特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

安保法制に反対する高校生東京大阪ダブルデモ2015FINAL

今年もあと10日、あわただしくなってきましたが、19日の土曜日は高校生が東京と大阪で安保法反対デモをやるというので行ってきました。

                                            
映画『独裁者と小さな孫』を観て、雑用を済ませて、集合場所の代々木公園へ。老若男女が集まっています。白髪の人も居るし、中年の人、子供連れもいます。列の整理をやっている高校生の女の子は寒空にも拘わらずミニスカートに生足で走り回っています。出発前寒さに震える参加者からは思わず、若い〜という声が挙がります。高校生だけでなく、SEALDsの子たちもサポートに来ていますが、その日は京都のデモへ応援へ行っている子のほうが多いとのことでした。薄汚ない団体の幟なんかは見かけません。思考停止のような動員ではなく、自分の意志で来た個人参加の人ばかりです。ざっと数えて参加者は1000人くらいでしょうか(主催者発表1000人)。
●代々木公園にて

デモのコースは当日になって発表になったのですが、今回はボクが通っていた幼稚園の前も通るし、しょっちゅう行っている食べ物屋の前も通る。正直、『う〜ん、知り合いに見つかったら照れくさい』とちょっと腰が引きかけました(笑)。別に恥ずかしいことをやってるわけじゃないんですけどね。
コースとしては結構長い。原宿、青山の人通りが多いところを全て網羅しています。良いコースです。普通に歩いても1時間以上かかりますが、なかなかの運動になります(笑)。

                          
高校生たちのデモで良いと思うのは出発前にスピーチとかがあまりないところです。悪いけど、カビの生えた爺さんの主催者挨拶みたいな、つまんないスピーチなんか聞きたくない。大事なのは一人一人が声を挙げること、ですからね。11月同様、出発前にやったのはコールの練習くらいでした。その先導役でコールをやる子が結構トチるのが参加者の笑いを誘います。非常に和やかな雰囲気です。
出発は予定より30分遅れて、午後4時になりました。第1フロートはサウンドカーが先導してスピーチ&コール、第2フロートはお馴染みのドラム隊が先導してコール&リズム。ボクは音楽がある方が良いので第1フロートの後ろの方から歩きはじめました。
●出発。代々木公園〜表参道を下り、登る。




●沿道の外人の『NO WAR!』コール。                              

●表参道の歩道橋に掲げられた『民主主義ってこれだ』。こういうのを見るのは嬉しいです。

●年配の人も子供も一緒。お母さんに連れられた子供は歩きながら太鼓をたたいています。
 

最初はコールする高校生たちも、ボクも含めて参加者もぎこちなさが残っていたようでした。表参道を登って青山通りに差し掛かるころには調子が出てきました。いい感じです(笑)。周りを見渡すと、原宿は銀座なんかより遥かに人通りが多いことに気が付きました。
青山通り





http://this.kiji.is/50890030877769734?c=39550187727945729&s=t

段々 前の方へ進んでサウンドカーの近くまでたどり着きました。サウンドカーに乗っている高校生たちはコールとスピーチを交互にやっています。あの子たちは自分のスピーチやコールの順番が来たら、走っているサウンドカーの荷台に飛び乗り、終わったら また飛び降りて列に戻って誘導をしています。こういうのは初めて見ました。う〜ん、元気だ(笑)。
                                            
彼ら・彼女らのスピーチは学校で習った歴史の授業のことであったり、身の回りの友人たちのことであったりですが、共通しているのは『自分たちが未来の当事者だ』ってことです。自分や自分のクラスメイトが、もしくは自分の子供が戦場に狩り出されるかもしれない、ってことです。集会などで良く聞くジイさんたちの定型的な、頭の悪い中途半端な理屈より、この方が1億倍は心に響きます。勤め先でもSEALDsの大学生たちを見ても思うのですが、今の子たちは、女の子が滅茶苦茶しっかりしている。知識とかそういう話だけではなく、意志の強さとか腹の座り方が男の子たちとは根本的に違うように見えます。日本の将来は(笑)、きっと、あの子たちの肩にある。
●外苑通り〜明治通り


この頃になるとデモに並走して沿道に、かってないくらい大勢の人が歩いていることに気が付きました。TBSのTVカメラは出発から1時間以上並走している。歩道をついてくる見物人たちもどんどん増えてきている。
原宿駅前へ向かう



                                
竹下通りの入り口に差し掛かると、沿道の人通りが一気に増えます。高校生たちも参加者もノリは絶好調です(笑)。EDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)のリズムに体を揺らしながら歩き、声を出し、拳を振り上げます。今までボクはデモや集会で拳を挙げるのは嫌だと思っていたんですが、初めてリズムに合わせて拳を挙げてしまいました。はっきり言って下手なライブより踊れます。EDM(白人中心の音楽)+ラップ調(黒人音楽)のコールって、ユニークな組み合わせです(SEALDsはもっとラップよりでEDMはほとんど使わなかった)。正直楽しかったです。沿道で観ている人たちの『シールズって、初めて見たよ』とか言っている声が聞こえています。目を丸くしながら、うらやましそうに見ているんです。
雰囲気を味わうには、短いですからぜひ、動画をご覧になってください。出発した当初と比べると熱気がずいぶん違うことが判ると思います。
●竹下通り






原宿駅前@爆音トランス状態。沿道でも手を振り上げる人が大勢いました。








                                      
坂を登って原宿駅に差し掛かる頃は文字通り、ピークでした。沿道にいたサッカーの外人サポーターも飛び入りしてくる。文字通り、路上が興奮に包まれています。警官がビビってます(笑)。沿道の人から『原宿駅前がクラブになってる』とツイッターも流れてました。う〜ん、すごい。国会前の大群衆が路上に溢れた時のようです。でもこれは、集会ではなくデモ行進の途中ですからね。こんな風景は初めて見た。


●最後まで元気よく



解散地点に着くころには辺りは真っ暗です。あっと言う間の1時間半でした。高校生、恐るべし。ボクだって高校生の時から一人でデモ行ってましたけど、彼ら・彼女らとはレベルが全然違う。陰で大学生や大人たちがサポートしているにしても、大したもんです。
                                                                          
こう書いてくると、原宿で大騒ぎしてるだけ、と思われるかもしれません。まあ、そうなんだけど(笑)。でも、それだけではありません。その日の土曜日に放送されたTBS報道特集『安保法制成立後三か月』でSEALDsの子たちが言ってましたが『安保法制の成立は民主主義を取り戻すための始まり』なんですね。そこが60年安保や70年安保とは大きく違う。そのためには地道に、継続して、声を挙げ続けていくことが大事なんです。楽しくなくては続きません。楽しくなくては周囲の共感を得られることもありません。原宿という土地柄でもあるんでしょうけど、沿道の人たちがデモを羨ましそうに見ているというのは初めての体験でした(笑)。そう考えれば、声を挙げることに絞った高校生たちのシンプルなデモは案外大きな意味がある、と思うんです。
                                                   
終着地でカンパ袋を持った高校生たちに『ありがとう』と言って、お札を入れて帰りました。そんなことしかできないけど。少し疲れたけど、楽しい1日でした。
毎日新聞より。こんな上手い写真は取れんぞ(笑)
安保法成立3カ月:声上げ続ける市民 各地でデモ - 毎日新聞

●同じく、動画ニュース安保法:成立3カ月 各地でデモ 声上げ続ける若者 - 毎日新聞]