特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『コロナが暴く?日本の民度』と『お弁当屋さんの廃業』

 このところ、片道1時間半かけて徒歩通勤しているせいもあって、街を歩く機会が格段に増えました。普段は知らなかった街の表情をうかがい知ることができて、新鮮な感じがします。マスク越しでも新緑の香りが漂ってきます。

 マスクなしでジョギングや自転車に乗っているアホは京大の山中教授の警告もあり山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信、多少 減る兆しは見えてきたかな?。今週になって、10人に2人くらいはマスクをする人を見かけるようになりました。
 それでも集団、時には家族ぐるみでマスクなしでジョギングしてる低能には呆れてしまいます。あと老人会のべちゃくちゃ喋りながら道をふさぐ集団散歩も勘弁だなあ。
 日本人はなんでつるみたがるんだ
●道端で見かけた町内会の掲示板(笑)

  小池百合子が『スーパーでの買い物はせめて3日に1回』と言ってたのも驚きました。そんなヒマ人ばかりなんですか??ボクは普通は週1回、多くて3日に1回です。店に行く回数が増えれば増えるほど、無駄遣いするじゃないですか(笑)。
 
 連れ立ってスーパーへ買い物に来る連中も減りませんね。それも所在投げなジイさんが奥さんについてくるのをよく見かけます。
 『密』の問題だけでなく、慣れないスーパーでジジイが呆然とつっ立てるから邪魔です。動きがトロいのは仕方ないけど、人との距離を取ろうとする奴が少ないのは問題。そのくせ奥さんの荷物を持ってるような殊勝な奴は殆どいない。

 ジイさんの中には会計の際にわざわざレジの店員さんに話し込むボケ老人もいる。しかも飛沫防止のスクリーンの脇から喋ってやがる。そういう中高年のジジイの多くは普段から頭も気も使ってないのでしょう。
●最近はしゃべらなくてよいように、レジにはこんなカードもあります。

 バカにはつける薬はないから仕方ないですが、『男は仕事』という戦後一時期のみの『性分業という妄想』が、如何に粗大ゴミのような使えないバカ男どもを作り出してきたか、改めて実感します。
●23日放送のE-TVの『バリバラ』、伊藤詩織氏と崔江以子氏がゲスト、面白かった。NHK頑張ってますよ。来週も続きます。



 テレワークで住宅地の昼間人口は増えているのですが、広場などで小さいお子さんを抱えて所在無げにしている親御さんが増えてきたような気がします。そういうのを見ると、この親子はどうしているんだろう、と思ってしまいます。

 緊急事態宣言で保育所の多くも閉まっています。東京都はベビーシッター補助とかはやっているようですが人出不足だそうですし親がテレワークをできない仕事だったら、いったいどうしたらいいのか、正直 ボクには想像もできません。子供だけでなく、デイケア/デイサービスなどが閉まって介護で苦労をしている人もいる。


 近年『改革』とか『生産性』とか『民営化』など、この国でも色んな言葉が使われてきましたけど、要するに金儲けやコストダウンを追求してきたわけです。しかも多くの場合 社会に不可欠な仕事をしている人たちを踏み台にしてきた。そのツケが回ってきている。

 (医師会という強力な圧力団体がある開業医は別として)医療や介護、インフラ関連など生活に不可欠な仕事、いわゆるエッセンシャル・ワーカーは押しなべて待遇が良くない例が多い。正規・非正規の雇用形態の差、とは言うけれど、多くの場合 それを正当化してきたのが日本人が性差別を認めてきたからです。

 日本の民度は実はこの程度です。男女や国籍、人種を問わず、幅広い人たちの力を生かすことができないのですから、我々の社会がこんなに脆弱なのは当然のことかもしれません
●職員から10万円を召し上げようとした広島県知事ですが、これは納得してしまいました(笑)


 経済面でも 影響はどんどん大きくなってきました。3月、4月の売上減で資金繰りが煮詰まってくる5月、6月にかけて、これから更に悪くなってくる。小売や飲食だけでなく、製造業だって例外ではないでしょう。

