道を歩くと緑の香りと明るい陽の光、良い季節です。
それでも段々と日差しの強さを感じるようになりました。夏がすぐそこまで来ているのを感じます。それにしても、最近は春と秋が短くなりました。これも地球温暖化の影響でしょうか。
前回 月曜日のエントリーで、新国立競技場の建設現場が地元では、『タコ部屋じゃないか』と言われている というお話をご紹介しました。労働時間の長さもさることながら、作業員がお昼も外に出てこないのですから。
spyboy.hatenablog.com
丁度 昨日の木曜日、朝日新聞朝刊にこんなニュースが出てました。NHKの夜のニュースでもやってましたね。
www.asahi.com
国際建設林業労働組合連盟(BWI)という130ヵ国、328組織, 約1200万人が加盟している労組の国際組織がこんな指摘をしたそうです。
『月に26日や28日働いている例がある▽つり上げた資材の下で作業をしている▽通報窓口が機能していない▽外国人技能実習生もいるにもかかわらず一部は通報受付が日本語のみ、など問題点を指摘。』
やっぱり タコ部屋じゃないですか!(笑)。賄賂で裏工作、アンダーコントロールという嘘で招聘、スタジアムの建設現場は死人が出るタコ部屋、その一方 被災地の復興は目途が立たない。。アメリカのTVの放送時間に合わせた炎天下の本番、冷房無しのスタジアムで死人が出たら目も当てられません。
後進国の独裁国家がミエを貼るためのインチキ・オリンピック。元がムリなんだからボロはいくらでも出てくる。これからも出てくるでしょう。まさに『頭隠して尻隠さず』とはこのことです。
●BWIの報告書。題して『The Dark Side of the Tokyo 2020 Summer Olympics』。
5つの輪はそれぞれ『外国人実習生の濫用』、『過重労働』、『2人の死』、『(安全を軽視する)恐怖の文化』、『当局は見て見ぬふり』
https://www.bwint.org/web/content/cms.media/1542/datas/dark%20side%20report%20lo-res.pdf
この前 変わった物を食べました。最近 日本に入ってくるようになったと言う、アイルランドのヘレフォード牛という肉です。ちょうど今週水曜発売の雑誌ブルータスのイタリア料理特集『日本はイタリアの21番目の州だった』(笑)(その手があったか!)には『ヘアフォード牛』と書いてありましたが、ヘレフォード(Hereford)の間違い。magazineworld.jp
それくらい、日本ではまだ珍しい牛です。
●Tボーンの肉汁が全く流れてこないのに注目。シェフ氏曰く、焼きの技術、だそうです(笑)。
霜降りの和牛のようにカロリーの高い飼料を与え、しかもサシを入れるためにビタミンDを欠乏させて、いわば病的に短期間に太らせた牛ではなく、アイルランドで自然の牧草だけを食べさせながら通常より2~3倍長い期間かけて健康的に育てた牛だそうです。
商売の面ではそれだけ歩留りの効率が悪いし、コストもかかるにも拘わらず、海外ではそうやって牛を育てている人がいる。
店のシェフ氏は、熟成牛の次はこれだ、と言ってました(笑)。牧草だけで育てたグラス・フェッドの肉は他の地域にもありますが、ヘレフォード牛は肉の味が濃いそうです。確かにしつこくないけどミネラルのコクがある。赤身の味と歯ごたえのバランスが美味しかったです。
●こちらはニュージーランドのグラスフェッドの牛。こちらはマグロの赤身のような爽やかな味です。これも美味しい。
昨今の日本礼賛の傾向のせいか、和牛がやたらともてはやされたり、和牛が外国に密輸された、とかマスコミはことさらニュースに仕立てあげます。知的財産権の問題はあるにしろ、もっと重要なニュースはいくらでもある。ボクなんか和牛ごときで、と思ってしまいます。
www.asahi.com
www.sankei.com
