特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『アヒルとチャーシューの山盛り!』&『財務省に叱られる!(笑)』

 やっとこさ、週末です。ゴールデンウィークが終わったばかりですが、早くも疲れました。週末になるとホッとして、精神的な疲労、気疲れもどっとやってくる(笑)。

 東京の繁華街ではコロナ禍で多くの飲食店がなくなったあとに、郷土料理など中国の味そのままの『ガチ中華』、『マジ中華』が続々と出店しています。『家賃が下がった』、『中国の人が増えている』、『もはや中国の人のほうが経済力がある』が理由のようです。ボクは見てませんが、今週 有名TV番組『マツコの知らない世界』でも取り上げられたそうです。

www.tbs.co.jp
 
 高くて不味くて身体に悪いから、ファストフードやコンビニの食べ物はあまり口にしたくありません。だからガチ中華が増えるのは大歓迎、手作りの店が多いからです。値段に関係なく、ちゃんと作った料理は美味しいものです。

 この前 新宿の妖しい雑居ビルにある店で食べたのが『香港風焼き物の盛り合わせ
 

 アヒルとチャーシュー、塊のまま窯で焼いた熱々のお肉が山盛りです。店のお母さんに勧められたアヒル(手前)は骨付きのぶつ切りで、やっぱり骨の周りの肉は美味しい。チャーシューは柔らかくて肉汁たっぷり。なんで、こんなに柔らかく焼けるのかなあ。

 中国料理は味のレベルが高いことが多い、と思います。我々と感覚は違うところもあるけれど、食べ物に拘る中国の人は多い。平均で見たら日本人より遥かに拘っていると思います。これでサラダとスープ、ご飯、デザートがついて値段は1200円くらい。美味しかった!

●先週のTBS『報道特集』は酷かった。ロシアの言い分を一方的に垂れ流すアホ教授にビックリ。ロシアが侵略してきたのは、NATOが拡大したからではなく東欧の人々がNATO加盟を望んだから。それにNATOが軍拡したからではなく、ウクライナに送った武器が少ないので『楽勝!』とプーチンが勘違いしたから。こんなデマまがいの話を放送で流していいのか侵略戦争を擁護するバカで嘘つきが大学教授とは。


 さて、今週 フィンランドのマリン首相が来日しました。NATO加盟の是非を国会で議論している大事な時にわざわざ日本にだけやって来た。岸田とはロシアの問題だけでなく、国連改革や再生エネルギーの共同開発の話をしたそうですね。
www.asahi.com

 レズビアンのシングルマザーに育てられ、貧しいのでバイトをしながら大学に通った、という36歳の女性首相が、『欧州だけでなく世界の安全保障環境がはっきり変わった』、『原発は短中期は維持するけど、長期では廃止する』と明確に言い切る姿を見て、ボクはとても羨ましかったです。

 戦後70年間維持してきた中立政策を止めてNATO集団的自衛権の下に入る、という大転換を、彼女達は決めました。日本で言えば、改憲みたいなもの。彼女は『NATO加盟は将来 子供たちを戦争に巻き込まないようにするためだ』とインタビューで言ってました。

 そんな歴史的な改革に際して、彼女は自信たっぷりに見えました。NATO加盟にしろ、原発にしろ、この国は普段からきっちり論点を話し合ってやるべきことをやっているから、だと思います。安全保障ではステルス戦闘機のF35 を大量購入しているし(小国にも関わらず、日本の半分の約80機)、国民のシェルター整備率100%、NATO加盟申請中の安全を確保するため昨日、イギリスと相互安全保障宣言を結びました。原発は世界で唯一、廃棄物の半永久保管施設を稼働させているのは有名です。
 社民党出身のマリン首相ですが、5党連立政権の舵取りをしながら理想と現実のバランスをきっちり取っている


 一方 日本では参院選の事前運動が始まっています。昨日、家に入っていた(日本の)社民党のチラシは『憲法は希望』と大書していました。

 あと、街角で見かける東京選出の共産党の議員のポスター。こちらも『憲法が希望』とあります。

 ま、山添議員は頑張っているし出身が弁護士だからしょうがない、とは思いますが、どちらも『ズレてるなー』と思うんです。

 今度の選挙の結果次第では改憲という可能性が高いから、こういうことをアピールしたいのでしょうが、なんで憲法が希望なのでしょうか意味がわからない(笑)。しかも両党、全く被っている。
 若い年代を中心に日々の生活が厳しい人なら『憲法が何をしてくれるの?』と感じるでしょう。説明すれば判ると言うかもしれませんが、クドクド説明しなければならないというだけで負けです。傲慢です。

 相変わらず、日本の野党はマーケティング感覚が乏しい、自分たちの言いたいことだけ訴えて、国民のことは考えていない同じリベラルでもフィンランドと日本では大人と子供ほど差があります

小泉今日子先生のtweet。勿論 まともな議論もしないまま改憲すれば良い、と言うわけではありません。

 
 面白い話、がありました。連休前に財務省が財政審議会で次期防衛計画の防衛費について出した資料、タカ派の議員やバカウヨが発狂していました。


toyokeizai.net
財務省の資料原本 https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings_sk/material/zaiseisk20220420/03.pdf
 
