特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

選挙の話題と映画『プーと大人になったボク』

昨晩の台風は東京も大変でした。
幸いボク自身は強風で家が揺れるのと風の音がうるさくて眠れなかったくらいで済みましたが、朝 通勤の途中には驚くような光景が広がっていました。風の気まぐれでボクの家がこうなっていた可能性だってある。世の中 何が起きるか判りません。時には人生の至るところに落とし穴が空いているように思えます。
●根元からひっくりかえった桜の木、吹き飛ばされた物置、落っこちた中古車店の天井




さて、心配していた沖縄の選挙の結果はとりあえずは良かった。どちらにしても僅差を予想していましたが、想像より票差がつきました。


出口調査によると、若い人の支持は自公候補に向かう中、玉城氏が自民支持層の2割、公明支持層の3割を取り込めたのが勝因でしょうかhttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181001-00000009-asahi-pol&pos=2右まで取り込める候補でなければ勝てないということが改めて実証されました。名護、新潟と与党が争点隠しと組織戦を続ける中、今回は判りやすい弔い合戦という形を作れたのも勝利のためには良かった(他の選挙ではこれは出来ない)
しかし投票全体のおよそ45%が自公候補だし、『経済振興を重視する人』の8割が自公候補に投票したことは重いです沖縄県知事選:辺野古反対か経済振興か 投票先くっきり - 毎日新聞オール沖縄の側が経済を重視しなければ、いずれしっぺ返しもくるでしょう。これからが大変ですが、どちらの選択にしろ、沖縄の人たちが決めることです。むしろ玉城氏の当選が本土の人たちに、『基地問題を沖縄におしつけるだけでいいのか』と、いわば匕首を突き付けていることには変わりがありません。自民党や役人だけでなく、我々一人一人に突き付けられた問題です。



一方 立憲民主党が自称芸人のおしどりマコを次期参院選比例区に擁立するそうです。


311の事故のような非常事態が起きると人の本性が良くわかります。当時、こいつは自由報道協会と称して、上杉隆と一緒にさんざん汚染デマをまき散らしおしどりマコ氏の問題の本質は、その「報道」姿勢週刊文春に『郡山4歳児と7歳児に『甲状腺がん』の疑い!』というインチキ記事を書いて、記事に検査結果を引用された医師から抗議を受けている人物です週刊文春に掲載された、北海道への自主避難者のお子さんに甲状腺異常が見つかったとの記事に対する、抗議の会見 - Togetter。もちろん記事は事実無根でした。


ボクはバカと嘘つきは嫌いです。おしどりマコはその両方に当てはまります。デマを利用した炎上商法、という点ではおしどりマコ杉田水脈と同類と言っても良い。どういう経緯か知りませんが、立憲民主党はそんなカスを候補に擁立するわけです。
おしどりマコの立候補に言及した後の江川紹子氏のツイート。支持者も含めておしどりマコ杉田水脈が同類であることがよくわかります。


脱原発のガセ情報に踊らされているリテラシーの低い人はともかく、常識がある人はこれでは流石にそっぽを向くでしょう。幾らなんでもデマ屋になんか投票したくないですからね。
社共だけかと思ったら、日本のリベラルってホント、世間知らずのバカが多い。がっかり。だから安倍晋三がのさばり続けるんです。立民も頼りないとは思ったけど、ここまで酷いとは思わなかったな。ボクは次回の参院選比例は立民には投票しません。今後は立民に対する態度も少し考えさせてもらいます。
●常識がある人ほど今回の件は失望は大きいと思います。



ということで、新宿で映画『プーと大人になったボク

大人になってロンドンで鞄メーカーに勤めるクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)。業績不振でリストラ案を週末に作ることを命じられ、妻子と故郷で過ごす予定がパーになってしまう。そんな時 少年時代の親友、プーがロンドンに現れ、消えてしまった森の仲間たちを一緒に探して欲しいとロビンに頼み込む。仕事で忙しいロビンは嫌々ながら、少年時代 プーたちと遊んでいた’’100エーカーの森’’を訪れたのだが- - -


ボクは『くまのプーさん』は読んだことありませんが、この映画は絶対見たいと思って、ずっと楽しみにしていました。勿論 初日に見に行きました。こういう、動物もの、ぬいぐるみものはとにかく見たいんです。世の中殺伐としているんだから、なるべく可愛い物を見たいじゃないですか。映画もドラマも全てが犬か、パンダ、くまちゃんを主人公にすればいいのに。
●プーと森の仲間たち。素晴らしい。


ユアン・マクレガーが扮するクリストファー・ロビンは、幼時にプーと一緒に遊んだ森を離れ、大人になりました。第二次大戦にも参加し、就職もし、妻も一人娘も出来た。しかし、大人になった彼はいつも憂鬱そうな表情を浮かべています。彼の勤める鞄会社は忙しくて、妻子と過ごす時間もあまりとれないばかりか、業績不振でリストラ策の作成まで命じられてしまったのです。
●途方に暮れるロビンを訪ねて、プーがやってきます。


この映画ではユアン・マクレガーは常に眉間にしわを寄せています。そしてロンドンの天気は暗い曇り空。まるで大人になったロビンの心境を象徴しているかのようです。舞台は第二次大戦直後ですが、リストラ策を作るよう命じられてロビンが悩む、というのは現代の我々が感情移入しやすい設定です。
●確かに街中でこういうオヤジを見かけたら、危ないかもしれません(笑)。


妻子と一緒に休日を過ごす約束をしていた週末を返上しなくてはならなくなり、途方に暮れるロビンの前に子供の時に別れていたきりのプーが現れます。しかし、心が荒みきっているロビンです。未だに『何もしないことをやるのが一番良い』という夢の世界に生きているプーを素直に受け入れることができません。



今年2作目が公開された『パディントン』もそうでしたが、CGの進化というのは素晴らしいもので、やっぱり、プーさんのような造形が自由自在に動いているのを見るのはホントに楽しいです。どうせ見るのなら可愛い物を見たいじゃないですか。
●お父さんが森で失くした大事な書類を持って、ロビンの娘はぬいぐるみたちと一緒にロンドンへ向かいます。


お話し自体は手に汗握るようなものではなく、表現も控えめです。そこが良い。最後のオチはやや、取ってつけた感がありましたが、全般的に内容も文芸的というか哲学的で、結構深いし、説得力がある。ただパディントンではくまちゃんの声がベン・ウィショーだったから演技の面でも存在感があったのですが、プーさんの声が目立たない今作はその点はもったいなかった。制作はディズニーなんだから、そんなギャラくらいケチるなよ。


何よりもプーさんに再び会うことでロビンが人生に夢を見る心を取り戻すというのが、泣けてきます。そのシーンを見て、自分が昔 飼っていた犬が、今 帰ってきてくれたらどんな気持ちがするだろう、と思ってしまったからです。そうなると完全に映画は我が身のことになります。ということで、中盤以降 ボクはずっとワンワン泣いてました(笑)。
●真・善・美とはこういうことだと、ボクは信じます。


誰もが心の中に『100エーカーの森』を持っているべきだと思います。少なくともボクは持っていたい。ついでに、その森の中から出て、人間世界に本気で関わっていくつもりもありません(笑)。くまちゃんがいればいいじゃないですか。あとは何もしない。何も要らない。そういうことを訴える素晴らしい作品です(笑)。いいんだよ、これで!