特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

小川淳也によると、世界は- - -(The World According to- - -):BS-TBS『報道1930』

 1年の半分が過ぎ、7月が始まりました。そろそろ梅雨も本番。
●梅雨の晴れ間の駒沢公園。自粛期間と比べてめっきり人も減りました。

 新型コロナウイルスに感染するのは本人が悪い――。3~4月の時点で、そう考えていた人の割合が、日本は米国や英国などと比べて高かったそうです。これが日本の民度、と言う訳です。

toyokeizai.net



 感染者がまた増えてきました。1日の数値がどうのこうのというのは無意味でしかありませんが、傾向値として感染者は増え続けています。
●東京都の新規感染者数推移(1週間単位の移動平均、~7/3発表分):既に爆発的に感染者が増えた4月初旬、皆が不安に駆られて家に籠っていたGWの水準に戻りました。
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●東京都のPCR検査実施件数推移。1日2000件くらいのペース、ほぼ一定です。つまり1日当たりの平均の検査件数がそれほど増えているわけではないことが傾きの角度をみれば分かります。
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都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト

 感染者の増加は検査を増やしたから、と、菅も小池も今までのサボりを自ら認めるような弁明をしていますが、感染者数の増加が検査数の増加ペースを凌いでいます。重症者の数は増えていないということはあるにしろ、これから他国のように感染が爆発したらどうするのでしょう。
 専門家(もどき)の『PCR検査の確度が低いから検査件数を増やしても』という言い訳は判らないでもないが、それでも検査の拡充ペースは遅すぎます。確度が低いなら、それをカバーできるだけ検査件数を増やせばよいのです。一人が複数回検査できるようにすれば、精度は増します。

 そもそも感染が増えるのは緊急事態制限解除後 感染防止のための具体的な対策を殆ど取っていないのだから、当然と言えば当然です。都庁を赤い照明で照らして何の役に立つんだ(笑)。

 小池にしろ、政府にしろ、驚くべき無能さです。


 確かに経済を止めるとエラいことになります。それに殆ど感染者が出ていない地方は制限する必要はありません。一律に制限をかけるという発想が間違っている。
 東京、大阪だけでも経済を緩やかに回しながら感染を抑える策を講じる。例えば長距離移動の制限とか、本当にリスクがある業種は補償して営業制限をすればいいんです。

 具体的には飛行機や新幹線、長距離バスの定員を例えば5分の1にするとか、本当に問題なら飲み屋や風俗、カラオケを閉めさせて補償すればいいんです(さすがに昼夜問わず、カラオケはまずいでしょ)

 感染拡大にもなりかねないGO TOキャンペーンなんかより、やばい業種や地域の補償・休業が先でしょう。


 以前このブログで『日本のコロナ対策は大失敗、人口当たり致死率はアジアで2番目に多い』という話をしましたが
spyboy.hatenablog.com
、今週 東大の元学長の小宮山氏も東大名誉教授の児玉氏も全く同じことを仰っていました。
 要するに、原発事故もそうでしたが、日本人は現実を見たがらない。
www.asahi.com

mainichi.jp

 今回のコロナ危機は、格差やデジタル化の遅れ、無駄な仕事(笑)など日本社会の問題点をあらわにしました無能な政治家と非効率な行政、それに政治に無関心な国民がそれを拡大させている。

 日本が衰退途上国になるのも当然、ではあります。こんなの↓、ばっかりじゃね(笑)。


 折角 都知事選があるのに『経済を維持しながら感染防止をするにはどうしたらよいか』という、今 最も喫緊の課題が議論すらされない。
 宇都宮氏が有能な首長に成りえるかどうか、ボクには判断する材料はありません。でも、少なくとも他の候補は無能、レイシスト、バカで嘘つき、なのは、はっきりしている。

 例えば山本太郎は『目玉政策の15兆の都債発行について総務省と繰り返し相談した』と言ってたそうですけど、実際に総務省に情報開示させたら大ウソでした

 総務省に発言を否定されて、当人はそのあと反論はしたようですが、何の証拠も示していない。示すことができないのでしょう(笑)。

 都知事選、ボク自身はいまいち盛り上がりません。いつも通り、もっともマシな投票をするだけです。
 それでも今回は勝敗はさておき、こういう構図が出来ただけ↓でも進歩だとは思います。岡田克也どころか、野田佳彦まで宇都宮氏の応援に行ったことに拒否反応を示す人はいるかもしれませんが、いずれにしても左から中道までが組まないと政権は取れないし、人材的に政権は維持できない。それは間違いのないことです。


