あああああ~、夢のようだった10連休も今日で終わりです。
就職して以来、こんなに長く休めたのは初めてかもしれません。楽しかった連休ですが、終わると一層 寂しさが募ります。
明日からは、まるでタイムスリップのように日常へ逆戻り。何もしなかった自分が悪いんですけど、もう30日くらい休めれば、自分の人生を取り戻せるような気がするんだけどなあ(笑)。
●G.W.の自由が丘の駅前では本物のお菓子の家が飾られていました。
さて、5月4日の土曜日に東京MXTV『田村淳の訊きたい放題』という番組で『新元号であらためて考える憲法改正より重要な日米地位協定改定』という特集が放送されました。
古谷経衡氏と白井聡氏を起用して『日米地位協定』を取り上げるのは、ボクの通っている床屋の主人が客で来ているMXTVのディレクターに企画を提案したものです。本人は『スタジオに収録を見に行きたい』と言い張ったけど、それは却下されたそうです(笑)。
s.mxtv.jp
番組の内容は白井聡の著書『国体論』を基に、
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『現在は日米安保体制が戦前の国体と同じように神聖不可侵のものになってしまっている』、
『フィリピンやイタリア、ドイツは地位協定を改定できているのになぜ日本はできないのか』、
『日米安保を神聖不可侵にしているのは国民の無知・無関心と政治家・官僚・マスコミの忖度』、
『戦後の日本はジャイアンにペコぺコするくせに隣国など自分より力の弱い国にあたり散らす、金持ちの息子スネ夫みたいなものだったが、今の日本は既に金持ちでもなくなっており、スネ夫ですらなくなっている』
という議論が行われました。まあ、ごく普通、当たり前のお話です。
●番組の中で取り上げられたフリップは良くまとまっています、番組のホームページにも載ってます。
番組の中でも触れられていましたが、こんな普通の内容がMX以外の放送局や新聞で、どうして放送されないのか、不思議ですよね。それが『忖度』ということなんでしょうけど、実際 放送しても何の問題もないわけです(笑)。
別に大して難しい話でもなく、街場の床屋で世間話をしながら生まれた企画ですからね。もちろんネトウヨが直ぐ言うように、中国や韓国の資金なんか入ってません(笑)(大ヒット中の映画『主戦場』はネトウヨの間でそう言われているそうです)(笑)
●普通に放送して意見を募れば、そりゃあ、こうなります。
●鈴木奈々にこう言われて、官僚や政治家は恥ずかしくないのか?
1時間弱の番組は司会の田村淳が『また同じ企画をやりましょう。ディレクター頑張って(笑)』と締めて終わりました。他のTV局は元号だの即位だのくだらない話を朝から晩まで繰り返し放送しているくせに、こんなごく普通の内容が放送されない。MXだけでなく、他のマスコミも真面目に仕事をしてほしいものです。
●G.W.の駒沢公園。スマホをいじる人の上で寝る犬(笑)。日本とアメリカの関係に似ているかもしれませんが、少なくとも犬は可愛いから、こっちの勝ち(笑)
さて、新天皇も新元号も『くだらない』以外の感想はないんですが、一つだけ、気になることがあります。
『平成という時代は大正という時代に似ていたんじゃないか』
そんな気がするんです。あくまでも印象論で、ロジカルな話ではありませんが。
平成期の前半は今よりは民主的だったし、経済も良かった。それがバブル崩壊や地震などの災害、とどめに原発の大事故で打撃を受けると同時に、格差は確実に拡大した。
サブプライムローンの日本版として「サムライローン」ってのはどうだ? 貸し倒れは腹を切ればチャラの条件で……
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2019年5月4日
というネタを思いついて、投稿前に念のために調べてみたら「サムライ債(Samurai Bond)」「サムライ証券」「サムライインキュベート」というのが既に実在していた。
平成期の日本は確実に貧しくなりました。登場人物の冷蔵庫がビールでいっぱいだった20年前の漫画(エヴァンゲリオン)の描写が今では夢のように思えるくらい。
— フォロワー2.0 (@dokuemon211) 2019年5月3日
それを何とかする筈の政治はひたすら劣化。以前から二世や三世の議員にはうんざりでしたが、今はそれより酷い杉田水脈や青山繁晴のようにデマやヘイトのような汚物をまき散らすクズが国会議員をやっている有様。
#自民党2019
— JUGA友利🏝 𓆓𓅱𓎼𓄿 𓏏𓍯𓅓𓍯𓂋𓇋 (@juga_tomori) 2019年5月1日
宗教界の共通点
美化したくなるんだろうね。 pic.twitter.com/HtBTA2QlKe
やることが本当に似て来た。
— 山羽明人 (@cIHtcCLzQtI7ZPX) 2019年5月2日
そのうちあべぼんがうまれたとき富士山は噴火し雷鳴がとどろいたとか
生まれ落ちてすぐたらいの中で立ち上がったとか言い出す。
このイメージ戦略には多分大手広告代理店が後ろにいる。 pic.twitter.com/rUav1jCPU9
それでも選挙の投票率は下がり続け国民の多くはくだらないマスコミに煽られて呑気なまんま。右も左もくだらないデマに踊らされている。
疲れ果ててる労働者、生活者に何かを伝えようとしたら、「平和憲法」だの「立憲主義」だの、そんな言葉チョイスしないんじゃないかな、っていつも思うよ。ヘトヘトに疲れて帰宅して、安酒呑んで気晴らししたいのなら、ニュース見ないよ。そういう地平から「運動」組み立てないと、投票率上がりません。
