今週になって東京の朝もめっきり寒くなりました。ボクが家を出る夜明け前、気温は2度とか3度です(泣)。出勤途中に見える富士山は上ったばかりの朝陽で赤く染まっています。
月曜日放送のドラマ、『エルピス』第7話も快調な展開でした。
このあとエルピス第7話です!
— 長澤まさみ主演『エルピス』第7話12月5日月曜よる10時放送! (@elpis_ktv) 2022年12月5日
サッカーの前にぜひ!!#エルピス pic.twitter.com/1g0PMb2xm0
前半 劇中で定年目前の裁判官が冤罪疑惑の事件の再調査を命じたのも現実そのままです。実際 原発の運転差し止めを命じる判決を出すのは定年目前の裁判官ばかりです。浅川(長澤まさみ)が言っていた『組織は一枚岩じゃない』はまさにその通り。組織の中でも良心が残っている人もいる。
●これはボクは裏を取ってませんが、あり得ないわけではない。
麻生太郎の出身地、飯塚市で起きた女児2名殺害の「飯塚事件」がモチーフか。刑が確定してから約2年という異例の早さでの死刑執行。麻生総理就任1か月後に。
— Magnolia (@Magnoli61376106) 2022年11月28日
頑張れ関テレ。#エルピス
ただ、個人の良心だけに希望を託すのは期待しすぎ、でしょう。組織の中でレジスタンスはできる。でなければ個人の存在意義はない。
だけどシステム、構造の力は大きい。劇中 浅川が怒っていたように『酒を飲んで愚痴っている奴なんか相手にしている暇はない』。愚痴ったり反対するのはバカでもできる。『構造を変えるにはどうしたらよいか』に頭を使わなければ、物事は何も変わらない。
「組織が一度でも罪を犯していると、
— ウィンストン・レノン (@rs7dGpuJgZU6Vgr) 2022年12月5日
ダメなんですよねぇ。
抜けない毒針みたいなもんですよ。
時間をかけて全身に毒が回って。
気がつけば再起不能。
自滅への一本道ですよ」
「毒の回った頭で走り続ける。
死に損ないですよ」
なんて秀逸な台詞。震えた。
エルピス面白い。#エルピス pic.twitter.com/5KWXGRSJeJ
個人の良心から全ては始まるのでしょうけど、それだけに希望を託せるくらいなら日本の社会はもうちょっとマシなものになっている筈です。
それにしても長澤まさみが泣き怒りながら、真栄田ゴードンに食って掛かるシーンは良かった。名演じゃないですか。見ている側も当惑するだけでなく、ドキドキしました。
今週 最も良かったのは大友良英の音楽。今までの放送で流れていたのは触りだけで、お話と同様に音楽も全貌が見え始めてきた。今まで声にエフェクトがかかって誰が歌っているかわからなかった主題歌も段々生歌が聞こえてきて、長澤まさみも歌っていることが判るようになりました。
今回で全10話のうちの7回目、お話の真実がどんどん明らかになってくるのと音楽もシンクロしています。いよいよ盛り上がってきました。
今週、シンガポールから帰ってきたばかりの人に話を聞いたんです。
シンガポールはずっと同一政党の政権が続いている国です。政治家の汚職が世界で最も少ない国の一つでもあります。国民が何か犯罪を犯した場合の罰則は厳しく、麻薬は死刑、など死刑の人口当たりの実行率は世界でも指折りの高さだそうです。『明るい北朝鮮』と言われる統制の厳しさで知られています。
経済面では一人当たりGDPは約6万ドル(日本の1.5倍以上)、とアジアで最も裕福な国です。
だから給料は高いそうです。現地雇用は事務でも年棒1000万以上、更に人々は気に入った職があれば次々と会社を移ってキャリアアップしていく。
その一方でシンガポールは外国からの労働者を積極的に受け入れていることでも知られています。雇用者全体に占める外国人の割合は4割近くで、製造業で5割、建設業で7割強、家事労働(メイド)に至っては10割。全人口569万人のうち外国人の割合も38%(216万人)と、世界的にみて高水準(2020年9月時点)。なお、外国人のうち永住権保持者は人口の9%(52万人)、永住権非保持者は29%(164万人)選別色強まるシンガポールの外国人労働者受入策|日本総研。
外国人労働者を積極的に受け入れ低賃金労働で使い捨てている、とも言える。それが出来るのもカネがあるからです。
