楽しい楽しいゴールデンウィーク。良い季節です。
●朝陽を浴びる新緑のトンネル。瑞々しい。
緊急事態宣言で、東京の大規模施設や映画館なども軒並み閉まりました。
根拠なき緊急事態宣言はもはや人災でしかない 事業者を圧迫、非正規雇用と婚姻は大幅な減少 | 政策 - 東洋経済オンライン https://t.co/k425icx0fw #東洋経済オンライン @Toyokeizaiより
— 特別な1日 (@giornata34) 2021年4月30日
デパートやショッピングセンターなんか全く行きませんから、閉まっても1ミリも困りません(笑)。デパ地下以外にデパートで買い物をすること自体が不思議(笑)。オワコンですよね。
個人的には映画館は困りますが、先日のアカデミー作品賞『ノマドランド』のように大画面で見ないと厳しいものを除けば、配信でもいいと思うようになりました。
映画館の時間的な制約や時折出っくわして嫌な思いをさせられるマナーの悪い客のことを考えれば、配信で見るのも悪くないです。時間がないので今まで敬遠していましたが、月額映画1本分で済むネットフリックスに入ろうかなーと考えているところです。
寄席も休業要請に理解を、西村大臣 (共同通信)
— 佐藤治彦@新刊「急に仕事を失っても、1年間は困らない貯蓄術」(亜紀書房)1200円+税 (@SatoHaruhiko) 2021年4月26日
お願いです。寄席はダメで、オリンピックはOKな理由を教えて下さい。https://t.co/IiXRJJyN32
ただ、食べ物屋の酒類禁止というのはどうでしょう? 客を山ほど詰め込む居酒屋やカラオケは判りますけど、客の間の距離を空けたり感染対策を一生懸命している店、大声で騒ぐガキや認知症、成金が皆無の、客層の良い店まで巻き添えなのは、何ともやるせないものがあります。
政府の対策って、まじめにやっている店ほど割を食うことばかり。
ボク個人は店でお酒がなくても全く平気ですが、お酒と料理を合わせるのも文化、教養です。まともな店に入ったら、最初にシャンパン等の泡ものを1杯飲みながら、店の人とメニューを相談するって楽しいじゃないですか。
●この前行ったフレンチ。料理といろんなお茶をペアリングさせています(ボトルには『泡番茶』と書いてあります。中身は手前のグラス)。もう、涙ぐましい。
食べ物、映画、音楽、他のものにしろ、政府や役所のゴキブリ連中はどこまでこの国の文化を破壊すれば気が済むのか。
この政権は文化とか芸術がわかる人はいない気がするわ
— Hiromi1961 (@Hiromi19611) 2021年4月29日
わかった風に装ってるだけ
立川談四楼「寄席をヨセキと言った」加藤官房長官に嘆き 休業の決断には「引き際は見事だったねえ」 #SmartNews https://t.co/AeDaiVNg3a
人間の自由な思想を育む文化は、今の政治家や役人には邪魔でしかないんでしょう。日本の政治家にとって望ましい国民は奴隷臣民や社畜のみ、だから日本はどんどん地盤沈下していく。
キャンペーン · 内閣総理大臣: コロナから飲食業を守る!「時短」ではなく「科学的な根拠」に基づいた感染対策とそれをクリアした店の通常営業を! · Change.org
さて、読書の感想です。1000ページ超もあったオバマ氏の回顧録を読み終わったので溜まった本を片付けないと。
まず、『正義の政治経済学 』
水野和夫先生と国民民主党の古川元久衆院議員の対談本です。
『環境問題を始めとして現代の問題は市場だけでは解決できない。その一方 金融を中心に資本主義は暴走を続けている。それを如何にコントロールしていくか』を二人が語り合ったものです。
水野先生の本はあらかた読んでいるので、内容に目新しさはありませんでした。経済成長を前提としない社会にしよう、金融取引税を導入しようなどの論点が語られます。
面白かったのは『EUはフランク王国の再興だから、イギリスが抜けるのは当たり前。』という水野先生の指摘。フランク王国とは思いつきませんでした。そうやって歴史を巨視眼的に捉えれば思考実験として面白いし、仕事や個人の生活の今後の見通しを考えるには有益、と思いました。
今日はこっちが本題。『日本が壊れる前に——「貧困」の現場から見えるネオリベの構造』
早大講師の政治学者、藤井達夫と介護や貧困、風俗をテーマにしているルポライターの中村淳彦、団塊ジュニア世代二人の対談本です。
どちらも知らない人ですが、この本の抜粋がネットに載っていたんです。
president.jp
まさか、と思うようなことばかりですが、『ネオリベラリズムの次の標的は中年男性』という本の帯を見て、読んでみようと思ったんです。
内容はこんな感じです。
昭和期の日本は男性正社員が家族を養うという前提のもとに、自民党主導の企業優先社会という枠組みで地方も含めて国民に幅広く利益を分配して成り立っていた。
ところが高度成長が終わりバブルが崩壊すると、利益分配の構造がうまく行かなくなった。終身雇用や労働組合は時代遅れとされ、国が企業に丸投げしていた福祉も切り捨てられ、自己責任を強調する新自由主義(ネオリベラリズム)の名のもとに正規・非正規、都市・地方などの分断を生じて、格差が拡大していった。
その歪が顕著に出たのが女性と若者。小泉改革以降 非正規労働の拡大や民営化が進み、厳しい立場に追い込まれている。例えば男性優位の思想が色濃い割に地域の繋がりが弱い、群馬や茨木、栃木など東京近郊の北関東に住む普通の主婦や学費高に苦しむ女子大生が風俗業に参入するような状況になってきている。
