特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『ブレクジットとポピュリズム』と『0617再稼働反対!首相官邸前抗議』

昨日 BREXIT(ブレクジット)という見慣れない単語を見かけました。何かなと思ったら、イギリスのEU離脱のことを指す造語だそうです。ブリテン+イクジット、ですね。
今朝はEU残留派の国会議員が52歳のEU離脱派の男に撃ち殺されたことが新聞の1面に載っていました。大変痛ましい。犯人のクズ男は『ブリテン・ファースト』と叫んで議員を襲ったそうで、警察は極右との関係を調べているそうです英国:EU残留派議員撃たれ死亡 右翼団体名叫ぶ?男逮捕 - 毎日新聞



それでなくとも株も為替もイギリスのEU離脱リスクを巡って大揉めです。昨日は円/ドルは103円代、株も1万5000円台前半にまで下がりました。円安で株高だけが唯一の成果だったアベノミクスは文字通り止めを刺された、と言ったところでしょう。ちなみに第一次安倍政権の官房長官、元財務相与謝野馨は『物価を上げることが目標なんて、まともな先進国の経済政策としては聞いたことがない。経済政策の目標は物価ではなく、国民の実質的な購買力を高めることに決まっている』と今朝の朝日新聞で言ってましたhttp://www.asahi.com/articles/DA3S12412654.html。まともな知能がある人間ならそう思うでしょ。

                                              

ヨーロッパだけでなく、アメリカも中国の景気も怪しくなっている現在、イギリスのEU離脱は下手したら世界恐慌にもなりかねない。勿論イギリスがどうなるかは神のみぞ知るというところで、どうしようもありません。でも、グローバリゼーションへの反応という意味では他人事ではありません。日本と似たところがあるんじゃないかと思うんです。
それはEU離脱について属性別の賛否をまとめた世論調査を見たからです。

英EU離脱問題、日系金融機関も他人事ではない:日経ビジネスオンライン

赤が離脱派、青が残留派です。世論調査に『中上流階級』なんて言葉がはっきり出てくるところがイギリスらしいですが(笑)、中身は大変興味深い。
EU残留派の人が多いのはガーディアン紙(高級紙2誌のうちリベラルなほう、かってスノーデン情報も掲載)の読者、労働党支持者、SNP(スコットランド独立党)支持者、若者、タイムス紙(高級紙2誌のうち保守的なほう)の読者、中上流階級。
EU離脱派が多いのはSKIP党(極右)、テレグラフやサンなどのタブロイド紙(スキャンダル中心の大衆紙の読者、労働者階級、それに60歳以上の老人、

これを見るとグローバリゼーションで痛手を受けている人たち、労働者階級、比較的教育を受けていない人、それに老人が、EU離脱を支持する傾向にあります。詳しいことは判りませんが今朝の事件もその典型のように思えます。でもEUを離脱すれば、多くの工場や企業がイギリスから撤退するし、輸入品の物価も上がります。離脱のしわ寄せはこの人達に、より多く行く。それなのに、この人達はEU離脱を支持してしまう。この方向の先には暗い前途しか見えない。怒りで脳味噌がお留守になっているわけです。
EU離脱を主張しているのは保守党の半分(サッチャー時代からの新自由主義者)、極右、一般大衆の連合軍です。つまり新自由主義者と極右が、ポピュリズム(≒反知性主義を煽って一般大衆を動員しているという構図です。もちろん、その背景には広がる格差と経済面での困難があります。EUの手はこの人達には届かないし、近年の不況は保守党の緊縮財政が悪いと言っても聞く耳をもってないかもしれない。それより『移民が職を奪ってる』と言った方が判りやすい。実際は移民が居ようがいまいが、産業の構造転換が進んでいるのが雇用問題の本質なんですけどね(笑)。その裏で金融などに対するEUの規制を嫌う新自由主義者が赤い舌を出している

