特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『共謀罪の強行採決』と読書『テロルの真犯人 日本を変えようとするものの正体』、それに『共謀罪法案強行採決に反対する国会前緊急大抗議』

今週は抜けられない仕事の宴会(ウンザリ)😹で、ボクは官邸前抗議はお休みです。木曜日に共謀罪強行採決への抗議に行ってきましたので、関連した話題を書きたいと思います。
●道端で見かけたホオズキの花(多分)😺

                  

ニュースでやっていたイギリスの高層住宅の火災はびっくりしました。まるで燃え盛るローソクのようにビルが燃え盛る様は、中に人がいることを考えると文字通りの地獄のようでした。アホな日本の新聞ではあまり書いていませんが、ロイターやAFPなど外国の通信社の記事を見るとあれは公営住宅、しかも築43年。消火器は期限切れ、スプリンクラーもなく、危険性は従来から指摘されていたそうです。ニュースでは『富裕層が住む地域には起こりえない、大量殺人だ』と憤っている地元の住人もいます。

英タワー火災、安全性の懸念無視か 住民「大量殺人だ」と怒り 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News


少し前に見た映画『T2 トレインスポッティングの舞台の一つがちょうどこのような公営住宅でした。老朽化し、国は予算削減でメンテナンスしないボロボロの公営住宅に残ったのは貧困層麻薬中毒者。今回の高層住宅の周囲を見てみると、『T2 トレインスポッティング』や『私は、ダニエル・ブレイク』などの映画で見た貧困層らしき人たちばかり。現実にも映画と同じようなことが起きていたに違いありません。


日本も似た方向へ進みつつあります。国の予算が逼迫する中、橋やトンネルなどインフラの劣化が指摘されていますが、従来の公営住宅も老朽化しつつあります。例えば新国立競技場建設で取り壊された周囲の公営住宅など築50年で外観だけでなく水回りもボロボロでした。エレベータもない老朽住宅に住んでいるのは高齢者ばかり。今までも老人ホームや川崎の労働者向け住宅の火事で悲劇が起こりましたけど、こういうことはますます増えるでしょう。
●お洒落な青山の町に、ボロボロでエレベーターもない、こういう住宅が放置されていたわけです。ボクが小学生の時はピカピカで同級生も住んでたんですが。


こんなニュースもありました。『去年1年間にドイツ国籍を取得し二重国籍になったイギリス人の数が2865人に上り、前の年の3.6倍に増えた』そうです。イギリスがEU離脱を決めてから、ドイツ国籍を取得する人が増え始め、戦後最多の数だそうです。そりゃあ イギリスがEU離脱したら、そうなるでしょ、沈みそうな船からはネズミだかレミングだかは真っ先に逃げ出すそうですから。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170614/k10011016861000.html


日本も徐々にそうなっていくんじゃないでしょうか(笑)。能力のある人、若い人、それに元気がある企業はダメな国を捨ててよその国へ行く。お上の裁量次第で、節税の相談をしてたって共謀罪に問われる恐れがあるような国になりました。チャンスと能力がある人や企業はどんどん外へ出ていくに決まっている。


企業が国や役所の意向を忖度しなくてはいけないような国、男女の性役割など古いものにしがみつく国には、出ていきたくても出ていけない人、それに自分たちの利権にしがみつく無能な年寄りとダメ企業が残ります日本の将来は閉鎖的なネトウヨ貧乏国家。文句ばかりで手もまともに動かない老人たちが中国やインドネシアなど新興国メーカーの下請けで細々と生きていくんでしょう。数少ない若い人は外国へ出稼ぎかな。安倍晋三の路線の行き着く先はまさにこれ、です。つまり めざせ、中国や北朝鮮というわけです。年寄りだらけの分だけ中国より悪いかも😈。


