特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

8月15日と月明かりの海(夏休み旅行記1)

 早くもお盆休みは後半、というか、あと僅かです(泣)。

 今日は敗戦記念日。テレビでは色々な特集がやっていましたが、今年は昨晩放送されたNNNドキュメント侵略リピート』が一番心に残りました。


www.ntv.co.jp

 今もロシアのウクライナへの侵略が続いていることを挙げながら、先の侵略戦争に参加した人の様々な証言を綴ったものです。
 沖縄戦に参加した兵士(上の写真。彼は手製爆弾を持って戦車に特攻を強要されたことを思い出して泣いています)、中国で日本兵が犯した犯罪(性犯罪含む)や満州で日本人がロシア兵や現地の人に受けた暴行(性犯罪含む)などの話は心を動かされました。

 特に満州の開拓団の話。終戦後 満州の開拓団は満州人から襲撃を受けました。それを防ぐためにソ連軍の庇護を求めて、開拓団の18歳以上の未婚女性はソ連兵への性接待に駆り出されたそうです。極限の状況で女性は傷つきながらも、自分たちが満州人の土地を奪っていたからこそ襲撃を受けていることに気が付きます。彼女はこんな詩を残しました。『王道楽土の夢を見て、過ごした日々が恥ずかしい

 一方 現実を見ず、想像でモノを言っている人間は左右を問わず、空理空論に陥りがちです。
 以前 想田和弘ウクライナ侵略に対して『ウクライナはさっさとロシアに降伏した方が犠牲は少ない』と寝言を言って、多くの人のひんしゅくを買いましたが、まだ同じことを言っている。ロシアの虐殺や拷問、強制連行に対して非暴力でどうやって抵抗すればいいのか。こんなバカのインタビューを載せた朝日も含めて本当にアホだと思います。

 次は『マスクは気休め』だそうです。頭にウィルスが回ってしまったらしい。

 現実を無視して、空理空論に陥るのはバカウヨでもリベラルでも違いはありません。やはり、戦争の実態を知るには実際に体験した人、体験している人の話を謙虚に聞くしかない、と思いました。せめて8月15日はそういう日にしたいです。

 一方 政治の方では内閣改造が行われたみたいですが、IT企業サイボーズの青野社長が嘆いている通りですね。

 相変わらず、『この国の政治には謙虚さもなければ、やる気もない』ということなのでしょう。

 日本は相変わらず堕ち続けています。先進国を一人当たりGDP購買力平価)で分類すると、既に日本はスロベニアチェコポーランドなどの第3グループにまで落ち込んでいます。
 これがこの10年の政治の帰結です。この国はそれを更に続けようとしている。

 老い先短いボクは諦めもつきますが、自然災害や不運といった不可抗力ではなく、国民や政治家がアホな故に社会がどんどん貧しくなっていくのですから、どうにもやり切れません。というか、マヌケな話です(笑)。


 と、いうことで、お盆休みは2泊3日で旅行へ行ってきました。
 感染がこれだけ広がっていると、流石にどうすべきか迷いました。が、随分前から宿を予約していたし、元々人ごみは大嫌いなので観光地には近寄りません。都市部の電車や新幹線など、移動に気をつければ大丈夫だろう、と判断しました。

 おっかなびっくり新幹線で辿り着いた名古屋から近鉄の特急、伊勢志摩方面に向かう特急『しまかぜ』に初めて乗ってみました。

 皮張りのシートも広いし、定員が少ないのが良い(笑)。

 着いたのは賢島です。以前サミットが行われた風光明媚なところですが、ハイシーズンのお盆なのに人がいない。寂れています。そういうところは好き(笑)。

 まず、港へ降りて行って、

 道端の店、その名も『なかよし水産』で地元の海産物のバーベキュー。
 お客さんは観光客だけでなく、地元の人が昼間からカウンターで酔っ払っている。店主は地元の名物おじさんらしいですが、ベタな関西ギャグを飛ばしながらも親切で、非常に良い人でした。

 この蒸し雲丹は甘くて滅茶滅茶美味しかった。


 
 本当は的矢の牡蠣も食べたかったのですが、旅の初日なのでリスクを考え、自制しました。


 あとは宿へ行って、お籠りするだけです。これは宿のホームページから。

 8部屋しかない小さな宿なので、他の客とは殆ど会わなかった。

 いつも通り、ベランダでシャンパンを飲みながら、本を読んでるだけ~。

 フランスなどと違い、ひたすら不毛だった日本の学生運動を描いた本↓を100ページくらい読んだら、陽が西に傾きました。

 このホテルに限らず、今回の旅行の食事は全て個室です。感染怖い。

 やっぱりシャンパンがないと何事も?始まりません。この宿はグラスにガバガバ、注いできます(笑)。

 この日の食材のプレゼンテーション。もちろん、こんなに一杯出てくるわけではありません(笑)。

 最初は海老と冷たいカッペリーニ
 夏はイセエビが禁漁なのでオマール海老だそうです。ニューファンドランドだかカナダだか知りませんが、別に外国のエビを伊勢志摩で食べなくても良いですよね。美味しかったですが(笑)

 今 ヨーロッパで鳥インフルエンザが起きているそうで、フォワグラや生ハムが輸入禁止になっています。
 フォワグラの替わりということでリード・ヴォー&水茄子。大好きですが、別に伊勢志摩でフランスの仔牛を食べなくても良いですよね。美味しかったですが(笑)。

 これは地元の金目鯛。これはふっくらとした身が美味しかった。白ワインのソースです。赤い筒状のものは詰め物をした万願寺唐辛子。万願寺は熟成させると赤くなるそうで、今回の旅行では何度も出てきました。

 時間が経つにつれ、空の青さがどんどん濃くなってきます。空の色は東京より遥かに美しい。

 地元の鮑をシャンパンでマリネしたと言ってました。もちろん肝のソースです。全部舐めた(笑)。横にはアオリイカイカ墨で作った網がかかっています。美味しいなあ。

 ちなみに、このホテルの近所にある『華麗なる一族』で有名な某ホテルは鮑のステーキが名物ですが、あちらは肝を外してありました。鮑を大根おろしの汁に着けて柔らかくした、60年くらい前から有名な料理ですが、何年か前に食べて『肝を使ってないなんて、アホじゃないか』と思いました↓。

 

 松坂牛。オーストラリアの冬トリュフも良かったし、味付けはとても美味しかったのですが、脂がきつくて肉は半分も食べられなかった。
 

 地元ですから松坂肉が出てくるのは仕方ありません。事前に『脂がきつくない部位にしてくれ』とは言ったのですが、サシが想像以上にひどかった↓。口に含むと脂まみれの肉汁が出て、その後の肉は出し殻みたい。『こんなまずい肉、良く食えるな』と思いました。

 ただし肉と一緒に出てきた、松坂肉で取ったというコンソメは超美味しかった!

 そのあと、モズクご飯を一口。

 甘夏とピスタチオのアイス。あー、お腹いっぱい(笑)。この3日間はダイエットも減ったくれもありません。


 

 部屋に戻ってベランダの長椅子で足を伸ばしたら、ウトウトしてしまいました。飲み過ぎです。


 目が覚めたら、もう月が高く上がっていました。目の前には月明かりで白く輝く海が広がっていました。1日目はこれでオシマイ。楽しくも非生産的な1日でした(笑)。