週末は暑かったですね~。
天皇の退位、即位をきっかけに、もともと見なかったTVを一層、見なくなりました。とにかく不愉快。
それでも天気予報のために7時のNHKニュースをつけたら、トランプと安倍が夕食にでかけた六本木の店の前にテントまで張ってる光景が映ってた。文字通り頭がおかしい。
www.sankei.com
●六本木でトランプに抗議する人たちが強制排除されました。どこの独裁国家なのか。
Japanese police lead away an anti-Trump protester ahead of the president’s arrival at Ryōgoku Kokugikan stadium for the Sumo match pic.twitter.com/iLK7RAgn7O
— Meridith McGraw (@meridithmcgraw) 2019年5月26日
そしてトランプのつまらなそうな顔(笑)。トランプの数少ない美点は顔に感情が出るところです。リーダーには間違いなく向いてないが、判り易い。
headlines.yahoo.co.jp
日米のバカ代表とそれを喜々として伝えるマスゴミ。超醜いです。
●ワシントンポスト曰く、『世界で安倍晋三ほどトランプに媚びへつらうことに一生懸命なリーダーはいない』と
www.washingtonpost.com
そうそう、前回のエントリー、安倍晋三と元政務秘書氏の話で書き忘れたことがあります。
安倍晋三はトランプに、『とにかく貿易協定は選挙が終わるまで待ってくれ』と懇願しているそうです。同じく選挙を控えているトランプでも、流石にそれは理解している(笑)。しかし選挙が終わったあと、利子をつけてどんなお土産を渡すかわからない。安倍晋三は選挙が終わればどうでもいいわけです。もちろん国会で議論をする気もない。
それを昨日 トランプがツイッターで暴露してしまいました(笑)。日本にとっては自動車の方が大事ですから、自動車を守れるなら農業も牛肉も別に構いませんけどね。ちゃんとしたアンガス牛は霜降りの和牛より美味しいし(笑)。
このトランプのtweetは新聞各紙、NHKの7時のニュースですら報じました。それでもバカぞろいの日本人は理解できないんだろう―な(笑)。
この前F35が海に落ちましたが、出来ればエアフォース・ワンとか、マリーン・ワンが墜落しないかなあ。折角だから(笑)。世界経済のためにも平和のためにも、その方がはるかに良いと思うんだけどなあ。
●新宿のインド料理屋でカティ・ロール(左端)とリンゴとチキンのカレー(右端)。カティ・ロールはチキンなどの具をチャパティ(全粒粉のクレープ)で巻いたもの。ダイエットです!(笑)。そもそもインド料理は脂肪と炭水化物が多くてダイエットに向かないんですが、とにかく好きなんですよ(笑)。
今回は 小規模公開ですが、素晴らしかった映画です。久々に思い入れを感じました。渋谷で映画『ガルヴェストン』
舞台はテキサス。裏社会の殺し屋ロイ(ベン・フォスター)は自分が末期がんで余命が残り少ないことを知る。その後 ボスの指令で向かった先で何者かに襲われ、自分が組織に裏切られたことを知る。やっとのことで相手を殺すと、奥の部屋には少女、ロッキー(エル・ファニング)が囚われていた。家出して行くあてもないまま、身体を売っていた彼女を連れて、ロイはあてどない逃避行に出る
ボクはミステリーは門外漢ですが、業界ではなかなか評価が高いと言うミステリー小説『逃亡のガルヴェストン』をフランスの女優メラニー・ロランが監督した作品です。
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メラニー・ロランと言えば『オーケストラ!』や『イングロリアス・バスターズ』などで知られる超々美人女優として有名ですが、環境保護のドキュメンタリー『Tomorrow パーマネント・ライフを探して』を監督する等、ただの女優さんじゃ、ありません。
●1枚目『オーケストラ!』でのメラニー・ロラン。この時は殆ど『女神』だと思いました(笑)。2枚目は自分の監督作『Tomorrow パーマネント・ライフを探して』での彼女。お子さんを出産して環境保護の重要性に目覚めたそうです。
主演のエル・ファニングの近年の大活躍は言うまでもありません。まだ20歳そこそこなのに、個性的な演技派です。少女を主役にした、最近のまともな映画は殆どこの人が出ているような気がする。彼女は今開催されているカンヌ映画祭の審査員をやっています。もしかしたら最年少審査員じゃないですか?