今の日本の政治の有様をみていると、日本の見通しはこの方向へまっしぐらだと思います。ま、ボクは日本がどうなろうと知ったこっちゃありませんけどね😉。



共謀罪が昨日 強行可決されてしまいました。共謀罪の内容は国民の言論や思想の自由、如いては経済にまで悪影響を及ぼしかねないだけでなく、大臣ですらまともに説明できない法案を国会でまともに議論もせずに力ずくで押し通しました。演説や投票の時間制限までしてしまうのですから、途上国の独裁政権みたいです。理想を信じる田舎の若手議員ジェームズ・スチュワート!)フィリバスター(議事遅延)で闘う超名作『スミス都へ行く』を見たことないのかって。無教養な議員連中は見たことあるわけないでしょうけど(笑)


この責は第1に国民がアホだから、に尽きるでしょう。民進党も政権当時は強圧的だったと思いますが、やはり今の与党はもっと酷い。秘密保護法も安保法も今回の共謀罪も、国民にまともに説明する気がない、というのは見事に共通しています。そういう与党に投票したり、選挙を棄権したりするような国民はアホとしか言いようがありません。かっての自民党の政治家の多くが理解していた『選挙に勝てば何をやっても良いというのは、民主主義とは違う』ということが国民も政治家も判っていない。
第2は無能な野党。今回の国会では野党は頑張って抵抗したと思いますが、民意の受け皿としての野党は無能そのものであるのは変わりはありません。安倍が嫌でも野党に政権を任せようとは思わないのが多くの人の気持ちだと思います。だから反対運動が盛り上がらないのではないのでしょうか。
第3の責任はマスコミ。当初は共謀罪の内容もまともに報じなかったと思います。彼らに言わせれば、そんなことを報じても視聴率は取れないから、ということかもしれませんが、やはり権力の監視と言う役割意識を欠いていることは否めない。規制に胡坐をかいてる特権階級と言われても仕方ないんじゃないですか。
●日本以外の各国の報道:「“凶暴な”新テロ法案」(ガーディアン)、「キノコ狩りも対象」(BBC)、「森友学園加計学園を隠すために強行との批判も」(聯合ニュース)、「憲法改正への野望を進めるための道を開く」(ブルームバーグ「共謀罪」法成立を海外はどう報じた? BBC「キノコ狩りも対象」と写真付きで紹介 | HuffPost Japan


だけど、ほんと、民意の受け皿がない。例えば都議選だって、どうしたらいいの😂。民進の多くは都民ファーストに寝返ったし、共産党ファシストで嘘つき、他は論外。とりあえず、ボク自身は今回は反対の気概『だけ』買って共産党に投票すると思いますけど(正確には選挙区の情勢を見て、勝ち目のある候補で一番マシそうな奴に入れる)、嫌々投票するんだから😜。今からでも遅くないから民進政権時の失敗を総括して、野田や菅のような戦犯を入れ替え、組合でなく市民の民意の受け皿として再出発しなければどうしようもないんでしょうね。


共謀罪が通ったからと言って、これで世の中が終わるわけじゃないし、我々は生きていかなければならないし、生きていくからには意見を言い続けなければならない。そもそも 愚痴ってるだけ、って言うのはボクの趣味に合いません。
●これ、その通りだと思います。明学の政治学者、木下先生のツイート





今週 昨年亡くなった加藤紘一自民党幹事長の『テロルの真犯人 日本を変えようとするものの正体』という本を読んだんです。

2006年 加藤氏は右翼に山形県鶴岡市の自宅を焼き討ちされました。理由は『彼が親中国、反日だから』だそうです。犯人は一文無しの右翼ジジイでしたが、認知症にしても全く酷いもんです。生きてるだけで無駄なんだから一人で勝手に切腹でも首つりでもすればよかったのに。この本では思い出深い自宅や事務所を亡くした加藤氏が、半生を振り返りつつ、右傾化しつつある日本を語っています。10年前の2007年に出版され、今年 文庫本になりました。


