あああ、楽しい3連休も終わってしまいました(泣)。
この日曜日は国会前へ行ってきました。『11・03憲法集会』
主旨はほぼ賛成ではありますけど(笑)、オールド左翼の爺さんたち『総がかり行動』の主催の集会ですので、内容がないことは判っています。どうしようか迷ったのですが、外出する予定もあったので、そのつ・い・で(笑)。頭数だけになりに行ってきました。
安倍晋三による改憲反対、もそうなんですが、今 首里城の火災で募金とかやってるじゃないですか。それはそれで結構なんですが、それ以前に本土では辺野古のことは関心低いのに、インチキ臭いですよね。それよりは沖縄に米軍基地を集中させるな、と言ってるほうがまだ、マシかなって。
駅から国会前へ歩いていくと、団体の動員らしい幟を持った連中とは別に、リュックに9条守れみたいなステッカーをつけて老夫婦で仲良く出かけてきているカップルを何組か見かけました。動員じゃなく自由意思で、老夫婦が仲良く集会に出かけてくる、っていうのは悪くありませんよね。
日曜の午後にふさわしい?微笑ましい光景を見ることができたのは良かった。
●何故だか判らないけど霞が関から国会前まで警官がいっぱいでした。K察は死にかけたジイさま達が暴動でも起こす元気があるとでも思っているほどバカなのでしょうか(笑)
●勿論 参加者の年齢層は高いですが、現役の年齢層の人たちもちらほら見かけました。
ボクが現地に着いたときは主催者の挨拶が終わりかけるころでした。ラッキー(笑)。
連中はやたらと毎回『頑張り抜きましょう』とか『集会の成功』とか言うけど、集会で何を頑張るのか、何が成功なのか、ボクには全く分かりません(笑)。連中のスピーチは安倍晋三の挨拶と同じように毎回コピペなんじゃないか?
それから社民党の福島瑞穂、立憲民主党の逢坂誠二衆院議員、共産党の穀田恵二衆院議員。共産党は野党共闘に本気なんだなーとは思いました。
そのあと韓国から来たという安倍糾弾市民行動共同代表のパク・ソグンという人がスピーチ。安倍糾弾はいいんだけど、このオヤジ、『GSOMIA(日韓秘密軍事情報保護協定)を廃止しよう』とか言っていて、お前は北朝鮮の手先か(笑)と思ってしまいました。
自衛隊と韓国軍が情報共有するのが何が悪いのか、ボクにはさっぱり理解できません。情報共有してれば偶発的な衝突リスクだって減るでしょう。情報保護協定を廃棄すれば北朝鮮は喜ぶかもしれませんが、韓国にとっても日本にとっても何かメリットがあるのでしょうか。このパクとか言うオヤジの頭の中では世襲独裁国家の北朝鮮と友好的に共存できる(笑)、とでも思ってるのでしょうか。
よく、文大統領を始め、韓国の左派は民族主義だから反アメリカ/親北朝鮮が多い、という話を聞くけれど、親北朝鮮というところはボクにはどうしても理解できません。金正恩も安倍晋三も世襲の独裁主義で同類じゃん(笑)。どうして、そうなるのか理屈を教えて欲しいものです。
そんなバカなスピーチに拍手してる認知症のジジババもいるんだから呆れてしまいます。主催者だけでなく、そういう連中も思考停止なんでしょう。
●全員がそうではないと思いますが、映画『タクシー運転手』や『1987、ある闘いの真実 』で描かれた、自由を求める人々がそんなアホになってしまった?のか。ボクにはどうしても理解できません。
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ここいら辺で気分が悪くなりました(笑)。バカは相手にしない。良い頃合いです。こういう連中とはごく薄い関わりでいい、と思う。真っ黒なサングラスをして麻のシャツを着た場違いな格好のボクでしたが、頭数には成ったので自分でも満足しました(笑)。
国会前を後にして、本来の外出の目的、注文しておいた冬物のコートを受け取るために原宿へ向かいました(笑)。
●このリズム感が皆無のコールだけでも、どうにもならないことが判ります。これだけリズム感がないのは、ある意味恐ろしいというか前衛的だと思う(笑)。
コールから!#1103憲法集会 pic.twitter.com/BTeoW24DqV
— 憲法9条を壊すな!実行委員会 (@48daisyukai) November 3, 2019
ということで、 こちらはリズム感あふれるお話です(笑)。新宿で映画『ガリー・ボーイ』
gullyboy.jp
ムンバイのスラム街に生まれた大学生のムラドは抑圧的な父親が支配する家族の中で暮らしていた。スラム街では誰もが、自分たちは一生 誰かの元で召使のように働かなければ生きていけないと信じている。
そんな環境に飽き飽きしたムラドは地元のストリート・ギャングとつるみ、幼馴染の裕福な娘と交際していた。ある日、大学でフリースタイルのラップをする学生、MCシーアを見て、ムラドはラップに魅せられていく。
ガリー(Gully)とはヒンディー語で路地裏のこと。インドのラッパー、Naezyの実話を元にしたお話です。
舞台はムンバイのスラム街、それも少数派のイスラム教徒のスラム街に生まれた大学生、ムラドがヒップホップと出会い、フリースタイル・ラップの大会で優勝し、賞金とアメリカの有名ラッパーNAZの前座を務めることを目指す、そんな物語です。
●主人公のムラド。ムンバイのスラム街育ちです。
まず、主人公のムラドの住むスラム街は半端ないです。ムンバイのスラム街といえば、アカデミー賞を取った「スラムドック・ミリオネア」が思い浮かびますが、この家々はそれよりすごい。