すごく美人という訳ではありませんが、確かな演技力と存在感、特にどんな役をやってもイノセントさが消えることがない。強烈な個性です。あと、この人、どうしてこんなに肌がきれいなんだろう。
ただ、ボクは犯罪ものとか怖いものは嫌いです。興味なし。気が進まないながらも、メラニー・ロランが監督して、エル・ファニングが出ているということだけ!で見に行った次第。
冒頭 医者から肺に影があることを告げられた殺し屋のロイが組織に裏切られ、娼婦の少女、ロッキーと出会う。お話はサクサクと進んでいきます。緊迫感を保ちつつ、露骨な暴力描写は慎重に避けられている。なかなかうまい。
そして、映像がやたらと美しい。夜がやたらと蒼い。その中に真っ赤なドレスを着た白い肌の少女がいる。雰囲気あります。
●殺し屋と少女の奇妙な逃避行が始まります。
お話が進むにつれて、これはただのクライム・サスペンスではないことに気が付きます。
19歳の少女がどのような環境にいたか、この世の中がどういう構造になっているかが遠まわしに、しかし執拗に描写される。監督が今の世の中に対して抱いている怒りがひしひしと感じられる。殺し屋も少女も多くを語りませんが、二人の表情には何とも言えない悲しみが湛えられている。
例えば少女がDVを受けていた継父を撃ち殺し、3歳の妹を連れて逃げるシーンがあります。銃声が響くだけで直接的な殺人の場面は一切ありません。この時のエル・ファニングの複雑な演技は涙なくしては見られません。観客ははっきりとした種明かしをされないまま、終盤で衝撃を受けることになります。
組織の手を逃れた二人はメキシコ湾に面した海岸沿いの街、ガルヴェストンの安モーテルに辿り着きます。
夜の世界とは対照的な、明るい陽の光。美しい海。そんな土地で、男は間違いだらけだった自分の人生にしめくくりをつけようとする。男は死に場所を求めている。少女は自分とあとにつなぐ命のために生を求めていく。対照的な二人です。それを見守るモーテルの主人。
昨年の傑作『フロリダ・プロジェクト』にも設定が似ていますが、今作はもっと女性目線です。
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ロイはまた売春を始めた少女を何とかして立ち直らせようとします。自分の歳の半分以下の少女です。自分と違い、やり直す機会はいくらでもあるはず。ロイは既に自分の死を覚悟しています。一方 少女は絶望的な状況の中でも、なんとか未来へつなぐ生を掴もうと願っている。
黙りこくっていた二人は初めて心が通じ合う。一瞬 ほっとした空気が流れます。そんな二人に組織の手が迫ります。
俳優さんの演技、非常に美しい映像、品が良く語り過ぎない演出、この映画の素晴らしい点はいくつもあります。特に死ぬことも許されないという皮肉なプロットは素晴らしい。まさにハードボイルドの極北です。
この映画で最も感動的なのはロラン監督の人間観です。
身体を売る彼女のことを『彼女は懸命に闘っていた』とロイは語ります。家族も教育も社会の助けもない少女は、文字通り涙を流しながら自分の身体で幼い『妹』を守った。彼女を非難することはたやすいけれど、自らの血と涙で生を贖う彼女を責める資格は誰にもない。そういうことが理解できるかどうかで人間の根本的な価値って決まってくる、とボクは思うんです。
クライム・サスペンスなのに、この映画は人間を温かな視線で描いています。
ロイや少女を始め、この映画の登場人物は殆どすべてが世の中の落ちこぼれです。彼らが生きるのは冷酷非情な世界。しかし、その中でどう生きるかということ、弱肉強食の価値観に染まらない人たちのことを懸命に語ろうとしている。
この映画に流れているのは、生活保護バッシングに代表される安っぽく頭が悪い、世の中のことも人間のこともまったく判っていない自己責任論とは対極の、人間の誇りと豊かさを忘れない視線です。それが貫かれている。
ハードな描写が続くのに、観客はこの映画を見ると世の中へのやるせない怒り、その中で生きる人間の尊厳を感じることが出来るんです。
これには参りました。こういう演出は普通のクライム・サスペンス、ハードボイルドの常道とは外れているかもしれませんし、実際 原作者は監督の原作の改編に対して自分の名前を出すことを拒否したそうですが(笑)、ボクはめちゃめちゃ共感できました。
この映画は観る者に文字通り、希望と勇気を与えてくれます。こんな映画は珍しい。ちょっと、とっ散らかったところもないわけではありませんが、素晴らしい作品です。上映館もあまり多くありませんが、埋もれてしまうにはこれは勿体ない。傑作ではないかもしれないが、ボクは大好き。断固支持!
エル・ファニングが娼婦役『ガルヴェストン』5月日本公開