 昨日の木曜日、BS-TBS『報道1930』に、先日取り上げたドキュメンタリー『なぜ君は総理になれないのか』映画『サンダーロード』と『なぜ君は総理大臣になれないのか』 - 特別な1日
衆院議員(無所属・立憲会派)、小川淳也氏が出演していました。
www.bs-tbs.co.jp


 流石に平日1時間半の報道番組を見るのは厳しいですが、小川氏がどんなことを言うのかと思って、録画して早送りで見てみました。
 小川氏は、コロナについては対策の遅れ、不備の指摘に加えて

『景気や予算の面からも、緊急事態宣言のように全面的に経済を止めるわけにはいかないけど、業種や地域を絞って限定的に休業・補償をすればよい。それくらいの予算ならあるはずだ。』

 河井夫妻の贈賄については
『金を配れば投票してくれるという、有権者をバカにしている行為である。贈賄資金の源資まで明らかにすることが重要。』

 噂になっている衆院解散については、
『調べた限り先進国では議会の解散は両院の解散が原則で、日本のように片方だけ度々解散するような国はない。特にイギリスは議会を解散するには3分の2の議員が賛成する特別決議を必要としている。日本も首相の解散権の制限を行うべき。』

 映画でも感じましたが、元官僚の彼は理屈が通っているだけでなく、理想の追求と現実的な視野を両立している。嘘ばかりついている、どこぞのバカとは違います。

 さらに面白かったのは野党共闘についてです。
 共演していた国民民主の副代表、渡辺が『与党が衆院を解散するなら、野党共闘は明日にでもできる』と今まで出来なかったことを簡単に言うのに対して、
小川氏はまず、彼が統一会派を組む立憲民主の求心力が低下傾向にあることを陳謝します。そのうえで、
 
 
 『国民に政治の選択肢を示すためには、立憲民主も国民も相違を乗り越えて手を結ぶべきだ。政策、党名、人事に加えて感情的なもつれもあるが、党の上層部には責任がある。枝野氏も玉木も国民の利益という最も大事なことを考えたら、お互いに譲歩できるはずだ。

 『野党共闘は単なる出発点に過ぎない。それだけではダメだ。民主党政権の悪かった点を総括して明らかにし、その上で今後のビジョンを示す。政治家は『私』を捨てて訴えなければ、国民には伝わらない

 その通りだと思います。当選4回のベテラン議員が依然こういう理想主義的なことを言い続けている。
 かって彼は前原の側近だったし、前回の選挙では希望の党から出馬、小選挙区では新聞やTV局を一族で経営している自民の三世議員相手に2000票差で惜敗しています(比例復活)。人間だから、迷いや判断ミスはある。しかし現実を直視し、間違いは間違いと認める。その上で前へ進もうとする

 今の日本は与野党問わず現実を直視しない政治家やマスコミばかりです。そんな中で小川議員は稀有な存在です。でも、稀有なんて言ってるようじゃダメなんで、彼のような存在を一人でも増やしていくのはボクらの責務だと思います。



 さて、再稼働反対の官邸前抗議、今週から復活の予定でしたが、感染の増加で現場での抗議は中止になりました。

 今週、個人的にはこのニュースがショック大きかったです。かなり大きい。近年、東京で市民が集まる抗議、デモを主宰してくれていた『怒りの可視化』の代表氏が27日、脳出血で急逝してしまいました。


 今までこのブログでも度々ルポを挙げてきたように、新宿や銀座、自民党前での抗議など『怒りの可視化』主催のデモは既存の政党・組織に関係なく、参加者も現役の社会人ばかり。メッセージ的にも、スマートな抗議手法も、ボクは共感ができるものばかりでした。

 もちろん、彼の意志は我々参加者一人一人が引き継いでいきますが、残念でなりません。自分でデモを主宰するだけでなく、公安に話をつけたり、SEALDsやエキタスなど他の人のデモも裏で支えていた彼はまだ45歳。
 
 RIP