特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『76%の誘惑』と『日本人は未来に住んでいるようだった』(オードリー・タン氏)

 まだまだ暑いですが、日の出は遅く、日の入りは早くなり、朝晩は少しだけ秋の気配を感じるようになりました。
●通勤の帰り道。雲と水、まるで印象派の絵画のような夕景でした。そろそろ、夏も終わり。


 自由が丘に、フィレンツェのチョコ屋が夏だけ営業しているチョコ・ジェラートの専門店がある、というので味見をしてきました。

 ジェラートはどこでも売ってますが、チョコ専門、しかも夏しかやってない、というのは珍しい。
www.vitali.jp

 今まで、太るのが怖くて敬遠していたのですが、今年は毎日 徒歩通勤で運動しているので安心して食べられる(笑)。
 カカオ76%のチョコ・ジェラート!(ちょっとピンボケ)

 ジェラートの質感は普通ですけど、濃厚なカカオは美味しいです。勿論 そんなに甘くありませんし。
 チョコ以外にマスカルポーネチーズ、レモンのジェラートを3種盛りにして食べました。美味しい部類ではあったけど、そっちは太るリスクを冒してまで食べる、と言う感じではないかも(笑)。

 
 誘惑に負けてしまった記録でした(笑)。



 さて、今週は安倍晋三の記者会見がどんなものになるか、もしかしたら辞任?と憶測を呼んでいました。あ、辞めんの(笑)。そう、良かったね(笑)。
 もっと早ければ、もっと良かったのに(笑)。

 NHKで記者会見をちらっと見たけど、言い訳がましく、ひたすら自分の体調だけを説明する弱々しい口調は惨めそのものでした。最後まで自分のことしか考えてない
 お目出度いことではあるけれど、安倍晋三が辞めても、状況は大して変わらないくだらないです。

 辞めるにしても、韓国のように国民が倒したのなら民主主義を実感する意味があります。でも、どんな理由にしても自発的に辞めるのなら大した変化があるわけない。

 どうせ自民党の政権が続くのだし、今の野党は機能していない。マスコミは無能、国民は目の前にお皿が出てくるのを待っているだけ。その癖 直ぐムードに流される。


 安倍晋三がバカでサイアクなのは間違いないですが、ここまでアホをのさばらせたのには構造的な問題がある筈です。

 問題は昭和の時代から続き、近年劣化がどんどん進む日本の体制です。構成するのは政治家&官僚・マスコミ・(選挙へ行かない)無責任&無能な国民。このアホのトライアングルが問題なんです。


 例えば 昨日 リベラル派の学者として知られる内田樹がこんなことを言ってました。

 こういうことを事前に暴露しても何の役にも立たないし、そもそも非常識だし、仕事の信義則違反。社会人失格です(笑)。こんなバカでも肩書は一応 思想家(笑)。
 内田は、嘘ばっかり言ってる山本太郎を支持した時点で『山本太郎から見える日本』から - 内田樹の研究室 認知症と思いましたが、やっぱりもう、ボケている。20年くらい前で思考停止したリベラルも、いつまでもボケ老人を起用するマスコミも、アホのトライアングルの一角です。



 この前 ボクの勤務先でも感染した人が出ました。関西地方の支社の人です。今や多くの会社で感染している人は沢山でていますから、それ自体は驚くような話ではありません。

 その人は熱が出て直ぐ医師の診察を受けましたが『コロナではない』と言われ、PCR検査を受けられませんでした。数日後 容態が悪くなって改めて検査したら、陽性だった。

大阪では東京よりはるかに重症者の増え方が多いそうですが、検査の遅れも影響しているのではないでしょうか。


 コロナ対策ダメ、政治もダメ、今やアジアの先進国から脱落しつつある日本ですが、かっては違っていました。
 コロナ封じ込めに成功した台湾で感染防止に活躍した政治家の一人、天才IT担当大臣として有名なオードリー・タン氏が早稲田ビジネススクールのオンライン講演でこう語ったそうです。早稲田のビジネススクールはボクも行きましたが、頑張ってる。

 昔から度々来日していたタン氏には、かっての日本はこう見えていたそうです。
日本人は未来に住んでいるようだった
www.huffingtonpost.jp

 台湾から1時間の時差の日本にはシャープのザウルス(昔の電子手帳)みたいなガジェットが溢れていて、未来の国のようだったそうです。
 そのシャープも今や台湾企業に買収され、コロナ対策でも、政府のIT化でも、日本は台湾より遥かに後れを取るようになった。
 この30年は日本にとって未来から過去への退化の時代 だった。


 コロナ対策には管理を強化しなくてはならない、という議論があります。前回 中国の現状をご紹介しましたが、あっちはスマホのアプリ、巨大データベース、町中にある監視カメラ、勿論 何十万人もいる監視要員で、水も漏らさぬ監視体制を作り上げている。日本だって、直ぐそういう話になりそうです。