税金は安い。所得税は累進課税だけど税率は日本の約半分だし、贈与税や相続税はタダ。だから資本が集まってくる。経済が成長しているから給料も増えるし、雇用も増える。
一方 物価は高い。例えば卵は今 ワンパック700円以上するそうです。日本の3倍以上です。
シンガポールはもしかしたら新自由主義の数少ない成功例?なのかもしれません。外国人労働者への人権侵害や社会的格差(19年のジニ係数は再配分後で0.4、日本は0.33)の問題はあるにしても、一人当たりのGDPは日本の1.5倍、という現実がある。
ボク自身は新自由主義が良いとは思わないし、シンガポールはかなり問題がある社会だと思います。しかし、シンガポールが日本を追いかけ追い抜き、今や一人当たりGDPが1.5倍にまで差をつけられてしまったことを無視することは出来ない。
シンガポールの統制の厳しさは国民の間で案外 支持されているそうです。政府が貧困層にパソコンを無料配布するなど格差対策も少しずつ充実させているし、国民が豊かになるため、という政策の筋は一応 通っているからです。シンガポールのような小国はいつなくなるかわからない、という危機感が国民の間で共有されているのは大きいのかもしれません。
シンガポールと日本の差は政治家の能力だけでなく、国民の能力の差のように思えます。消費税が導入されているシンガポールでは勿論 中小零細企業も含めて全面的にインボイスが使われていますが、日本のようにインボイス反対など声が大きい連中のゴネ得は考えられないでしょう。たった一人のクレーマーのために公園を廃止するなんてありえない(事情はあるのかもしれませんが)。シンガポールの政府には国民の長期的利益のためには大衆に迎合しない知性と胆力があるし、国民もそれを理解している。
以前 シンガポールの首相が『日本に学べ』(ルック・イースト)というスローガンを出していましたが、今や日本がシンガポールに学ぶべき点は大きいでしょう。
2020年代は右派であれ左派であれ時代遅れなイデオロギーが凋落していく時間。社会システムの変化についていけず極度に観念化したイデオロギーを線香花火の最期の火花のように輝かせているだけ。とはいえ左右の対立がなくなったわけではない。いま必要なのはシステムの変化に対応した新たな対立フレーム https://t.co/jpRRrAHEIX
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2022年12月6日
さて、統一教会の救済法案、まだまだ不足はあるにしても法律が通っただけでも前進じゃないですか。確かに難しい話で、与党の言う通りマインドコントロールの定義なんか出来ない、というのも一理ある。今まで国民的な議論をしていなかったのだから僅か2か月で社会的なコンセンサスを作れるはずがない。大事なのは一歩でも前へ進むことです。
わたしは中村敦夫さんが救済法案について「お粗末過ぎる」と憤懣やるかたない気持ちになることは理解できますし、一方で野党が粘って一歩でも法案を改善しようとした努力も理解できます。これまで長年にわたって、政治と行政が被害を放置してきたのは、明白な事実だからです。https://t.co/CbAU6Q5rzs
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) 2022年12月9日
自民公明の議席を減らさなければ、実効性のある法律はできないかもしれませんが、今後 国会で結果を検証する、という足がかりもできた。法律がないよりマシです。法案に反対した共産とれいわはやはり現実への対処能力を欠いている。
●頭の悪い野党支持者が野党の足を引っ張っている、という良記事(前後編)。消費税なんかに拘っているから野党は勝てないんです。
president.jp
今 日本の政府は防衛費を増やす、増税だ、と言ってます。本当に必要なら増やせば良いけれど、現在でも日本の防衛費は軍事大国のロシア並みなのに、それで何故足りないのでしょうか。
当初 岸田も『GDP比2%という枠ありきではない、何が必要なのか精査しなくては』と言っていました。まず、そこのところの議論から始めないと幾ら防衛費を増やしても有効な物にはならないでしょう。
まず、日本の実態はこういうこと↓ですよね(笑)。
子育て支援が不十分なまま防衛費を増額?
