特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『#お前が国難』と映画『ダンケルク』

堺市の市長選、非維新の竹山氏が当選して良かったです。維新に投票する連中って何が理由なんでしょうか。弱者切り捨て、不祥事だらけの下等政党に望みを託そうとする発想は不思議でなりません。
しっかし、国連での刈り上げデブとトランプの幼稚園児のような罵倒合戦は何とかならないですかね。殆どギャグ映画の様ですけど、その登場人物が核兵器を持っている。シャレにならない。

頭がおかしいと言えば、日本の某副総理。こいつが頭がおかしいというのは国民周知 いや、ナチ発言で世界中が周知の事ですが、今度は『難民は武装難民かもしれない。警察か防衛出動か射殺か』と発言しましたhttp://www.asahi.com/articles/ASK9R6DCPK9RUTFK00J.html
頭が悪いとかそういうレベルじゃなくて、人格的にどこか欠損があるんじゃないでしょうか。それ以前に大量の難民が発生したらどうするのか。そっちが先でしょう。そもそも『武装難民』って言葉、意味が判んないんですけど!そんなものが現実に存在するんでしょうか(笑)。アホが思いつくことは凡人にはとても想像できません。



結局 日本はどんどん北朝鮮化しているような気がします。政治家がアホなだけじゃなく、くだらないことにばかり関心を示す国民もゲスでバカ揃いじゃないですか。


ということで、国会解散記者会見の時間に合わせて官邸前で安倍晋三に抗議がありました。レイプ疑惑の山口敬之を不起訴にした第六検察審査会でも抗議がありました。怒りに任せて、ボクも官邸前には行ったんですが仕事で7時半過ぎになってしまったので抗議はもう終わってた😂。くっそー。


不愉快なことが在ったら官邸前や国会に出て抗議する、という文化が生まれつつあるのは良いことだと思います。ミサイルやJアラートで大騒ぎしているくせに、国会を解散して政治空白なんて誰がどう考えてもおかしい、じゃないですか。何が『国難』だよ。安倍晋三の存在そのものが国難だろうって。森友や加計の例を出すまでもなく、今の為政者は私利私欲しか考えてないと思います。

ということで、こちらはバカな国とは違う物語です。新宿で映画『ダンケルク映画『ダンケルク』NEWS

1940年、連合軍の兵士 約40万人が、ドイツ軍によってドーバー海峡に面したフランスの港町ダンケルクに追い詰められる。ドイツ軍の猛攻にさらされる中、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)ら若い陸軍兵士たちは生き延びようとさまざまな策を講じる。一方のイギリスでは民間船も動員した救出作戦が始動し、遊覧船の船長ドーソン(マーク・ライランス)は息子らと一緒にダンケルクへ向かう。さらにイギリス空軍パイロットのファリア(トム・ハーディ)が、ダンケルクの友軍を援助するために出撃する。


ダンケルク・スピリット』という言葉がありますが、ダンケルクの撤退というのはイギリス国民にとっては、ある意味 神話的な物語だと思います。ドイツ軍に追い詰められた約40万の兵士たちのうち、3〜4万しか救い出せないという見込みだったのが、実際は約30万人を救い出した。しかも軍の駆逐艦や輸送船だけでなく、民間のヨットや漁船、遊覧船も大勢参加して兵士を救い出したことで、負け戦にも関わらずイギリス国民の士気はかえって高揚した。それを描いた作品です。


この映画のお話は3つに分かれています。一つはダンケルクから懸命にイギリスへ戻ろうとする陸軍兵士たちの1週間。海岸に追い詰められた彼らですが40万もの兵士がいます。数に限りがある船に乗るのには場合によっては何日も待たなければなりません。その彼らにドイツ空軍、そして追ってきたドイツ陸軍が迫ってきます。
●ドイツ軍に追われてダンケルクの街を逃げる兵士。まさにサスペンス、凄い緊迫感です。だけど実際は連合軍が組織的に崩壊していたわけではないので単身で逃げる兵士というのはどうなんだろう、とは思いました。

