特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『とんかつとアベノミクスのお葬式』、それに『0603 再稼働反対!首相官邸前抗議』&『安倍政権の退陣を求める国会前抗議行動』

TVをつけると相変わらず、不愉快なニュースが多いので(笑)、まず、嬉しかったことから書きたいと思います。
今週 2年ぶりに、大森にあるトンカツ屋さんへ行ったんです。ガード下の家族経営の小さな店で、ボクが一番おいしいと思っているところです。ところがちょっと遠いのと、営業は週休2日、昼と夜それぞれ1時間半だけ、夜は7時閉店(笑)と極端に営業時間が短い。それに最近は有名になって行列必至なのでなかなか行きにくいんです。

                   
久しぶりでしたが、オヤジさんから後を継いだ息子さんが揚げるトンカツも、母親がお釜で蒸らすごはんも、ショウガが利いた豚汁も、手作りの浅漬けも、数年前まで赤ちゃんを背に背負って接客していた奥さんも変わっていませんでした。有名になってもカネ儲け主義に全く走ってない。それだけでも良かったなあと思ったんですが、帰り際 息子さんに『ごちそうさま』と挨拶したら、彼は滅多に来ないボクの顔を覚えているんですね。一回挨拶した後、思いだしたかのように、もう一回顔を上げて、嬉しそうにニコッと挨拶してきた。

 
滅茶苦茶 嬉しかったです。確かにボクはオヤジさんの代から20年近く通ってますけど、回転の速い店ですから話をするようなところではありません。相変わらず肉汁溢れるトンカツが美味しいのは勿論なんですが、彼の笑顔も何とも言えない味わいでした。
その日はでかいベビーカーを押す主婦もボクの前に行列していて、狭い店でどうするんだろうと思っていたんです。ボクが店に入ったら主婦はテーブル席ではなくカウンターに座らせて、ベビーカーは他のお客さんの邪魔にならないカウンター脇に当たり前のようにさりげなくおいてありました。綺麗な店じゃないけど、心配りは1流レストランなみです。最近は電車の中や人混みのベビーカーで揉める話も聞きますけど、お互いが『さりげなく』思いやる、それが大人の態度だと思います。

                        
ボクはファーストフードやコンビニのものは食べないし、チェーン店にも滅多に行きませんそういう店は高くてまずいだけでなく、美味しいものは個人が経営していたりシェフ個人が裁量できるような個人の顔が見える店でしか出てこない、と思っているからです。サラリーマンなど組織の一員とはやっぱり責任感が違います。本当に良い物とか新しい物を生み出すのは個人です。個人の情熱と心性です。ボクが、組合とか政党とか企業とか、左右を問わず全ての組織が大嫌いなのも、そして安倍晋三に頭に来るのも、それが理由です。頭の悪い奴に限って、個人を抹殺しようとするからです。



さて田中康夫がおおさか維新から参院選に出るという話を聞いて、耳を疑いました。彼は実行力はともかく、視点は鋭いし良いことを言うと思っていました。県知事当時の彼と名刺交換をしたこともあるくらいなんです。

                                       
その時 彼に『支持を広げるためには、脱ダムとか県産品認証制度などユニークな政策だけでなく、財政再建した実績もアピールすれば良いのに』と話しました。偶然かもしれませんが、翌日から彼は俄然 自分の財政再建の実績をアピールをし始めました(笑)。311後の2012年も国会前で大汗をかきながら自ら白い風船を配る彼の姿は格好良かったです。殺気立っている群衆の中で、雰囲気を平和的に変えるのに役立ったのは間違いありません。
そういう人ですら、人は変わるものです(笑)。権力欲や金銭欲は人間を変えます。田中康夫にしろ、ヘイトスピーチ対策法に反対した社民党にしろ、『ヘイトスピーチ対策法と刑訴法がバーター』というデマを流して謝罪した週刊金曜日にしろ、貧すれば鈍する、とは良く言ったものです。それ自体は構わない。移り変わりは世の中の理(ことわり)です。田中康夫社民党も役割を終えたということでしょう。さっさと退場すれば良い。

●『大阪維新改憲案に共感』=田中康夫も成り下がったもんです。こういうクズは落選で(笑)

                              
さてさて安倍晋三が消費増税延期の記者会見をやっていましたが、ボクには言ってることの意味がわかりませんでした(笑)。『約束とは異なる新しい判断』ってなんだよ(笑)。ボクもウソをつくとき使わせてもらいますよ。大嘘ばかりで、ショーン・Kどころか、安倍晋三こそホラッチョじゃないですか。と、言うことで3年間のアベノミクスを総括して お葬式を出してあげます(笑)。

