特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

 【NO NUKES DAY 原発のない未来へ!3.26全国大集会】とクリスマス映画2題:『クーパー家の晩さん会』と『ザ・ナイト・ビフォア 俺たちのメリー・ハングオーバー』

昨日は民進党の結党大会だったそうで、それ自体はどうでもいいんですけど(笑)、SEALDsの奥田君が挨拶をした様子がテレビニュースに写っていました。思い出したのはSEALDsが出てきたとき『共産党の別動隊』ってさんざん言われてたことです。ボクは彼らの前身(SASPL)を現場で見てたから『そんな訳ねーじゃん』と思ってましたが、そんなデマを池田信夫のようなゴミ評論家だけでなく、自民党の議員まで流してましたからね(笑)。志位和夫ですら来てないし、それでなくても共産党嫌いの議員が一杯いる民進党の結党大会で、別動隊が来賓挨拶するわけないだろって(笑)。テレビのニュースも見ようによっては、自分の眼を鍛える材料になりますね〜。
●なぜかSEALDsを目の敵にしている産経が結果として、いつも一番詳しいニュースを流しています(笑)。
民進党結党大会 SEALDs・奥田氏発言詳報「国民とともに進むと本気で言って」:イザ!
                                       
土曜日、26日は渋谷・原宿へ原発反対の集会&デモ、【NO NUKES DAY 原発のない未来へ!3.26全国大集会】へ行ってきました。

ちょっと前『この日のために』と自分で言い訳しながら、本当は誘惑に負けてスプリングコートを買ってしまったのですが(笑)、この日は午後になっても東京の気温は10度、寒くてスプリングコートどころではありませんでした(泣)。

                                                     
集会は11時半から始まったそうですが、午前中は仕事があったし、つまんない話は興味ないので、仕事が終わった後、ビリヤニ(インドの混ぜご飯)で腹ごしらえをして、温かなチャイ(インドの紅茶)をゆっくり飲んでから、渋谷へ出かけました。
●ファーストフードは嫌いだし、一人の時は大抵インド料理です。

                     
デモは2時40分からということですが、1時半ごろ着いた代々木公園には一杯 組合や団体の幟が並んでいました。今回は官邸前抗議をやっている反原連だけでなく、さようなら原発1000万人アクションなど社民系、組合系など各種の団体も共催です。連中の時代錯誤なマヌケ幟にはいつもぶーぶー文句言ってますが、今回は最初から判っているからいいです。それにしてもボクには理解しがたい、不思議な人たちです(笑)。1万年経っても、沿道から見て自分たちがどう見えるか判らないんでしょう。
●代々木公園のメインステージ。ボクが着いたときにはベラルーシから来た人が話していました。半数以上の人が話は聞いてなかった(笑)。動員なんてそんなもんです。



                       
それでも、たまには人数を集めることは大事でしょう。毎年3月にある大規模な反原発アクションを自分のブログで振り返ってみたら、参加者は官邸前抗議が始まる前の2012年が2〜3000人くらい(この時、例の『言うこと聞かせる番だ、俺たちが』がデモで初めて使われました)2013年は4万人2014年は3万2000人2015年は2万3000人今年は主催者発表で3万5000人ですから、だいぶ盛り返したことになります。
●メインステージの司会、木内みどり


                            
デモは2時40分きっかりにスタートしました。こんなの初めてです(笑)。大人数ですから、デモはコースは3つに分かれています。反原連などの市民が行進する渋谷コース、社民系(平和フォーラム)が明治公園を目指して行進するコース、組合などが新宿をめざして行進するコースです。

                                     
もちろんボクは市民コースに参加しました。先頭のブロックが一番盛り上がるだろうと思って、そちらへ入り込んだんですが、完全にハズれでした。元来 福島からの参加者中心ということでしたが、生協など訳の分からない幟を担いでいた人が一杯いました。これがまったく!盛り上がらない(笑)。コールを聞いてもらうとわかるんですが、大げさでなく『死ぬほどリズム感がないコール』が文字通りさく裂して、お通夜のようでした(笑)。やろうと思っても中々できるもんじゃありません。どこの団体なんだ。よくあれだけリズムをはずせるな、と思いました。現代音楽かって〜の(笑)。
●抗議風景1