もう一つは遊覧船の船長たちの1日。40万もの兵士をイギリスに連れ帰るには軍隊の船だけでは数が足りません。民間のヨットや遊覧船、貨物船が動員され、ドーバー海峡を渡ります。と、言っても、非武装でスピードも出ない民間の船です。ドイツ空軍やUボートがうじょうじょ居る中での航海は文字通り命がけです。
●いかにも寡黙なイギリス人、と言った風貌の船長。実際にこのようなヨットや遊覧船が兵士を救うためにダンケルクへ向かったそうです。


更にイギリス空軍の戦闘機パイロットの1時間。燃料に限りがある中で兵士たちや船を守ろうと、ドイツ軍機と戦いながら懸命にダンケルクへ向かいます。
パイロット役は肉体美で知られたトム・ハーディですが、殆どマスクを被ったままだし、だぶだぶした飛行服を脱ぐ機会もないので彼じゃなくても良い気はしました(笑)。


特撮は殆ど使ってないそうですが、映像の迫力は凄いです。本当に船を沈め、爆弾を落とし、まだ残っている当時の飛行機を使って空中戦をする。不謹慎かもしれませんが、海の上での空中戦ってきれいだなーと思いました。海の青と空の青、2種類の青色の上でクラシックな飛行機が絵を描く。非常に美しい映像が撮られています。迫力ある映像をサポートする音楽も素晴らしい。緊迫した場面で使われる重低音のリズムがまるで心臓の鼓動とシンクロしているように聞こえます。映像と一体化している。音楽を担当した巨匠のハンス・ジマー、非常に良い仕事をしました。


殆どセリフはありません。敵の姿も見えません(敵機だけはあります)。だからこそ観客は登場人物たちの中に入り込める。エンターテイメント大作にも関わらず、実験的な映画なんですね。


お話しとしてはやはり、遊覧船の物語が印象に残ります。史実なんですからしょうがないんですが、やはり泣かせどころ(笑)、感動的です。『私たち年配の世代が戦争を起こしてしまった。だから私たちが若い兵士たちを救わなければならない』といいながら死地へ赴く船長の姿には感動せざるを得ません。イギリスにはそういう人たちが大勢いたんですね。そんな国にナチや大日本帝国ごときが勝てるわけがありません
●左側が船長の息子。如何にもロンドンの下町にでも居そうな風貌です。


やっと故国にたどり着いた兵士たちですが、足取りは重かった。国民たちから冷遇されると思っていたからです。ボロ負けして帰ってきたわけですから。ところがイギリスでは兵士たちを大歓迎する国民たちが待っていました。一般人が埠頭やホームに押しかけて、疲れ果てた兵士たちにお茶や食べ物、毛布を配り、花を手渡す。ナチから祖国を守るという大義がある戦争です。やはり日本とは全然違います。


ただ 映画ではイギリス軍がフランス軍に殿を任せて見殺しにしたことが強調されていましたが、実際は救出された30万人のうち10万人がフランス人だそうです。イギリス海軍の提督役のケネス・ブラナーの見せ場のためにそういう演出をしたんでしょうけど(笑)、そこは史実と違います。もちろん ケネス・ブラナーのそのシーンも超かっこよいです(笑)。
ケネス・ブラナーの役は実在の人を何人か組み合わせて造形したそうです。こういう時 指揮官、リーダーはどうするべきか。非常に考えさせられます。


戦争映画と言っても、実験的な構成でサスペンス映画のような演出は面白いなーと思いました。見事なアイデアです。個人的な好みではサスペンス感あふれる兵士たちのお話や空中戦は凄かったけどパイロットの話はイマイチで、やはり泣かせる遊覧船の話が好きなんですけどね。
複雑で巨大な話を焦点を絞って2時間にまとめ上げたクリストファー・ノーラン監督の手腕は凄いです。ドキドキ、ハラハラ(残酷な場面は殆どありません)で面白い、そして泣かせる、優れた映画であることは間違いありません。