                            
まず、初めに失業率について安倍晋三が自慢げに語る恐らくアベノミクス唯一の成果(笑)かもしれません。その実態はどんなものでしょうか。
リーマンショック以降の失業率と労働力人口の推移(人口の単位は万人)

確かに青線の失業率は下がっています。でも、リーマンショック以降、ずっと同じ調子で下がっているのであって、アベノミクスで急に失業率が低下したわけじゃありません(笑)。
理由は明快です。水色の労働力人口はずっと減り続けています。一方黄緑の就業人口は若干は増えましたけど、ほぼ一定です。要するに少子高齢化労働力人口が減ったから失業率が下がったんです。アベノミクスと失業率、全くとは言いませんが殆ど関係ないんです。
更に中身を見てみると悲惨なものです。アベノミクスが始まった2013年1月と2016年4月の年齢別就業者数を比較します。
●年齢別就業者数の増減(2016年4月と2013年1月の比較、単位=万人)

                                           
グラフを左から見ると、確かに雇用者数は177万人増えた。その中身は非正規雇用は139万人増えたのに対して正規雇用は39万人増えたにすぎません。その内訳を見ると年寄の雇用、特に非正規雇用が増えただけ、なんですよね。老後の不安で働く人が増えたってことでしょ。日本の将来を担う15〜44歳の層は雇用者数も正規雇用者数も減り続けています。ボクはこれを見ると暗〜い気持ちになります(笑)。アベノミクスで雇用が改善されたなんて口が裂けても言えない。この先どうなっちゃうんだろ と思いますよ。

                                           
次にGDPです。成長率の変化をリーマン前から見て見ましょう。
●GDP対前年成長率の推移

名目成長率は民主党政権当時の2012年の0.8%に対して、昨年は2.5%に上がりました。物価が上がりましたからね。しかし安倍内閣財政再建計画の成長率目標は名目3.5%のハズです。これだけでも失敗(笑)。一方 実質成長率は2012年の1.7%に対して、昨年は0.6%にまで下がりました。あの、酷かった民主党政権以下やんけ(笑)。
次にG7各国の実質GDP成長率を比較してみます。
G7各国の実質GDP成長率比較(2015年)(*IMFの数字なので上の数字とは若干異なります)

日本はG7のなかでも最低の数字です(笑)。不景気で揉めているフランス、イタリアにも劣るんです。経済成長の面でもアベノミクスは失敗したことが容易に判ると思います。

                               
そして賃金。これはずっと、このブログで書いてきたとおりです(笑)。
名目賃金指数と実質賃金指数の推移(2012年を100とする)

青色の名目賃金は2012年の98.7と比べ、ほんのわずか(0.5ポイント)だけ上がり、昨年は99.2になりました。一方 水色の実質賃金は2012年の99.1から、大幅(4.3ポイント)に下がって、昨年は94.8にまで低下しました。名目、実質ともに2010年当時より下がっていることも忘れてはなりません。アベノミクスで国民の暮らしは貧しくなりました

失業率は人口減で改善しただけ、GDPも増えてない、名目賃金は横ばいで実質賃金は下がった。アベノミクス3年間の結果を総括するとこういうことになります。ボクが安倍晋三だったら、必ずしも政策がうまく行かなかったことを謝ってから、尚且つ 国民の皆さんの力を貸してほしい、とスピーチしますけど、安倍晋三は世界に向かって嘘をついて大恥かいてまでも、謝りたくないんですね(笑)。安倍晋三にしろ、民主党にしろ、自分たちの失敗を認めない。この幼稚さは一体なんだろう、と思います。



だけど問題はここからです。
アベノミクスが期待外れ、失敗だったことは言うまでも有りませんが、じゃあ、どうする、が無くてはなりません。これは結構 難題です。アベノミクスと偉そうに言っても、金融緩和、財政出動、成長戦略(これは手つかずでしたが)、要するに程度の問題で、中身は普通やってる経済政策と変わりはないからです。よほどの狂人じゃない限りやることは誰がやったって変わりません。

                                
じゃあ、99%の側の国民と安倍晋三との本質的な対立軸はなんでしょうか。『格差』、『機会の平等』です。
格差を和らげることで消費を増やし景気を回復させる。機会の平等を実現し長期的な経済成長を図る。これが基本原理です。平たく言えば、北海道4区の池田真紀候補が言っていたように
『普通の人から豊かになろう!』
これですよ。
本当はそれだけでなく育児を含めた若者対策も考えなくてはいけませんが、ここは与党も取り入れて抱きつき戦略をとってきている。だったら与党が絶対言えない格差対策を取ればいい。例えば所得税の累進税率アップ。現状は45%ですけど、昔は約80%だったんだから、引上余地は十二分にあります。それを財源に低所得者向けに定額給付金を出せばよい。これで時間を稼いで資産課税・相続課税を大幅アップを検討すれば財源もばっちり。
本当は増え続ける社会福祉費用を何とかしなくちゃいけない、そのためにはお金持ちの老人層に受益者負担をしてもらったり、年金支給年齢引き上げなどは検討しなくちゃいけないでしょうけど、それは2〜3年 時間をかけて検討しないとダメでしょうね。本当の意味で日本が活性化するためには『機会の平等』が必要です。それが本当の1億総活躍ですよ(笑)。共産党みたいに何もかも大企業のせいにしているだけじゃ問題は解決しません。


