済は復活した
 アイスランドが『女性の休日』を経たと言えどもビジネスはまだ、男社会だった。

 世の中の変革は時間がかかるものです。制度だけでなく、人々の気持ち・意識が変わらなければだめだからです。国や地方の制度と個人の意識は車の両輪。政治家や政党に任せきりではなく、何事も自分事としてやり続けなければいけないのでしょう。これは先週の出来事。


news.yahoo.co.jp

 上映時間は約70分とコンパクトですが、ユニークかつ勉強になる、面白いドキュメンタリーでした。


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