特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

臨時更新:安保法制の施行に反対する10万人国会前抗議0329

昨晩まではつぼみのままだった桜の花が昼には多くが花を開きました。世の中がぱあっと明るくなったような錯覚すら覚えます。そんなことはないんですけどね(笑)。まして29日は安保関連法案の施行日です(笑)。
●今朝の桜並木

29日も28日に続いて国会前へ抗議に行ってきました。18:30からが『総がかり行動』(社民系と共産系の平和運動が合流したもの)、19:30からがSEALDs+学者の会です。今日は国会前だけでなく全国35か所で抗議が行われたそうです。
 
18:30ちょっと前に国会前へ行ったら、人が一杯います。その頃は高齢者が多かったです。初めて気が付いたんですが、こういう人たちは10人、20人くらいで連れ立ってくるんですね。みんな定年過ぎてると思うので組合じゃないと思うんですが、何かそういうサークルとかで動員なんでしょうか。集団で行動することなど1ミリも考えたこともないボクには大勢で待ち合わせしてデモへ行くというのは新鮮な光景でした(笑)。年齢・性別・イデオロギーに関係なく、大勢でつるんで動く人たちはボクはあまり好きじゃありません(笑)。

昨日も警察は道路にぎっしり鉄柵を敷き詰めて厳重な警戒でしたが、今日は一段と警察の数が多い。

                                      
とりあえず前の方へもぐりこんだら抗議が始まりました。『総がかり』の菱山さんがコールを始めます。この人は20代か30代、総がかりのメンバーの中では超若いと思うんですが、コールの口調が3〜40年前と言う感じで、いかにも大仰でわざとらしい。リズムにのれていないところも昔っぽい(笑)。いわゆるレトロ、ってやつです。今日の参加者はみな熱気があってコールを返す声を大きいですけど、それが自然に盛り下がっていくのが判る(笑)。
●最初はこんな感じ。記録映画で見る何十年前ものコールもこんな感じじゃないですか(笑)。



●桜とプラカード

                            
う〜んと思っていたら、後ろの方からリズミカルなコールが聞こえてきます。SEALDsでした。後ろへ下がって、そっちへ参加(笑)。


                           
このころには色々な年代の人が集まってきました。高齢者だけでなく、ボクのような会社帰り、子供連れ、小さい子だけでなく中学生、小学生くらいの子を連れた人も多い。それに若い人。普通の大学生っぽい人、若いOLさんのような人も目立たないんだけど、よく見るとそういう人たちが大勢いる。『戦争法案絶対反対っ』とまでは思っていなくても、こんなやり方をするこの国の生く末を案じているのが、顔を見ていると判る気がします。熱狂と言うより、心配そうな顔をしているんですね。

政治家は民進党の枝野や共産党の山下、それに社民の吉田、生活の玉城などが話してましたけど、枝野、山下くらいしか話は聞いてなかった(笑)。枝野は気持ちがこもった話でした。共闘を出来る限りやりたいであろう当人の想いは何となくわかりました。相変わらず共産党は話はうまいのには感心します。ボクは彼らは信用しませんが、他流試合も含めて場数を踏んで鍛えていることだけは判る。そこが社民とかと大きく違う。吉田は『社民は野党間のかすがいにならせていただきたい』って言ってたけど、それじゃあ、付加価値なさ過ぎでしょって(笑)。なに甘えたこと言ってんだ。今回野党を結びつけたのは市民なんだから。
             

ボクは子供を一杯連れている『ママの会』の人たちの脇に居たんですが、でかい声で自分たちのスピーチする順番を相談していたのが面白かったです。彼女たちも殆どスピーチなんか聞いてない(笑)。