                          
こういう集団自殺的なポピュリズムは他人事ではありません。
日本だって、いわゆる『B層(「IQが低いため具体的なことはよく分からないが、小泉純一郎のキャラクターを支持する層)が自分たちが痛手を蒙るにも関わらず小泉改革を支持したのは記憶に新しい。今だってTPPを進める自民党に投票する農家など、そういう例は枚挙にいとまがありません。そもそも太平洋戦争だって、軍部と極右がナショナリズムを煽って一般大衆を動員したんです。民意は時として愚かな選択もする。


多くの人が今回の舛添の辞任騒ぎは酷いと思っているでしょう。舛添は確かにせこいけど(笑)、違法性と言う意味では疑問です。金遣いや公私混同がもっと酷かった石原慎太郎の時はどうだったんだ、というのは記憶力がある人ならだれでも思うはず。石原や猪瀬、舛添に投票してきた都民が、偉そうに文句を言う権利はありません。 自分たちがバカだったんだから。 今回の件をマスコミのせいにする向きもあります。確かに石原や甘利と舛添では確かに報道の取り上げ方は違うけれど、それは舛添の場合だと話が判りやすいから視聴率が稼げる、という面もあります。マスコミが悪いのか、大衆が悪いのか、どちらなのかボクには判りません。
●今 袈裟にかかって舛添を責めてる奴の多くは、前回の選挙は舛添に投票したか、投票に行かなかったんじゃないの(笑)

●こういうこともありました。石原慎太郎こそが厚顔無恥のクズでしょ!

                                                    
どうやらイギリスのEU離脱もトランプ現象も、日本の現状も同じ現象のように見えます。右だろうが左だろうが、ポピュリズムで問題を歪曲して他人のせいにしているかぎり、何も解決しないでしょう。嘘をばらまいて問題をごまかし大衆を煽る、という点では安倍晋三橋下徹三宅洋平(後述)堤未果も本質は一緒です(だいぶレベルは違いますが)(笑)。日本だって、ちょっと何か事件やトラブルが起きれば国民は直ぐ、戦争しろって言うに決まってます浅沼稲次郎も所属していた無産政党社会大衆党大政翼賛会に先頭を切って合流したことを思えば、今 憲法守れって言ってる人たちだって危ない。それくらいポピュリズムは恐ろしい。
                                                                                       
ボクは、他人の気持ちは判らない、がモットーなので(笑)、ポピュリズムに対する処方箋は判りません。ただ一つ言えるのは、我々は我々を騙そうとする奴らより賢くならなければいけない、ということ。『普通の人から豊かになろう』は良いスローガンだとは思いますが、本質的なことを言えば『普通の人から賢くなろう』でなければ民主主義は実現しない 、と思います。
●マスコミの問題はこれが本質だと思います。誰だって並外れた高給をもらってたら保守的になる。マスコミが規制に守られて独占をしているのが悪いんです!

                                             



一方 我が国の参院選東京選挙区、既成政党の候補者に加えて田中康夫三宅洋平まで出馬してきました。二人ともボクは投票したことがありますが、どちらも、もう不要です。
●与党は3人にまとまっている。野党は分散している。あ〜あ(嘆息)

前回の参院選挙ではボクは三宅洋平に投票しました。その際 彼は『今は何も知らないアホだけど、これから勉強するからよ!』と言ってました。その言や良し。それから彼の事はチェックしてましたけど、この2年間 ユダヤ人がどうたらとか、アメリカの陰謀がどうたらとか、訳の分からない陰謀論を唱えるだけでした。安倍晋三朝鮮人説というのも呟いてましたっけ(笑)。お前はレイシストか。要するに全然 勉強してない(笑)。やっぱりアホはアホのままってことなんでしょう(笑)。
東日本大震災地震兵器のせいかも、というデマをまき散らす三宅洋平。●カは死ななきゃ治らない。

