特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

自民総裁選と読書『NOでは足りない』と『0921再稼働反対!首相官邸前抗議』

自民党の総裁選なんか全く興味ありませんけど、まあ、ひどかったですね(笑)。『国民のために働く』という石破がまともに見えましたから(笑)。安倍晋三の酷さがより知れ渡ったのは収穫ではあったと思います。


今週19日に行われた自民党総裁選の街頭演説、さすがNHK、夜7時のニュースでは街頭から湧き上がった『安倍辞めろコール』のことは全く伝えられませんでした。日経はこう伝えているんですが。


朝日も『一部から「辞めろ」コールが起きたが、ステージから遠く、目立ったトラブルはなかった。』としか伝えてません。さすが朝日、こちらも落第。

最後の街頭演説、異なる景色 自民党総裁選:朝日新聞デジタル
こういうツイートをしている朝日の記者もいるんですけどね。


時事通信のこれが客観的な線でしょうか(笑)。報道も色々比べると面白いですよ。




でも 今朝の新聞で、野党側が『(安倍晋三で)来年の選挙が戦いやすい』とか言ってるのを読んで、非常にがっかりしました。
自民党の中ですら安倍晋三に対する反感は表面化しているのに、国民の野党への支持は高まりません。なんとかの一つ覚えの『野党共闘』ばかりで、野党が具体的に何を目指すのか、見えないからだと思います。少なくともボクには見えてこない。多少は政治のことを気にしているボクが全然判らないのですから、大多数の人だって同じだと思います。


国民が最も興味があるのは経済であり、景気であり、社会保障です。自分の暮らしがどうなるか、です。若い人だったら尚更でしょう。安倍晋三の言ってることは嘘やデタラメばかりですが、少なくともそういうことに言及はしている。マスコミへの露出を増やす努力不足も含めて、野党は猛省して欲しいです。お前ら、いつまで同じことを続けるのか。野党こそ国民の方を向いてないんじゃないか。
『安倍NO!』だけでは足りないんです。




ということで、話題の本?の感想です。
NOでは足りない――トランプ・ショックに対処する方法


カナダのジャーナリスト、活動家、ナオミ・クラインの新著です。『ブランドなんかいらない』、『ショック・ドクトリン』、『これが全てを変える。資本主義VS気候変動』などの著書はベストセラ―になっている、欧米では非常に著名な人です。『ショック・ドクトリン』という言葉はご存知の方も多いでしょう。この人の本の日本語訳が出たら、いつも読むようにはしています。この本も日本語版が出るのをずっと待ってました。

ブランドなんか、いらない―搾取で巨大化する大企業の非情

ブランドなんか、いらない―搾取で巨大化する大企業の非情

これがすべてを変える――資本主義VS.気候変動(上)

これがすべてを変える――資本主義VS.気候変動(上)


この人の良いところは切り口が斬新かつ、鋭いところです。『自然災害や戦争やクーデター、経済危機に乗じて富裕層が新自由主義を強引に推し進めている』という『ショック・ドクトリンなんかまさにそうですが、云われて見ると納得できる、目からうろこのような切り口を提示してきます。


ただし悪いところは、あんまり論理的じゃない(笑)。『大企業が発展途上国で労働者を搾取する一方、自社を美化するブランド戦略で先進国の消費者に暴利で商品を売り込んでいる』という『ブランドなんかいらない』は初めて読んだときは感動したんですが、2回目に読んだときは『くだらない』と思いました(笑)。確かに大企業はやりたい放題だけど、全てがそうとは言い切れない。この本でナイキは散々叩かれていましたが、今年ナイキは何をやったか。人種差別に抗議して国家斉唱の際 起立しなかったアメフト選手を広告に使っているんですよ。世の中、そんなに単純じゃありません。



ナイキの広告で大論争、スニーカー燃やす人も... 人種差別に抗議した選手を起用 | HuffPost Japan
●結果 バカ売れ(笑)


ショック・ドクトリン』も同じです。チリのピノチェトのクーデターに始まり、ロシアの経済危機にリーマンショック、富裕層や右派政治家がどさくさに紛れて強引なことをやっているのは間違いないですが、それは偶然かもしれないし、連中がうまく機会をとらえた、と言う解釈が正しいでしょう。
ショック・ドクトリン』に影響されて、安倍政権の政策を東北の地震に乗じた東北ショック・ドクトリンとか言ってる頭の悪い左翼までいますけど、それは国民の忘れやすさ、野党の無能さ、国際情勢などの要素が大きいのであって、支配層の陰謀(笑)といったイージーな理由で物事を判断してしまうのは大間違いです。頭悪すぎ。本をよく読め(笑)。三宅洋平あたりは、東北の地震地震兵器か、くらいのことを言ってなかったっけ(笑)。


『NOでは足りない』の内容はこんな感じです。上記の3冊の本のエッセンスをまとめ上げた本、と言っても良い。
トランプは現在も最悪の存在だが、今後 災害や政治的問題が起きたら、富裕層や大企業のために新たなショック・ドクトリンを起こそうとするだろう。
トランプに対して、ただNOというだけでは何の解決にもならない。トランプとは80年代以降の新自由主義システムが生み出した帰結であり、トランプを生んだ潮流の底流にある価値観、自分の中にあるトランプ的なものとも戦う必要がある。
その上で、我々が何をめざすべきかを明確にする必要がある。そこでカナダの様々な運動団体と共同で作ったのがリープ(飛躍)マニフェストである。具体的にはクリーンエネルギー経済に基づくエネルギー民主主義と雇用創出であり、地球温暖化に対処するための環境保護であり、先住民の権利の尊重であり、その財源は金融取引税や富裕層への課税、累進的炭素税、軍事費の削減である。このマニフェストを各政党に突き付けることによって、中道ながら進歩的なトルドー政権の誕生に一躍買うことはできた。
未来に対するビジョンを持って、民衆の間からショック・ドクトリンを起こそうではないか。


