特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『ポスト・トゥルースの時代』(映画『26世紀青年』)と『0127再稼働反対!首相官邸前抗議』

皆さん、耳たこだと思いますが、寒いですね〜。でも陽が長くなってきたし、春の足音も聞こえてきた気がします。相変わらず夕焼けが綺麗です。人間の心を本当に慰めてくれるものって、自然とか動物とか、人間以外のものかもしれないな〜と思ったりもします。
●沈む夕日と富士山



さて、トランプにしろ、日本の政治にしろ、最近の世の中を見ていると、こんなことを思いだすんです。

以前書いたことがあるかもしれませんが、毛染めのマーケティングをやってる人とお話をしたことがあるんです。白髪染めとかありますよね、あれの製品開発をやってる人。その人曰く、これからは『ヤンキー』をターゲットにした製品に力をいれようと思ってるって言ってたんです。茶髪用毛染めってことですよね。何故かと言うとヤンキーの多くは若くして結婚して、直ぐ子供を作る。そしてヤンキーの子はたいていヤンキーになる。だから、これからの日本は茶髪にする人が増える、っていう見通しだそうです。彼は『ヤンキーとゴキブリはバンバン増える』 と笑いながら言ってました(笑)。
半分笑い話ですが、実際 そういう話は時々聞きますよね。昨今の保守的な雰囲気は社会のヤンキー化が進んでいるから、という話すらあります。
●ちょっとググっただけでも、これだけ出てきます。

               
         
もう一つ、思い出すのは一部のマニアには有名なおバカ・コメディ『26世紀青年』(原題:Ideocracyバカ民主主義)という米映画です。MXTV『金曜ダンディ』での紹介『未来を描いた映画特集』(18分15秒頃から)

                             
インテリ層は子供を作らず少子化が進み、知能が低い人間は避妊しなかったり浮気し放題で多くの子孫を残していった結果、世界の平均IQは低下し、500年後の26世紀にはアメリカはまるっきりバカの国になっていた というお話です。


●インテリはごたくを並べてなかなか子供を作らないのに対して(1枚目)、2枚目に出ているような人たちは物事をあまり悩まず、そこいら中に子供を作ります(笑)。

                                   
●その結果 500年後のアメリカはこうなります。アメックスの看板を背にした大統領は元ポルノ男優兼プロレスラー(1枚目)、国務長官ハンバーガーチェーン(カールスジュニア)の宣伝マン(2枚目)。もちろん文明は崩壊(笑)


●予告編

                                                
これ、2006年に作られたバカ映画です。でも、まさに今 アメリカで起きていることを描いています。実際にトランプはプロレス(WWE)に出演していたばかりか、プレイボーイのポルノ動画に出演していたそうですしトランプ氏、2000年にプレイボーイのポルノ動画へ出演(笑)、労働長官は最低賃金引上げに反対のハンバーガーチェーン(カールスジュニア)の社長です。2006年に作られたこの映画はSchoolの綴りも書けなかったブッシュの政権をパロっていたわけですが、500年後どころか10年後 早くもほぼ現実になった(笑)。

                                      
今や ポスト・トゥルースの時代と言われています。真実がないがしろにされ、偽ニュースやデマが氾濫していることを指しています。実際 大統領選挙の最中も堂々と嘘ニュースが流れていましたし米大統領選の終盤、Facebook上では偽ニュースが本物を逆転した フェイクニュースが民主主義を壊す Facebookが助長したその実態。就任したばかりの大統領報道官が『大統領就任式の参加者数』を堂々と嘘をつく時代です。大統領補佐官コンウェイが言ってたのがAlternative Fact(もう一つの真実)でしたっけ(笑)。

                                        
日本もそう。相変わらずネットでは左右を問わずバカみたいな話、古くは在特会在日特権、最近では『トランプが革命を起こす』(笑)みたいな根拠のない与太話が流れていますし、地上波のTVでも『沖縄の基地反対運動に日当が出ている』というような大嘘が堂々と流れる世の中です。安保法反対の国会前抗議でも日当が出ているとかデマが飛んでましたけど、ボクはカンパすることはあっても、一銭ももらってないから(笑)。アホか。
●偽ニュースの例。はてなブログネトウヨ相手に『韓国で日本人女児が強姦された』と言うデマを流してPVを稼ぎ、広告収益を上げようとした。デマ作成者は25歳の男、無職
「ヘイト記事は拡散する」嫌韓デマサイト、運営者が語った手法

                                 
それだけじゃありません。総理大臣の安倍晋三自体、公約していた消費税上げを延期する際『これまでの約束とは異なる新しい判断』とか国会答弁しているんですから、今の世の中はまさに嘘やバカ話が溢れていると言ってもいいかもしれません。

例えば従軍慰安婦の強制連行の話も最初は誰も相手にしてなかったと思います。強制連行があろうがなかろうが慰安婦なんて野蛮に決まってるじゃん。それがいつの間にか強制連行の有無ばかりが問題になっている。先日も名古屋市長の河村が南京大虐殺を否定していましたが、その犠牲者の数の話も一緒ですよね。そんな連中は『26世紀青年』の登場人物並みのバカだと思うのですが(笑)、人間なんて弱いものですから、周りにアホ情報ばかり流れると本気にしてしまうことは有りえる。ヒトラー曰く、嘘は100回言えば本当になる、でしたっけ。


