特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『京都の味と黒竜江の味』と『0503憲法集会』

 いやあ、改元だの、即位だの、TVも新聞もうるさいですねー。
 特に政府広報機関と化しているTVが朝から晩までずっと同じ放送をしているのは慣れっことは言え、放送している方も見てる方も頭がおかしいんじゃないか、と思いました。

 それに皇居の辺りに人が集まっていて即位だの新元号だのを真に受けている奴がいるらしい、というのにも呆れました。

 元号天皇もただ迷惑なだけで、1ミリも興味なしくっだらない
 あ、そうそう。明日の東京MXTVでこの古谷経衡氏↓と白井聡の『日米地位協定』についての対談が放送されます。ボクの通っている床屋が客として来ているMXTVのディレクターに企画を提案したそうです。一応 宣伝(笑)。



まあ、ボクはTV番組を見ない代わりに、今までハードディスクに溜まってたTVの録画がだいぶ片付きましたからよかったですけどね。特にこのドキュメンタリーが面白かった。
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www.nhk.or.jp
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 料理、特に和食は徒弟制度で調理法は従来からのやり方を踏襲するだけで、若い子などに理屈で説明できるものではなかったそうです。それではいつか和食は滅びてしまうと危機感を抱いた京都の料亭の店主たちが、自分たちの秘伝の技を科学者に分析させた、という番組です。

 具体的には料亭『菊乃井』のシマアジ、『瓢亭』の鮎、『木乃婦』の肉の味噌漬け、『なかむら』のぐじ、それぞれの焼き方をデータ化するというもので、大変興味深かった。
 2,3年前 ボクも瓢亭で鮎を食べたら異様に美味しかったので仲居さんに焼き方を聞いたら『遠くから炭火で長い時間かけて炙って、一生懸命焼いてる(笑)』という答えがかえってきました。本人たちもあまり判っていないらしい(笑)。番組はそれらの秘密に肉薄していきます。
●食感と言い、香りと言い、確かに美味しかった。骨まで食べられます。
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 材料の温度や成分の変化などかなりの部分は科学で分析できることですが、どうしても解明出来ない部分もあったのが面白かったです。
 物事は何でも細かい要素に還元して分析できる、というのが西洋科学の考え方ですが、『全体性』に代表されるように細部に分解するだけでは理解しきれないものは必ずある
 政治でも経済でも美術でも料理でも、それが世の中の理(ことわり)、現実だと思います。見ているとよだれが出てくるような料理番組ですけど、そういうことまで考えさせられたのは興味深かったです。


 そういえば この前、御徒町黒竜江料理屋(笑)へ行ってきました。何やら怪しそうですが(笑)、有名店。ボクは見てませんがドラマ『孤独のグルメ』に出てきたという羊料理店です。
www.tv-tokyo.co.jp

●これが番組で取上げられた料理。羊と長ネギの炒め物。美味しかったです。

 大人気で予約が大変なのと大人数でないと色々なものが食べられないので、中々行く機会がなかったのですが、念願の訪問です。黒竜江と言えば、ロシアとの国境ですから、ロシアと中国東北部の料理が混じっているんでしょうね。以前 シルクロードの最果ての新疆ウイグル自治区、つまり中国とカザフスタンの国境地方で食べたウイグル料理が超おいしかったので、今回も期待大、です。
●スパイスが大量に振り掛けられた羊のスペアリブは柔らかくて、さっぱりしてました。

●これが一番おいしかった。ネギと羊が入ったおから。初めての味でしたが円やかでコクがあって、考えられないくらい美味い。

●白酒3種飲み比べ。如何にも中国東北部らしい。羊には合うと思いましたが、度数が高いので真面目に付き合うと沈没します(笑)。3杯で300円(笑)

 唐辛子が効いたウイグル料理とはちょっと違うし、現地のように羊の野趣があるわけでもないけれど、美味しいです。雰囲気は居酒屋みたいですが安サラリーマンだけでなく、女性同士のグループも大勢いました。女性が多い店でまずいところは滅多にありませんよね。
●羊の小龍包。これはこれで美味しいですけど、こういう粉物は本場シルクロードの料理には一歩も二歩も譲るかな。

●ヨダレ鶏ならぬヨダレ羊、羊の腸詰。どちらもGood!