 しかしタン氏はそれに与しません。台湾もITによる管理をばっちり行うことによって感染拡大を防ぎましたが、同時に情報公開、透明化を行ったと言っています。
 具体的には『(政府に)“開門造車”(オープンな体制で、規則に縛られず)で開発を行う環境』があり、『過去5年の間に、数々の改革やオープンな政府を通して信頼を築いてきた』そうです。
www.huffingtonpost.jp

 具体的な事例として『電子フェンス』というものをタン氏は紹介しています。『ホテルで隔離されない隔離対象者のスマートフォンに入れるシステムで、隔離対象者がフェンスの範囲を超えた時に、SMSが地元の警察に送られる』ものだそうです。

 中国の監視システムとそっくりの恐ろしい仕組みですが、台湾では従来から同じ仕組みを台風などの防災に使っており、個人情報は一定期間後 破棄されることを市民は理解していた。つまり市民は政府に情報を悪用されないことを信頼していたので大きな問題は起きなかった、そうです。


 政府としても、蔡英文総統は『情報を公開すればする程、人々は安心する。』と情報公開の指示を出し、保健当局のトップ・陳時中衛生福利部長は連日記者会見を続け、死者が出たときは涙を流しながら国民に説明していた。
 陳氏は全ての質問に答えるため、連日の記者会見は1時間半にも及んでいたそうです。安倍晋三と如何に違うことか! そして陳氏は「民主主義の体制のもとで効率よく対応できることを世界に示そう」と呼び掛けていたそうです。
www.nhk.or.jp

 その陳時中衛生福利部長は感染が収まった後 数千万円の退職金を辞退して辞任、市井の医者に戻ったのは有名です。

 一方 情報はまともに公開しない、議事録は作らない、記者会見は開かない、が日本の現状です。PCR検査の体制が何故拡充できないか、すら説明がない。

 おまけに日本はIT化の遅れが指摘されています。確かに酷い。
 給付金や感染者の集計でも紙やファックスで申請や報告を受けてプリントアウトして再入力、なんて馬鹿な国は、OECDでは日本だけかもしれません。外国の人と話してもファックス、と言うだけで笑われます週刊ダイヤモンド9/5号によると、東京都はコロナ感染者の情報を厚労省に報告するパソコンすら不足していたらしい。

 従来のリベラルの多くは、マイナンバーは国民総背番号制に繋がる、と否定的です。しかし今回の給付金の不手際を考えれば、マイナンバーか健康保険番号による管理は仕方ないでしょう。今時 手集計なんてありえない(笑)。ただし、今の日本政府は全く信用できないのも事実。


 
 結局 ITで政府・行政を効率化するには『情報公開・透明性を持った民主主義』が不可欠、です。でなければ中国のようなIT監視社会か、昭和そのままの非効率&高コストな過去の国しか選択肢はない。

 台湾の『情報公開・透明性を持った民主主義』は75%という高い投票率(先日の総統選)で担保されています。タン氏は、台湾で投票率が高いのは『台湾では小学校から生協まで様々な場面で選挙があり、選挙の大切さが理解されている』、更に『開票プロセスが全て公開されているから皆が関心を持ちやすい』と言っている。
www.huffingtonpost.jp

www.youtube.com

 台湾の話をまとめてみましょう。
 選挙で優秀な女性リーダー(蔡英文総統)が選ばれ、再選後たった1週間で感染症対策体制を稼働、総統が選んだ沈栄津経済大臣はマスク生産量をたった1か月と10億円の費用で生産量を10倍に増やし輸出までできるようにし(ちなみにアベノマスクの費用は400億)、トランスジェンダーのタン大臣はITでマスクの供給や感染状況を管理、そして医師の陳時中保健大臣が感染防止の指揮と積極的な情報公開を行った。
 その結果 台湾の感染者は累計でたった500人、日本はちょうど今週 感染者が2万人を超えました。
www.news24.jp


 答えは出てきたみたいですね。やはり日本は民度が問題(笑)。
 投票率がもっと上がるような民度にならなければ『情報公開・透明性を持った民主主義』は実現しないだけでなく、国民の安全も経済も成り立たないということでしょう。バカな国民の低投票率の結果、組織候補と世襲候補の政治家が能力に関係なく幅を利かせ、自分たちの私利私欲ばかり貪る。無能な野党と忖度マスコミがそれをアシストする。それが今の日本です。

 コロナ危機は日本の矛盾を露わにした、という点ではある意味、天祐だったかもしれません。あとは我々が変われるかどうか、でしょうか。
 
●今週も金曜官邸前抗議はオンラインです。