特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『物語 フィンランドの歴史』と『0119再稼働反対!首相官邸前抗議』

ついこの前までお正月かと思ったら1月ももう下旬です。
朝晩は極端に寒いですが、昼間の空気には温かみを感じるようになりました。来週は大変寒くなるようですけど、それでも寒くなったり、暖かくなったり、ゆっくりと春へ向かっていくのだと思います。
隅田川の水辺にも陽の光がきらめいていました。今はマンションだらけで景色はすっかり変わってしまいましたが、それでも『春のうららの隅田川〜』とはよく言ったものです。



さて 読書の感想です。『物語 フィンランドの歴史 - 北欧先進国「バルト海の乙女」の800年


北欧の小国にも関わらず、一人当たりGDPは日本より大きい先進国フィンランドの歴史についての概説書です。
先日 大学センター試験で『ムーミン』の問題が出題され、揉めた(笑)のがニュースになりました。作者はフィンランドに住むスウェ―デン系の人がスウェ―デン語で書いた作品なので、わかりにくかったようですが、フィンランドムーミンにしろ、携帯のノキアにしろ、サンタクロースにしろ、日本に近いようで知られていない国ではあります。

ムーミン谷、本当にフィンランド? センター解答に波紋:朝日新聞デジタル


フィンランドと言ってもボク自身も馴染みが薄かったのですが、先日の名画『希望のかなた''我々はアマゾンの奴隷になる?'' と ''みんなで助ける'':映画『希望のかなた』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)など、フィンランドをテーマにした劇映画やドキュメンタリーを見るうちに、興味が湧いてきたんです。街中にはネオンサインなんか殆どなく、デートは自転車でピクニックだけど映画『クイーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落』と映画『365日のシンプルライフ』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)放任主義+大学まで教育無償化で学力は世界1『0619市民×4野党大街宣』と『Perfume 6th Tour Cosmic Explorer @ 幕張』、それに映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)、田舎臭いヘビメタが盛んだけど精神障碍者のロックバンドがヒットチャートに入る国予算は極端に違うけれど(笑):映画『インターステラ―』と『パンク・シンドローム』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)男女平等で、老人ホームも完全個室が整備され、日本より豊かな福祉国家、というのは これは何なんだろうと(笑)。
●2016年の一人当たり名目GDPランキング。ノルウェー(3位)、スウェーデン(12位)、デンマーク(9位)、フィンランド(17位)と北欧各国は全て日本(22位)より豊かです。


世界の一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング - 世界経済のネタ帳

フィンランドは長くスウェーデン支配下にあり、今も第二公用語はスウェ―デン語だそうです。その後はロシア帝国支配下にあったりで、独立国になったのは101年前です。独立してからも自国民同士の内戦、ナチと手を結びソ連と戦った第二次世界大戦ソ連の圧力の元での冷戦時代、ソ連崩壊後のグローバル競争と、非常に過酷な運命を乗り越えています。それにもめげず、フィンランドの人たちは豊かで平和な国を作ったわけです。


フィンランドという国の成立や民主主義の確立過程はもちろん興味深いですが、第二次大戦当時 どさくさまぎれに攻め込んできたソ連軍を大苦戦させた『冬戦争』、ナチと手を結んでソ連に対抗した『継続戦争』の逸話は非常に考えさせられます。武器どころか軍服も揃っていないフィンランド軍は70歳を超えた老将軍マンネルハイムの指揮で雪の中のゲリラ戦を行い、ソ連軍を大苦戦させます。地の利に加えて、フィンランドの人は極寒に強い(笑)、スキーが超上手い(笑)、狩猟慣れしているので射撃が上手い(笑)に加えて、困難に対して決して諦めないという『シス(SISU)』という精神があるそうです。


しかし期待していた西欧や北欧諸国の援助は届かず フィンランドソ連に対抗する道はナチスと手を結ぶしかありませんでした。ナチスは武器を援助する代わりに、フィンランドに勝手にソ連と講和しないという協定を結ぶことを要求します。大統領のリュティは敢えて議会の承認を受けず、個人の署名でドイツと協定を結びます。ドイツが敗色濃厚になるとフィンランドソ連と早期講和するために、そのリュティ大統領個人が辞任してドイツとの協定を破棄します。大統領も議会も最初から状況を読んでいて、大統領は自ら捨て石になったんです。フィンランドは大戦後 ソ連を中心とした連合軍の占領を避けるため、フィンランド自ら戦争責任者の裁判を行います。リュティ大統領は有罪となり入獄しましたが、事情を理解している国民はすぐ恩赦しました。小国が独立を保つために行った苦渋の選択と国民の賢さには頭が下がる思いです。