これから、どんなことが起きるのでしょう。
景気の方は、お金の流れがいったんアメリカに向かって、どこかでバブルがはじける、という流れになるんだと思います。新興国ではドルが流出して問題が出るかもしれませんが、オバマが景気を立て直したアメリカは元々景気が良いですからね。当面 株高で喜んでいる人もいるかもしれませんが、我々は時限爆弾にさらに爆薬を詰め込んでいるようなものです。さく裂するのは今年か2年後か5年後か。

                        
心配なのは武力衝突のリスクが高まっていることです。今週 火曜日の朝日新聞朝刊で、今迄トランプを散々非難していたオリバー・ストーン監督が『トランプはヒラリーより戦争リスクは少ない』とか言ってました。http://www.asahi.com/articles/ASK1K5V6BK1KUHMC001.html 選挙の結果が出てしまったのですから、良い面を見て行こう、と言うのはボクも賛成です。それにヒラリーはネオコン同様、自分たちの価値観を広めるためなら、良くも悪くも武力行使も厭わないでしょう。そういう面では左翼って、たちが悪いネオコンって元左翼が多いそうです)。もともとオリバー・ストーンというのは時々脱線する人です。でも、これは頭が悪すぎる(笑)と思います。

                                    
ちょっと考えただけでもトランプのせいで戦争のリスクが高まっている地域は3か所はあります。
まずトランプがイスラエルに肩入れしてヨルダン川西岸への入植が再開された中東。フィナンシャル・タイムスは親イスラエル的姿勢は中東だけでなくイスラエルをも危うくすると批判しています[FT]トランプ氏の親イスラエルは危険(社説) :日本経済新聞。特にISはトランプが何か言うたびに大喜びしてるんじゃないですか。トランプが酷ければ酷いほど彼らの正統性が高まりますから。
他にはトランプがNATOを軽視する発言をして戦々恐々としているバルト3国&東欧 トランプ氏のNATO発言が波紋、事務総長が反発 - WSJhttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47535
そして中国です。中国とアメリカが全面戦争にはならなくても、現実にトランプ政権に対中戦争の可能性を公言する人が入閣してますし(ピーター・ナヴァロ)、習近平は今秋の党大会を控えて権力維持の為に絶対後退できないですから、紛争が起きる可能性は高まるでしょう。そして何か紛争が起きれば経済危機の引き金になる可能性も高い。
こういう風に思っているのはボクだけじゃない↓。
●『「終末時計」残り2分半に、トランプ氏勝利などで64年ぶり水準』これだけ終末に近づいたのは、ソ連が初の水爆実験を行い核軍拡が始まった1953年以来。『危機が高まった理由について、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領に責任の大部分がある』。
「終末時計」残り2分半に、トランプ氏勝利などで64年ぶり水準 | ロイター


なによりも危険なのは政府やポピュリスト政治家が流すデマに踊らされる人のほうが多いことです(笑)。日本だって何か紛争が起きれば、多くの人は派兵や改憲に賛成するでしょ。で、痛い目にあって泣きを見る(笑)。戦争って政治家や大企業だけが起こすのではなく、人々の愚かさも原因なんだと思います。太平洋戦争だって、ベトナム戦争だって国民の協力なしには起きませんでした。自分の都合が良い意見ばかり収集できるネットのせいでもあるけど、『ポスト・トゥルースの時代』を作り出した根本の原因は我々の愚かさです。政治家やマスコミ・ネットの発言で何か疑問に思ったら、なんで自分の眼で根拠を確認しないのかなあ。それでも戦争を防ぐのも人間ってことに希望を託したいとは思いますが。


と、言うことで、今週も官邸前抗議へ。
今日の午後6時の気温は13度。先週より約10度暖かい!(笑)。参加者は先週より、ちょっと多くて750人。
●抗議風景



                                 
原発事業による7000億もの損失で潰れかかっている東芝ですが、今日 半導体の分社化が決定しました。分社化ということはもちろん『最後の優良事業を外部に切り売り』ということを意味しています。
そして、今夕の記者会見で『原子力事業を最重点から外す 』ことを発表しました(パチパチ)。


資本主義のルールに従えば、もともと原発なんて無理なんですよ。アメリカやイギリスの企業は10年前、20年前に逃げてしまったのに今頃わかったのか(笑)。

                                              
ただし、これで東芝が経営危機から脱することができるかどうかは甚だ疑問です。金融機関に今後の資金繰りをお願いする為に、こういう姿勢を見せただけでしょ。仮に3月末の決算時に債務超過を逃れることができても、自己資本は更に激減、今迄以上の経営危機が続くことは変わりがありません。シャープを買収したホンハイの名前まで上がってますけど、自力ではもう、どうにもならない。

スクープ!鴻海が東芝の事業買収に重大関心 | IT・電機・半導体・部品 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

                
原発ババ抜きに引っかかって、連結従業員16万人の日本有数の大企業が潰れかけている。自業自得とは言え(笑)、過去に固執した挙句 沈没していく大企業の姿は斜陽の国、日本を象徴している出来事のように見えます。