このヘレフォード牛だけでなく、昨年からイタリアのキアーヌ牛やファソーネ牛が日本にも輸入されるようになりました。やっと、ですよ!和牛より美味しい牛肉、美味しいものは世界中にいっぱいあります。もちろん美味しい和牛だってないわけじゃないけど。
たかがお肉、ですけど、今の世の中を象徴するような話です。食べ物だけでなく、我々が知らないことは世界にいっぱいある。
日本バンザイとか言っている間に、我々の実質賃金は下がり、日本企業は凋落し、過去と比べても他国と比べても、我々の生活は貧しくなってきている。報道の自由度も下がっている。政治家も国民も目指せ、北朝鮮!じゃないか(笑)。
バカなニュースを流す奴、バカなニュースに踊らされる輩は放っておいて、我々は謙虚に、世界に広く目を向けていかないと自分の人生がもったいない、と思います。
●さすが保坂区長ですけど、こんなキャンペーンをやらなければならないこと自体、日本社会は劣化してますよ。バカばっかり。
「赤ちゃんが泣くのは当然のこと。子育て世代が店を使いやすい環境を目指したい」(保坂区長)
— 青木美希 (@aokiaoki1111) 2019年5月16日
世田谷区が「泣いてもいいよ」ステッカー 子育て支援:日本経済新聞 https://t.co/kQf1HyHjzL
このところ、経団連会長、経済同友会代表幹事、トヨタ社長などから『終身雇用制はもう維持できない』という発言が続いています。
www.fnn.jp
それに対する反発の声があるようですが、ボク自身はそれほど違和感がないんです。と、いうのは今だって終身雇用ではないからです。
現状でも労働者の7割が働く中小企業の多くは普通にリストラしています。
大企業だって、何かあればリストラや早期退職などをやっています。
特に最近はメガバンクに、富士通、NEC、カシオ、パイオニア、コカコーラボトリングジャパン、日本ハム、それにエーザイなど製薬業界、中高年を中心に希望退職を募る動きは止まりません。
5月13日現在で、2019年に希望・早期退職者の募集実施を公表した主な上場企業は16社を数え、前年1年間の12社を既に上回ったそうです。何が人手不足だよ、ってこと。
●上場企業の早期退職、希望退職の推移。昔からリストラはやってるんですよ。
www.tsr-net.co.jp
終身雇用なんかどこにあるんだ、という感じです。そもそも終身雇用とか言ったって正規雇用だけの話で、今は非正規雇用の人が全体の4割もいる。それも合わせたら日本の社会は終身雇用なんてことは言えるはずがありません。
じゃ、連中はなぜこんなことを言い出したのか。おそらく、
おそらく、これ、『解雇の金銭解決制度の創設』+αを狙っているんでしょう。
補償の水準にもよりますが、解雇の金銭解決自体は中小企業にも適用されれば悪い話ではありません。中小企業の場合は補償もなく労働者が放りだされるケースの方が多いんだから。
大企業の場合も構造改革、事業から撤退したり、工場を廃止したり、確かにそういうことをやりやすくしたい、それは判らないでもない。
無能な経営者の責任を追及する仕組みもなければ片手落ちだとは思いますが、労働者にとっても、儲からない事業を続けるのは必ずしも良いことではない。給料も上がらないし、やりがいだってないですから。
ただ、それを言っている連中の顔を見ているとそんな、高潔な志があるようには見えない(笑)。
木曜日の日経には、現在『副業・兼業の解禁』が政府内で議論されている、ことが載りました。解雇の金銭解決にしろ、副業・兼業にしろ、人材を流動化して労働力を安く買い叩こうと言う魂胆が透けて見えます。
記事には『副業をしたい人は多い』とありますけど、それは給料が安いからじゃないですか!それを維持しようって話でしょ。労働者にとっては副業というより、労働時間の延長ですよ。男にとっても酷い話ですが、家事育児を押し付けられている女性はどうすんの???
