特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『秋の点描』と映画『スペシャルアクターズ』(2匹目の泥鰌はいたか?)

 毎週恒例の金曜官邸前抗議、10日の日曜に大規模抗議があるので今週はお休みです。

 11月になって秋晴れのお天気が続くようになりました。それでも思った以上に寒い。天気予報では『今日は秋なのか冬なのか』なんてやってましたけど、春や秋がどんどん短くなっているような気がします。
●今週の駒沢公園。例年より色づき始めるのは早いんじゃないかな。
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 今年もあと2か月。早くも街にはクリスマスの飾りつけが始まりました。家にも順番に、おせち、クリスマス、ボジョレ・ヌーボー、お歳暮、様々なパンフレットも送られてきました。なんなんだよ、いい加減な時系列と節操のなさ(笑)。こういうことをやっているから、余計に時が過ぎるのを早く感じるんだよなあ。
●恵比寿にはもう、クリスマスツリーが飾ってあります。

●世界最大級のシャンデリア、バカラだそうです。『級』っていうところがセコい(笑)。

 とにかく、世の中の動きとは極力関わりなく静かに生きていたい、とつくづく思います。それをさせないのが世の中をどんどん悪くする政府だし、資本だし、マスコミだし、世俗の人間関係(笑)。うんざり。その上、更に宴会とかやろうとかいう輩がいるのはホント、頭がおかしいんじゃないかと思いますよ。
●頭がおかしいと言えば、ムサシの選挙違反やら反ワクチンやら、山本太郎は相変わらずデマを振りまいています。

 それにしても例の大学入試への英語民間試験の導入、こうやって見ると明快です。こういうところは共産党は仕事してます。

 文春もNHKもこれについては仕事をしている。特にNHK(クリックすると見られます)は良記事でした。

下村元文科相 “事業者と蜜月関係”報道を否定 | NHKニュース

 問題はこういうことなんでしょう。記録とか手続きとか軽視されがちですけど、民主主義を成り立たせるための不可欠な要素です。起きている事象は違うように見えるけど、今の内閣がやっていることは民主主義を破壊して、国や税金を私物化しようとしているのは終始一貫している


 それが安倍政権の本質なのに、国民はまだまだ関心が低いように見えます。将来の歴史書には、日本人は自らの無責任さで衰退していった、と書かれるのでしょうね。

 最後はお口直し。秋と言えばキノコです。年1回のキノコ祭り?に行ってきました。
●1枚目、ポルチーニ茸のフリッター。2枚目、白トリュフのパスタ。

 キノコ本体も良いのですが、これは久々にすごい、と感動した料理↓です。一見何の変哲もないサラダに見えます。

 ところが半熟卵は白トリュフの周りに保管して香りを吸い込ませたもの、サラミは黒トリュフを練りこんだもの。食べる前はお皿からは白黒両方の香りがして、食べると双方の香りを野菜が結びつける。そんな料理は初めてです。
 しかもウナギ屋の店先のように香りだけですから(笑)、別にそんなに高級な料理でもありません。

 何事もそうですがこれ見よがしなものより、一見 平凡なものが実は恐ろしい、というのが最もお洒落=粋じゃないでしょうか。平凡な日常が一番素晴らしい、とボクは思います。現実には中々そうもいかないですが(笑)。



 と、言うことで、新宿で映画『スペシャル・アクターズ
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special-actors.jp

 売れない役者の和人は緊張すると失神してしまうという体質で、役者としての芽が出るどころかバイトも度々クビになる、食うや食わずの生活を続けていた。ある日 数年音沙汰がなかった弟と街で出会った和人は『スペシャル・アクターズ』という芸能事務所を紹介される。依頼者の頼みに応じて演じることならどんなことでも引き受ける、その事務所に、カルト宗教から旅館を守るという仕事が舞い込む。和人もスペシャル・アクターズの一員としてカルト宗教の中に潜入することになるが。

 インディーズ(自主制作)にも関わらず、昨年大ヒットした『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督の新作です。

カメラを止めるな!  [Blu-ray]

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 『カメラを止めるな!』は前半は劇中劇としてチープなC級ゾンビ映画、後半はそれを撮影するスタッフたちの裏模様を描いたものです。いったんは平凡な登場人物しか出てこないC級の駄作に見せかけて、最後は笑って泣かせる見事な構成には舌を巻きました。
 
 と、同時にあまりにも鮮やかな後味だったので、こんなレベルの作品を再び作れるのかどうか疑問を感じた人も多かったはず。インディーズだった前作から松竹がバックについて増えた予算も不安材料にしか感じません(笑)。
 果たして今回 2匹目の泥鰌がいるかどうか。


 今作では、売れない役者である和人と何でも屋の芸能事務所、スペシャルアクターズの面々が旅館乗っ取りをたくらむカルト宗教に潜入、対決していくドラマが描かれます。
 これがまた前作にも劣らないチープな感じ。出てくるのは無名の役者さんばかり、平凡で何となく憎めない面々なんですが、ドラマとしてはやっぱりC級です。『カメラを止めるな!』は前半30分を我慢すればよかったのですが、今回はそれが延々続く(笑)。
●主人公の和人(左)と弟の浩樹

●仕事を依頼してきた旅館の娘と番頭

スペシャル・アクターズの面々。文字通り売れない役者の集まりです。

 カルト教団と言っても全然怖くない。邪悪だけど笑える人たちです。ボクは怖いのは苦手なので、それは良いのですが、延々続くとさすがに??という違和感も出てきます。
●教団の面々

 結局 上映時間の7割くらいがマヌケな登場人物たちのまったりとしたC級芝居が続きます。

 それでも伏線はうまく回収しながら終盤にはそれなりにメデタシ、メデタシと思え得るような展開になる。まあ、面白かったと思った瞬間、更にどんでん返しが起こります(笑)。

 芝居や画面はチープだけど、お話はとてもよく練られている。ちょっと狙いすぎかもしれないけれどハート・ウォーミングな線に着地するところは素晴らしいです。最近は特に、日本ではお涙頂戴ではないスマートなハート・ウォ―ミングな映画って珍しいじゃないですか。自己責任病ばかり蔓延る世の中があまりにも殺伐としてますから、余計にハート・ウォーミングなものが懐かしく感じる。

 傑作とかではありません。でも、映画館を出るお客さんたちの中からは『思ったより面白かった~』という声が複数挙がっていました。ボク自身 デモへ行くまでの(笑)時間が余ったので見た、という映画でしたが、まさにそういう感想が当てはまる、見て損はないと思える映画でした。

映画『スペシャルアクターズ』予告 10月18日(金)全国公開