書かれたのが10年前と言っても内容は今でも通用することばかりです。
彼は大学卒業後外務省に入ったのですが、当時は軽視されていた中国畑を志したそうです。彼は地元鶴岡で戦争体験者から、日本が大陸でどんなに酷いことをしたか聞いていました。今後発展していく中国のことを考えれば、今後 日本は中国と関係を深めていかなければならないという信念が彼にはあったそうです。ちなみに彼は慰安婦に関する官房長官談話を出しています。


加藤氏が言ってるなかで2つ、大きく共感したことがあります。
1つは『日本がきちんと論争ができる社会ができるようになるには2つの総括が必要である。一つは戦争の総括。もう一つは左翼側の社会主義を理想視したことへの総括』
日本の社会では議論しないまま、ほっぱらかしにになっていることは様々ありますが、この2つはその基本的な部分だと思います。ともすれば戦争を美化しがちな右側の歴史修正主義だけでなく、左翼側の思考停止に言及した加藤氏の指摘は鋭いです。議論というのは双方で成り立つものです。日本で政治的な議論が不活発なのは、右左 双方がバカだからかもしれない。白井聡の『永久敗戦論』もこの観点から見直さなければいけないと思いました。右側の永久敗戦思考を補完しているのは左翼側の欺瞞・思考停止なのだ、と。対米自立を唱える前に、日本人は、まず自分たちの総括が必要なのではないかと強く感じました。


もう1つは『日本の外交は日・米・中のトライアングルでなければならない』
彼がアメリカでそう発言した当時 かなり非難されたそうです。しかしよく考えてみれば、当たり前の話です。日本の貿易相手国1位、2位と関係を密にするのは当たり前ですよね(笑)。現在の日本はアメリカべったりだから、アメリカは日本と中国との危機を煽れば大抵 日本に言うことを聞かせられるます。日米構造改革議定書に始まり、トランプの圧力に至るまで、そのロジックです。中国は横暴だし、アメリカも横暴。でも経済面でも安全保障面でも日本は両国と関係を強化していかなければやっていけません。だとしたら日本の活路はアメリカ・中国のバランスを取る外交の中にあるんじゃないか三国志諸葛亮、天下三分の計を思い出すまでもなく、説得力のあるロジックです。


他にも加藤氏は日本会議の台頭に警鐘を鳴らしています。その指摘は今もそのまま当てはまります。『東京裁判は勝者による不当な裁きであるとする連中の論理は、サンフランシスコ講和条約を日本が自ら受け入れたことによって破綻している』と加藤氏ははっきり指摘しています。それに関連して総理在任時の小泉が知覧の特攻記念館に行って涙を流したのも、『特攻隊員を思って涙を流すのなら、それを命令した人間は誰なのかに思いを致すべきだ』と述べています。


そういう考えが足りない、頭が悪い歴史修正主義がはびこるのはなぜか。加藤氏はその原因を、現在の世の中があまりにも人間関係が希薄になっていることに求めます。『従来はネトウヨなどのバカな話は戦争経験者などの地元の長老に一喝されておしまいだった。しかし現在は人間関係が希薄になり、ネットで自分が聞きたい話だけ、それも極端な話だけに触れるようになるからテロルが起きるのだ』、と指摘しています。『町内会など従来の形の人間関係の再構築は難しいにしてもNPOなど新しい形で人間関係を構築していかなければ、ただでさえ極論に走りやすい日本の将来は危ないのではないか』、と彼は述べています(集団嫌いのボクはかなり厳しいとは思いますが)


加藤氏が師事した大平正芳元総理は老子の『大国を治むるは、小鮮を烹る(小魚を煮る)が若し』が座右の銘だったそうです。『国を治めるのは寛容をもって、細部にまで干渉しないのが良い。力や権力によって他を圧することなく、自ずから感じて帰するように導くべきである』という意味です。


平氏にしろ、加藤氏にしろ、自分のためではなく、国のために政治をするという意識は濃厚だったと思います。野党の議員より彼らの方が、はるかに見識が深かったんじゃないでしょうか。お友達には便宜を図り、国民は共謀罪でしばりつけようとする安倍晋三、それにおべんちゃら使ってる自民や公明、維新の議員とは月とすっぽんの違いです。


