週末っていうのは本当に楽しいですね。何をするわけでもないのですが、心も体もほっとします。仕事に行かなくて良い、というだけで、人生がバラ色に見える(笑)。バラ色の夢はあっという間に終わってしまうのですが(泣)。
世の中を見回せば、必ずしも明るいものではありません。ウクライナへの侵略戦争は勿論のこと、今後 物価の値上げや輸入などの遅れは本格的に我々の生活を直撃してきそうです。
4月から様々な商品が値上げされました。
news.mynavi.jp
それだけでなく以前からガス湯沸かし器などの住宅設備だけでなく、自動車、パソコン、様々なものが品切れしたり、納期が数か月もかかるようになっている。半導体不足やコロナによる労働・荷役不足、船舶やコンテナが不足だったところにウクライナの件で物流が大混乱している。上海のロックダウンがこれ以上伸びると更に影響は大きくなる。おまけにアベノミクスのツケ=円安による物価高は更に効いてくる。
日本の政治は相変わらず、機能停止状態。月単位の支給が問題になった『文書交通通信費』すら、まともに改善できない。
あれほど「維新」が「身を切る」アピールで騒ぎ立てた文通費だが、最も重要な「使途」の公開もなく寧ろ現状より表現が曖昧な「調査研究広報滞在費」などという名称に変更して終了。ここからも明らかなように、最初のインパクトだけで後は「やってる感」で有耶無耶にしていくのが自公維の常套手段。
— 異邦人 (@Narodovlastiye) 2022年4月17日
コロナでよく判ったことなんですが、結局こういうことなんでしょう↓(笑)。かといって今の野党に政権担当能力があるわけじゃないし、結局 日本には選択肢がない。幸い今の日本はまだ、平和ですけど、我々の日常は想像以上に脆いものなのではないでしょうか。
茨城県牛久市にある東日本入国管理センターを題材にしたドキュメンタリー。紛争などが原因で故郷に戻れず、難民申請をしているにも拘らず、在留資格を認められずに不法滞在者として収容されている外国人たちの証言を通して、彼らがおかれている環境の実態を訴える。
www.ushikufilm.com
全国に17か所ある入管施設の一つで「牛久」と呼ばれている東日本入国管理センターの実態を収容者の証言を元に明らかにしたドキュメンタリー。主にアッシュ・トーマス監督が収容者に面会をした様子を隠し撮りしたものが使われています。面会の際でもなぜか撮影は禁止になっているからです。
劇場では2月からロングラン上映が続いています。NHK9時のニュースでも取り上げられましたから、少なからず話題になっているようです。NHKがこの映画の内容について法務省に取材したところ、非人道的な収容者の扱いには触れず、『隠し撮りは残念』という表層的な回答しか返ってきませんでした。
●この問題を取り上げた2019年の『時論公論』
www.nhk.or.jp
映画では監督が牛久に収容された外国人に面会、取材したフィルムが使われています。彼らは顔、名前が映ることで不利になる可能性があるにも拘わらず、実態を知らせたいとして出演を承諾しています。
彼らが収容された理由は様々ですが、深くは触れられません(母国で出演者の家族などに塁が及ぶことを防ぐためだそうです)。クーデターで家族を殺されたり、LGBTQへの差別に晒されたり、少数民族への迫害に遭ったりなど、事情は様々です。彼らは母国で命の危険に晒されたことから、安全で平和な国だと聞いた日本へやって来ましたが、そこで待っていたのは入管施設への無期限の強制収容と精神的および肉体的な虐待です。空港に着いて直ぐ収容所に送られた人もいます。
●アクリル板越しに監督は収容者と面会、聞き取りを続けます。
日本は難民条約を批准し、難民受け入れ国にはなっています。しかしこの10年間の難民認定率は0.2%と各国と比べて3桁も違います。映画の中で収容者たちは憤ります。
『日本はなぜ難民を受け入れるつもりがないのに難民認定申請書を配っているのか。先進国としての体面を取り繕うためではないかと。』
政治家や役人が良い恰好をするためだけに収容者は犠牲になっている。
更に問題なのは収容者への処遇です。
名古屋の収容所に7か月収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマさんがまともな医療が施されず亡くなった事件は、ある程度大きく報じられました。入管側はその実態を隠してきましたが、だんだんと内実が明らかになってきた。あれは『虐め殺された』のです。
この映画の中での収容者の証言もそれを裏付けます。収容所の係員は度々『日本から出ていけ』などと暴言を吐きます。でも、母国では命が危ない。どこへ行けばいいのでしょうか?
