特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

 『あと一人、あと一人!』と読書『閉じていく帝国と逆説の21世紀経済』、それに『0728再稼働反対!首相官邸前抗議』

北朝鮮ICBMを発射するかも、と言われていた昨日27日は大変な日でした。この国の政治家や役人はどうなっているんでしょうか。日本の防衛省の幹部なんか要らないってことでしょ😜。
●おまけに稲田まで辞意を表明したんですから。居ない方がいいけど。


蓮舫氏が民進党代表を辞任することを発表しましたが、それ自体は別に構いません😸。しかし、発表するタイミングが全くアホ丸出しです。ただでさえ、自民党のアラが次から次へと出てきているところです。辞任するのは内閣改造後でいいじゃないですか。いい加減な参考人質疑のあと、さあ、これからというところでしょう。そこでいきなり切腹してどうするんだよ。最悪ですよ、サイアク。分裂選挙で勝ち目がないとはいえ、横浜市長選はどうするんだよ。末端の運動員や市民に対してどう説明するんだよ。

民進が分裂している横浜市長選。自公+連合が推薦するカジノ公認の現職の応援をする山尾しおり。見損ないました。


●ただし『リベラル層が組織票になってないから、山尾と言えども連合を無視できない』という意見もあります(中野晃一上智大教授)。ボクは民進党が『市民を取るのか組合を取るのかはっきりしないからリベラル層が支持基盤に成りえていない』、と思います。民進党が大都市の東京でも大阪でも壊滅しているのがその証拠です。
中野 晃一 - 【「山尾ショック」はなぜ起きるのか】... | Facebook


デモや集会で間近に見て、蓮舫という人は個人としては良い人だと思っていますが、野田なんかを幹事長に起用したことと言い、今回の発表のタイミングと言い、この人は政治家としての勝負勘とか判断力が根本的にない!のかもしれませんね。ダメだ、こりゃ。民進党はどこまで国民の足を引っ張るんだと思います。かといって、他はロクでもない極右+新自由主義者都民ファ、維新)か、左翼ファシスト共産党)か、時代に取り残された認知症の集まり(社民、自由)しかいないのですから、どうにもなりません。



25日に報じられた自民党機関誌 産経に載っていた最新(先週末)の世論調査の中身が面白かったです。

【産経・FNN合同世論調査】内閣支持率、40・50代女性が“危険水域”に 公明支持層も不支持上回る - 産経ニュース

もちろん安倍内閣の支持率は低下の一方で、産経と言えども支持を不支持が大幅に逆転しています。
ボクが気になったのは若年層の支持率。7月12日に報じられた仙台市長選に際しての河北新報世論調査『若年層ほど安倍の支持率が高い』、『学生の7割が安倍内閣を支持している』という結果に驚いたのですがhttp://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201707/20170712_11012.html、今回もそれを裏付ける結果になっていました。


5月時点では10代、20代は安倍内閣を支持する人が7割もいたんですね。現在は見る見るうちに低下して(やはり仙台と全国では情報伝達スピードが違うのでしょう)、3割台に低下しています。だけど、全体的に見て『若年層の方が安倍内閣を支持する率が高い』傾向はあるようです。


ただし、何かきっかけさえあれば、若年層も動く、ということは今回の調査でもはっきりしています。それは受け皿でもあるし、政策でもある。リーダーでもある。民進党は受け皿も政策もリーダーもダメ、何もないんだから、この際 ヴィジョンをはっきりさせ、5〜10年がかりで再建していくしかないんじゃないですか。今までは政権構想すらはっきりさせることができなかった。そんな難しい話じゃないです。脱原発』と『再配分強化』、それに学費や子育てなど『若者の支援』、それだったら、右左関わらず様々な政治家が集う共通項になるでしょう。左右が集えるような政策じゃなければ政権はとれないんです。そもそも欧米に比べれば格差の拡大を良しとしない日本の社会は中道左派的な政策を受け入れる土壌は大いにあるはずです。これは判断力の問題です。


稲田が辞めてもそれで終わりじゃありません。日報を隠したり、虚偽答弁した責任追及はこれからです。
●更迭にもかかわらず次官相当の高額退職金(税金)をふんだくった田母神閣下(笑)でさえ、こう仰ってます。選挙資金横領でまだ牢屋に入ってなかったんだっけ?(笑)。


安倍を一刻も早く倒すためには、まだまだ市民が声を挙げていかなければいけないと思います。この期に及んだら、ただ倒せばいいんです。安倍の替わりは当面 野党じゃなくても自民党でいいじゃないですか。
あと一人、あと一人!