家の間隔、道路(通路)の狭さ、家の狭さ。主人公の家は2階建てで2K(土間)ですが、そこに夫、妻二人!(イスラム教徒ですから)、祖母、主人公を含めた子供2人、計6人が住んでいる。
映画の冒頭 欧米人の観光客が見学ツアーで家を見に来るシーンがありますが、インドで差別されているイスラム教徒のスラムということで普通のスラムの上を行く、ということでしょうか。子供がアヘンを売ってるんですよ!良く考えたら阿片戦争の昔から、インドはアヘンの本場でした(笑)。
しかしムンバイはそれだけではありません。日本以上に高層ビルが立ち並び、高速道路にはベンツなどの高級車もビュンビュン走っている。映画は主人公が悪友と車を盗んで、近代的な夜の高速道路を突っ走るところから始まります。この落差には頭がクラクラする。
●ムラドの悪友(右)は子供を使って阿片の密売をやっています。
主人公の父親は大金持ちの運転手です。貧しい使用人であることに甘んじ、自分たちは夢など見てはいけない、と自分で信じているし、家族に対しても命じています。時には暴力をふるう男権主義的な父親です。先日見たインド映画の傑作『シークレット・スーパースター』にも男権主義的なゴミおやじが出てきましたが、インド社会にはそういうものが巣食っているのでしょう。
主人公には恋人もいます。イスラム系ですが医者の娘です。主人公に粉をかける他の女性に嫉妬して警察沙汰になるほど狂暴な、気が強くて、主人公にぞっこんな可愛らしい娘です。このキャラの造型はかなり好き。
でも明らかに主人公とは育ち、階級が違う。付き合っていることなんか公にはできません。家族だけでなく周囲が絶対に許さない。スマホで示し合わせて、通学の途中で何気ないふりをしてあったり、人目を忍んで短時間合うのが精いっぱい。
●階級差のある二人にはこんなデートしかできない。
主人公は父親の代わりにお金持ちの運転手を務めたこともあります。彼ら・彼女たちは大邸宅や高層マンションに住み、運転手付きの外車で外出する。海外留学もしているし、ヒンディー語より英語が上手だったりする。しかもおしゃれな美男美女ぞろい。路地裏そだちの主人公とは同じ生き物ではないかのようにふるまいます。しかもそれに悪気はない。
鬱屈する主人公は大学でヒップホップに出会います。リズムにのせ、韻を踏めば、自分の気持ちを自由に表現できる。楽器を買う必要もなければ、楽器を練習する必要もない。ムラドのような貧しい生まれの若者にとっては生まれて初めて出会った、自分を表現する道具です。
主人公たちは曲を作り、プロモビデオを作って、YouTubeで流す。今は素人に毛が生えたくらいの機材でもそういうことができる。テクノロジーの良い面です。やがて、主人公はラップバトル大会に出て、ラップでスターになることを目指します。
●劇中のMV。スラムを舞台にしています。カッコいいです。
Mere Gully Me FULL HD SONGS MOVIE RIP | Gully Boy | Ranveer Singh,Alia Bhatt & Siddhant |
●モデルとなった実在のラッパーNaezyのMV。良くも悪くも映画のMVが如何にソフィスティケイトされているか、比較してみて下さい。
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テンポも良いし、主人公もヒロインたちも好感が持てるキャラクターだし、見ていて楽しい青春物語です。インド社会の絶望的な格差とラップ、ヒップホップが若者の声を表現する道具であるということが非常に良く、描写されています。痛快です。
と、同時に、ラップ、ヒップホップにボクが共感できない部分。例えば黒人のポーズだけまねてるバカみたいなところ、また、体現する価値観が社会性に欠けるところ=「金を儲けてスターになって、イエー(笑)」みたいなところも活写されています。アホか(笑)。
●ド素人のムラドのプロデュースを買って出るスカイ(左)。ボストンのバークレー音楽院に留学して帰国、インドで起業を夢見ています。美しく聡明で、階級による偏見は皆無ですが、ヒンディー語を良く知らないなどムラドとは絶望的なほど階級差があります。
監督は女性だそうで、格差、差別を表現するところにかなりのエネルギーを割いています。そこは非常に共感できた。音楽シーンもカタルシスを感じるほどではないにしろ、とても良くできている。
宗教が与える影響の大きさでは大きく違いますが、グローバリゼーションやテクノロジーの進化、それに拡大する格差や男女差別、将来への希望のなさ、はインドの社会も我々とさして変わりがない。
2世3世の政治家が跋扈し、非正規の社員が全体の3割、お金持ちばかりが1流大学に通う(東大の学生の平均世帯年収は900万円以上)ようになった日本の社会だってそれほど遠くない。
日本もインドも、ヒップホップなど自分を表現するものに対する切実感は共通している、とボクは思います。ただ、日本ではそれが噴出する回路がない。本来だったら、日本でもっとこういう話が出てきていいはずです。
前述のようにヒップホップの限界みたいなところもあって、映画として大感動するほどではなかったのですが、2時間半、かなり楽しめました。面白かったです。
ただ、この映画で一番驚いたのはムンバイの電車は走行中もドアが開きっぱなしということ。結構な速度で走っているんだけど、ドアは閉めないというか、ドアが元々ない(笑)。単なる習慣の違い、なんでしょうが、年間 何人かは線路に落ちているはず(笑)。とにかく、ひっくり返りました(笑)。
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