特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』と『0601再稼働反対!首相官邸前抗議』

今朝は久々にすっきりしたお天気でした。
最近はじめじめした天気が続いていたせいか、今日のように湿度が低いと実に爽やかに感じます。まるで違う国にいるみたい。
●雨上がりの朝は気持ちいいです。


ところが 人間世界の方は相変わらずどんよりとした状態が続いています。国会に提出されたデータの不備が当日に至るまで発覚し続けた奴隷制高プロもそうですし、昨日の財務省佐川らの不起訴の話もふざけた話です。古くは律令時代から(笑)国家の根幹である公文書偽造がなぜ罪に問われないのか、ボクにはさっぱりわかりません。本質的な問題ではないと検察は言うけれど、数百か所の改ざんや8億円もの値引きがどうして本質的でないのか 検察は説明できていない。こんなことをうやむやにしたら戦前の515事件や226事件満州事変と同じことが起きますよ。


こんなんだったら特捜部なんてリストラした方がいいですよね。今日から司法取引が施行されましたが、まだ有罪でもない籠池が1年近くも収監された代用監獄も含めて日本の司法制度も大改革が必要です。そんな前近代的な司法制度を誇る(笑)日本にアメリカが押し付けてくれた検察審査会にお願いするしかありません。なんだかんだ言って国民の顔色を見てやっているはずの検察です。佐川の不起訴だって何か月も前からリークしてたじゃないですか。やはり人々の関心が足りないのだと思います。何よりも、なぜ佐川らが文書を改ざんしたのか、という本丸はまだ何も明らかになっていません。それこそが問題です。


でも ここで、諦めてしまったら、連中の思うつぼ。この春、スピルバーグの映画『ペンタゴン・ペーパーズ『0414国会前大行動』と今 見るべき映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)リーアム・ニーソン兄貴の『ザ・シークレットマン『新聞に出るニュースと出ないニュース』と映画『ザ・シークレットマン』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)を見て初めて気が付いたのですが、ウォ―タ―ゲート事件が発覚してからニクソンが辞任するまで2年以上かかっている

ザ・シークレットマン

ザ・シークレットマン

事件が発覚してもニクソンは途中の大統領選挙で再選されています。それは最初はマスコミも国民も事件に大きな関心を持たなかったからです。それをNYタイムスやワシントン・タイムス、それに情報をリークしたFBI副長官のマーク・フェルトらが粘り強く報道し続け、辞任に追い込んだ。森友の話だって発覚して、1年そこそこです。諦めずにやれることをやるまでです。

●最近ネットで少し盛り上がっているらしいインド料理、ビリヤニ。ボクはブームに関係なく、いつもの店でいつもの骨付きマトンのビリヤニです。でも、いくらGI値が低いパスマティライスとはいえ、これだけお米を食べると太るんだよな〜。



さて、今回はベストセラーの本の感想です。『AI vs. 教科書が読めない子どもたち


この本では大きく分けて2つのことを言っています。
まず、将来 AIが人間を超えることがあるかという問題。
著者の新井氏は国立情報学研究所教授で数学者。東大合格を目指すAI「東ロボくん」の育ての親です。東ロボ君は偏差値57、MARCHには合格できるレベルにはなりましたが、それ以上はとてもムリだそうです。
新井氏はこれ以上偏差値を挙げられない理由をこう述べています。AIに出来ることは数学、つまり『論理』、それに過去データを基にした『確率』、『統計』であり、それ以外のことはできない。東ロボは数学は最高レベルの点数をたたき出しましたが、英語は150億文の文例を教え込ませてもダメだったそうです。国語も同じ。意味を解さないAIは読解は苦手であり、点数には限界がある。だから一部では2040年頃と言われている、AIが人間を超える『シンギュラリティ』なんか未来永劫 来ない、と断言します。


もう一つは読解力の問題です
AIは読解力、具体的には『推論』、『イメージ同定』(文章の内容と図やグラフの意味が同じであるか判断すること)、『具体例同定』(定義を決めて、具体例がそれと同じ意味であるか判断すること)は全く苦手だそうです。
著者が全国2万5000人の学生に読解力のテストをしたところ、こんなことが判ったそうです。
・中学を卒業する段階で3割が表面的な読解も出来ない
・学力中位の高校でも半数以上が内容理解を要する読解はできない。
・進学率100%の進学校でも内容理解を要する読解問題の正答率は50%程度である


