特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

ポピュリズムを煽るもの:『トランプの正体』と加藤陽子『戦争まで』、それに『1202再稼働反対!首相官邸前抗議』+『キューバ料理の夕べ(笑)』

見る見るうちに12月になってしまいました。今年は秋が短かったような気がします。とにかく一か月はあっと言う間に過ぎていきますし、身体だけは気をつけようと思います。徹底的断っているとは言え(笑)、宴会がないわけじゃないし。それにしても、せわしいのは嫌だなあ。

                       
●今週の宴会場所。旧満鉄の本社屋の土地が戦後アメリカ人に接収されて、今も英語が飛び交う社交場になってる。それだけでも永続敗戦を象徴しています。植民地には植民地を、というわけでしょうか。出てくる食い物もアメリカそのもので、それがまた日本は植民地であるという感覚を倍増させます。



                    
さて バーニー・サンダース氏の昨日のツイートを見てください。トランプが選んだ閣僚候補がどれくらい資産を持っているかを示したものです。

めんどくさいので1ドル110円換算にさせてもらいます。
就任が大きなニュースになったばかりの財務長官のムニューチンの資産は約50億円保健福祉省長官のプライスが15億円商務長官のロスが2800億円教育庁長官のデヴォスが5600億円住宅土地開発長官のカーソンが30億円司法長官のセッションズは83億円もの資産を持っています。ボクだったらこんなにお金を持っていたら働かないで遊んで暮らしますけど、カネの亡者は違うんでしょうね。往々にして金持ちほど貪欲なものですから。

                                                                
ゴールドマン・サックスのムニューチンを始めとして、こういう人たちが誰の為に仕事をするか、一目瞭然です。トランプに投票したアホな労働者の賭けは早くも裏目にでることになりそうです(笑)。
これが他国の事だけだったら喜劇(悲喜劇?)で済みますけど、こういう現象はイギリスでもEUでも日本でも、ポピュリズムが猛威を振るっている国ではどこでも起きている。格差が広がり、人々の不満が高まり、判りやすい解決策を提示する人に投票する。その結果がどうなるか。こうなるってこと!小泉改革に投票したのはいわゆるB層で、自分で自分の首を締めることになりました。それと同じことがアメリカでも起きた。
聞こえの良い、判りやすい解決策を提示するような人間はどういう人間か。ポピュリズムを煽る人間の本質はどういうものか、我々はそろそろ見破れるようにならなければいけないんじゃないでしょうか。まったく同じ様な話ばっかりで疲れますよ(笑)。

                        

政府はカジノ法を強引に進めていますがカジノ法案、衆院委可決 公明が採決容認に転じる :日本経済新聞、既に場所は決まっているという話を半年以上前に、大臣の元政策秘書氏から聞きました。一か所は大阪(維新向け)、もう一か所は横浜(××)。横浜にカジノを作る理由は官房長官の地元だから、だそうです。明快だなあ(笑)。運営はトランプ・インターナショナル?まさか(笑)。ま、カジノなんか自分が行かなければいいから、どうでもいいですけどね。ギャンブル中毒を増やしかねない、こんなくだらないことを何で強引に進めるのかさっぱり理解できないですが、トランプにしろ、カジノにしろ、ミエミエの罠に引っかかる奴だって悪いですよ。
●中野晃一上智大教授のツイート。アベノミクスもいよいよ末期症状


                                           
さてさて、読み終えたばかりの東大教授の加藤陽子氏の新刊『戦争まで』の感想です。

戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

内容は、加藤教授が歴史好きの高校生を集めて授業をした記録だそうです。
戦前 日本には太平洋戦争を回避するチャンスが3回あった。それは満州事変、日独伊三国同盟、日米交渉。満州事変のリットン調査団報告書や日米交渉は相手方が日本への宥和的な姿勢を示して戦争を回避しようとするものだったのに日本の政治家はそれを配慮しなかった、日独伊三国同盟では政府内でも危ないという声があったのに充分に内容を検討しないまま僅か20日間で妥結してしまった、というもの。

*内容はアマゾンに出ている作家の保坂正康氏と春香クリスティーン氏の紹介文が的確に語っていると思います。

                                   
ネトウヨ安倍晋三が戦後談話で言っている太平洋戦争の原因、『資源の無い日本が欧米に追い込まれて、仕方なく(笑)太平洋戦争を始めてしまった』、なんて実にバカバカしい寝言だと思っています。勝ち目がない戦争を始めること自体が万死に値する行為です。為政者にはそれくらいの責任がある。資源があろうがなかろうが、勝ち目がない戦争を始めたこと自体 馬鹿げているに決まっています。国民にしてみれば、負け戦を始めた為政者は戦争犯罪人全員死刑、歴史を振り返ったって負け将軍は普通、死刑古今東西、決まってるでしょ(笑)。
事実だけを冷静に見れば、『太平洋戦争の原因は、日本のバカな為政者と国民がヤケクソになって戦争を始めたこと』以外にはありません。自衛戦争でもなんでもない(笑)。そもそも自分から先に発砲しちゃったんだから(笑)。ネトウヨ安倍晋三みたいに『太平洋戦争は資源がない日本が欧米やコミンテルン(笑)に追い込まれて始めた自衛戦争だ』なんて言ってる奴は、経済制裁を受けている北朝鮮が戦争を始めても『自衛戦争』って言うのでしょうか(笑)頭悪いにもほどがあるだろって。