この世論調査には『男性の方が安倍の支持率は高い。特に30代男はまだ支持の方が高い』みたいなことも現われていますが、これは答えは判ってる。男はバカ、という洋の東西を問わない真理がここにも表れているだけです。男の選挙権を廃止すれば、良い世の中になるんじゃないですか。ついでに30代男なんか、モンサントラウンドアップでも撒いて駆●すればいいんですよ😈



さて、7月6日 フランスがガソリン・ディーゼル自動車の販売を2040年までに禁止をするという指針を発表しましたが、イギリスも2040年までに販売を全廃するのを今週発表しました。

英もガソリン・ディーゼル車の販売禁止 40年までに :日本経済新聞


トヨタにしろ、VWにしろ現在のトップメーカーも内燃機関から電気に動力が変われば、今までの優位性はかなりの部分が失われてしまいます。イギリスの自動車メーカーなんて実質ないに等しいから(笑)どうでもいいんでしょうけど、電気自動車の時代になったら日本の基幹産業が滅びる可能性もあるわけです。某大学の理工学部長は『(エンジンを研究してた)機械工学科はどうしよう』って言ってましたよ😸。自動運転にしろ、大変な転換期だと思います。


製品・サービスにしろ、文化にしろ、こういう新しいコンセプトを構想するところは日本は欧米には全くかなわない。元来なら、脱原発とか省エネとか日本にもチャンスはあるけれど、役人も政治家も学者も構想力がないし、決断力がない。バカな決断をするよりは何もしない方がマシですけど、脱原発にしてもチャンスがあるのに、原発立地や原発ムラなど一部の利害関係者の顔色ばかり見て 国ごとみすみすチャンスを逃すのはバカバカしい気がします。しかし世の中 大変換期ですね。山一に拓銀日航、シャープ、東芝と絶対潰れないと思われていた大企業もバンバン潰れたり、瀕死の状態になっています。日本からは家電産業も半導体産業も無くなろうとしています。そういう世の中です。我々だって将来は安穏としていられません。


激変期と言えば、水野和夫氏の新著『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』を読み終わりました。水野氏は三菱UFJモルガン・スタンレー証券エコノミスト⇒内閣審議官⇒法政大教授という経歴の人。

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)

閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書)


この人の言ってることを要約するとこんな感じでしょうか。
●『先進国は低成長に陥り、金利も人類の歴史史上最低レベルまで落ち込んでいる現在、資本主義は限界に来ている』
●『経済成長、生産力の増大を基本としているという点では資本主義も社会主義も同じであり、どちらも成り立たなくなろうとしている』
●『従来の「より遠くへ、より早く、より合理的」という経済成長を前提とした近代から、今後は「より近く、よりゆっくり、より寛容に」という経済成長を前提としない時代に大きく変わっていくのではないか』


水野氏は経済学に加えて、歴史学(ブローデル)、社会システム学(ウォーラーステイン)、政治学(ヘドリー・ブル)などをベースに、総合的に物事を捉えようとしているのが特徴です。2014年には『資本主義の終焉と歴史の危機』がベスト経済書に選ばれる水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」特設サイト など高い評価を得ている反面、話がでかすぎる、細部に矛盾がある、将来の社会像を提示できていない、などの批判もあります。

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)



今回の本は、今までの議論から一歩進んで、将来目指すべき社会像にかなり言及しています。特にこの指摘。
●資本主義は限界が来ているが、主権国家というシステムも限界が来ている。
経済のグローバリゼーションにしろ、ISなどのグローバル・テロにしろ、国民国家を中心とする主権国家の枠では解決できない問題が起きてきている。ウェストファリア条約以降に成立した、世界秩序に責任を持つ主体を欠く主権国家というシステム自体がそもそもの誤りではないのか。


これは慧眼だなーと思います。近年は右左にかかわらず、国家主権を強調する風潮が強くなっています。右からはトランプやブレクジット、ルペンのように自国第一主義の主張。左からはグローバリゼーションへの批判という面からの国家主権を強調する主張。日本が米国の属国と化していることを指摘する主張にも自国の国家主権を強調する傾向が感じられます。
どっちもボクは全く信用してない。前者はもちろん、後者は国家というものに幻想を持ちすぎているんじゃないか、日本がアメリカの属国から脱することしか考えてないんじゃないか、と思うんです。今のようなレベルの政治家・国民だったら、日本がアメリカの属国から脱したら、もっとひどいことになります政祭一致のネトウヨ国家😇になるだけでなく、いつ訳のわからない戦争を始めても不思議じゃない。近隣諸国、全てに喧嘩売ってるんですからね!アメリカが日本のアホな政治家を抑えてくれているからまだマシなんですよ。

脱線しました(笑)。


で、資本主義と手を携えてきた国民国家主権国家にも限界が来ている現在、どこへ行くのか。
水野先生は、今後は中世のように複数の帝国が並び立つのではないか新しい中世)、と仰っています。国民国家で解決できない問題をより大きな帝国で解決する、経済は成長しないので広範囲な帝国の域内で循環する傾向が強くなる、というのです。具体的にはEU、ロシア、中国、アメリカなど。
帝国というと人聞きが悪いですが、水野先生は、(経済も空間も)無限ではなく有限という意味で、民族国家以上のより広域の国、という意味で帝国という言葉を使っています。必ずしもダースベーダーみたいな人間が支配する独裁国家というわけではありません。


