特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『敵基地攻撃能力』と『軽井沢の「チョウザメ」と「輝く森」』

 相変わらず井の中の蛙、の日本のマスコミではあまり話題になってませんが、マジで戦争の気配がしてきたじゃないですか。
 ウクライナとの国境にロシアが約20万人の軍隊を配置したそうです。ワシントン・ポスト紙は『来年早々にロシアが侵攻する』と報じています。

www.cnn.co.jp

 ウクライナNATOに加盟したがっていて、それを止めるのがロシアの目的のようですが、果たして戦争が防げるかどうか。両国の間で小競り合いは普段から続いていてこれまで、1万人以上も亡くなっているようです。1万人も死んでいれば小競り合い、ではないですよね。

 日本にとっては遠い国の話のように見えますがEUに供給しているロシアのパイプラインも絡んでいるから、原油価格にも影響が大ありです。日本も無関係ではいられません。

www.nikkei.com

 改めて思ったのは、戦争の種はどこにでもあるということです。

 今 岸田が『敵基地攻撃能力』の話を持ち出しています。最近のミサイルは迎撃が困難なので相手が発射する前に先制攻撃する、と言う話です。

 どうしたらよいか、一般の国民も考えたほうがいい、と思うんです。でないと、いざ何か起きたら国民はマスコミに引き摺られて、いつの間にかとんでもないことに陥っている、なんてことになりかねない。
 太平洋戦争の時だって、昭和15年ころまでは皆、呑気に平和を楽しんでいました。それが突然 あんなことになった訳です。

 バカウヨ連中は『敵基地攻撃能力なんか当然。北朝鮮や中国に対抗して、原潜の核ミサイルなど核報復能力だって持つべき』と言っています。
 また、一般にリベラル、と言われている人たちは『敵基地攻撃能力』と聞くと、多くは拒否反応を示していると思います。『憲法違反だ、とんでもない』と。


 ボクはどちらも思考停止だと思います。
 政府の連中が言うように、日本が少しくらい敵基地攻撃能力を持っても相手を止められる訳がありません。まず、どうやって敵のミサイル基地を探知するのか。それに中国も北朝鮮も山ほどミサイルを持っているから、日本が1つや2つ、いや10や20でも基地を先制攻撃したって、向こうはカエルの面に小便(笑)。100倍にして撃ち返してくる(笑)。日本は全国に50ある原発に一発でもミサイルが当たったらゲーム終了です。

 その一方 リベラルが敵基地攻撃能力に拒否反応を示して、『平和憲法守れ』だけで議論が終わってしまうのもいただけません。
 確かに相手を先制攻撃する敵基地攻撃能力は憲法違反でしょうが、本当に防衛上 必要だったら憲法を改正するべきです。裁判所なら憲法違反、と却下してしまえばいいでしょうが(笑)、現実に生きている我々はそれだけではすまない。
●山添氏なんかまともな部類ですが、これだけでは多くの人たちに対して説得力がないと思います。

 敵基地攻撃能力が必要かどうか議論をしなくてよいのか。敵基地攻撃能力を持たないのなら、代わりに日本はどうするのか。そんなことも考えないで『憲法違反』だけで済むなら、気楽なもんです(笑)。それで済むなら、プーチン金正恩も問題ない。
 はっきり言って、憲法違反、だけで思考停止している連中はウスラバカですよ。代替案まで考えなくちゃ。

 リベラルの側が『憲法9条を守れ』で思考停止を続けているから、いざというとき権力側に押し込まれる。安保法制だって集団的自衛権を持たないとしたら、いざというときどうしたらよいか、の代替案を野党やリベラル側が持っていなかったから、反対論が国民の間に広がらなかった。
 もちろん外交で何とかするにしても、具体的にどんな外交を行って平和を保つのか。そういう議論はリベラルの側は普段から全然してないですからね。


 それでもボクは『敵基地攻撃能力なんてバカじゃねーの』と思ってました。日本には敵基地の探知なんか出来っこないし、攻撃の能力もたかがしれてる。有効性なんかない。
 ただ、この前BS-TBS報道1930』で元自衛隊のヒゲの佐藤(衆院議員)がちらっと本音を言ってました。『日本が敵基地攻撃能力を持ったら、米軍と一緒に先制攻撃する』って。なるほど~、です。法的にはともかく(笑)、有効性の面では一理ある。

 でも基地外に刃物で、武器を持つとこういうアホ↓が出てくるのが日本の政治家の恐ろしいところです。まともな事実認識すら出来ないバカが多すぎる。これなら米軍に100%従属していたほうがマシってものです。
●先制攻撃の話をしているのに相手に攻撃されてから反撃する、と、このバカは話をすり替えています。相変わらず嘘とゴマカシばかりです。戦前の天皇という権威が米国にすり替わった典型的な『永続敗戦』病です。だいたい自衛隊の飛行機が米軍のF16と一緒に北朝鮮を爆撃しに行く、なんて出来るわけね―じゃん。訓練、装備、そもそも航続距離はどうするんだって(笑)。