●コールしようとしてもできないくらい、リズム感がない。これぞ 大量破壊兵器(笑)。ある意味 立派です。是非他のコールと聞き比べてください

公園通りを下って渋谷のスクランブル交差点までは我慢したんですが、そこで耐えきれなくなっていったん離脱、後ろの反原連のサウンドカーが先導するブロックを待つことにしました。目の前をいくつかブロックが通り過ぎるなかで、外国の人が固まって参加するものがありました。欧米系の人に加えて、台湾の人たちが中国語の横断幕を持って、流ちょうな日本語のコールで盛り上がってるんです。写真を撮るのを忘れてしまったのですが、これは嬉しかった。大規模抗議ならでは、でしょうか。
●ボクのプラカード


ラッパーを載せた反原連のサウンドカーのブロックに合流したら、ちょっと ほっとしました。干天の慈雨です。やっとリズムに出会いました(笑)。しかもかかっているのはルー・リードの『ワイルドサイドを歩け』。この曲、サビの『Take A Walk On The Wildside』の部分、何気なく『Take』と入れるところが文字通りワイルドで好きなんです。ストリートでの抗議にぴったりじゃないですか。萎えかけていた気分も復活しました(笑)。いい感じです。
●抗議風景2



●反原連のコール、さっきとはリズムも参加者の声の大きさも全然違います(笑)。


原発やだから野党は共闘!

●沿道の光景




今日は沿道でも、デモのコールにあわせて踊っている子たちが居ました。やっぱり、これですよ。沿道の人に共感してもらわなくてはいけないんだから、デモは恰好良く、楽しそうに見えなくちゃ。人間は理屈で共感しなくても、リズムや雰囲気で共感する、ということもあります。ボクだって理屈だとあ〜でもない、こーでもないと色々考えちゃいますが、音楽や映像なら恰好よければ許しちゃいますもん(笑)。
●今日の写真:沿道でコールに合わせて踊っている子たち


                                            
ということで、SEALDsや高校生たちのデモと比べると短いデモでしたが、後半は気分が盛り返しました(笑)。今、渋谷とか新宿、国会前では毎週のようにデモが行われています。日本ではデモや抗議が起こらないと言われていたのが、遠い昔の事のように思えます。おかしなことがあったら自分たちの声を挙げるのが今や日常の習慣、になりつつあるのではないでしょうか。
今週は安保法施行に対する抗議が国会前であります。日曜日に夕飯も作り置きしたし(笑)、今週は忙しそうです。
●他のブロック


                                                     
先週に続いてダイアン・キートンの映画をもう一つ。新宿で映画『クーパー家の晩餐会

舞台はクリスマス。離婚を決意した老夫婦(ダイアン・キートンジョン・グッドマン)の元にクリスマス・パーティの為に家族が集まってくる。それぞれが人に言えないトラブルを抱えているが、せめてクリスマスの間は隠しておこうとするが
●クリスマスが終わったら離婚を決意している老夫婦(ダイアン・キートンジョン・グッドマン)。家族が集まるクリスマスだけは秘密を守ろうとします。

アイ・アム・サム』の監督がダイアン・キートンアマンダ・セイフライドマリサ・トメイオリヴィア・ワイルドと豪華女優を揃えて撮ったクリスマス劇です。ボクは女優さん4人とも大好きです。
老夫婦は長年のすれ違いが限界にきて、クリスマス後 離婚することを決意しています。その年のクリスマスの晩が家族がそろう最後の一夜になるわけです。マリサ・トメイ演じる妹は独身で盗癖があり、パトカーで夫婦の家にやってくる始末です。老父はダイナーのウェイトレス(アマンダ・セイフライト)に恋している。オリヴィア・ワイルド演じる娘は30を過ぎても未だ独身ですが、医者と道ならぬ恋をしています。親を心配させないために、空港で休暇中の兵士をナンパして恋人役を演じさせます。
●最後のクリスマス。皆 自分のトラブルをおくびにも出しません。

●度々警察のお世話になる、すさんだ生活を送っている独身の妹(マリサ・トメイ

●空港で兵士をナンパして架空の恋人に仕立てる娘(オリヴィア・ワイルド


●祖父は孫のような年齢のダイナーのウェイトレス(アマンダ・セイフライト)に恋をします。

辛口のジョークと心優しい視点、リベラルな価値観が揃ったホームドラマです。ちょっと脚本を詰め込みすぎたかなという気はしますが、とても楽しい。あと夫婦が飼っている犬がかなりいい味を出しているのもボク的にはポイントが高かった。この映画のクリスマスの晩餐は昨年の『シェフ 三ツ星フードトラック始めました誰のために仕事をするか、何のために仕事をするか:映画『シェフ 三ツ星トラック始めました』と映画『パリよ、永遠に』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)のコーディネーターが監修したそうでおいしそうなんですけど、結局 わんちゃんが食べちゃうんです(笑)。感動するとかではありませんが、とても楽しいドラマでした。観終わったあと、良かったなあ、と感じる作品でした。





