特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『秋のキノコ狩り』と『静かな国民投票』

  今年の3月、ボクはニュー・オーダーというイギリスのテクノバンドのコンサートへ行く予定だったんです。
 当然のことながらコロナで中止になり、今週やっと振替公演の日程の連絡が来ました。なんと再来年=22年の1月(笑)。

 売れっ子だから、でもありますけど、その頃にならないとワールドツアーなんかやってる状況じゃない、ということでしょう。来年のオリンピックがどうこう言ってますけど、アホじゃないの(笑)。

●コロナ渦の最中に発売した新曲’’Be A Rebel''(コロナ禍でも)狂った悪魔にはなるな、反逆者でいよう''(Be A Rebel,Not A Devil)

New Order - Be a Rebel

●今度のお正月公開の大作『ワンダーウーマン1984』の主題歌もニュー・オーダーの『ブルーマンデー』。ドラムの音とアクションが完全にシンクロしているところはすごい、萌えてきます。首吊り自殺の歌ですが(笑)。

Wonder Woman 1984 (2020) - Official HD Trailer | Gal Gadot, Kristen Wiig, Pedro Pascal


 さて、秋と言えばキノコですね。キノコ狩りに行ってきました。と言っても、お皿の上のキノコ狩りです。

 最初はイタリアの松茸?と言われるポルチーニ。一本丸ごと、パン粉とパルメザンチーズをまぶしたフリッターです。
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 松茸は軸の方が圧倒的に美味しいですが、ポルチーニは笠の部分が美味しいというのが面白いです。香りだけでなく、口に含むと、笠の部分はお布団のように柔らかな触感、そして軸の部分は揚げて閉じ込められた汁が瑞々しい。そのコントラストがサイコーです。

 
 もう一つは白トリュフ。これはひたすら香りを吸い込むしかない!(笑)。
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 昔は土の中を豚が掘って探していたと言ってましたが、今は犬が探すそうです。そこまでして食べ物を探す人間の欲望は恐ろしい。108の煩悩じゃありませんが、日本では本音ではともかく、表面上は欲望というものはどちらかと言うと否定されがちです。一方 中国やアメリカの人は欲望が善と思っていることが多いですね。

 欲望には2種類あると思います。
 一つは限度がないもの。金銭欲や権力欲。多くの場合 人を不幸にするし、環境も破壊します。
 もう一つは限度があるもの。基本はフィジカルなもの、その典型が食欲です。犬だって、人間だって、お腹いっぱいになったらもう結構です、と言います。足るを知る、です。必要以上に消費しないのですから、サステナブルと言っても良い。
 ただ、同じ食べものでもファスト・フードやコンビニはまずいものを大量生産した挙句 山ほど廃棄物を出してるわけで、足るを知るではありません。あれは資源を浪費するマネーゲーム

 食べ物を大事にしつつ美味しく食べる、と言うのは足るを知る欲望、建設的な欲望、だと思います(笑)。イタリアのキノコをわざわざ飛行機で日本に持ってきて消費するのは温暖化ガスの排出という面では問題あるとは思いますが、ボクは自粛警察や共産主義者の連中みたいな教条主義じゃないんで(笑)。



 さて、これは衝撃的なニュースでした。今年の5~7月のコロナ禍、妊娠した人が前年より約10%減りました。 

www.yomiuri.co.jp

 今年5月から7月に全国の自治体に妊娠届を出した人は約20万人、前年の同じ時期に比べて11%減、3万人弱減ったそうです。

 出生数は2016年から8年は毎年約-2%、19年は-5%と大幅に減少しています。今年は3か月間で10%以上減ってるのですから、20年は19年を超えるペース、5%以上の減少になることは間違いありません。

 団塊の世代の頃は毎年200万人くらい子供が生まれてました。そこから減少が続き、2010年代は100万人くらい、昨年は86万人にまで減ったのは衝撃的でした。でも、今年は80万人を割るかもしれない。その分 人口も減り、国内需要も減っていくと言う訳です。