係員たちが収容者を押さえつけるシーンがあります。6人がかりで手足を押さえつけて手錠をかけ、後ろから首を絞めるところがカメラに映っています。BLMの大規模抗議の切っ掛けになった、黒人のジョージ・フロイド氏が警官に殺されるシーンそっくりでした。各地の収容所では重傷者や死者も出ているそうですが、確かにそれはあり得るということが初めて判りました。
収容者が抗議すると、今度は係員はケンカ腰で大声を出して収容者を侮辱する。面会に来ている人の前でこのような態度でしたら、収容者たちが普段どのように扱われているか容易に想像ができます。
ある収容者はこういいます。
『ここは 、刑務所みたい。でも刑務所の方がまし。刑務所では刑期が決まっている 。でもここは、いつ出られるか分からない』
収容者は期間も何も決められないまま収容され、時には3年、4年と長期に及びます。時折 仮放免と言って外へ出してもらえることもありますが、期間は2週間という短期であることが殆どです。この人たちは難民認定の申請を出しているだけであって、犯罪者ではありません。
収容者の一人、デニスは収容所で鬱病になります。すると強い睡眠薬を与えられ意識がもうろうとする状態に置かれてしまいます。精神科医が治療を施そうとしても、収容所側がそれを無視する。絶望したデニスは自殺を図ります。なんとか命を取り留めると、そのあとは懲罰部屋に入れられる。また自殺未遂を図る。その繰り返しです。デニスは6回も自殺未遂を図ることになります。
●収容者の一人、デニス。収容所内で鬱病になって、6回も自殺未遂をしました。
それを立憲民主の石川大我議員が国会で取り上げるとデニスは突然 仮放免され、収容所の外に出されます。しかし仮放免されても現行の制度では働くことも移動の自由も認められていません。お金も知り合いもない異国でどうやって生きていけばいいのでしょうか。
この国にはそのような収容者が大勢いる訳です。全国で約1000人。収容者が『日本は良い国だが政府は邪悪』、『日本のおもてなしとはこういうことなのか』と言っています。
警察の代用監獄や長期拘留による人質司法など日本の司法制度は世界から問題視されています。アメリカから日米構造協議で取り上げられるほどです(例えば裁判員制度はそこから導入された)。しかし、こんな野蛮なことをやっている国が、国家主権とか日米地位協定改定とか言う資格がある筈がない。もちろんオリンピックなんてとんでもない。
映画では冒頭と最後に、安倍晋三も出席したG7伊勢志摩サミットでの共同宣言が紹介されます。
『母国で迫害から逃れる個人は,最初に入国した安全な国において効果的な保護を与えられるべきであり,政府は,難民並びに受入れ国及びコミュニティに対し国際的な人道支援及び開発援助を提供することと併せて,安全で秩序ある第三国定住プロセスの機会を提供するべきである。』
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000160267.pdf
淡々と事実のみを訴える画面を見ていると、日本の実態とは全くかけ離れた、この宣言がうつろに感じられます。1時間半という上映時間ですが非常に短く感じた。どうしても気が重くなる題材ですが、構成も工夫されていて映画としても良く出来ていると思います。
今 ウクライナから避難した人を難民ではなく、政府は避難民と呼称を変えて受入れを進めています。新しい制度も作るようです。しかし、今収容されている人たちはどうなのでしょう。
ボクは法務省も入国管理局も解体的出直し、リストラが必要だと思います。連中の人権を軽視する姿勢は少しくらい制度を変えたからと言っても変わらないでしょう。
こんな連中を税金で飼っておく必要はありません。年金問題に続いてコロナ無策をさらした厚労省もそうですが、こういう役人は大リストラしなければ組織の体質は変わらないと思う。
収容所の問題は数十年も前から指摘されてきました。にも拘わらず、今もこういうことが行われているのは国民の関心が高くないからです。もちろんボクにも責任があります。
やっぱり日本の社会は少なからず、偽善というもので成り立っているんだろうなーと思います。これで安全で平和な国とか、ちゃんちゃらおかしいわ。