                                       
もちろんボクは東京選挙区では野党共闘の候補で当落線上の候補に投票するつもりです。蓮舫氏は勝つだろうし、共産党の山添氏も勝機あり、社民党は消滅希望なので問題外(各所でトラブルをまき散らしていた社民党の候補、増山は官邸前抗議には出入禁止、この前も高校生たちの国会前抗議に来て、スピーチをするでもなく、こそこそとやらせの写真だけ撮って帰りました)。今のところ 民進党の小川氏の戦況は芳しくないそうです。状況をみながら投票したいと思います。

            
一方 都知事選は舛添辞任のニュースが流れるや否や、さっそく宇都宮健児が出馬前向きというニュースが水曜日に流れました。前回もそうでしたが、 こいつも本当にバカ!

                                                
今、そんなこと言うかあ? このジジイはどうしても自分が出たくて出たくてしょうがないらしい。そんなことより野党共闘の枠組みを組むことが優先です。いい歳こいて欲ボケもいい加減にしてほしい



                                                       
宇都宮が出馬検討というニュースは今朝も流れていましたhttp://www.yomiuri.co.jp/election/local/20160616-OYT1T50150.html?from=ytop_main2。ということは宇都宮がしつこく もう一回、リークしたということです(笑)。前回宇都宮を担いだ共産党ですら、野党共闘の方が大事として今の時点では宇都宮擁立に否定的なのに。物欲しげというか、このジジイはどこまで賤しいのでしょうか。


都知事選に蓮舫氏という話も流れています。異論はないけど、それじゃ野党の議席が減る可能性もある。一部でも声が挙がってますが、手腕の面でも手堅い前鳥取県知事の片山善博みたいな人のほうが良い。本当はクローズアップ現代国谷裕子さんを野党共闘で推してくれないかなあ。あれだけの知性と情報処理能力がある人だったら、全国的なシンボルになるし。でも都知事なんて、ご本人には気の毒すぎるしなあ。

                               


と、言うことで、今週も官邸前抗議へ。なんと今日が200回目だそうです。ボクは180回は行ってるな(笑)。
今日の東京は暑かったです。まるっきり夏。夕方になっても汗ばむ陽気でした。今日の参加者は主催者発表で800人。
                         
●抗議風景






今日報じられた『関電が申し立てた高浜原発の仮処分執行停止を大津地裁が却下』は良いニュースでしたhttp://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/97832.html
一方 昨日は『311当時、炉心溶融ということばを東電が使わなかったのは官邸からの圧力』というニュースが流れていました。福島原発「炉心溶融使うな」、清水東電元社長が指示 :日本経済新聞。一方 今日になって菅直人枝野幸男がそれは事実と異なるとして抗議するとともに法的手段を検討する、と述べたニュースが流れました。真偽は判りません。でも『炉心溶融』と記者会見でしゃべった審議官が飛ばされたのも事実です。菅や枝野が否定しても素直に『はい、そうですか』という風にはならない。ボクは昨年 国会前で枝野が涙ながらにスピーチしたのは良く覚えているし、民進内の数少ない人材として今の枝野の存在は有益だと思いますけど、官邸前抗議が始まったころ、参加者が異口同音に『枝野はスピーディーなどの情報を隠した』と怒っていたことも忘れません。
                                         
本来だったら民主党は政権当時の総括を徹底的にやらなければいけなかった。執行部だって誰かが責任をとって引退すべきだった。例えば菅が全て責任をおっ被っても良かったんです。どうせ政治的生命は終わってるんだから。それが出来ないのは菅の器の小ささだし、国より自分のほうが大事と思っている、ということでしょう。勿論 311の原因追及に及び腰なのは自民・公明も同罪ですが、民主はそれ以前に政権当時の総括すらまともにやってないんです。民進党の支持率が上がらないのも当然です。でも他に現実的な選択肢がない。ボクも含めて、多くの人は鼻をつまんで民進党に投票するんですよ。大人ですからね(笑)。