 TVや新聞で大きく報じられましたが、今週 東銀座の歌舞伎座前にある創業150年のお弁当屋さん『木挽町辨松』の廃業、これはショックです。


headlines.yahoo.co.jp

 元々後継者難や老朽化で身売り先を探していたところにコロナで歌舞伎座が休業してとどめを刺した、と報じられています。倒産ではなく廃業ですから、まだマシですが(中小企業は周囲に迷惑をかけない廃業なんか中々できないものです)、それでも寂しい。

 一定の年齢以上の東京生まれの人しか判らないかもしれませんが、砂糖と醤油が炸裂する甘じょっぱい味はまさに東京、いや江戸の味です。
 辨松の卵焼きや煮物はボクにとって子供の時からのソウルフード。食べると、自分が江戸時代から続いている存在であることを実感できます。
 明治期に官僚がでっち上げたインチキな君が代や日の丸じゃなく、これこそが伝統です。
 しかも安い。卵焼き一折420円ですからね。

 しかも自分で作ろうと思ってもなかなか真似できません。甘辛いんだけどしつこくない、そして煮物は型崩れしていない。あれはなんなんだろう。

 ただ辨松の場合、ライバル店、創業160年の『日本橋弁松』が残っているのは不幸中の幸いではあります。ほぼ同じものはまだ食べられます。しかしコロナは経済だけでなく文化や伝統を、如いては社会をも破壊してしまう。


 アメリカの失業者は2200万人を超えているそうです。世界大恐慌の時は1300万人、リーマンの時は900万人です。
 一方 日本は2020年2月の時点で非正規雇用者が労働者全体の38%、パートとアルバイト併せて約1500万人、まず、この人たちの生活が危うい。他に約200万人の個人事業者もいる。

 3月末の時点で既に、派遣社員の2割弱が失業、約4割が収入減という調査もあります。
www.nikkei.com


 当初の所得制限付き30万円配布ではこの人たちはほぼ対象になりません。基準が間違っている。
 だから 一人一律10万円になったのは当然と言えば当然、です。この額ではとても足りないとは言え、今は誰が困っている、困っていないなんて判別できるわけがない。程度の差はありこそすれ、判別するには時間がかかりすぎるし、困っている人の数が多すぎる

 辨松どころか、あと4,5か月しかキャッシュが続かないというJALANAのような超大企業だって潰れかねない状態です。

 そして更に追加対策をしなければ、コロナで亡くなる人より、経済危機で亡くなる人の方が多く出ると思う。


 いつもグラフを挙げている東京都の感染者数推移(1週間移動平均)。 
 この1週間、感染者数の発生数は緩やかながら傾向は下がり始めました。外出を抑えることで効果は出始めています。
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 *今週 山中教授が『東京都の検査数は減少しているから、感染者数の増減はあてにならない』と警告を出しました。慌ててボクも検証したら検査数は傾向値では増加していた。彼は単日の数値で考えていたんです。数日で教授は間違いを認めて訂正しましたが(彼は誠実です)、ノーベル賞学者ですらそういうことがある。いかに自分の頭で考えることが大事か、と思いました。
www.covid19-yamanaka.com



 今、できることは更に一人一人が感染リスクを下げていくのと、政府に適切な対策を要求していくしかない。
●政府の無能無策を黙っているのは論外です。

 ワクチンや治療薬ができるまでは、自粛と緩和を繰り返しながら経済活動を適度なレベルに維持していかざるを得ないんでしょう。そして、損害を少しでも少なく、そして皺寄せを受ける人を一人でも少なくすることが後々の経済の立ち直りにもつながります。今こそ、弱い立場の人に寄り添わなくてはいけない

 命や職を失ってしまえば、経済もへったくれもありません辨松のような例を増やしてはいけません


 上のグラフを見ても判るように、努力をすれば感染は防げます。今 感染者を減らしておけば、経済が再び立ち上がるのも早くなります。我々にまだ希望があるうちに感染を減らさなくてはいけない、と思います。