                 
余談ですが、バカは何でも他人のせいにしたがります。往々にしてネトウヨは殆どの問題はアメリカや中国、それに共産党反日のせい、バカサヨは何でもかんでも大企業とアメリカのせいにします。つまりバカな連中ほどは自分の意志や主体性がない、それに自分の責任とかプライドがないんです。まさに、愛国心は愚か者の最後の隠れ家、です。

                           
それはともかく(笑)、加藤教授は、それでも日本が戦争を止めるチャンスは少なくとも3回はあった、と高校生たちに資料をあげながら語っています。リットン調査団の報告書は日本にとって宥和的で世界の大勢に戻るよう呼びかけるものだった、日米交渉でもアメリカ政府、少なくともルーズベルトとハル国務長官は戦争を避けようとしていて、ルーズベルトと近衛の首脳会談が実現寸前までになったが、それを日本の新聞に嗅ぎ付けられ、日本の世論が硬化して首脳会談などできなくなった、というのは目からウロコでした。政治家もアホだけど、クソ右翼や軍部の一部の強硬論に踊らされた当時の日本人は如何にバカだったか、ということでしょう。
それで国中 焼野原になってるんだから、文字通りマヌケですよ。あんなバカどものせいで、戦後70年経ったって映画『この世界の片隅に』を見て、ボクはワンワン泣かなくちゃいけないわけですよ(笑)。


以前の『それでも、日本は戦争を選んだ』でもそうでしたが加藤教授の文章(喋り方?)はまどろっこしくて判りにくいところもあります。文章は下手。論理的にも時折?と思うようなこともないわけではない。細かい点を見れば突っ込みどころは結構あると思います。

でも今回は対象が高校生だけあって記述は平易ですが、なかなか含意は深い。
それは政治家の問題もあるけれど、国民一人一人の考え方も大事だってこと。政治家だけで政治をやってるんじゃありません。昭和天皇だって開戦直前『対米宣戦布告をしなければ革命が起きる』とビビッてました。為政者も悪いが反米感情に燃え盛っていた国民も大バカだったんです。じゃあ、戦争は避けることができなかったのでしょうか。対米戦争絶対反対の井上成美海軍大将(当時は中将)は確か山本五十六にこう言っていたと思います。『たとえ革命が起きても、国中が戦争で焼野原になるより遥かにマシ

井上は戦争をやったら国中が焼野原になるということを判ってました。開戦の少し前 そういう意見書を出して、南洋に左遷されます。でも彼の言うとおり、戦争を避けること、戦争に繋がるようなことをやらないことが日本にとって最大の利益だったんですね。天皇を含めて、当時の為政者はそういう大局を見てなかったし、勇気がなかった。それに加えて大多数の国民はバカだった(笑)。国民が威勢のいい強硬論をぶつポピュリストに騙されずに『国と国との交渉なんてお互い様だし、より大きな目的のためには我慢しなくちゃいけないことはいくらだってある』ってことを理解していれば戦争は起きなかったでしょう。これは難しいロジックじゃない。普通に生きていれば、日常生活でも体験することです。
世の中は、良いとか悪いとかそんな単純な基準だけで動いているんじゃない、ということですよね。この本は読んでいる間より、読み終わってからのほうが面白かった。読み終わってから大事なことを言ってるなあ、と思うような本でした(笑)。


                                                          
と、言うことで今週も官邸前抗議へ
今日は寒さも和らいで、マフラーもコートも薄手のもので出かけることができました。今日の参加者は主催者発表で800人。
●抗議風景





                 
                         
やっと、もんじゅ廃炉にするかと思ったら、敦賀に新たに研究炉を作るそうです。地元振興と人材確保のため、だそうです。

あくまでも他人の税金に寄生する敦賀市のタカリ根性や失敗を認めない役人や御用学者のバカさ加減には呆れ果てます。もんじゅにはもう1兆円以上もかかっていて、今も維持費が年間200億かかっているそうです。それで今まで1ワットも発電できていない。技術がどうのとか、敦賀市の振興がどうのだの、屁理屈こいたって、誰がどう考えてもおかしいですよね。敦賀市の乞食連中、それに御用学者や役人どもに、カネ返せと言いたいです。

                                                      
*おまけ:カストロ氏追悼?『キューバ料理の夕べ』
官邸前抗議に寄ったあと、友達と代官山へキューバ料理を食べに行きました。宴会でもプライベートならいいんです(笑)。 今週ブログなどでカストロ氏の話をしているうちに食べたくなった(笑)。ここはアメリカで流行っているというキューバ料理の店なので、実際にキューバで食べられるようなものかはわかりません。現地ではもうちょっと素朴なんでしょう。それでもどんなものが出てくるのか身構えていたんですが、食べやすいしリーズナブル、美味しかったです。だけど、ちょっとジャンキーかな。たまにはいいですけど。明日からダイエットだ(泣)。
●トウモロコシのグリル。グリルして粉チーズとカイエンヌペッパーをかけてライムを絞ったもの。見かけは悪いけど美味しかった!

●セビーチェ:エビやサーモンをライム果汁であえたもの。以前食べたペルー料理でも出てきました。

キューバン・サンドイッチ:映画『シェフ』でお馴染みになつたアレです。中身はハムとローストポーク。イタリアンで出てくるパニーニに具を一杯詰めた感じ。


●牛ハラミのステーキ。思ったより柔らかでした。つけ合わせは米と豆、バナナのロースト

キューバ風パン・プディング:これは美味しかった!夢中になって写真を撮る前にだいぶ食べてしまいました(笑)

●飲み物はお馴染みミントのカクテル、モヒート