予測を超えて人口減少が加速する懸念も | 東洋経済education×ICT | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準


 前回のエントリー、『82年生まれ、キム・ジヨン』に頂いたコメントへのお返事で、『日本や韓国の低出生率は男尊女卑の社会に対する『静かな国民投票』の結果』と書きました。映画の解説で誰かが言ってたし、80年代末くらいから上野千鶴子が言っていることでもあるんですが、少子化は国民(主に女性)がこの国の未来に『NO』と言っている結果です。自然発生的に、無言の国民投票が行われているんです。
 映画に描かれたように女性に対して『だけ』、良き妻であるだけでなく、良き母であり、良き嫁であり、なおかつ良き労働者であれ、なんて、どこのムリゲーだよ(笑)。

 今は賃金の低下で共働きが65%と圧倒的に多数派です。女性も働いているけれど、家事や育児も女性が相変わらずメインでこなすことが多い。多くの男は『家事を手伝っている』と言った時代錯誤のジェンダー意識に囚われたバカであることに加えて、長時間労働や仕事帰りに安酒を飲んで家事なんか知らんぷり。

  おまけに企業は単身赴任や深夜労働など家庭のことは考えない、国も自治体もサポートは消極的だし、保育所を作っても給料を上げないから職員も不足。
 安倍晋三に至っては日本会議の妄言を真に受けて、総理大臣自ら3年育休とかトランプ並みの迷信を振りまく始末(笑)。
安倍首相提案の「育休3年」は長過ぎる | 子育て | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/other/pdf/7877.pdf

 それじゃあ、子供が減るのは当たり前です。やってられるかってことですよね(笑)。公助も共助も不足なら、自助とは『お前ら、ふざけんな』という意味になる。

 今回はそれにコロナという外的要因が加わりました。妊娠どころか女性の自殺まで増えています。これもまた、大勢の人が日本の未来にNOと感じている事の表れでしょう。


  中 略

news.yahoo.co.jp

 コロナはデジタル化の遅れや非効率的な働き方、産業構造の遅れなど、日本社会に潜在していた問題点を浮き彫りにしました。デパートの相次ぐ閉店など、コロナによって以前から起こりかけていた変化が加速されつつあります。

 少子化という面でも変化が加速されつつあるようです。この変化は吉とでるか、凶と出るか。
 移民をどんどん受け入れたり、外国との積極的な交流を進めたり、デジタル化や最低賃金のアップで生産性を高めたり、創造性を高めたり自分の頭で考えられるような教育を強化していけば一人当たりのGDPは高められますから、吉になるかもしれません。

 でも、今の政府はそんな感じじゃありませんよね(笑)。教育や研究の予算を削って、政府に賛同しない学者には圧力をかけ、公文書や歴史まで改竄する。国民はマスコミやネットのデマに乗せられたり、何か事件があってもすぐ忘れる。自分の頭で考えたり、事実を見ようとはしない。

 事実を直視すれば、日本人はどんどん貧乏になりつつあることが判ります。
 最近発表されたOECDの最新データ(2019年)によると、日本の年間平均賃金はOECD35か国中24位の3.8万ドル(約424万円)。OECD平均4.9万ドル(534万円)どころか、韓国の4.2万ドル(465万円、19位)にも抜かれました。

●黄色が日本、紫が韓国、赤がOECD平均、水がドイツで緑がアメリカ。ちなみに1位はルクセンブルク、2位はリーマンショックから見事に立ち直ったアイスランド
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data.oecd.org


 やっぱり日本の将来は自己満足の『ニッポン・サイコー』のバカテレビばかり見ている貧乏老人ばかりの衰退国かな(笑)。
 もちろん、それでもボクは事実を直視しながら、なんとか生き伸びていこうとは思っています。


 と、いうことで、今日の東京は予報通り、午後から雨になりました。今週の金曜官邸前抗議もオンラインです。

 女川原発再稼働反対の署名が始まりました。原発の再稼働が1日遅れれば、その分だけリスクが減るし、減価償却が進んで原発の廃棄コストも減っていきます。
chng.it