もう一つは新宿で『ザ・ナイト・ビフォア 俺たちのメリー・ハングオーバー映画『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』公式サイト | ソニー・ピクチャーズ

クリスマスの晩に親を交通事故で無くした主人公(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。彼を気の毒に思った高校時代の親友二人(セス・ローゲン、アンソニー・マッケイ)は毎年クリスマスの晩にバカ騒ぎをするのを恒例にしていた。それから14年。セス・ローゲンは弁護士になり、もうすぐ子供が生まれる。マッケイ君はフットボールのスターになりセレブになっている。主人公だけはバイトをしながらバンド活動をして、どっちつかずのまま。クリスマスの晩、お互い結婚したり子供も生まれたし、バカ騒ぎも今年で最後にすることにした3人はNYの街へ繰り出していくーーー
                     
監督の身の回りで起きた実話をセス・ローゲンジョセフ・ゴードン=レヴィット君が演じて、泣いて笑って心が温かくなる難病ものの傑作にしたてた『50/502011-12-26 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)、『マッドマックス怒りのデスロード』でスターになったニコラス・ホルト君を世に出した?ゾンビ版ロメオとジュリエットの傑作『ウォーム・ボディ』(ボクにはアンチ・イスラエル映画に見えました)2013-10-07 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)と個人的には大ヒットを連発しているジョナサン・レヴィン監督の新作です。しかも『50/50』のセス・ローゲン(『ザ・インタビュー』でケツの穴に武器を隠して金正恩をぶち殺した男)とジョセフ・ゴードン=レヴィット君とのトリオが復活ですから、期待度マックスです。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットセス・ローゲン、アンソニー・マッケイの3人が暴れまわります。


                            
要するにセス・ローゲンのいつものギャグ映画です(笑)。日本ではアメリカのコメディは非常に冷遇されています。くまちゃん映画と勘違いして女子高生が殺到したR15指定の下ネタ&マリファナ映画『Ted』は別にして、殆どまともに公開されません。この作品もセス・ローゲンとジェセフ・ゴードン・レヴィット君が出ているにも関わらず、1日1回、2週間限定の公開です。DVDスルーの予定がとりあえず東京で1館だけ上映したということです。でも客席はマニアックな映画で笑いに来た一癖あるオヤジとレヴィット君目当ての若い女性で満員。こんな客層の映画も珍しいです。
●3月にDVDが発売されたばかりです。

                                      
お話は邦題にある通り『ハング・オーヴァー』に似ています。それをプロデューサーもやってるセス・ローゲン風に料理した感じでしょうか。クスリとアルコールでハイになった、大人になりきれないオヤジ3人が大暴れする、そういうお話です。下ネタとクスリネタ、宗教と人種を徹底的にコケにするギャグが全編にわたってさく裂します。けど権力やレイシズムの匂いは全くない、ボクは非常に健全な映画(笑)だと思っています。

マジックマッシュルームとコカインでハイになったセス・ローゲンダビデの星ユダヤ教のシンボル)のついたセーターを着てクリスマスのミサをやってるキリスト教会で暴れたり、アンソニー・マッケイが黒人のサンタが書かれたセーターを着てNYを暴れまわるんですから、酷いもんです(褒め言葉です)
●セーターのダビデの星に注目。ここはキリスト教会です。

●こちらのセーターのブラックサンタも物議をかもしかねない。

                      
サンタが黒人だったり、麻薬の売人だったりするオチもティーパーティーの田舎者だったら怒るかもしれません。この調子でセス・ローゲンにコケにされて金正恩が怒るのも気持ちはわかります(笑)。

●麻薬の売人兼サンタ役のマイケル・シャノン。先週紹介した『99%ホーム』の悪徳不動産屋とはかけ離れた役です(笑)。

                                                
露骨な下ネタはあまり好きではないですが、こういう情け容赦ないギャグは大好きです(笑)。『ひでえ〜』と言いながらゲラゲラ笑ってました。アメリカ人のクリスマスに対する思い入れなどは良くわからない部分がありましたが、大ヒット映画の『ハング・オーバー』より面白いんじゃないでしょうか。そうそう、ボクは良く知らないけど『ハンナ・モンタナ』で有名なアイドル、マイリー・サイラスも出てました。ジョナサン・レヴィン監督には次作も期待します。