●道路の向こう側も人がぎっしり

                                      
政治家の後に話した『総がかり』の人たちは矢鱈と『2000万署名を成功させましょう』とか言ってるんだけど、それで何の効果があるのかさっぱりわかりません。もちろんボクだって署名はしました(笑)。でもしないよりは、と思っているから、だけです。相変わらず彼らの話は『頑張り抜きましょう』とか『国会包囲』みたいな精神論ばかりだし、かといってSEALDsの子たちのように個人の気持ちも表現することもできてない。色んな人が居ていいから否定はしないですけど、一人よがりにしか見えない。多くの人の共感を得たいと彼らが真剣に考えているとはとても思えません。あと10年もしたらこの人たちの多くは高齢化で現場へ出てくることもできなくなると思うんですが(笑)、彼らの経験とか組織とか良いところだけ(笑)、他で活用できる方法はないでしょうか。だから社民は早く解散しろ(笑)。少しでも関心のある普通の人たちが敬遠しないように、彼らはスピーチとかコールとかあんまり表面には出て来ない方がいいと思います(笑)。


そのあとSEALDsの本間君が『ここにいる人たちは諦めない人たちです』というスピーチをしたあと、後ろの方にいたSEALDsがプラカードを持ちながら前の方へ移動します。ボクも含めて周りの人たちも一緒です。行く手の人波が自然に開ける。その中から自然発生的にコールが沸き起こります。あたりがさ〜っと明るくなるような奇妙な高揚感がありました。
そこからSEALDs+学者の会へバトンタッチです。
●移動が始まりました。自然発生的にコールも起こります。




●『みんなの暮らしに税金使え』、『市民は共闘』、『集団的自衛権は要らない』、『民主主義ってなんだ』



『安倍はやめろ』コールが復活したのは残念ですが(2月のデモでやったように『安倍さん やめて』とおちょくったほうが良いと思う)、彼らのコール『みんなの暮らしに税金使え』こそ野党も政策に取り入れてもらいたいです。これが今夏の選挙の最大公約数になるんじゃないでしょうか。黙ってると、民進党は消費税を予定通り、とかバカなことを言い出すからなあ。

この日は同じ数万人も集まっていても、26日とは集まっている人の質が違いました。動員の比率が少ない=若い人が多いということだけでなく、ここに集まっている多くの人が自分から声を出している。それも昨年の8月、9月は熱狂的なところもあったけど、スピーチに対する反応を見ていると今回はもっと理性的な人が多い。まともな意見には賛同の声があがるけど、紋切型の定型句や地に足がついてないような話だと反応が薄い。年齢は関係なく、そういう理性的な人たちが比較的多く、自らの意志で街頭に出てきて、声を挙げている。色んなデモを見てきましたけど、この点は明らかに以前とは変わってきています311前とも311後とも、昨年とも明らかに違う。世の中は変わりつつあるのだと思います。だが 今は政治家も一部の運動もそれに追いついていない。SEALDsが成功した原因の一つは彼らのスタイルだけでなく、過激さを排したり、学者の会とコネクトするなど理性的に振る舞ったことだと思います。だから多くの人が納得した。これからは政党や組合みたいな利益誘導ではなくイデオロギーでもなく、市民の意志をまとめ上げる理性的な枠組みを作っていくことが課題になっていくと思います。『市民連合』がそうなるのかどうかわかりませんが、ボクも微力を尽くしていきたいと思います。もしかしたら世の中は変わっていくのかもしれません。そんな気もします。
                                                  
●再び前の方へ。




                                    
今日の参加者は『総がかり』の発表で3万7000人。そのあとSEALDsの時間帯になって参加した人もいましたから、トータル4万人くらいの参加でしょう。昨年9月の強行成立時の際は多い時で4万人くらいですから、ほぼそれと同じ人数が集まったことになります。賛成の人、反対の人、色々いると思いますが、こんな大きな問題で議論は尽くされているんでしょうか。すくなくともボクにはこの法案のメリット、特に他国に自衛隊を派兵することに日本に何のメリットがあるのか、さっぱりわかりません。
抗議は11時になってもまだ続いています。

●このプラカードは若い女性のものです。

●29日のNEWS23生中継