特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

ダメ新聞の朝日 Part2(笑)と『京都旅行記』、それに読書『過剰な資本の末路と、大転換の未来』、さらに0819再稼働反対!首相官邸前抗議

先週に続いて、今週も朝日新聞の悪口から(笑)。
朝日新聞がここのところ政治面(2面)に『街頭政治 SEALDsが残したもの』と題した記事を掲載しています。昨年 実際に活動していた時は政治面に殆ど掲載したこともない癖に今更良く言うよ、と思いながら読んでいます。内容はともかく、自分は何もしない癖にこういう安全地帯からの偉そうな物言いはいかにも日本のオールド左翼らしい無能感を漂わせています(笑)。

街頭政治 SEALDsが残したものについての特集ページ:朝日新聞デジタル
それはともかく、今週 朝日の公式ツイッターが炎上しました。SEALDs解散について一般から意見を募集するということで様々な意見をリツイートしているうちに、ネトウヨや差別主義者のコメントをリツイートして炎上したんです。

既にアカウントは停止したようですが、その担当の記者は両論併記というつもりだったんでしょう。しかし結果として朝日はネトウヨや差別主義者の宣伝をしてしまったわけです。世間知らずというか、頭が悪いことこの上ない、と思います。



                                           
現物は数人しか知りませんが、所詮 朝日の記者なんかバカばかりでしょう。そんな初歩的なことすら判らないで記者をやっている低能がいるのですから、朝日は既に組織として崩壊しつつあると思いますね。普通、その程度のことは、上司以前に、周りの先輩や同僚が『バカっ』ってたしなめるレベル、しつけの話です。

                                                 
ネットには嘘やデマが溢れています。SNSやブログに他の意見を引用するのはボクもやりますが、デマではないこと、差別的などではないこと、は自分なりに確認しています。当たり前ですよね。例えば熊本地震や先日の津久井のヘイト殺人など何か災害や事件のたびに、これは某国人の犯罪だ、というデマが流れます。そのデマをリツイートしたり引用したら、デマの拡散に自分が加担したことになってしまいます。自分も差別に加担してるってことです。関東大震災の時に井戸に毒を入れたというデマで朝鮮の人(日本人も)が殺されたようなことが繰り返される可能性は、今の時代でもいくらでもあります。

                                                    
ネットは匿名ですけれど、それでもリツイートや引用には責任が生じる、当たり前のことです。だからボクは右左関係なく、嘘つきやデマを見かける度に頭に来るんです(笑)。本当はそういうデマや嘘はネットで排除していけば良いんです。それが大勢が見るネットの利点を生かすことにもなります。今はむしろ逆に拡散しているバカのほうが多い。『在日特権』とか『SEALDsは共産党の別動隊(これはネトウヨ』、『SEALDsは警察の手先(これはバカサヨ)』など、ネットが広めたデマそのものです。結局 ネット云々以前に、右左関係なくバカはダメ、ってことなんでしょう(笑)。
●朝日だけでなく『週刊金曜日』もダメ。やっぱり、バカはダメ(笑)。

●結局、朝日のアカウントは謝罪しました。が(笑)、全く謝罪になっていません。これは自己を正当化するための、ただの弁解。事の本質は、やっぱり『今のペンはダメでした』ってことでしょ(笑)。

●結局 左右に関わらず能力がない奴に限って出来る子に嫉妬するってこと、とボクは判断しています。気持ちは判るんですけどね(笑)。



今回旅行記です。
夏休みの最後は京都へ1泊で行ってきました。五山の送り火(正確には鳥居形だけ)桂川の船の上から見ようと思ったのです。ところが当日 午後7時頃からゲリラ豪雨(笑)。全然 見られませんでした。ちゃんちゃん(笑)。ところが帰宅して録画しておいたNHK(BS)の番組 『スーパープレミアム 京都・五山送り火中継』を見てみたらスーパープレミアム - NHK、豪雨の中 各文字とも着火は成功し、山のふもとからは見ることが出来たようです。完全生放送と銘打った、松岡正剛松下奈緒樹木希林が揃った京都中央部の野外中継ステージからは土砂降りで火はまったく見えなかったけど、番組はカメラを連携させて、まるで五山の送り火が無事行われたかのようになっていました(笑)。お茶の間では殆ど実情は判らなかったと思います。NHKは京都各地にカメラを30台用意したそうですけど、その中で生放送で使える部分だけ使ったようです。出演者たちがいる野外ステージを覆うテントまで用意していたことも含めて、段取りの良さには感心しました。まさにNHK恐るべし(笑)。こうやって我々はマスコミに騙されるわけです(笑)。