高校生の半分以上が教科書の意味が判らない。つまり、人間の半分以上はAIに置き換わってしまう可能性があるということです。最近の学校ではタブレットによる授業やアクティブ・ラーニング、コンピュータのプログラミング教育など、新機軸の教育が取り入れられています。著者はそんなことをやるより、まず教科書を読めるように読解力を鍛えることが先ではないか、と提言しています。
ちなみに読解力と偏差値は非常に強い正の相関があるそうです。読解力がある生徒は理解が早く、したがって偏差値も高くなる。進学高ほど読解力は高い。でも、最近TVに出てくるらしい政治学者の三浦瑠麗が良い例で、東大でも驚くほどのバカはいくらでもいるし、そもそも偏差値がそんなに立派な指標なのかよ、とは思いますけど(笑)。


ボクの感想です。
まずAIは意味を解さないでしょうけど、学習することが出来るようになった今は多少変わりつつあるのではないか。例えばグーグルのAIは膨大な画像データを学習した結果 外観としては『猫』という概念を理解しました。人間も生まれたときから五感を使って外の世界から情報を収集、思索を続けているわけです。将来 センサーの進化も含めてAIに覚えこませるデータの量がもっと増えて、CPU(GPU)の処理スピードの問題が解決すれば、意味を解する若しくは、自ら『意味』を作りだす可能性はあるんじゃないか。人間もおそらくそうやって学習をしているわけですから。
だから未来永劫 シンギュラリティは来ないと言い切ってしまうのはどうか、と思います。


あと、読解力についてはある程度納得しました。読解力は単語の問題ではなく意味、文意の問題です。著者は高校生の半分以上は教科書の意味が判らないと言っていますが、世の中のかなりの部分の人は文章の意味が判らないことがあると思います。ボクだって、この本の中の例題をいくつか間違えたし。その典型的な例が安倍晋三。彼の国会答弁って強弁ばかりで根拠を示さない。辻褄もあってない。発言の意味は殆ど理解できませんよね。ネトウヨなんかもそうでしょう。

少し前 灘中・高で「学び舎」という出版社が作った歴史教科書「ともに学ぶ人間の歴史」が採用されて、ネトウヨが抗議を大量に出したり、自民党の議員が圧力をかけたのは皆さん、ご存知だと思います。バカどもから抗議が殺到したのは、この教科書には他の教科書が言及していない従軍慰安婦河野談話の記述があるからです。連中はその意味が全く分かっていない。
この教科書は灘だけでなく、麻布、筑波大学附属駒場学芸大附属、慶應など、少なくとも国立5校、私立30校以上で使われていますが、その理由はイデオロギー云々ではなく、この教科書は学習者が主体的に問題を発見し思考し、他の学習者と協働してより深い学習に達することを目指すアクティヴ・ラーニングに向いているから、と灘の校長は言っていますhttp://toi.oups.ac.jp/16-2wada.pdf#search=%27%E7%81%98%E9%AB%98+%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8+%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%27。AIに代替されないような人間を育てようと思ったら、自国に都合が良かろうが悪かろうが、事実をちゃんと取り上げて議論をしなければならない。これらの学校ではそういうことは判っている。でも日本の大多数はどんどん逆方向へ行っているわけです(笑)。


最近も是枝監督が『万引き家族』という映画でカンヌでグランプリを取った際、『日本では万引きが横行していると外国に思われる』、『是枝は反日、カンヌは反日と本気で言っている低能がいました(笑)。
●典型的な例。高須クリニックのバカオヤジ

●今朝の日経で是枝監督は『この国は、映画が国に何をしてくれるかという発想でしか文化を捉えられない人たちが中心にいる』と言っていますカンヌ最高賞の是枝監督 内向き日本に危機感 :日本経済新聞。彼は今後 しばらく外国で映画を撮るそうです。