面白くて1日で読んでしまった本です。文庫本ですので手軽に読めます。彼の言ってることを読むと、今の日本は政治家も国民も著しく劣化してしまったのかなーと思ってしまいます。認知症の爺さん連中はともかく、今の若い人を見ているとそうは思わないんだけどなあ。まさに今 読まれるべき本だと思いました。



と言うことで、木曜日は共謀罪成立に抗議するために国会へ『共謀罪法案強行採決に反対する国会前緊急大抗議行動』。 #国会前緊急大抗議 #国会前に押し寄せよう


前半は例の社民・共産系の団体が合同した『総がかり行動』の抗議です。老人ばかりのスピーチは相変わらずヒステリックな感情論ばかりで何を言ってるか判らない。段取り悪い。貧乏くさい。別に彼らをディスりたいわけじゃないですが、連中を見ていると『これじゃ逆効果』と暗ーい気持ちになります(笑)。時間が押しているのに、最後にとどめとばかりに(笑)意味の分からない連中のお経ステートメントを延々10分近く聞かされたのは殆ど嫌がらせです。こっちは『認知症ジジイ、早くやめろよ』と思いながらiPodを聞いて時間つぶし(笑)。こちらの参加者は5500人だそうです。
●抗議風景。社民の又市とか共産党、その他もろもろが話してましたが、意味不明。沖縄の風の伊波氏だけが倒閣を意識した、まともな話をしてました。



予定を15分を過ぎて、『未来のための公共ステートメント:「今、私たち自身の足元から未来のための「公共」を、私たちで立ち上げましょう|未来のための公共 未来のための公共 (@public4f) | Twitterの抗議が始まりました。リズミカルな抗議は元気が出るし、スピーチは成程と思うようなまともな内容になります。どうして、こんなに違うかな。コールをする女の子は声が枯れている子もいました。今週 彼らはずっと抗議を続けていましたし、水曜の夜は徹夜で抗議してたはず。こちらの参加者は7000人!
●抗議風景2


●『安倍はやめろ』、『金田はやめろ』、『テロ対策とウソをつくな』



政治家が不当なことをすれば、抗議するのは当たり前です。でも、『じゃ、どうする』って言う視点がなければ抗議をしても次につながらない。そこが『未来のための公共』の諸君と『総がかり』の爺さまたちとの一番大きな違いです(笑)。今回は早稲田の水島教授↓と明学のこたつぬこ先生↑のものを挙げました。それを読むだけでも絶望するには及ばない、と思います。一人一人が考え続けなければいけません。未来は我々が作り出すものですから。

●『学者の会』から、早稲田の水島教授。『今日の強行採決は違法行為だし、罪刑法定主義を定めた憲法31条に違反している。』
『でも諦めてはいけない。皆で安倍に対する3つのねじれを作り出そう。1つは地方選挙で野党を勝たせることによるねじれ、2つ目は安倍への抵抗の意志を見せ始めた官僚と官邸とのねじれ、3つ目はマスコミと安倍とのねじれ。抗議が大きくなるにつれてマスコミの論調も変わってきた。皆の行動が大きくなればねじれを作り出すことができる。あんな陰湿な政権が歴史上 保った試しがない!』 



●新聞各紙のカメラがズラリ。ヤバいのでサングラスをかける(笑)

●いうこと聞かせる番だ、国民が!

●後ろまで長い列


●『未来のための公共』と『市民連合』の共謀罪強行採決へのステートメント
奇しくも彼らは加藤紘一氏と同じことを言っています。『この時代、この場所から改めて、上から一方的に押し付けられる「公」なんかじゃない、今、私たち自身の足元から未来のための「公共」を、私たちで立ち上げましょう。これは新しい「始まり」です。』と。
こちらをクリック⇒ステートメント:「今、私たち自身の足元から未来のための「公共」を、私たちで立ち上げましょう|未来のための公共



こちらをクリック⇒安倍晋三政権による議会制民主主義の破壊に対する抗議声明 – 市民連合