— 🥚「怒りの可視化」の人 (@strongprotest2) 2019年5月4日
この連休 新天皇の挨拶を見るために皇居に集まったのが14万人なんですって?? ゴミ国民、アホか(笑) ボクだって他人のことを言えた義理ではありませんが、さすがにここまでは酷くない(笑)。
「安倍氏は、日本がいま享受している平和と繁栄は、300万人の戦死者のおかげだと述べた」
— 町山智浩 (@TomoMachi) 2019年5月1日
「翌日、陛下はそれを否定した。陛下は日本がいま享受している繁栄は、国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識によるものだと、お言葉で述べた」 https://t.co/k0C4sAcjUH
一方 大正期に起きたのは大正デモクラシー、第一次大戦後の好景気。でも、そのあとは世界大恐慌の不景気、農村の困窮、そして関東大震災。
次第に朝鮮や中国の人への流言やデマなどのヘイトが世の中にあふれます。それが関東大震災での朝鮮人虐殺に結び付く。更にマスコミは部数のために中国への侵略を囃したて、バカな国民は熱狂する。時代は次第に排他的な、息苦しい雰囲気になってくる。外国への敵意の次は自国民の少数派に矛先が向くのは相場が決まってます。
それでも政党政治は小沢一郎ばりの政争に明け暮れ、流石に国民は政治に愛想をつかす。その隙をついて視野が狭い低能な軍人や政治家は自分の権力のために国民の無関心を利用し、刹那的な熱狂を煽る。
テレビをつけると、朝から一般参賀のニュース。大勢行っててびっくりですが、こっちの方がはるかにすごい。こっちの方がはるかに重要と思うマスコミの人はいないの?#憲法集会 https://t.co/QjVtjNKcC2
— みっさん (@BhaovVTlfWPZVNv) 2019年5月4日
ボクは大正時代に生きていたわけじゃありませんが(笑)それでも現在との奇妙な符合を感じるのはボクだけでしょうか。
昨年見た、大正期のアナキストを描いた映画『菊とギロチン』が印象に残ったからじゃありませんが、今の時代は『大丈夫かなー』という想いがしないでもありません。
電通による改憲 https://t.co/n42OUq8Y2Q
— 町山智浩 (@TomoMachi) 2019年5月3日
歴史がそのまま繰り返すことはありえない。仮に将来の日本がもう一度 焼け野原になるにしても、70年前とは違う形になるでしょう。それでも新元号で浮かれている頭がおかしい連中がこれだけ居ると暗槓とした気持ちになります。こりゃ、ダメだ(笑)。
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本日、忌野清志郎の10周忌。
— ピンク 乃 モーツァルト® (@choivampanior) 2019年5月2日
今の時代にこんな人がいたら、さぞ心強いだろう。30年以上前に既に原発の危険性、他を訴えていたのに実際に悲劇は起きてしまった。令和祝賀どころじゃない。#ワタシガ詐欺 #ケチって火炎瓶 #安倍晋三氏を追放しよう #平成の落とし前付けろ pic.twitter.com/8XwHuqPJZP
ということで、丸の内で映画『麻雀放浪記2020』
www.mahjongg2020.jp
終戦直後の1945年から2020年にタイムスリップしてきたギャンブラーの坊や哲(斎藤工)は自分が知っている戦後とはあまりにも違う日本を目の当たりにする。社会には大々的にAIが導入される一方、人々は人口減少と再度の敗戦で窮乏している。2020年、共謀罪による言論統制や軍国主義化が進む日本。何故か 麻雀が人気を集めている(笑)。
そんな日本で、クラシックな昭和の打ち筋を買われた坊や哲は、戦争で中止になった東京オリンピックの代わりに国威発揚のために行われる麻雀オリンピックに出場することになるが
昨年の素晴らしかった映画『止められるか、俺たちを』や今春のTV東京のドラマ『フルーツ宅配便』の白石和彌監督が、阿佐田哲也=色川武大の小説『麻雀放浪記』を現代にリメイクした作品。
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ピエール瀧氏が出演したシーンをカットせずに公開したことでも話題になりました。
●映画館に貼られていたポスター。そもそも、こんなことを気にする方が頭がおかしいです。逆手に取ったプロモーションでもあるみたいですが。
ボクより上の年代は雀荘とか行ってたみたいですが、ボクは麻雀とかは全く分からないし、やったこともない。興味ありません。色川武大氏の文章は読んだことありますが、別名義の原作小説も全く読んだことがありません。
幾ら ノっている白石監督とは言え、この作品はスルー予定でしたが、リメイクした設定がとにかくユニークで面白い という評判でしたので、見に行ってみました。
style.nikkei.com
主演は斎藤工、他にもベッキー、竹中直人、ピエール瀧、的場浩司、岡崎体育、そして小松政夫!など豪華な配役です。麻雀をテーマにしたアナクロな設定ですけど、客席は斎藤工を目当てであろう若い女性が多かった(笑)。
それにしても今どき麻雀なんか取り上げてもわかる人って居るんでしょうか?棺桶に片足突っ込んだジイさんだけじゃないですか??