*ツイートの記事のリンクカンヌ受賞の是枝裕和監督を祝福しない安倍首相を、フランスの保守系有力紙が痛烈に批判 | ハーバービジネスオンライン | ページ 2
ヒステリックに9条命!と言ってる人たちもその傾向は在りますよね。9条を守ることでどんなメリットがあるか、目的にどうつながっているか 論理的に説明できる人は少ない、とボクは思います。ネット、それに最近は、国会のバカどもを見ていると、彼らは右左のイデオロギー以前に文章の読解が出来ないんだろうと思います。こりゃあ、ムリですよ。バカにつける薬はない。


新井氏は読解力を上げるにはどうしたら良いかわからないが、歳を取っても上がった実例はある、とは述べています。当人が学ぶ意欲があれば、読解力は上がるんだろうとは思いますが、意欲がなければ厳しい(笑)。学び続けようとする意欲が大事ではあるんでしょうけど、それすらない奴にはどうにもならない。


いずれにしてもAIが我々の仕事を奪っていく可能性は結構ある。読解力だけで見ても、人間の半分くらいの仕事が奪われる可能性があるわけです。今朝の日経産業に、AIが大腸がんを98%の精度で見つけられるようになったという記事がありましたが、医者みたいな職業だって判断力、思考力がない奴はゴミ箱へポイ(笑)。
今後 日本が安倍晋三が目指すネトウヨ国家になっていけば、読解力、思考力のない奴が増えて、人間の仕事が奪われる勢いは更に加速する(笑)。アメリカの奴隷云々というだけじゃなくて、今度はAIの奴隷だね(笑)。安倍晋三ネトウヨがめざすのはアホ・ジジイばかりの貧乏奴隷国家ニッポンというわけです(笑)。これは資本家の搾取(笑)や新自由主義の陰謀(笑)とかそれ以前の問題です。


これから技術が進歩していくと、将来の我々には3種類の仕事しかないとボクは思っています。
1.機械に置き換えられない、創造的な仕事』(芸術家など、これができる人はごく僅か)、
2.従来の仕事を機械に置き換えていく仕事』(仕事や物事の意味や意義が判っていることが必要。これはそれなりに人数がいる)、
3.機械に置き換える価値もない、低単価の仕事』(不定型な荷物の品出しなどの軽作業。人数的にはこれが一番多くなる可能性が高い)


日本の場合 少子高齢化がこの流れを加速するでしょう。そしてネトウヨ国家日本は3を目指すという訳です(笑)。ただでさえ非正規雇用が雇用の3割を占めているというのに、国民の半分が低賃金の単純労働になったらどうすんの?(笑)
新しい技術を如何に使いこなしていくかというのは個人的にも、社会全体としても大きな問題だと思います。ビル・ゲイツが言ってるようにロボットに課税するとか、AIに課税するとか、独禁法を国際的に強化するとか、もっと真剣に考えなきゃ、未来は超格差社会になるでしょう。富の再分配はボクは絶対に必要だと思いますが、それだけじゃだめ なのよ。



ということで、今週も官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
午後6時の気温は22度、湿度が低くて気持ち良かったです。今日の参加者は700人。

●抗議風景


やっぱり12日の新潟の知事選が心配です。現地の事情は良くわかりませんが、今のところ横一線新潟県知事選 序盤は花角氏と池田氏が横一線=JX通信社 独自情勢調査(米重克洋) - 個人 - Yahoo!ニュース、もしくは与党の候補がやや優勢という観測もみかけました。楽観視できる状況ではありません。与党候補は地域振興優先、原発を争点から隠しているし、集票組織も全開なんでしょう。与党のやり方は毎回良く判っているわけですから、その点は野党も頭を使ってもらいたいです。再稼働反対や安倍晋三のスキャンダルを唱えているだけで勝てる話ではない。前回の知事選も終盤に逆転したそうですから、まだ悲観的になる必要はないのでしょうけど、原発のような負の遺産をこれ以上増やしてどうするんだよ。
●7月7日に国会前で大規模集会【0707 NO NUKES! ENERGY AUTONOMY! 反原発☆国会前集会】をやるそうです。
0707 NO NUKES! ENERGY AUTONOMY! 反原発☆国会前集会 | 首都圏反原発連合