特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

2025年映画ベスト10

 寒くなりました。いよいよ、歳の瀬です。
 今年は仕事納めが例年より早かったので、これから本格的な年末がやってくるという感じです。

  日刊ゲンダイはこんなベスト10の特集をやってるんですね。題して『今年のバカ』(笑)。

 内容は異論ありませんけど、問題はこの記事に出てる連中より、国民じゃないか、と思うんですよね。

 この国の人たちはいつも、威勢だけは良い政治家に騙されて、自分で自分のクビを締めているように見えるんです。
 派遣の規制緩和で雇用を不安定にし緊縮財政で景気を悪くした小泉ブームアベノミクスで日本を貧しくした安倍の長期政権たった1か月で円を10円も暴落させた高市、ずっと同じことの繰り返しです。
 もうちょっと下等なランクで言えば、山本太郎に維新、N国党から参政党まで、これまたどれも似たような詐欺師連中です。ひと昔前だったら、オウム真理教のように世の中からはまともに相手にされない、まして国会に議席を持つなんてありえなかった筈です。

 それを助長する、なんでもいいから売らんかなのマスコミも太平洋戦争の時と変わらない

 映画『ネタニヤフ調書』を見たときはネタニヤフの極悪非道ぶりに呆れたのですが、程度の差はあるにしろ、日本も似たようなものだった。 

 じゃ、どうしたら良いか、というと、少なくとも、この西日本新聞の社説が言ってることはその通りだと思います



www.nishinippon.co.jp

 今の世の中はあまりにも複雑になり過ぎて、簡単な即効薬なんかない。世の中がうまくいかないのを金持ちのせいにしても、大企業のせいにしても、アメリカのせいにしても、外国人のせいにしても、問題は解決しない。我々国民もそこから利益を得ているからです。

 ポイントは今までのツケが溜まっている日本に即効薬なんかない、ってことに我々が耐えられるか。そういう知的体力が問題だと思うんです。
 誰もが不満が溜まっている。そこに付け込んで詐欺師のような連中が『手取りがどう』、『外国人がどう』、『消費税がどう』と言ったワンフレーズのキャッチコピーを連発して利益や権力を得ようとする。YouTuberのような連中なんかもろにカネ、ですからね。
 今や与野党&マスコミ揃って『痴的体力』を競っているように見えます(笑)。

 映画の中にしかスーパーヒーローはいないのだから、我々がもう少し落ち着いて物事を考えられるようにならない限り、世の中は良くならないでしょう。


 今年の更新も今回で最後です。
 いつもいつも、勝手なことばかり言っているブログを読んでいただいた方々には御礼申し上げます。感謝しております。

 2025年もあっという間の1年でしたが、私生活も社会の動きもそれほど良いことはなかった(笑)。
 ただ、今年も何とか無事で過ごせたことだけは良かったし、感謝したいです。とにかく来年はもっと楽しい年にしたいです。
 2025年は皆さん、どんな1年でしたか。どうか、良いお年をお迎えください。


 と、いうことで、最後に今年の映画ベスト10です。
 全米1位になった『鬼滅の刃』や国内1位の『国宝』は出てきません(笑)。特に歌舞伎は子供の時にさんざん見せられたので嫌いなんです(笑)。

 でも、今年の映画を振り返ってみると例年にも増して充実していました。
 前半に『教皇選挙』や『アノーラ』を見たときに、こんなすごい映画を見ていいのかと思いましたが、後半も『スーパーマン』を始めとして強烈な作品が目白押しでした。本物の囚人が劇中劇を演じた『シン・シン』や映像美の『パルテノペ』も忘れ難い。
 今年のベスト10はドキュメンタリーだけでなく劇映画からアニメまで、殆どの映画がパレスチナ問題に関連するものになりました。今もこんな酷いことが起きているのですから、そうなります。