連中は、相変らず人件費を下げることばかり考えている。それが日本の人手不足や少子高齢化、強いては不況の原因の一つだと言うのに。
あんまり好きな企業じゃありませんが 最近 通販のZOZOが比較的高めの時給1300円で2000人バイトを募集したら、あっと言う間に枠が埋まりました。人手不足と言っても給料を上げれば働こうとする人はいるし、その人たちはお金を使うから国内需要だって増えるに決まっています。
こうなってくると、経営側が労働者の雇用をある程度!保証するかわりに企業の中の様々な職務や勤務地を無限定に使いまわすく日本型の『メンバーシップ型雇用』から、企業と労働者が事前に契約した職務(ジョブ)や勤務地に対する雇用である欧米式の『ジョブ型雇用』を部分的にでも目指していく、しかないのかもしれません。
でもそうなると、経団連に代表される大企業からは特に、優秀な人材はどんどん逃げ出していきます(笑)。能力があれば外資の方が給与だって高いし、若い時から責任のある仕事ができるし、何よりも『手に職がつく』。
歴代の経団連会長のように電子メールができないトップなんかグローバル企業で存在できるわけがありません。経団連のジジイ連中が言っていることはまさに自滅パターン(笑)。
●本当に東大・京大生が優秀かどうかは知りませんが(笑)、既に学生の就職希望先は役所や日本型大企業が減って、外資のコンサルばっかになっています。是非はともかく、全部『手に職』がつく企業。無意識かもしれないが学生もわかってる。経団連のジジイ連中を見ていたら、あんな会社に入ったらダメだってことは学生でも判る。
東大・京大生が選んだ「就活人気100社」 | プレジデントオンライン
上のランキングを見ても日本型大企業の前途は暗いことが判ります。今は人材が競争のキーなのに、企業の方が優秀な?人材から見放されつつある。
●学習院の就職課の戯言を取り上げる日経もバカ丸出し。どいつもこいつもデマ飛ばすんじゃねーよ。
学生はこんな戯言に一切耳を傾ける必要はない。
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) 2019年5月16日
企業は定型文のお祈りメール一つで学生を落とすのに、学生の方が内定辞退する時は直接会って感謝しなければならないとかふざけてるにも程がある。
内定辞退の正しい伝え方、「直接会って、まず感謝」を: 日本経済新聞 https://t.co/2ZIEbyhX5k
今頃 日本型雇用はもうムリ、と口をそろえて言っているジジイ連中を見ていると『頭隠して尻隠さず』という言葉が思い浮かびます。自分の任期内、目先の利益ばかり追求する連中の考えそうなことです。まさに原発にしがみつくのと同じロジックじゃないですか。
終戦時 公職追放などで上層部のジジイ連中が居なくなったことが戦後の経済発展の原因の一つと言われます。現在も政治家だけでなく、こういう無能な爺さん連中を放逐しなければ日本は立ち直れないかもしれませんね。
ということで、今週も官邸前へ #金曜官邸前抗議
今日の東京は夏日になりました。それでも夕方は抗議日和(笑)。陽が柔らかくなって、いい感じです。
今日の午後6時の気温は21度、参加者は400人くらい?先週よりも多かったです。
今週 日立の現社長が『原発事業は単独ではやる必要がない』とインタビューで答えていました。日本最大の企業、日立ですら単独では原発事業はできない、という訳です。
www.nikkei.com
会長の中西が先週『だめになりそうな事業を残すことは雇用されている人にとって一番不幸だ』と言った矢先に、です。自分たちの支離滅裂さに気がついてもいない。粉飾決算をしてまで原発事業を続けようとした東芝に比べれば日立はだいぶマシだなあ、と思ってましたが、あんまり変わらないみたい(笑)。
何よりも恐ろしいのはその程度の判断力しかない人間が日本で一番大きな企業のトップにいるということ。日本社会はその程度のレベルでしかない、ということ、です。こわいなー、この国。