今回のサミットで安倍が嘘つきでいい加減なことが世界中に明らかになりました。呑気な国民だって、ある程度は判っているはずです。
共同通信世論調査の結果です。
5月28〜29日の調査:内閣支持率=55.3%(不支持33%)
http://this.kiji.is/109548814357086210?c=39546741839462401
(会見後の)6月1〜2日の調査:内閣支持率=49.4%(不支持41.3%)
http://this.kiji.is/111081040883548163?c=39546741839462401

たった3日で5.9%も支持率が落ちました!不支持率は8.3%も上がった!
共同通信はどちらかと言うと政権寄りの数字が出ます。それでも、こうです。
                                         
だけど安倍に疑問を持っていても、野党が頼りないから安倍政権が続くんです。どの世論調査を見たって憲法守れや安保廃案じゃ、安倍は倒せません安倍を倒すには別の経済的選択肢を国民に提示しなくてはいけません

●『約束とは異なる新しい判断』(笑)、これで済むんだったら、楽でいいよなあ


ということで、今週も官邸前+国会前
今週月曜は大雨でしたけど、今日までずっと爽やかでした。上着を着て丁度いい感じです。デモ日和!ですよ〜。今日の参加者は800人。3桁の参加者が定着してきた感じです。まあ、国会前の高校生たちもいるし、『希望のエリア』というもう一つの反原発グループも居るから、いつも1000人は超えているんですけどね。
●抗議風景






2日に『東海第二原発で国の基準超える放射性廃液漏れる』というニュースがありましたhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160602/k10010544601000.html
そんな低レベルな管理状態も問題ですが、それより驚いたのは東海第二に再稼働申請が出されている、ということです。
前村長も拒否してたし、まさか動かせないだろうと東海第二のことをすっかり忘れていたボクもいい加減なもんですが、この期に及んで東海第二を動かそうと言う発想が信じられません。
昔 東海村原発のコンピューターを担当していた某メーカーのSEとお話したことがあります。東海村から外へ向かう道路には大きなゲートがいくつかあるそうですけど、それは全部 東海村から外へ出ようとする人が出られないようにする方向につけられているそうです。今もそうなっているかは知りませんが、なぜなのかは良くわかりますよね(笑)。それがこの国の役人や電力会社です。首都圏近郊にある築37年の老朽原発を動かそうなんて発想自体に、本当に驚きました。油断も隙もあったもんじゃない。


そのあと、高校生たちの応援に国会前へ。

こちらの参加者は500人くらいかな。高校生たちがスピーチで言ってることは正直 稚拙だと思うけど(当たり前です)、なんか気持ちいいんです。気恥ずかしいけど、爽やかなんです。『総がかり行動』などオールド左翼の意味不明の寝言は『(いい歳こいて)この低能!』と思って腹が立つんですけどね(笑)。
●抗議風景



            
                                      
ボクが着いた時は民進党福山哲郎参院議員がスピーチをしているところでした。高校生の主催だからでしょう、彼は珍しく自分のプライヴェートなことを話していました。彼の家庭は貧しくて新聞配達をしながら高校、大学を卒業したそうです。今日、『高校生や大学生にこんなことをやらせて申し訳ない』と言ってたのは、そういう体験をしたからだと思います。ボクは昨年 彼が国会前で泣きながらスピーチしているのを見て、民主党にも人間の気持ちが判る奴がいるじゃないかと思ったんです。(オバマ氏同様)出来ないことはあるにせよ、これは信頼に値するかな、と。勿論 環境に応じて、人間は変わるものであることは判っていますけどね(笑)。
福山哲郎氏。2枚目はSEALDsの奥田君と談笑しているところ。彼は奥田君がやってくると手を挙げて挨拶して、非常に嬉しそうにしていました。


                                                                 
高校生たちの抗議はとりあえず、来週で最後だそうです。ボクは高校生の時から無届で(笑)、一人で勝手にデモへ行ってましたけど、それは受験がない付属校だったからです。彼らは受験とか大丈夫なのかな(申し訳ない)。とにかく頑張れ、と言いたいです。
共産党の吉良ちゃん