特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『究極のマグロ丼』とNHKの番組2題:『ふたりのウルトラマン』と『中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版』

 楽しい楽しいゴールデンウィーク。2度目の3連休はお天気も良く気持ち良いお天気が続きました。緑の陰影が美しいです。今日から出社です(泣)。

 今回の3連休では散歩がてら築地へ、マグロ卸がやっている『究極のマグロ丼』(笑)を食べに行ってきました。
 前回行ったときは店は全く空いていたのですが、今回はゴールデンウィークで混んでました。普段は並ぶような店にはボクは行きません。長い人生、たまには仕方ないか、と我慢しました。その反動で身体の事も考えず、ウニもトッピングした(笑)。この店、人間ドックで毎年通っている病院のすぐ近くなんです(笑)。

 香りを感じるようなマグロというのは中々食べられないですからね。前回 初春の味とはまた変わって、味が濃くなっていたのは面白かった。


 この 3連休には憲法記念日がありましたが、いよいよ改憲の機運が高まってきたように思えます。
 改憲を唱える自民党や維新の議席を減らして与野党伯仲の状態にならなければ日本は良くならないとは思うけれど、例年にも増して護憲を訴える野党は説得力がいまいち、に見えるからです。

 ウクライナの件が典型でこれだけ世の中の環境変化が激しいのに、護憲派が毎年同じことばかり言っていれば新鮮味は薄れます。更に今年は護憲派が集まる毎年恒例の憲法集会でれいわ新選組がひと悶着を起こしたようです。

 れいわの連中、明らかに目つきがおかしい(笑)。こんなのが本当に参院選に立候補するのでしょうか? 

 れいわの生存戦略は既存野党に因縁をつけることで注目度を上げる、です。ですが、こういう頭のおかしい連中が絡んでくると、ますます野党の側から一般人は退いていくでしょう(笑)。れいわの連中はあいかわらず自民党の別動隊です。


 ボク自身は改憲より、まず、日本がどういう方向へ進んでいくべきか、きちんと議論をすることが大事だと思います。
 特に9条の問題。現実にはプーチンのように武器を山ほど持っていて、しかも言葉が通じない奴がいることがはっきりした。平和主義のドイツの社民党緑の党も軍拡に踏み切ったし、中立&平和主義が国是のフィンランドスウェーデンNATO加盟に傾きつつある

 改憲も護憲も手段であって目的ではありません。9条を守れば平和を守れる訳ではないし、改憲したら日本を守れるとかそんな話もない(笑)。

 昨今のような状況で平和を守るためには複数の他国との集団的自衛権を本気で考えるべきで、それが憲法と矛盾するなら改憲しても良いと思います。確かに9条は日本政府の暴走を防ぐメリットはあるけれど、集団的自衛権に入ってしまえば他国が日本の暴走を止めてくれる(笑)。

 河野太郎が日本はNATOに入れと言ってたようですが(笑)、アジアにNATOみたいなものを構想しても良いのではないでしょうか。それに憲法9条があるから日米地位協定だって変えられないという面もある。
 あとはスウェーデンのように如何に外交を強化していくか。つまり紛争や侵略に見舞われている国や難民などを助けられるか、更に経済力、それが日本の安全保障でしょう。

 しかし、護憲派改憲派も安全保障をどうするか、なんて議論はどこにもない。与党の言っている緊急事態条項とか敵基地攻撃能力なんて単発の話は安全保障の方策ではない。
 実は敵基地攻撃能力は安保法制同様、アメリカの要請で、具体的には『中国の軍拡でアメリカの空母が第1列島線に近づけなくなった代わりに日本に長距離巡航ミサイル極超音速ミサイルを配置したい』のでこういう話になっているようですstr.toyokeizai.net
 でも、日本の安全保障=どうやって平和を守るかの議論もしないまま、そんな武器を配置してしまって良いのでしょうか。

 だけど野党の’’9条守れ’’も説得力を全く感じない(笑)。平和を守れと言って、平和を守れるのなら苦労しません。丸腰状態でいることが却って紛争を誘発することが有るのはウクライナを見てもわからないのか(笑)。

 でも代替案がない限り、いずれ日本列島に強力なミサイルが配備されることになる。日本の政府はアメリカの要請には弱いですから、強行採決でも何でもやるでしょう。
 まともな議論すらないままのミサイル配備も丸腰もどちらも勘弁してくれ