 
 中国人の店員さんに何を頼んでもお皿がすぐ出てくる、どれを食べても美味しい、そして安い、という恐ろしい店でした。連日超満員で各テーブル1時間半の制限が続いているというのが良く判りました。まったく文句がありません。やっぱり中国料理恐るべし、です。
●先週取り上げた映画『主戦場』は大ヒットしているようです。公開が全国に広がっています。

spyboy.hatenablog.com


 普段だったら 金曜日は官邸前の原発再稼働反対の抗議へ行くのですが、今日はこんな集会に行ってきました。
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kenpou2019.jp

 『総がかり』など自称市民団体や組合の集会って、スピーチは超くだらないし、やる気がない動員の人たちや組合の小汚い幟などで雰囲気が悪いし、コールのリズムや言葉は調子はずれだし、とにかく貧乏くさい。あれじゃあ、普通は他人は近寄らないと思う(笑)。今回の集会の正式名称『平和といのちと人権を!5.3憲法集会 ―許すな!安倍改憲発議―』だって、壊滅的なセンスの無さ(笑)です。

 でも、今日は天気も良かったし、久々にどんなものかなと思って行ってみました。安保法反対の際『いいな』と思った京大の高山佳奈子教授もスピーチするし、改憲される前 行けるうちに行ってみようかな、と。今日は東京だけでなく、札幌や京都など各地で同様の集会が行われたみたいですね。

 有楽町から一本の豊洲駅から東京会場の有明防災公園まで片道30分のお散歩です。広い会場には大勢の人が集まっていました。


 着いた時には小室等うじきつよしがステージに上がってたけど、それはご勘弁(笑)。流石に小室等の歌は辛い(笑)。耳のイヤホンにつないだiPodの音量を上げて、シャットアウト(笑)。

 参加者はジイさんばかりだろうと思ったのですが、組合の動員もあったのでしょう、若い人、子供連れも結構いました。お天気も良いし、場所も広いし、子供のリクレーション代わりにもなりますね。
●さすが動員もあると人が多い。

 主催者挨拶をした高田賢(『総がかり』)は相変わらず言ってることは意味不明だったけど(このジイさんは情緒的すぎて、いつも何を言ってるかわからない)、他の湯川れい子氏、元山仁士郎氏(元SEALDs、「辺野古」県民投票の会)、高山佳奈子京大教授、永田浩三氏(元NHKディレクター、現武蔵大教授)などのスピーチはまあ、良かったです。

 元山君は『憲法を守らなくて他の何を守ればいいんだ』、高山氏は『緊急事態や自衛隊の明記など自民党が挙げている改憲の理由は全て、わざわざ改憲しなくても法律で対応できる』、『選挙で棄権が半分近くあるのが問題で、そういう人たちは民主主義を拒否していると同じ』と言ってました。あと湯川氏は84歳だそうで、びっくりしました。
●順に高田氏、湯川氏、元山氏、コスプレをした高山教授(笑)


護憲派集会で湯川れい子氏「9条に自衛隊書き込むインチキ許すな」 - 産経ニュース


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 そのあとマイクを握った立憲民主の枝野、国民民主の玉木、共産党の志位、社民の又市など各野党の代表者もそれなりに気合は入っていた。話をつなぎ合わせると、問題の一人区でも候補者調整の話し合いはしているようでしたし。ただ、快晴の野外会場に揃いもそろってダークスーツは場違いだと思いましたが。

 ちなみに野党の党首たちがスピーチした、このシーンはNHK夜7時のニュースでも使われましたが、集会のことは殆ど触れられませんでした、ったく。
●順に枝野、玉木、志位

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 そのあと、市民連合の広渡清吾東大名誉教授がマイクを握りました。

 『何とか安倍以外の政権選択肢を作っていきたい』と言ってましたけど、今の野党の面々を見ても中々難しい。それに無党派の人たちにどうやってアプローチするか。政治にあまり興味を持たない層にどうやって関心を持って貰うか。野党だけでなく、市民連合も含めて、その課題は相変わらず全く解決されていません。市民連合は大学の年配の先生が主なので仕方ない、とは思ってますけど。

 それでも今日の集会は旧来のバカ市民運動より市民連合色が強くて、多少はオープンな雰囲気にはなってきたのかな、と思います。組合が偉そうに真ん中に陣取ってないし、少なくとも前の方には組合の幟は出させなかったし、子供が遊びまわれるスペースも確保してましたし、関係者(笑)や動員以外の人も多少は参加しやすくすることは意識されていた。
●一斉にプラカードを上げる会場の人たち


 ただ、それでも無党派の人を引き付けるようなものではなかった。安倍に反対しているような人ばかりの集会で『安倍政治を許さない』とか『野党は共闘』とか『憲法守れ』とか言ったって、意味がありません
 そんなことより『安倍を倒すと国民生活にどういう良いことがあるか』、『安倍を倒してどういう政治を実現したいか』みたいに、一般のどういう得、メリットがあるかを訴えられたらいいんだけど(笑)。とにかく一般の人たちに届く言葉を持てる野党、市民運動じゃないとダメでしょうね。その点は自民党の方がはるかに野党や市民運動より国民を意識している、と思う。

 スピーチのあと集会は『翼をください』の合唱をやるというので、流石に逃げるように撤収しました。キモすぎる(笑)。
 今日の参加者は65000人だそうです(昨年は6万、一昨年は5.5万)。課題はまだまだあるけれど、参加人数という面では流石です。あとは政治に関心がない人たちに届く言葉をどうすれば持つことが出来るか、我々一人一人の問題でもあります。