特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『敢えて希望を考える』と『松茸より香茸』

 昨日のアメリカ大統領選挙の結果 ボクにはぞっとする結果でした。
 激戦州ペンシルバニアの結果が出た6日の夜はさすがに気持ちが悪くなったし、夜もあまり眠れなかった。

 大統領選の予測を外すことでは定評がある?リベラルな映画監督のマイケル・ムーアが前日に『(ハリス支持の)A TSUNAMI OF WOMANが起きる』A TSUNAMI OF WOMEN. - Michael Mooreとか言ってたから、嫌な予感はしていたんです(笑)。

 アメリカも大阪だったのか(嘆息)。

 いずれにしてもアメリカは嘘つきのレイプ犯を大統領に選んだわけです。

 米大統領選は日本の総理大臣より影響は大きいですからね。

 ハリスの敗因分析はこれから出てくるでしょうけど、NYタイムスは『バイデンの撤退タイミングが遅かったからだ』と言っています。


https://news.yahoo.co.jp/articles/d40854aeb4adf4e7f33172eb7a5e4e00cc55c544

 今回は女性蔑視傾向が強いヒスパニックが多くトランプに入れたという話もあります↓。

 原因は一つではないから、マジレスするとこういうこと↓なんでしょう。今のアメリカの景気は悪くないし株価も堅調だけれど、インフレによる暮らしへの影響がマイナスに響いたのが最も大きいとボクは思っています。

 過去の大統領選は全て、景気が悪いと現職は再選されていません。と、言っても今回のインフレの原因の一つであるコロナ給付金を配っていなかったら、貧困層は大変なことになっていました。バイデンを一概には責められない。問題は暮らし向きが悪くなった中低所得層です。

 NBC出口調査を基にしたこの考察は納得がいきました。『人種や性別、年齢による支持率の差は年を経るにつれ減っており、今回は人種や年齢を問わずインフレに苦しんだ層が少なからずトランプに投票した』と。

 キーは最貧困層でなく中低所得者と、いうのは言いえて妙かもしれません。日本も含め全ての先進国で中産階級の崩壊という同じ現象が起きている。


 民主党はあまり判っていないのかもしれません。

 左右にかかわらず自分が正しい、と思っている政治家はまずい。今の世の中 100%正しいなんて理屈はありえない。 


 バーニー・サンダースが端的にこういってます。
労働者階級の人々を見捨てた民主党が、労働者階級からも見捨てられたことに気付くのは、さほど驚くべきことではない。 最初は白人労働者を見捨てて、次はラテン系労働者と黒人労働者も見捨てた。民主党指導部が現状維持を擁護する一方で、アメリカ国民は怒り、変化を求めている。 そして彼らは正しい。

 しかし、トランプが勝っても庶民の暮らしは悪くなるだけです。
 一時的には株は上がっても、金持ち減税で格差は拡大、インフレも更に進む。関税なんかかけたら物価はさらに上がり、人々の暮らし向きは苦しくなる。ウォルマートで売ってるものは半分以上中国かメキシコ産じゃないの(笑)?

 ハリスが勝っても、鉄鋼や石炭などアメリカの衰退産業の労働者を救うことはできないでしょう。物理的にムリ。

 結局 トランプは移民、有色人種、女性に陰謀論で責任転嫁して不満をそらすことになる。きれいごと、理想論が通用しない4年間です。長いよ。

 アメリカに住んでいるアジア系や性的マイノリティが心配するのは無理もない。

 また外交面でもEUが危惧しているようにウクライナだけでなく、将来的にリトアニアグルジアへ戦火が広がる可能性はあるし、

 アメリカがアジアから手を引くと、台湾危機が発生するリスクも上がります。実際に軍事力行使がなくても、シーレーンに影響があるだけで日本の損害は莫大です。

 日本でもデマや差別を唱える奴が勢いづくだろうなあ。これで世界の終わりというわけではありませんけど、こういう気持ちになることも確かです。


 いずれにしても、デマやヘイトにも関わらずトランプに投票する奴が大勢いるのは現実だし、日本だって自民党統一教会・裏金議員だけでなく、『(デマやヘイトの)れいわや参政党』や『(現実無視の)限界左翼(社共)』に投票する奴がいるのもまた、現実です。どれも脳みそのレベルは一緒です。


 
 トランプやれいわ・参政党に投票するような奴は救いようがないバカだけど、そういうバカが大勢いるという現実を直視しない限り、何も変えられない。  

 結局はマーケティングの問題かもしれません。マーケティングというと拝金主義に聞こえるかもしれないが、人の好み・意見を聞いて、説得したり調整していくという点ではまさに政治そのものです。

