特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『日本人の年収分布』と読書『未来の再建』、それに『0208再稼働反対!首相官邸前抗議』

 寒くなったり、温かくなったり、それも極端な寒暖の差がある1週間でした。
 これからドカンと大雪が降るのかもしれませんが、それでもだんだんと春の足音が近づいてきているのを感じます。
駒沢公園を歩いていたら、梅が咲きかけていました。各地ではもう咲いているみたいですが、ボクは今年初めてだったので、嬉しかったです。


 一方 世の中の方は相変わらずひどい。統計偽造も酷けりゃ、その真相を究明しようともしない政府も酷い。


 アベノミクスの期間の成長率は平均で年率1%程度だそうです。以前と殆ど変化はありません。しかし国の借金はダダ増え。
 政府が弁明するように、確かに総雇用報酬は増えたけど、実質賃金は低下した。この議論で大事なのは実質賃金の低下はほぼ消費者物価の変動に相関しているということ。
雇用が増えたから実質賃金が下がったのではなく、アベノミクスによる物価上昇で実質賃金が下がった皆の生活が苦しくなったのです。



 何年も前から指摘してますけど、失政ですよ。失政。 
ボクは執念深いから覚えているんですが、アベノミクスを提唱していた学者連中、(理論的支柱と言われていた)伊藤隆敏(東大名誉教授)や内閣参与の本田悦郎(元官僚、元静岡県立大教授)は2,3年前に外国へ行ってしまいました。ボクは逃げたのだと思っています。
 広告塔のように妄言を吐いてた内閣参与の浜田宏一(エール大名誉教授)に至っては全然表に出てこないじゃないですか(笑)(もともと兆候があったように、マジでボケてるのかもしれませんが)。大蔵官僚に、東大に、エール大、肩書を盲信すると怖いですよね(笑)。
まあ、大統領在任中に、小学生にSCHOOLの綴りが間違っていると指摘されたブッシュもエール大+ハーヴァードMBAですが(笑)。下には下があります。
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 今週こんなツイートが話題になりました。元データ自体は毎年税務署が発表している、良く知られたものです。が、こうやってイラストにすると予想以上に判りやすい(笑)。感心しました。日本の現状を良く表しています。我々の生活が大変なのは世の中がこういう構造だからです。
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togetter.com

 もちろん都会と地方では事情は全く異なるし、これは収入ベースですから、豪邸住まいの年金収入の人なんかは正確に表せません(笑)。が、資産も含めて表現したら格差はもっと大きくなるのではないか。ちなみに年齢別にみると20歳から24歳の平均年収は258万円、25歳から29歳の平均が351万円、30歳から34歳の平均が403万円。

 これを男女別にみたら更に悲惨なことになります。この国は女性を搾取することで成立しているんでしょうか。おまけに家事を押し付けてるんだもんな。少子高齢化なんか、未来永劫解消するわけないじゃん(笑)。で、日本は滅亡する(笑)。


 今の日本では生活に余裕がない層が半分以上を占めている。世界第3位のGDPの国で、です。これは政治&社会の仕組みがちょっとおかしいのではないでしょうか。というか、おかしいと言う感覚を持つことすらできなくなっている、格差に対する感覚がマヒしている人が大勢いること自体がおかしいのでしょう。
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●この署名、中学生が始めたそうですよ。ボクも含めて、大人は恥ずかしいと思わないといけません。
www.change.org


さて、簡単な本の感想です。12月に出たばかりの本、『未来の再建

未来の再建 (ちくま新書)

未来の再建 (ちくま新書)

 増税&ベーシック・サービスによる福祉の拡充と再分配を説く井出英策慶大教授、NPO法人ほっとプラス代表理事聖学院大学客員准教授として貧困問題が専門の藤田孝典氏、NPO法人POSSE代表理事ブラック企業対策プロジェクト共同代表で労働問題が専門の今野晴貴氏の共著です。

 本の解説を引用すると『「くらしの場」、「はたらく場」、「保障の場」それぞれを再建し、自己責任社会から脱却すること。子育て、教育、医療、介護など、私たちが生きる上で必要不可欠な「ベーシック・サービス」を、すべての人に保障すること。そのためにはどうしたら良いか』について、著者それぞれが関連するテーマを章単位で担当するという形式になっています。



 普段から良くチェックしている人たちなので、個人的には目新しいところはあまりないですが、現場を熟知する藤田氏や今野氏の話は説得力があります。3人ともいかにして自己責任社会を脱却するか、というところに着目しているのは凄く良いと思う。

 だけど、この本で、全体的な見取り図が描けているかというとそこは不足を感じます。増税により福祉を拡充する、それも金持ちから貧困層まで医療や教育など生きるためのベーシックなサービスを保障しよう、という井出氏の話は賛成ですけど、『ベーシック・サービス』をどう定義するのかが難しい。そこいら辺への目配りがないのは現実的じゃない、と思ってしまう。ベーシックなサービスを『教育』とか『医療』などもっと、具体的に絞って議論をすれば良いと思うんですけどね。

 それでなくとも物議をかもした『富山は日本のスウェーデン説』(笑)など、井出氏は時々ピントが外れることがある。彼だけではなく、現実的視野と理論を両立できる、そんな学者が日本にはもっと大勢必要だ、と思います。
 
gendai.ismedia.jp

wezz-y.com


 著者たちの熱意は非常に感じられる。ただ、その分 ポエムに流れてしまうところもあって説得力は足りないところもある。

自己責任社会をどう乗り越えるか』、その理屈をボクもずっと考えているんですが、一つ言えているのは、自己責任を唱えているような連中は自分に落ち度はないと考えているんでしょう。自分は一人で生きていけると勘違いしているし、たぶん自分は絶対的に正しい、と思いこんでいる。一言でいうと、幼稚なんでしょう。仕事とか恋愛とかの経験を重ねてくると、普通は判る事なんですけど(笑)

 でも 自己責任万能論を唱えているような偏狭で頭が悪い連中を非難だけしても始まらない。いかにして幼稚な連中を『誘導』していくか。その理論的な枠組みが必要なんです。井出氏がいうベーシック・サービスもその一つではあります。

 非常に読みやすい本でさっと読めるし、この著者たちの意見に触れたことがない人は、この本は非常に良い切っ掛けになると思います。そんな本です。

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と、いうことで、今週も官邸前へ。#金曜官邸前抗議
明日は東京も雪だそうで☃️、午後6時の気温は5度。手袋をした手がかじかみます。今日の参加者は420人。
●抗議風景



 今日 女川原発2号機の再稼働是非を問う住民投票条例制定の直接請求が行われました。
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this.kiji.is

 署名した人は約11万人、直接請求に必要な有権者数の50分の1(3万8841人)の約3倍だそうです。知事は住民投票条例案を2月の議会に提出するとのこと。

 住民投票の請求は各地で行われており、これで6か所目だそうです。他の地域では議会で否決されていたそうなのですが、今回はどうなるか。
 BREXITの例もあるように住民投票が必ずしも社会にとって良い結果をもたらすとは限りません。特に経済問題などはきちんと判断ができるだけの知識がない人だって多い。

 しかし今回は自分の命に関わる問題です。まさに住民投票に相応しいテーマじゃないでしょうか。まして女川原発津波と防潮壁との差がわずか80㎝あったことで助かった原発ですからね。