— 青野慶久/aono@cybozu (@aono) 2022年12月7日
昨年の東京都の合計特殊出生率は1.08で5年連続低下中。他国に攻められる前に国が滅びそうですね。
【速報】防衛費増額の財源 一部は増税で 与党幹部が合意(TBS NEWS DIG Powered by JNN)https://t.co/6L5WjoRFBH
人口小国日本。防衛費の増加と子育て支援とどちらの優先順位が高いのか。守るべき国が消失してしまえば、国防もへったくれもないだろう。
— 上野千鶴子 (@ueno_wan) 2022年12月7日
木曜の朝刊、日経のスクープがありました。日本が反撃能力を持つという話、やはり、アメリカが掲げる「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」に入るのが理由、のようです。スクープというか、リークして政府は世論を見てるんでしょう。
『アメリカが持っていない,、中国に届く中距離ミサイルを日本が代わりに配備しろ』ということですね。日本が単独で敵基地を攻撃できるミサイルなんか持っても意味がないことくらい政府も役人も判っているはずだから、おかしいと思ってました。賛否は別にして、アメリカと一体化するのなら理屈は判る。
良く言えば、アメリカと一体になることで抑止力は高まるでしょう。抑止力は平和を保つためでもある。悪く考えれば、日本がアメリカの戦争に巻き込まれるリスクは更に増える。
ミサイルを配備しようがしまいが、中国とアメリカが衝突すれば日本にも必ず弾が飛んできます。それ以上に台湾有事が起きたら日本が何もしなくても、恐らく基地には弾が飛んでくる。サイバー攻撃もあるでしょう。
リスクは同じなら、ミサイル網をアメリカと一体化すれば抑止力が高まるだけマシなのかもしれません。日本が単体で攻撃ミサイルを持ったら暴発して先制攻撃に走るリスクはありますが、アメリカと一体だったらアメリカが日本の暴発を止めてくれるんじゃないですか(笑)。
現在進行形で行われているウクライナの戦争を見てもなお、自分たちが攻め込まれる可能性を一切考えずに、自分たちが攻め込む可能性だけを懸念する。この手の訴えはもう通用しなくなってるのでしょうね。 https://t.co/c44UwBu3iU
— JSF (@rockfish31) 2022年12月8日
台湾への武力侵攻があったとして、アメリカは台湾を見捨てる可能性もあるでしょう。でも今だったら台湾の半導体産業を確保するため、またアジアの物流のハブになっている高雄(横浜、川崎、など日本の大港湾を合わせた以上の物流量になっているそうです)を守るために、武力を使って台湾を守ろうとする可能性もかなり高い。現にアメリカの上院では台湾を同盟国扱いにする法律が通りました。
アメリカが台湾を見捨てるかどうかは、その時々の情勢次第でしょう。今から決めつけることはできない。
問題なのはミサイル配備の是非ではありません。日本がアメリカの「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」に参加するかどうかです。それならそれで、ちゃんと議論をすればいいと思うんです。
政府が目的や全体構想を説明しないのはおかしいし、野党も反対するだけでなく、この点を追求しないのもおかしい。このままでは国民は腑に落ちないまま、いつの間にか莫大な金を使ってミサイルが配備されることになる。
日本の大きな問題の一つはこれ、だと思います。右左問わず、まともな議論ができない。しようともしない。
その癖、サッカーやオリンピック、甲子園みたいなくだらないことにうつつを抜かす。
たまに政治の話をしても消費税みたいなくだらないことばかり話題にしているから、もっと大事なことがお留守になる。ミサイルの配備だって、はるか前から判っていた話です。与党だけでなく、野党もマスコミも無能です。
税込み20円のもやしの消費税を廃止しても2円下がるだけだが、円安インフレでもやしの値段があがると30円とかになるんだが。
— まる💙💛 (@marseille1945) 2022年12月6日
目先の消費税減税・廃止につられて、札刷れしか言わない変な政治家を増やすと大変なことになるかもよ。 https://t.co/1ROfOooiHH
やはり、日本人に自治能力はない、アメリカの51番目の州に入ったほうがマシかもしれません。
ジョンレノンが撃たれた1980年12月8日まさにその夜やってたフットボールの実況で
— ロックンロール備忘録 (@Applepopz) 2022年12月8日
「勝とうが負けようがこんなのただのフットボールです。こんな悲しいニュースの後実況に戻るなんてとてもできません。例えそれが私の仕事だとしても」
とアナウンサーが完全に仕事放棄してるの事の重大さを物語ってるな pic.twitter.com/vwnCkIbw39