それでも短い旅行は楽しかったです。名庭で名高い無鄰菴を見て、桂離宮を見て、人混みを避けながらの、濃厚な時間でした。

                     
最初に行った、南禅寺の脇にある無鄰菴はNHKのBSで特集を見て、存在を知りました。山縣有朋の別邸で、東山を借景に芝生に琵琶湖疏水を引き込んだ庭が有名です。生えているコケの種類やら、水が流れる音までコントロールされているそうで、ここで山縣や伊藤博文小村寿太郎らが会議を開いて日露戦争開戦が決断されたそうです。
●入り口。今は京都市が維持管理しています。

●母屋。山縣有朋が暮らしていたんでしょう。

●遠く東山の山並みが借景になっています。これは見事。

●琵琶湖疎水の水が庭に引き込まれています。琵琶湖疎水は税金で作られましたから、名目は『防火用』だそう。

●庭に深山幽谷が再現されています。

●洋館のこの部屋で伊藤博文小村寿太郎らと日露戦争開戦の会議を行ったそうです。


そのあと、隣にあるお店でお昼を食べました。
●部屋と庭。この部屋は築百数十年と言ってました。



●あこうって関東ではあまり見かけないんです。焼いた魚の香ばしさと鮪節の出汁の組み合わせ。

    
●好みかもしれませんが、鯛のお刺身がねっとりと熟成して甘くなっているのには感心しました。かって酔っぱらってるときに仲良くなった日本で一番古い寿司屋の大将によると『季節ごと・個体ごとに違う魚の熟成具合の見極めが職人の腕の見せ所』だそうです。

●元来 鮎は7月中にあまり大きくないものを内蔵の苦みを味わいながら頭から丸ごとを食べるのが美味しいと思います。普通8月も半ばを過ぎたら、この写真のように大きくなってしまい骨ごとは食べられません。ですが、ここでは頭から骨ごと食え、と言われました。大丈夫かと聞いたら、炭火で長い時間かけて焼いて遠赤外線効果で骨まで軟らかくするそうです。美味しかった。

●この店名物の半熟卵に『今どき ふざけるな』と言っている人もいます(笑)。同感ですが(笑)、昔は高級料理だったのかも。

                                                                     
京都の町は相変わらず外国の人ばかりでした。現地の人曰く、外人は皆 徒歩や自転車で移動する、例えば京都駅から金閣寺まで歩いたりするのも普通だそうです。この炎天下 すごいなと思いますが、雰囲気を味わうにはそれが正解です。時間をかけなければ街の空気は判りませんよね。以前 京都御所桂離宮は事前申し込みが必要でしたが、7月から京都御所はフリー、桂離宮は当日分のフリー枠もあるしそうです。観光立国とかいう割に見学できずに激怒する外人が多くて、特にイタリアやスペインなどラテン系の人は窓口でかなり揉めるのでその影響じゃないか、とタクシーの運転手氏が言ってました。

                                                     
桂離宮というのもすごいですね。何の変哲もない、質素な庭に見えるんですが、滅茶苦茶カネがかかっている。中秋の名月に月が映るように作られた手水鉢とか、春夏秋冬、それぞれ専用に作られた茶室とか、一見 何の変哲もないように見える歩道の石は表面が全て平らで尚且つ水はけがよいようにかまぼこ型になっている、とか、お金がかかってないように見えて、トンでもない贅沢さです。贅沢そうに見えないけどカネがかかっているというのは良く言えば品が良い、悪く言えば悪質でしょ(笑)。これだけのものを今 文化遺産として維持するのはとても意味がある行為だとは思いますが、これを作った天皇家(正確には何とか宮)の連中はとんでもない奴ら、と思いました(笑)。天皇家の自分のカネじゃなく、政略結婚で娘を妻に迎えた加賀前田家からカネをせびって作ったのがまた、たちが悪い(笑)。
●これが正門