 問題はそれだけではありません。もっと大きな問題が有る。それはアメリカが対中国の中距離弾道ミサイルを日本に配備したがっていることです。

gendai.ismedia.jp

 台湾有事の可能性もないわけではないのですから、重要性から鑑みて、こちらが本丸でしょう。

www.asahi.com

 この話、時折 ニュースに出ますが、大きくは広がらない。情報を小出しにして地ならしをしているのでしょう。アメリカにしてみれば、まずは抑止力を強化する(これは日米共通の利益)、いよいよ戦争になったら日本列島がアメリカの空母の弾除けになる話とボクは理解しています。

 でも、野党やリベラル勢が反対しても『じゃあ、どうするの』ということになります。
 確かにミサイルを配備すれば、軍拡競争になる可能性がある。そして配備した場所は中国の標的になる。特に沖縄や南西諸島は狙われる。沖縄は反対するに決まっている。

 しかしミサイルを配備しなくても、有事になれば日本に弾が飛んでくる可能性はかなり高い。だったら配備しておいた方が抑止力になる可能性があるだけ未だマシ、という考え方もある。

 中国の南シナ海進出が良い例です。古くはヒトラーズデーテン地方割譲)や大日本帝国仏印進駐)の例もある。習近平にしろ、プーチンにしろ、ああいう連中は何も抑止力がないと逆にバンバン進出してくる可能性は高い。
 外交を最優先にするにしても、上海事変の時に裏で中国と和平交渉していた昭和天皇が戦後 反省の言を漏らしたように『平和外交を有効に進めるには、もう片方の手に匕首を持っておかなければならない』かもしれません。戦争は絶対にしてはいけませんが(尖閣なんか呉れてやればいい)、戦争をしないためには軍備が必要なこともある(その逆もある)。それが歴史です。
 
 もちろん日本が中国とアメリカとの間を取り持って平和を保つ役割を果たす、という方向性だってある。それがベストですが、どうやってそれを実現するのか。習近平やバイデン相手にそれが現実的な話なのか。日本が両国の間でキャスティング・ボートを握るだけの強みが何かあるのか?ボクにはとても思いつきません。


 正直 ミサイル配備の問題、ボクは今のところ、どうしたら良いか判らないです。ただ、前もって国民はこういうことも考えておくべきだと思うし、すくなくとも国会では議論はしておくべき、でしょう。

 この問題、政府の連中は既にプログラムを組んでいる筈です。たぶん、有耶無耶のうちに強行突破を狙うでしょう。
 機密保護法にしろ、安保法制にしろ、野党はいつも後手に回っています。10万円給付や文通費の話も結構ですが、政府の暴走、ゴマカシをさせないためにも野党やリベラルは政府より先に問題を提起して情報公開をさせて、国民的な議論をするべきです。
 それこそが民主主義を守る、ということだとボクは思います。


 ということで、軽井沢へご飯を食べに行った続きです。

spyboy.hatenablog.com

 前回の『鯉のはんぺん』の次は’’チョウザメ’’が出てきました。
 例のキャビアを取る、あれですが、ボクも身は食べたことはありません。なんでも安曇野で肉の食用専用に育てているそうです。

 淡白だけど歯ごたえがある身です。流行りのエスプーマ(泡)にしたバターソースがマッチしてました。黒いものは当然キャビア

 それに合わせて出てきたのはサン・トーバンというブルゴーニュの白。超高級の白で名高いモンラッシュ村に隣接したところだそうで、プルミエ・クリュ。やはり蜜のような香りが素晴らしい。家では恐ろしくて飲めませんので、こういうのはレストランならではです。

 メインは牛肉でした。店の人も『メインに牛を使ったのはたぶん始めて』と言ってました。ボクも最近は好んで牛肉は食べません。羊や鴨の方がよっぽど美味しい。まして霜降り肉なんか、憎悪すら覚えます(笑)。しつこくて気持ち悪い。今回はヒレだから良しとします。肉汁で作ったソースは美味しかった。

 それに合わせて出てきた赤のブルゴーニュ。これまた超高級ワインの産地エシュゾー村の隣、ヴージョ村の物だそうです。良いワインならでのくっきりした輪郭があるだけでなく、味もこなれていて素敵でした。軽さもあってエレガントです。牛肉をこれでカバーした、といったところです。

 最初のデザートはエスプーマにした青りんごと細切れの果実を組み合わせた’’コンポジション’’(再構成)だそうです。コンポジションというから、モンドリアンみたいなタイル状のものがでてくるのかと思った(笑)。真ん中の緑色、ミントのアイスは良いアクセントでした。

 メインのデザートはモンブラン。中はアイスクリームです。

 モンブランにはイタリアの’’ヴィンサント’’みたいな甘い酒精強化ワインを合わせて。普通は固いビスケットを浸しますけど、これもまた楽しいなあー。お酒と甘いものも大好き(笑)。

 お腹いっぱいで店を出ると外の森はライトアップしてました。もうすぐクリスマス、ということで、この日はリハーサルで本物のローソク2000本を点灯させたそうです。リハーサルだから他に誰もいない、輝く森です。

 森の澄んだ空気が深々と冷えて、余計に美しく感じました。

 ライトアップされた歩道には誰もいません。

 憂鬱な年末を迎える前 一夜の現実逃避でした(笑)。早く定年にならないかなあ(泣)。