 財務省が言っているのを要約すると『ウクライナ危機で日本の安全保障環境は変わった。だけど安全保障を考えるには財政など総合的な観点が必要なのに、戦車とか次期戦闘機とかくだらない正面装備にばっかりカネ使いやがって、少しは頭を使え』という話です。

 例えば、こういう話です。『高いカネ出して戦車を自主開発するより、ウクライナを見習ってジャベリンでも買えや!』
 戦車1台14億円、装甲車1台7億に対して、ジャベリンは1発2300万だそうです。

 これが炎上した。防衛費倍増を狙っていたバカ議員や軍事オタクが『ジャベリン撃つ前にやられたらどうすんだ』って激怒(笑)。

 いやー、そういう問題じゃない。そもそも相手の戦車が日本に上陸してきた時点で制海権も制空権もないってことなんだから、もう負けじゃん(笑)。
 ちなみに日本が高い金を出して自主開発した戦車は改良された最新型(10式)を除いて、重すぎて自力では道路を移動できません。スペックを重視して日本の道路が耐えられないような重戦車を作っちゃった(笑)。無能にもほどがあります。

 同じページに北朝鮮ミサイル防衛の話もあります。

 北朝鮮のミサイルは1発3~10億円。それに対してPAC3などで係る経費が1300億円(3年間)、洋上化したイージスアショアで1800億ちょっと。いくら金が有っても足りません(笑)。それに北朝鮮が何十発も撃ってきたら(飽和攻撃)、対処できない。

 財務省は『こんな金を使うんだったら、国民に充分説明責任を尽くさなければいけないのではないか』と言っています。

 ごもっとも!

 今 防衛費をGDP比で2%にしよう、と自民党が言い出しています。今の倍です。
 各国の防衛費って実のところ、どんな感じなのでしょうか。通常報じられている各国の防衛費は集計基準が違うから簡単には比べられません。財務省は基準を合わせて比較しています。
 NATO基準だと21年の日本の防衛費は614億ドル(6.9兆円)GDP比1.24%。ニュースでは普段、日本の防衛費は約5兆円って言ってますよね。

 一方 20年のロシアの軍事費は約617億ドルです(2月の読売新聞の記事)。


軍事力はロシアが圧倒、予算は10倍以上…ウクライナには正規軍以外に民間人の「領土防衛隊」も : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン

 日本は既にロシアなみの軍事大国です。防衛費が本当に足りないなら増やしてもいいけど、既にロシア並みに金を使っています。山ほど戦車や飛行機、核ミサイルを持っている国と同じだけ金を使っている。これで足りないはずがないし、足りないのなら防衛省がよっぽど無能だってこと。バカに漬ける薬はありません。バカが金を使っている限り、防衛費を2%に増やしたって足りるはずがない
 ちなみにGDP比2%にしたら日本の防衛費は世界3位。世界1の借金大国なのに(笑)。おまけに少子高齢化自衛隊の定員すらまともに充足できていないのに(笑)。

 財務省は各国のGDPと防衛費を比較して、こう分析しています。

 これ以上防衛費を増やすのなら、(画面右下の)アメリカや韓国のように福祉などの他の予算を削るか、(画面左上の)ヨーロッパ諸国のように増税するしかないと。ちなみにロシアの侵攻で急遽決めたEU各国の軍拡は全て財政の裏付けもセットで行っているそうです。

 更に、軍備だけで安全保障が出来るわけではない、とも言っています。具体的には、中国との有事では経済面でこんな問題が起きる、と指摘しています↓。しかも有事なんて自然災害や感染症が起きたときにこそ、狙われる、とも。

 つまり『普段から有事に耐えられる経済・金融・財政の運営体制を取っておかなければ、そこを相手に突かれる』って話です。


 
 資料の主旨は『今みたいな借金だらけの財政状況じゃ、安全保障なんか出来るわけない。(増税するか財政予算を減らして)まず借金体質を改めろ』ってことです。
 要は借金を嫌う財務省の省益の話です(笑)。やっぱり財務省の連中は頭がいい。頭の使い方は間違ってるけど。でも、言ってることは間違ってない。


 
 財務省の結論も正論です。
軍備を増やすのなら、真に効果のある装備をもたなきゃいけないんじゃないの』、
防衛力強化は経済・金融・財政を強化することも含めて考えなければいけないんじゃないの(国民の生活・経済・金融が安定してこその防衛力)


 野党もマスコミも市民運動もどうしてこういう指摘ができないのでしょうか。防衛費が1%とか2%とか、敵基地攻撃能力とかどうでもいい今の日本には、日本の安全をどうやったら守れるか、という根本の議論が欠けています

 この件については財務省、素晴らしいです。核シェアリングだの騒ぐ自民党のバカ議員は勿論、『憲法守れ』や『平和を守れ』とか『軍拡辞めろ』を念仏のように繰り返すことしか能がない野党や自称市民運動の面々より、財務省の方がよほどマトモで建設的です。なぜ、マスコミはこの話をもっと報じないのでしょうか。野党も防衛費の問題は財務省と組んで政府を追求すればいいのに
 自民党を今のままにしておくわけにはいきませんが、政権交代はまだまだ遥か彼方のようです。