特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

2014年の経済と0220 再稼働反対!首相官邸前抗議!

朝晩はまだまだ寒いけれど、春の足音は聞こえてきた感じがする。普段は最低気温が2度と聞くと『ひえ〜、寒い〜』と思ってしまうんだけど、少し前は0度だったから暖かく感じる。昼間の気温は尚更の事。近所の梅もいよいよ咲き誇っている。
●朝の陽光と梅の花

今週は昨年1年間の統計が幾つか発表されていたので、振り返りを備忘のために書いておきます。
まずはGDPの話題から。
16日に発表された昨年10〜12月のGDP速報値は実質で前期比0.6%増、年率換算で2.2%増だったGDP年率2.2%増 10~12月実質、増税後初のプラス :日本経済新聞新聞の見出しやTVでは『増税後初のプラス』ということだが、市場関係者は予想以下だったというのが大勢GDP成長は市場予想以下、景気回復が弱いワケ | 市場観測 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準、ボクがいつも話を聞いているエコノミスト氏も新聞で否定的なコメントをしていた。
さて自分たちが立っている場所を考えるには、長い期間で見るのが良いので97年からの年間の数値を拾ってみた。
●97年〜14年までのGDP額推移

                         
実際のGDPの推移を見てみると、確かに名目値はアベノミクスが始まった13年は480兆円、14年は488兆円と成長はしていることが判る。だがグラフを見ると、この成長が始まっているのは民主党政権時代の12年からで別にアベノミクスが始まって成長しているわけでもなければ、成長が加速しているわけでもないことが判る。もっと問題なのは実質GDPだ。名目値と同じように民主党時代の12年から成長を続けてきたが、昨年は殆ど成長することすらできないゼロ成長だ。
次に成長『』を見てみる。
●97年〜14年までのGDP成長率推移

確かに14年の名目成長率は1.7%と97年以降では最も高い。だが物価を勘案した実質成長率はアベノミクスが始まった13年からどんどん下がり、14年はゼロ成長に陥った。実質成長率という面ではアベノミクス民主党政権(12年)より遥かに悪い。通常だったら名目成長率と実質成長率が同じような動きをするはずだ。ある意味 今は異常事態でこれが正常に戻るのか、更にインフレだけが進んで国民の生活は悪くなる一方なのか、これからが見ものだろう。
ついでに18日に発表された年次の消費水準指数を見ると、物価変動を換算した実質の消費水準指数は昨年は前年の99.9より大きく下がって96.4とリーマンショックの時より悪い!過去13年で最悪の値だ。これじゃ景気が良くなるわけがない。
●消費水準指数(02年〜14年、2010年を100とする、二人以上世帯)の推移

GDPを見ても、消費を見ても、この2年間 国民の生活は実質的に悪くなった。さらに金融緩和は出口戦略を取る際 本来の成長率を数年間にわたって数%程度下げると言われている。株価は上がったし(円建てでは)、非正規雇用は増えたけど、その代償としては高すぎるのではないか。経済の目的は国民の生活を良くすることだからだ。
●ロイターのツイート

   
                                                        
先日の安倍晋三改革と言う言葉を30回以上も連呼した奇妙な施政方針演説でアベノミクスという言葉が1回しか使われなかった、のも、アベノミクスの化けの皮がそろそろ剥がれてきたのを示しているのだと思う。
●経済学者小黒一正のツイート
                  
民主党の岡田が国会の党首討論で『格差』をテーマにしたのは以前に比べればマシだけど、『経済を回復させるには再配分を行い消費を増やすことが有効』ということをメッセージにしなければ意味がない。いくら日本人がバカでも、普通は『どうしたら良いか』ということを示すことができる政党に投票するに決まっているからだ。
今の経済情勢で、いきなり金融緩和を引き締めることもできないし、緊縮財政を取るわけにもいかない良い規制緩和とそうでないものを切り分けながら成長路線を進め、財政再建を意識した予算を組みながら、税制で収入が激減してきた下位90%の層への再配分を進めていくのが良いのだろうと思う。そうすれば消費は増えて景気は良くなるよ。安倍晋三は富裕層の税率を上げたら外国へ逃げる可能性があるとか言ってたが、日本の最高税率が75%だった84年以前、それに最高税率が50%だった89年以前 どれだけ富裕層が逃げたのだろうか(笑)。ちなみに今の最高税率は45%だ。『マッチポンプ』の時代 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)

                                                                                            
普段 調査会社の人や経営者、エコノミスト、色んな人に話を聞くけれど、ほぼ皆が思っているのは今の経済状況だけでなく、オリンピック後に必ずやってくるであろう不況にどう対処しようかってことだ。ロンドンはそれほどでもなかったかもしれないが、少なくともギリシャ、スペインの今の大不況はオリンピックのバブルが大きな原因になっている。日本がこれだけ金融緩和して、しかもオリンピックバブルが起きたら、後始末は大変なことになると思っているのだが。
                                                      
●おまけ:小田嶋隆曽野綾子特集。



ということで、今週も官邸前へ。
先週の極寒と比べればマシだけど、午後6時の気温は7度。それでも先週より人の集まりは多い気もした。官邸前は600人くらいかなあ(主催者発表は国会前他併せて1400人)。
●久しぶりに見た経産省テント。パソコンのプロジェクターが投射されている

                                                  
経産省も政治家も連中は自分たちの仕事として再稼働をたくらんでるわけで、もんじゅの件にしろ、高浜の件にしろ、核燃サイクルの件にしろ、悔しいけど情報のインプット量がさすがに追いつけない、というのが最近の感想。ボクは専業の反対活動家じゃないから(笑)。だから、奴らと同じパラダイムで勝負しても仕方がない。
そうなってくると、些細な情報に振り回されないように、余計に本質を見抜く力を涵養することが大事に思えてくる(表現が固いね)原発の本質ってなんだろう。『命が一番大事なのか?』、『原発に反対する世論の方が多いのにどうして無理やり進めようとするのか?』、『本当に原発は安いのか?』、『原発が国土に存在して、安全保障は大丈夫か?』、『資本が人々を搾取する仕組みか?』、『地方が経済的に自立するにはどうしたらよいのだろう』etc。
                                        
ちょっと考えただけでも、色々なことが浮かんでくる。それだけ大きい問題だから、良く考えなければいけないのだと思うのだ簡単に再稼働を認めるわけにはいかないし、『今すぐやめろ』と金切声で叫ぶ気にもならない。もちろん、基本的には原発は害悪だと思っているし、ましてや現状のようになし崩しに再稼働をしようというのは我慢がならないことだけは確かだから、毎週 抗議しているんだけど。
ボクが生きている間に原発がなくなるかどうかはわからない。たぶん ムリだろ(笑)。だけど、一歩、いや半歩でもいいから世の中をマシにする何かを残したいんだよなあ(嘆息)。
●抗議風景。1枚目中央でカメラを構えているのは赤旗のカメラマン。写される側が写す、これがヌーヴェルヴァーグだ!(笑)






                                       


●今日の写真