●石を敷き詰めた舗道。表面は全て平らになっています。

●生垣や勾配の高さを変えることで目隠しを作り、同じ光景が見られないように工夫されています。

●この池に船を浮かべて遊んでたそうです

●冬用の茶室。左は加賀前田家由来の市松模様、右側のふすま絵は狩野探幽のものだそうです。

●夏用の茶室の窓。外が借景になっています。まるで別世界の入り口の様です。ちなみに窓の外の土地も宮内庁が購入して景観を維持しているそうです。それは税金でも許す(笑)。

●灯篭に見えますが、船用の灯台として使うそうです。灯台ですよ、灯台

●月見台。ちょうど中秋の名月が正面に見える角度に傾けて作られているそうです。



そして夜、豪雨の中でも五山の送り火見物の船は出たんです。送り火の鳥居形に加えて、灯篭流しも一緒に、それも混まない船の上から見ようと言うコンセプトだったのですが、お天気は仕方ありません。ボクの日頃の行いが悪いんです(笑)。
●船上の風景。祇園から来たと言う三味線弾きのお兄さん(1枚目)は、送り火が見えないのを『今年亡くなった人で現世に未練を強く残している人が居るんじゃないか』と言ってました。なるほど。


●鳥居形の方はこんな感じ。もやで何も見えません。

●遠くから見たせいもあって灯篭流しも、実際は(3枚目)こんなもんでした(泣)。渡月橋の上には人、人、人。


●翌日は桂川もこんなに穏やかだったのですが。



さて、京都旅行の間中、本を一冊読むことができました。水野和夫氏の『過剰な資本の末路と、大転換の未来: なぜ歴史は「矛盾」を重ねるのか

前回読んだ『国貧論』のひとつ前、6月に出版されたものです。こちらは水野氏の東洋英和の大学院での連続講義をまとめたもの。言っていることに大きな違いはありませんが『国貧論』が経済寄りの観点に立っているのに対し、こちらは政治的な視点に立っています。普通の人はこちらの方が判りやすいかも。度々水野氏が引用する『新しい中世』を提唱する政治学者ヘドリー・ブルなど、今まで彼が言っていることの解題になっている面もあります。


この人の本で思うのは膨大な参考文献、それに幅広い分野の経済指標から引用されているので、言葉足らずになっている点や自分の意見に沿って引用されている点があるので、そこは注意しなければならないということ。水野氏に限ったことではありませんが、そもそも将来の話って殆ど『将来は過去の延長線上にある』という前提にたっているので、言っていることを鵜呑みにしちゃいけないんですね。将来、未来は予想はできますけど、確定したものではありません。
それでも、ボクが水野氏の本が良いと思うのは自分が思いつかないような視点、観点がある程度の説得力を持って提示されるところです。本を読むのなんて、自分が知らないことを知るために決まっているじゃないですか(笑)。
                                                               
この本では、近代を形成してきた国民国家主権国家は限界にきているかも、ということをより強く感じました。A・ネグリやE・トッド、様々な人が『現代は新たな帝国の時代である』と指摘しています。米ソ冷戦が終結し、アメリカ一強の時代も限界を迎えつつある。オバマ大統領自ら『アメリカは世界の警察官ではない』と演説するくらいです。ISなんて主権国家でもないのに、各国と戦争しています。国家の専権事項だった戦争すら、既に従来とは姿を変えています。
水野氏は『無限に経済成長が進むという前提が崩れた今、経済はブロック化が進んでいく。それはかっての中世の帝国のように中心となる国が率いていくもので、国連のように国民国家が平等の主権を持つという近代の前提は崩れていくのではないか。』と述べています。『現代の帝国とは中心国が他の国を政治の面でも経済の面でも従属させるもの』だそうです。これから何が起こるのかというと、複数の『帝国』化が進みます。それはTPP等のようにアメリカを中心としたもの、EU、それに中国がAIIBなどを通じて目指す帝国、というのは水野氏に限らず、多くの人が容易に想像できるでしょう。
                                                                                  