で、日本はどうするべきか。水野先生は『日本はEUに加盟申請しろ』と仰っています(笑)。もちろん地理的に日本はEUに加わることはできませんが、これからの時代にマッチした広域の閉じた経済圏・政治圏であるEUと緊密な連携を取ることで、新しい時代における日本のチャンスが大きくなる、と言うのです。
さすがに日本は中国、ロシアの独裁的な帝国には入れません。アメリカはこれから落ち目の一方で、アメリカに財政負担だけ押し付けられる可能性がある。中世 ジェノバは一時期 世界の覇権を握りましたが、スペインに金を大量に貸し込み、スペインがデフォルトした結果、ジェノバ、スペインとも共倒れになりました。今のままだと日本はジェノバと同じことになるのではないか、というのです。

水野氏によると、これからの日本には3つのハードルがある1.持続可能な財政(プライマリーバランスゼロ)2.太陽光などエネルギーの自給率アップ3.地方分権を進めて日本に5〜6つの自立できる経済圏を確立する、です。つまり、ゼロ成長でも持続可能な経済を作らなくてはならないというんですね。
●エキタスの「最低賃金を1500円に!」街宣でスピーチする水野氏(2016年3月) 『最低賃金を1500円に。3月20日AEQUITAS新宿街宣』と不動産に関する映画二題:『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』、『ドリームホーム 99%を操る男たち』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)


話が雄大かつ、実証的でもないので(範囲が広すぎて実証はムリ)、勘違いされやすい本だと思います。この本を読んで『資本主義はもう終わりだ、ざまーみろ』とか頭が悪い左翼が言いそうです。でも資本主義は限界かもしれませんが、急に明日から変わるわけではありません。AIみたいなものがイノベーションをもたらして、経済成長が再び始まる可能性がないわけでもない(水野氏も講演会で認めていました)。
また 国民国家も限界とは思いますが、いきなり国家を潰したらシリアやソマリアみたいな特大の悲劇に見舞われるでしょう。ジャック・アタリ先生などは、帝国ではなく、国民国家が集まる世界的な統治機構を1世紀くらいかけて目指すべきだ、と仰っています。そういう考え方もあるはずです。
他にもこの本では様々な統計データも上げられていますが、「交易条件の変化と先進国の景気の関係」など細かい点では矛盾もあります。


しかし総論では、大まかな方向では非常に面白い、注目に値する本です。水野氏の本はこの15年くらいのものは全て読んでますが『資本主義の終焉と歴史の危機』以来の内容の濃さです。彼の思索がそれだけ進んだ、ということでしょう。一つの考え方(パラダイムとして、ボクはかなり納得しました。

水野氏が言うように、『資本主義も国家も限界が来ている。だから「より遠く、より早く、より合理的に」から「より近く、よりゆっくりと、より寛容に」という方向へ進むべきだ』という趣旨には賛成します。ボクは『日本はアメリカの51番目の州になるべきだ』と思いますが、水野先生の『日本はEU入りを目指すべきだ』という主張も一聴に値するでしょう。資本主義は限界にきているけれど、安っぽいナショナリズムに頼るのは間違いです。第二次大戦が良い例で、ナショナリズムでダメだったからグローバリズムが進展したのですから。


いずれにしても変化は波が寄せるように寄せたり退いたりしながら、つまり変化と反動を繰り返しながら徐々に変化していく時代が何十年も続くでしょう。我々は現状を見据えながら、前を向き続けなければならない。ともすれば我々凡人は後ろばかり振り返りがちですが、前へ進もうと思ったら目の前だけでなく、大きな変化の方向性を自分の仕事や実生活に生かしていかなければならない


水野先生は最終章でウォーラーステイン先生の『決して諦めてはならない。諦めた瞬間 負の未来が勝つだろう』という言葉を引用しています。その通りだと思います。
もう一回読んでみないとなー。

デンマーク大使館のタイムリーなツイート。二重国籍とか実にくだらない。今どき 国籍なんかにこだわるのは私はバカですって言ってるようなもの。




ということで、今週も官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
今日の午後6時の気温は29度😸。立っているだけで暑い💦。今日も三々五々(笑)老若男女が集まってきます。参加者は700人。

●抗議風景





今日 経済産業省原発から出る放射性廃棄物の最終処分場の候補地となり得る地域を示した「科学的特性マップ」を公表しました。日本の基礎自治体約1750のうち、約900が安全に処分できる可能性が高い地域で、日本の陸域の約3割を占める。これから経産省は9月から自治体への説明を始め、候補地の選定作業に入る、そうです。




核のごみ最終処分場「適地」900自治体に 陸地の3割 :日本経済新聞


地震列島、日本の土地の3割も最終処分場に適しているというのは俄かに信じがたいのですが、最終処分場自体はどこかに作らなければなりません。でも好適地はいくつもあるじゃないですか。首相官邸、東電本社、経産省、皇居。嘘か本当かは別にして、どうせ安全だと言うのなら、東京の真ん中に作ればいい(笑)。この地図を見ると東京の23区は地形がダメと言うかも知れません。それなら最終処分場をどこに作るにしろ、その周辺に経産省の職員と東電の社員は家族ごと強制移住。せめて、それくらいじゃなければ話は始まりません(笑)。いや、笑い事じゃなくそれくらいの責任はあるでしょ。