お話は終戦直後 賭麻雀をやっていた主人公の『坊や哲』(変な名前)が2020年にタイムスリップしてくるところから始まります。麻雀って、終戦直後は盛んだったのでしょうか?とにかく2020年の東京は1945年とも2019年とも全く様変わりしています。
●お話は1945年の東京と2020年を行ったり来たりしながら進行します。ベッキーは1945年当時の雀荘の女主人と2020年のアンドロイドとの二役です。
タイムスリップしてきた主人公は自衛隊の国軍化に反対するデモに巻き込まれます。そのデモに対して警察は有無を言わさず暴行を加えてくる。
訳が分からず逃げる主人公。街中には2020年オリンピックのポスターが貼られていますが、敗戦で中止になった、と言われます。どうやら、日本はまた戦争をやったらしい。誰も彼もが不景気そうです。
警察の暴行から逃れた坊や哲は浅草に出現したスラム街に紛れ込み、メイド姿の地下アイドルと知り合いになります。
さすがに話は荒唐無稽だし、ユニークな時代設定の描写もあっさりしていて悪夢の全体主義的な近未来という深刻さはあまり感じない。ただ、それなりに面白い。
敗戦後の日本で麻雀オリンピックなるイベントを開催して国威発揚を図る独裁者のピエール瀧、
麻雀オリンピックに出場するAIで稼働する麻雀アンドロイド役のベッキー、
いつもながらのオーバーアクションの悪徳芸能事務所社長の竹中直人、
と、登場人物の多彩さで退屈する暇がありません。
●竹中直人は最初はうざかったのですが、映画のノリがそういうノリなので映画と充分マッチしてました。
何よりも小松政夫!イカサマを駆使する雀士役の彼の深い皺と表情の変化を見ているだけでも圧倒的です。深みがあるけれど、あくまでも軽やか、そしてインチキ臭い。この人は全てを判っていると感じさせる、素晴らしい存在感です。
この人を見ただけでもこの映画を見た価値がありました。殆ど人間国宝じゃないか。小松政夫大先生、もっと映画に出ればいいのになあ。
●この表情。どうやって生きて来たら、こんな表情を出せるんだろう。
あ、主役の斎藤工も可愛いし、悪くありません。ふんどし姿まで披露する彼も気合入っていたと思います。
●斎藤工、的場浩司、ベッキー、そして小松政夫が卓を囲みます。
お話がどうこういう映画じゃないし、覚悟していたとはいえ、麻雀のシーンはボクには全く理解できませんでしたが、それでも大丈夫でした。何よりも最近珍しいアナーキーさにあふれています。とにかく徹底している。その潔さは好感が持てます。
世の中の風潮に真っ向から喧嘩を売っている設定と言い、タブーを恐れない描写と言い、良くこんな映画をメジャー資本で作ったと思いました。アラもあるから感動したり、ゲラゲラ笑うようなものではないですが、確かに悪くない。
『傷だらけの天使』のような昔のTVドラマのように、粗削りだけど面白いと感じるような作品です。今作がTVで放映されるような世の中だったらいいなーと思います。
あ、今のTVで放送されるわけないか(笑)。だからダメなんだよ。表現する側が自分で自分の首を絞めているわけですが、今の状況は観客の側も自分で自分の首を絞めている。そんな状況を笑い飛ばすような怪作でした。
www.youtube.com
●小松政夫大先生による作品解説
www.youtube.com