 中心となるテーマは崩壊する中間層をどうするか、格差をどうするか。その大きな原因はグローバリゼーションと金融の自由化です。
 特に日本は農業や小売店やマスコミなど一部の規制産業を除いて、グローバリゼーションで得をしてきた国ですから問題は大きい。

 トランプのように関税をかけたり、一部のアホ左翼のようにTPP反対と言っても消費者の利益を損ね、皆が貧乏になるだけです。
 例えば、食糧自給とか言って平均年齢70歳の農業を保護したって何の役にもたたない(笑)。今の中小農家と農協主体の農業を全部潰して企業にするくらいのことをしないとどうにもならない。商店街も一緒です。

 国内でも国際的にも、これからの共存共栄の道はどうしたらよいのか。再分配だけでもだめ、保護だけでもだめ、かといって新自由主義は地獄。落としどころはどこにあるのか(ボクは北欧方式=経済は市場主義、政治は重税重福祉と思っています)。

 下に挙げたガーディアン紙の編集長が言っているように『(トランプや山本太郎のような)ポピュリストが振りまくデマやヘイトと戦いながら、これからの社会はどうあるべきかを考えていくこと』が、一人一人がやるべきことでしょう。
 我々は歩むことをやめない。そのこと自体が希望になると思います。


 また、料亭 菊乃井の元料理長がやっている近所の和食屋へ行ってきました。

 最初はシャンパンです。もともと弱いお酒が最近は一段と弱くなったのですが、最初のこれだけは美味しいなあ、と思います。

 クルミ豆腐、上には出汁ゼリー、銀杏とデラウェアが乗り、菊の花があしらってあります。

 カウンターには今日 店で使う松茸様が鎮座しています。岩手産だそう。

 八寸
 モミジは今年初めて見たかも(笑)。奥の方から酒盗、いくらの醤油漬け、栗カボチャ、栗、サツマイモの甘露煮、鯖寿司、パプリカ酢漬け、シャインマスカットのワイン煮。

 

 ここで次の料理のために日本酒にスイッチ(最初で最後)。この酒蔵は季節によって味が違うって言ってましたけど、ボクには判りません(笑)。

 お造り
 中央下から左回りに梅ゼリーが載ったアジ、メジマグロ+黄身醤油、黒ムツ+べったら漬け、カラスミを振りかけたアマダイ、炙りメジマグロ+煎り酒のゼリー、真ん中には洋ナシのワイン煮。

 松茸のお椀
 この日は松茸が異様にでかかったです。傘の部分と軸の部分が両方入っています。下には海老芋とモロッコインゲン。

 お凌ぎ
 繊維がやたらと太い屋久島の天然もずくと黒豆。ボクは飲めないから、お凌ぎとか関係ないんですけどね(笑)。

 自家製の鰆の粕漬
 身が厚いです。右はイチジク味噌、左は水菜と菊の花のお浸し。

 カマスの炭火焼
 脂が乗っていてホクホクです。下には香茸を磨り潰したソース。
 希少価値の香茸ですが、松茸をとる人がついでに見つけたものだそうです。採れたものを全部仕入れたそうですが、ペーストにしてしまうのだから贅沢だなーと思いました。殆ど、ポルチーニ茸みたいな香りは素晴らしかった。
 付け合わせは山椒を載せた切干大根。他のテーブルには味噌漬けにした和牛のローストが出ますが、ボクはもう顔を覚えてもらったので魚にしてもらっています。脂まみれの霜降り肉なんか食べたくない。

 土鍋炊き立ての松茸と栗と銀杏ご飯
 秋のオールスターです。これにも山ほど松茸が入っています。

 左は香茸のすり流し。中には赤みそで下味がついています。松茸より、香茸のほうが香りもあるし美味しい。

 最後はお決まりのわらび餅。いつも同じなので、これは飽きた(笑)。

 この日は我々の右側の席が中国の人、左側がアメリカ人。住宅街のこんな小さな店でも最近はこんな感じです。慣れているはずの中国人が箸をおっかなびっくり使っているのがおかしかった。

 歩いて行ける範囲でまともな和食が食べられるのはありがたいです。お腹いっぱいで帰宅しました。
 もともとボクはお酒は飲めないのですが、最近は飲める量だけでなく、食べる量まで本当に減ってきました。こうやって生命力は減衰していくのでしょうか。

 家に帰ると虫の声が高らかに響いていました。秋も深まってくると虫の声も変わってきた。もうすぐ今年の秋もフィナーレ、でしょうか。