水野先生はこう言っています。『80年代後半には日本も東アジア共同体のように自国がイニシアティヴを取った共同体・帝国を形成するチャンスがあったが、今はもうない。当時 日本はアメリカの要求に応じて利下げしバブルを引き起こして大きな傷を負った。一方ドイツは利下げを拒否し自国経済を温存したことが東ドイツ併合も可能にし、今のEUにつながった
これを厳密に検証する力はボクには無いんですが、なるほどと思えそうな議論です。水野氏は、日本が覇権国になるチャンスはもうない、と述べています。
日本は従属国としてアメリカ帝国(共同体)に属す方向ですが、中国が築こうとしている帝国(共同体)とも接する位置にあります。ブロック経済化/帝国化が進む中で、それに日本の地政学的な位置を考えたら、日本が完全に独立した主権国家としての存在していくのはかなり難しいのではないか。当面の間は双方の間を揺れながら存在していかざるを得ない。明言はしてませんが、水野氏はそう言っているように思います。
                                                                           
ボクもそのイメージは共有します。現実には主権国家国民国家というものが無ければ、治安も保てないし、経済も保てません。国家というのは必要なんだと思います。しかし完全に自国の主権を保持するような国民国家というのも、ごくわずかな国を除いてありえないんじゃないか、とも思えるんです。それは経済的にも安全保障の面でも、です。ボクは、戦中はナチともソ連とも戦いながら独立を守り、そして長年の間 ソ連の隣にありながらも独自の高福祉で民主的な社会を作ったフィンランドみたいな国から学ぶところは大きいと思っています。

たぶん、我々は国家というものに対するイメージの組換えが必要なんだと思います。天皇がいて、国会があって、中央の政治家や官僚に任せておけば何とかなる、という世の中はこれからは難しいんじゃないでしょうか。シン・ゴジラじゃありませんが『覚醒する日本』のイメージを打ち出して出てくる政治家、リーダーはいるかもしれないけど、一時的に権力を集中しようとしても長期的には絶対うまく行かない経済にしろ、政治にしろ、この複雑な世の中は分権的な形態でないと対処できない、と思います。右肩上がりの経済成長が難しい以上 限りある分け前を人々の間で分配するのは、権力集中的な形態では難しいからです。

その答えとして、ボクは将来の日本は沖縄も含めて地方分権型の自治体が並立する、中世イタリアの都市国家や戦国時代の領国のようなイメージ、を持ってるんですが、そこはまだ寝言です(笑)。映画もそうですが、読者に色々なことを考えさせると言うのは良い本だと思うんです。水野氏の今回の本もそういう点では非常に優れていると思います。
アメリカの話ですが、神様はどこかに居るのかもしれません。


と、言うことで、今週も官邸前抗議へ。東京でも時折 強い雨が降ったかと思えば晴れる、熱帯のようなお天気ですが、それでも最近の空気の澄みかたにはどことなく秋の気配も感じます。
●抗議風景




                                
途中から雨も降り始める生憎のお天気でした。参加者は主催者発表で1000人。先週は四国電力が伊方を再稼働させましたが、今週は、原子力規制委員会で凍土壁はやっぱり凍らないと東電が言明するわ(提案したゼネコンの鹿島と受け入れた規制委は責任をとれ!)http://www.asahi.com/articles/DA3S12518347.htmlもんじゅは運転禁止の解除申請をするもんじゅ:「問題を是正」運転禁止の命令解除を申請 - 毎日新聞、あきれ返るような話ばかりが聞こえてきました。それに高江でも盆明けからの工事再開で、反対する人たちとアルソック&警察がにらみ合ってます(なんて卑怯な奴らだ)。
●SEALDs琉球、元山君のツイート。

●よろしかったら、ヘリパッド建設反対の署名をお願いします。
キャンペーン · 沖縄・高江における米軍ヘリパッド建設中止を! · Change.org

                                                                   
全てが悪いことばかりじゃないけれど、それでも世の中 色々なことが起きます(笑)。かといってマスコミはダメ、ネットはバカとデマばかり(笑)。だからこそ、官邸前のように 普通の人が党派やイデオロギーに囚われず、自由に抗議する声を挙げる場って大事だと思います。実際にSEALDsの子たちもこれを見て始めたわけだし。そういうことを意識していた人は少ないかもしれませんが(ボクはしていませんでした)、毎週金曜、訳も分からず文句を言い続けるって、種を蒔き続けるってことだったみたいです。その種がこれからも芽を出し続けるのか、出た芽が大きく育っていくのかは判りませんが、自分の声は挙げていきたいと思います。