NOだけでは充分じゃない』というのは大賛成です。この本ではなぜそうなのか論証されているわけじゃありませんが(笑)、安倍晋三がのさばる日本の現状を見てみれば、どういう世の中を目指していくか、というビジョンが必要であることは良くわかります。

次に『世の中を変えるための急進的な(飛躍)ビジョンを持とう』はどうでしょうか。理想として掲げるのは良いと思います。原発反対も戦争反対もね。あ、反対だからダメか(笑)。もとい、クリーン・エネルギーや平和といった理想を掲げるのは良い。
でも、問題があります。一つは多数が納得できるような掲げる理想はどうしたって全方位的なもの、曖昧なものになる。特に先進国の市民は守るものが沢山あるのだから中道的になるのは仕方がない。安保条約や嘉手納飛行場を否定しない沖縄の翁長知事が良い例です。それに対して右も左も不満を持つ。そこをどう乗り越えるか。


もう一つは、理想の実行には時間がかかるし、徐々に行わなくてはならないということ。財源の確保にしろ、住民を含めた意思決定にしろ、長い話し合いがなければ社会的な納得が得られない。だから今すぐ原発を全廃しろなんていうのは非現実的だし、無意味だと思います。物理的にムリなんですから。 
基地問題も同じです。翁長氏だって、いきなり辺野古の埋め立て承認取り消しなんかしなかったでしょ。万事 手を尽くした後、効果的なタイミングを狙ってた。当初 あれに対して文句を言ってたバカ左翼は結構いました。そんなことすら判らない奴が多いから、ボクは旧来の左翼や市民運動の連中は嫌いなんです。全員ではないけれど、彼らの多くは単にバカであるだけでなく、無責任です。
著者が『理想を掲げるだけでなく、実行はどうするかということを述べていない』のは、やはり片手落ちでしょう。正確には著者が関わったリープ・マニュフェストが政党に影響力を与えるところまでは述べられてますが、問題は実践です。ボクにはやはり非現実的に見える。この本を読んで、急進的な理想論だけを真に受けるバカが世界中に湧いてくるのが、目に見えるようです(笑)。


この本には、自分の内なるトランプ的な要素と戦うべきだ、といった鋭い指摘もあります。拝金主義であったり、異者を排除したい欲望であったり、ポピュリズムにはそのような毒も混じっています。道徳論に陥らずに、それをどう克服するか。


言ってることは目新しくないし、ある意味当たり前ではあるんですけど、NOだけでは足りないのは間違いないと思います。理想を掲げつつも現実にはいつまでも未完の過程をたどる、と思いますが、そこいら辺の大人の分別を(笑)一人一人が持てるかどうか。少なくとも、この本は未来への論点を提示しているとは思います。読みやすいし、一読の価値はあるんじゃないでしょうか。
沖縄県知事選 白昼堂々の選挙違反。普天間高校に隣接するビルから垂れ幕を垂らしているそうです。校長は高校とは関係ない、と抗議文を出しました。

●沖縄知事選の方は期日前投票が伸びています。以前の名護市長選然り、新潟知事選然り、ずっとそうだった。イベントを行って、そのままバスで投票所へ連れて行くという組織票集めが行われていたそうです。今回も同じことが行われているのでしょう。心配だなあ。


●附記:下のコメント欄、iireiさんの下をご覧ください。『保守基金と称する口座への入金を促すコメント』と『沖縄知事選の自公候補の告知コメント』が入っています。どちらも名無しと称していますが、同じIPアドレス (182.232.244.192)、つまり同一人物です。ちなみにこのアドレスはタイのバンコク(笑)。コメントの内容からするとネトウヨ議員で有名な福岡県行橋市議会議員の小坪慎也、もしくはその関連が『沖縄知事選』などのキーワードで引っ掛けて、バンコクのプロキシサーバー経由で偽装して自動的に送っているのでしょうか。沖縄知事選には魑魅魍魎が跋扈している証拠です。消さずに、連中の恥を晒しておきます。



そういうことで、今週も官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
珍しく仕事で遅くなった(笑)😄午後7時の気温は18度。久しぶりに雨混じりの抗議になりました。参加者は400人。
●抗議風景




先週の『安倍やめろ』抗議 (#0914首相官邸に押しかけよう) でも、つくづく思ったのですが、こうやって抗議を続ける事って大事だなーと感じました。組合とかプロ団体😄だったら抗議はお手の物ですが、動員の抗議なんて所詮 形だけだし😄、意思決定に時間がかかるからタイミングも悪い。
こうやって普段から市民が抗議を続けていれば、抗議に参加する敷居も低いし、人々が思いたったらすぐ抗議が出来る。先週は反原連の機材を使ってそのままスムーズな抗議が出来ました。安保法制反対で群衆が国会に集まった際、総がかりとSEALDsの抗議の引き継ぎなんか、総がかりのジイ様達の段取りの悪さも相まって30分近く中断しなければなりませんでしたからね。金曜官邸前抗議も最近はさすがに参加者も少なくなって来ましたが、場を温めておくこと😄は意味がある、と改めて思いました。