フィンランドは第二次大戦後 ソ連の強い影響下に置かれます。ソ連共産主義革命を起こそうと親ソ派を使って挑発行為を繰り返しますが、国民は騙されませんでした。却ってフィンランドは大国の利害紛争に一切関与しない』という条約ソ連と結び、それを盾にワルシャワ条約機構入りを避けるなど、中立を保ち続けます。どこかの国の安保条約の活用方法のお手本みたいな話です。フィンランドは強圧的なソ連に対して表立っての非難を避けながらも、国民はスウェーデン経由でソ連を非難する言論を出すなど民主主義を守るために巧みな努力をします。
ソ連崩壊後は『自国周辺にとどまっているだけでは自国の平和を保つことができない』として、国連PKOにフィンランド軍が積極的に参加、インドネシアの紛争の仲介に積極的に乗り出して大統領が2008年のノーベル平和賞を受賞しています。ちなみにフィンランドはEUに加盟していますが、軍事機構であるNATOには加盟していません。


第2次大戦時 他国に侵略された北欧諸国の運命とその後の選択については日本も大きく学ぶべき点があると思います。
ノルウェーは国土をナチに侵略されました。戦後はNATOには参加して集団安全保障の傘に入りますが、EUには加盟していない。ナチに占領されても戦い続けた歴史がものを言っているのだと思います。
200年以上も中立政策を取るEU加盟国スウェ―デンNATOには参加していませんが、軍隊は共同行動をとっている。武器輸出国としても有名ですね。この国は大戦中も何とか中立を守りましたが、ドイツ軍の圧力に負けて領内の通行を許したという苦い過去があります。ちょうど昨日、スウェ―デン政府が戦争に注意するよう国民に呼びかけたというニュースが流れました。もちろんロシアの動きを警戒しているのです。中立政策をとりつつも警戒は怠らない、ということだと思います。


フィンランドノルウェーの逆。国土はソ連に侵略されましたが、ソ連軍を大苦戦させたことで独立を維持。戦後はEUには加盟したが、ソ連/ロシアを刺激しないためにNATOには参加しない。しかし積極的に海外紛争解決に加わり自国の安全保障にしている。小国は国際世論が最大の安全保障ということでしょう。



圧倒的な大国に挟まれているという点では日本も同じです。程度の差こそあれ、国土を蹂躙されたのも似ている。ましてフィンランドは日本と同じ敗戦国です。現在 フィンランドノルウェー、スウェ―デン、どの国も戦争絶対反対の国ですが、国連やNATO経由で軍事面でも世界全体の平和に積極的に関わることで、自国の安全保障と独立を図っている集団的自衛権なんて当然、と考えているはずです。
北欧の国々は福祉大国、進んだ教育、IT化が進んだ経済などで有名ですが、独立性や平和を保とうとする国の在り方自体 非常にユニークです。首相在任時の中曽根が『防衛努力をしないと日本はフィンランドのようにソ連の属国になってしまう』と言ってフィンランドの抗議を受けましたが、とんでもない。日本とフィンランド、どっちが属国なのか。バカ丸出し(笑)。アメリカの属国の日本の首相ごときが全く恥ずかしい話です(笑)。
戦後 日本は右も左もアメリカの核の傘に頼りきりで、安全保障を自分の頭で考えてこなかった。同じ敗戦国でありながら戦後70年以上 巧みで粘り強い外交と最低限の軍事、平和貢献、様々な手段を用いながら、『大国の利害紛争には一切関与しない』原則を守り続け、経済面でも文化面でも日本より豊かな国を作ったフィンランドに学ぶべき点は大きい、とボクは思います。



ということで、今週も金曜官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
今日の午後6時の気温は9度。寒いとは言え、先週よりは遥かに楽です。今日の参加者は700人。
●抗議風景






今週 30年も続いてきた、米原子力協定の延長が決定されました。


実質 核燃サイクルは破たんしているのに、日本に核燃料の再処理を認めるようなバカな協定など無い方が良いのですが- - -。今後は日米どちらかの政権交代などで6か月の事前通告で協定はつぶせるというのは唯一の救いではあります。しかし協定の延長で在庫のプルトニウムを減らすためにプルサーマルを進めようという圧力が強まるでしょう。MOX燃料を燃やすことで制御棒の効きが悪くなって事故の確率も上がるし、事故が起きたときは放射性物資の排出量も増えますより多くのリスクを背負わなければならないわけです。六ヶ所村の工事だけで2兆円以上もの莫大な費用をかけて、なおかつリスクが高まる。しかも再処理にも14兆円のコストだそうです!核燃サイクルを問う機会に :日本経済新聞 そんなカネが在ったら国民の暮らしに回してもらいたいものです核燃サイクルはまさに愚行としか言いようがありません。もちろん対象地の選定など大変なことではありますけど、廃棄物の中間貯蔵や地層処理など見直しのための現実的な議論が国民全体にとっての課題なのだと思います。
安倍晋三のバカはリトアニア杉原千畝を『スギハラアワチ』と読んだそうです。リンク先で音声が聞けます⇒umekichi on Twitter: "安倍万歳の奴らが俺に「杉原千畝」の事知らねぇだろって、クソリプ飛ばしてきてたけど、教祖が「ちうね」って読めないじゃん。読めない以上に知らないんだろ。だからごまかす。
「スギハラ アワチ」さんて誰だよ、安倍晋三。… "