風俗業云々はボクには全く判りません。ただ、生活のためにそういう仕事をしなければならない人がそんなに多いのなら、この国にはもう、未来はない。自己責任で済ませられる問題ではありません。
問題はこれからどのように進むのか。著者たちはこう言っています。
ネオリベラリズムの次のターゲットは中年以降の男性だろう。ITやAIになじみが薄いだけでなく、給料も高く、男性優位で育ってきて職場でも家庭でも威張っている彼らは今後の日本にとってはお荷物。昨今 職務で処遇や雇用が決まるジョブ型雇用が注目されているが、それが切っ掛けとなって創造性や柔軟性に欠け態度がデカい中年男性は淘汰されていくだろう。
ここは面白かった。
例えばネット検索に『団塊ジュニア』と入力すると、検索候補に『団塊ジュニア 無能』という文字が出てきます(笑)。年代論で決めつけるのは往々にして間違っていますが、多くの企業で40代半ば~50代初頭の団塊ジュニア世代が大きな問題になっているのは事実です。
元々バブル期入社で就職も比較的楽だった世代です。採用人数が多い彼らの中に仕事が出来ない人が居ると目立つのに加えて、その下の氷河期世代などは不況の連続で危機感を持っているから男女を問わず優秀な人が多い。余計に目立ちます。
団塊ジュニア世代が50代を迎え、給料が高くなって問題が大きくなっているところに、コロナ禍でネットに不慣れでテレワークも出来ないような人がいたら、飛んで火にいる夏の虫(笑)。企業が彼らを切り捨てるのは容易に想像できます。
●これは少し前の指摘ですが。
www.murc.jp
最近、40歳~45歳定年説が囁かれています。
business.nikkei.com
この数年 富士通、NEC、オリンパス、コカ・コーラ、リクシル、武田薬品など多くの大企業、業界トップの企業ですら、その年代以降の早期退職を進めています。これはもう、バカ男が威張り腐っている/いないという次元ではなく(笑)、企業を通じて社会のセーフティネットを張ってきた日本のやり方が限界に来ている表れです。
maonline.jp
若者、女性に非正規と言う低賃金労働を押し付け、正社員の世帯主男性を守ることで、バブル崩壊後の日本社会は何とか延命してきました。新自由主義、ネオリベは誰かに犠牲を押し付けることで他が延命するシステムです。
これからは中年男性にまで非正規化、低賃金労働が広がってくる可能性が高い。コロナ禍はそれを加速させる。今 もう一段、社会の底が抜けつつあるんです。
偉そうで無能なおっさん連中なんかどうでもいいけど、その家族や子供たちには大きな影響があります。ただでさえ壊れかけている日本の社会の格差は更に広がる。
著者たちは『自民党や維新はもちろん、野党も所詮ネオリベ勝者の集まりに過ぎない』と指摘しています。
確かにその傾向はあります。旧民主党時代はそうだったし、今の立憲民主だって大企業、特に大手製造業の組合である連合が最大の支持母体です。非製造業、非正規の労働者が大幅に増えた世の中の実態とは明らかに乖離がある。連合が未だに原発に固執するのが典型で、『生活が苦しい若者には、左翼や組合は高齢者の既得権益団体にしか見えない』というのは一面の真実です。
一方 自民の支持母体である資産家、経営者、自営業者は数は減ったとは言え、まだ世の中に存在しています。自民の方が野党よりはまだ、社会とのつながりが深いということです。その辺が野党との勢いの違いに表れている。
サービス業やIT関連の需要は増えていくから、女性や若者はまだ見込みがあります。偉そうな割に融通が利かない中年以降の男性は絶望的かもしれません。工事現場のガードマンに高齢の人が目に見えて増えているのは、そういう仕事がもはやセーフティネット化しているかもしれない。
『これから日本はもっと悪くなる。一旦落ちるところまで落ちるしかないのではないか』というのが著者たちの見立てです。
結論として、自己責任という迷信に支えられた社会のネオリベ化が進む中、活路は、個人単位で思考やスキルを磨き(『自分を耕す』)、腰を低くするなど(『自分は偉くない』という自覚を持つこと)(笑)、生き残りを考えていくしかない。
全体的な方向性は『競争しながらも、零れ落ちた人をすくいあげる』社会を目指していく、と。
●バイデン大統領は法人税や年収40万ドル以上の富裕層の所得税や相続税、年収100万ドル以上の超富裕層の金融取引、などへの増税を財源に景気対策を行う、と言っています。完ぺきではないにしても現時点での答えはこれ、だと思う。
いつも米国を見習えってうるさい御用学者どもはこれも見習えって言って下さいね、まさかこれだけ金持ちに都合が悪いからってスルーしたりしないよね、まさかね。
— 愛国心の足りないなまけ者 (@tacowasabi0141) 2021年4月29日
富裕層狙い撃ち、米政権税制案は相続の優遇制度廃止-関係者https://t.co/K3oyP2EbWs
世代は違うボクだって、他人事ではありません。
自分では『男はダメ』ということは自覚しているつもり、ではあります(笑)。家事や仕事だけでなく、音楽でも映画でも新しいものに触れていないと危ないのは自分でも判ってる。それに友人が早期退職したこともあって、近年の早期退職者の増加はショックでした。
ですが、これが個別企業の問題だけではなく社会の構造的な問題、とまでは考えが及ばなかった~。
普段読まない著者の本でしたが、面白かったし、考えが広がりました。いつも同じような、決まりきった事しか言わない左翼学者が言ってる事より、遥かに為になりました。