 10.スプリングスティーン 孤独のハイウェイ(11月)
 自分自身を自分という牢獄の檻に閉じ込めてしまったロックスターの実話。あまりにも切実でボクには他人事とは思えなかったです。スプリングスティーンを演じたジェレミー・アレン・ホワイトは名演でした。今年のゴールデン・グローブ賞で主演男優賞にノミネート、まだ主要賞の候補は発表されていないアカデミー賞では既に音響賞にノミネートされています。

 9.フォーチュン・クッキー(7月)
 アフガン難民の孤独な主人公を実際の難民の人が演じています。この映画もジェレミー・アレン・ホワイトの表情が素晴らしい。

 8.ハウス・オブ・ダイナマイト(10月)
 アメリカに核が着弾するまでの17分間を様々な視点から描いたネットフリックス作品。女性で唯一アカデミー監督賞を受賞したキャスリン・ビグロー監督の演出の勝利。核の脅威に直面している我々の日常がいかに脆いものかを知らしめてくれます。

7.教皇選挙(3月)
 これもトランプ時代を象徴する映画です。カソリックの中での差別主義者・保守派とリベラル派の候補の暗闘を描きます。練りに練ったプロットも見事だし、レイフ・ファインズの苦み走った表情が実にいいです。エンタメとしても超一級。とにかく面白いです。

6.パディントン3(5月)、ズートピア2(12月)
 どちらも移民や難民、人種差別、歴史修正主義をテーマにした動物アニメ。楽しくて面白いだけでなく、本気で感動する。エンタメとしてこういう作品を作れるんだから、大したものです。どちらも殆ど欠点がないくらいの完成度です。

5.罪人たち(6月)
 これも今度のアカデミー候補作に挙げられています。ホラー+社会派+ミュージカルというユニークな作品。
 圧倒的なアートでもあり、エンタメでもあり、人種差別の悪辣さを告発する映画でもあります。ゾンビよりKKKの方が遥かに恐ろしい。日本では小規模館でしか上映されませんでしたが、大ヒットしたアメリカのようにIMAXで見たら全然違うと思う。

4.ノー・アザー・ランド(2月)、手に魂を込め、歩いてみれば(12月)
 どちらもパレスチナをテーマにしたドキュメンタリー。前者がヨルダン川西岸、後者がガザが舞台です。酷い話ですが、それだけではない。どちらもめちゃめちゃ映像に力がある。
 前者は今年のアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した後に監督がイスラエルに暴行を受け、後者は主人公の女性が家族もろともイスラエル軍に殺されました。

3.アノーラ(3月)
 今年のアカデミー賞を総なめにした作品。いつものショーン・ベイカー監督らしく、弱者に対する共感と愛情が詰まった映画です。わんわん泣きましたけど、見終わったあと心が温かくなりました。

2.ワン・バトル・アフター・アナザー(10月)
 元過激派(実在したグループ、ウェザーマン)の中年男が、娘を狙う極右武装警官と戦うお話。コメディです(笑)。
 ディカプリオのダメ男っぷりはいよいよ板についてきたし、実生活では超リベラルなショーン・ペンが楽しそうに演じる極右警官のバカっぷりも徹底しています。で、最後に若い世代に希望を託したところは本当に感動しました。
 演技だけでなく、斬新なアクションも脚本も演出も最高です。作品の質だけだったら間違いなくアカデミー作品賞、監督賞です。

1.スーパーマン(7月)
 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督はいつも弱者と動物の味方。今作もそういう映画です。
 この映画ではスーパーマンは無敵ではありません。でも 人間を愛する無垢な精神だけは折れることはありません。
 どう見てもイスラエル軍にしか見えない軍隊が、どう見てもパレスチナ難民にしか見えない人たちを襲うところにスーパーヒーローたちが駆け付けます
 犬も大活躍します。犬映画は必ず見に行くボクですが、これだけ犬が活躍する映画を見たのは初めてかもしれません。
 どう見てもイーロン・マスクにしか見えない悪役のニコラス・ホルト君も素晴らしかった。
 今 世の中に必要なことって何なのか。監督の熱い思いに溢れた映画です。ありがとう!』と言いたいです。