 憲法を論じようにも、報道だって不自由な今の日本ではまともな議論なんかできない。こんな状況で改憲とか言ってもロクなことにならない。沈んでいく船でじたばたしたら余計に早く沈むだけです。


 普段は テレビを見る暇はあまりないのですが、連休中は見ごたえのあるテレビ番組がありました。

 一つはNHKのドラマ『ふたりのウルトラマン

www.nhk.jp

www6.nhk.or.jp

 1972年の沖縄本土復帰直前、日本全国で大ヒットした「ウルトラマンシリーズ」に脚本家として参加していた沖縄出身の金城哲夫上原正三、この二人を巡るドラマです。

 ボクも子供の時に見ていたウルトラマンウルトラセブンには単なる勧善懲悪ではない、人間や科学の進歩を問い直すお話が多々含まれていました。それを書いたのが沖縄出身の脚本家、金城哲夫であったのは有名な話です。

 

 ドラマは、日本の統治下ではなかった沖縄からパスポートを持って上京した金城らの活躍や苦悩を、ドラマの中に制作に関わった人々の証言を織り交ぜる、という斬新な形で描いていました。脚本、演出は沖縄をテーマにした『ナヴィの恋』や『ホテル・ハイビスカス』、それに福島の双葉町を描いた『盆唄』を作った中江裕司監督です。
spyboy.hatenablog.com

 金城哲夫という真っすぐで明るいけれど、壊れやすいキャラクターを演じた満島真之介君は、本当にピッタリです。名演だと思いました。『ホテル・ハイビスカス』のヒロインだった蔵下穂波ちゃんが出ていたのも嬉しかった。

 精神を半ば病んだ金城が夜のサトウキビ畑に寝そべるシーン、そして金城が文字通り『光の国』を見つけるシーンの素晴らしさは忘れがたい。ウルトラマンの『光の国』とはこういうことだったのか。泣きました。

 当時の事を描きながら、沖縄を差別し続ける現代の日本にも通じる視点を含んだ、実に感動的なドラマでした。今のNHKの夜7時、9時のニュースはひどいものですが、昨年の『今ここにある危機とぼくの好感度』などドラマは素晴らしいものを出してくる。
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 政治部とドラマ制作部との違いなんでしょうけど、この差は何なんでしょう。

 NHKは80年代のコンサートのリマスター版も放送していました。印象に残ったのは「中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版
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 4月30日に放送された、中森明菜が全盛期だった89年、よみうりランドで全シングルを歌ったコンサートです。

 ボク自身は中森明菜のファンという訳ではないのですが、全盛期の彼女には名曲がいっぱいあるのは判っています。作者に細野晴臣井上陽水大沢誉志幸玉置浩二高中正義、松岡直哉、来生たかお等 当時の代表的な作家から、フクシクミコ(シャーベッツ)のような当時の新人作家まで起用した作品群は、80年代の日本のある種の側面を象徴している。

 番組で当時の彼女のパフォーマンスを見ていると、社会が豊かになってきた80年代への苛立ち、悪い意味でなく暗黒の世界へ真っ逆さまに落ちるような感じを表現しているように感じました。バブルの崩落、いや、戦後日本の社会の崩壊の予兆を体現していたのかもしれない。文字通り、時代が彼女に乗り移っている
amass.jp

 勿論 本人はそんなことは意識もしていないでしょう。ただ、楽しそうにニコニコしながら歌っていても、時折、戦闘モードの顔つきになるのも面白かった。天才の天才たる所以だと思いました。


 今回のリマスター版のコンサート、5月2日に放送されたRCサクセションの83年のライブも見ましたが、こちらはあまり印象に残らなかった。
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 ギターのチャボとサックスの梅津の絡みは想像以上にカッコ良かったし、日本語ロックならではの心象風景を描いた部分には強いオリジナリティを感じます。『昨日は車の中で寝た』なんて歌詞は、10代の観客だったら人生を賭けてしまうかもしれない。

 だけど曲やパフォーマンスは所詮 ストーンズの2番煎じだなーと思えてしまうので、物足りなかった。勿論 RCも忌野清志郎も嫌いではないんですが、要はボクはストーンズは金儲けの香りが強すぎて、あまり好きじゃないんです(笑)。いまだに清志郎を神格化している連中も何か気持ち悪い。これは感覚の問題なんですが。