特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『日本人は人を殺しに行くのか』と0123 再稼働反対!首相官邸前抗議!

今週 知り合いの経済アナリスト氏がTV出演(民放)して、アナウンサーに2015年度の国家予算について意見を求められていた。カメラの前で彼があっさり、『この予算案では国の借金は減らないし、広がった格差も減らない。100点満点で50点です。』と答えたら、アナウンサーが慌てて『安倍内閣の意図通りと考えたら、点数はそんなに低くはありませんよね』と訳の分からないフォローを入れてやんの(笑)。ボクは泥酔した彼に放送局は発言の制限をしてくるのか、と聞いたことがあるけど、少なくとも彼はNHKでも民放でも発言が制限されたことはないそうだ。ただ、発言を求められるテーマやタイミングは決まっている、とのこと。民放だけでなく今のNHKが酷いのはボクも認めるけど、それでも実態はその程度だと思うな。
ボクは自分を信用していないので(笑)、彼も含めて何人かの人と時折 議論させてもらって自分の考えを検証するようにしているが、彼とも意見が一致しないこともある。だが、その日の彼の発言『今の日本は成長と借金減と格差縮小の3つを追求しなければならない非常に難しいけれど、現状はそれをやらなければならない状況に陥っている』というのは本質をついていると思った。今のTVも新聞もネットも、そういう常識的な議論が殆ど出てこないからな。アベノミクスとか地方創生とかできもしない、抽象的なことを言ってる場合じゃないんだよ。

                
                                             
さて、このお正月に、東ティモールシエラレオネアフガニスタンで国連PKOや日本政府特別代表として武装解除を指揮した伊勢崎賢治氏の『日本人は人を殺しにいくのか』を読んだ。

内容は
イラク戦争のように)有志連合が行う『集団的自衛権』と国連が行う『集団的安全保障』とは性格も意味合いも全く違っているが、政府はわざと混同させている
安倍晋三は日米同盟はともに血を流す双務性のものであるべきだと言っているが、日本が軍隊を出そうが出すまいが、アメリカはあくまでも自分の国益重視で判断する。むしろアメリカは尖閣などで日本の戦争に巻き込まれたくないと思っている。』
秘密保護法がなければアメリカから情報を得られないと言うのは嘘。法律があろうがなかろうが、国益にかなえばアメリカは情報を出すし、国益が無ければ情報は出さない。武装解除の現場でもそうだった。
政府が言っている集団的自衛権の15類型は個別自衛権の問題であり交戦規程を変更すれば十分対処できる
といったことが書かれていたが、ボクが最も印象に残ったのは『日本にとって最良の安全保障は敵を作らないこと』だった。
                                            
狭い国土に原発が立ち並ぶ日本は武力では防衛することができない。だから日本は武力は自分から使うべきではない。海外派遣でも非武装を貫き、非武装による集団安全保障活動を行うべきだ、と言うのだ。そして国内では敵を作らないための素質を高め、敵愾心を煽るすべての行動を慎むのが日本にとって最も安上がりで効果的な国防だ、と言っている。*ただし伊勢崎氏は武力を持たないべき、とは言っていない。
                                          
実際にアフガンで地元の軍閥武装解除を行ってきた彼によると、戦争をしてない日本だからこそ現地の軍閥を説得できたという。日露戦争に勝って(笑)(アフガンもソ連に勝った)アメリカに原爆を落とされて、平和によって経済復興してきた日本が言うなら仕方がない、と現地の人たちに言われたそうだ。実際 イラクに派遣された自衛隊が殆ど被害にあわなかったのも現地のイスラム指導者が『復興作業だけに従事する自衛隊への攻撃は反イスラムである』というファトワー(宗教令)を出したからだそうだ。現地では自衛隊はわざと目立つように日の丸を大書した緑の迷彩服を着ていたという。そうすることが最も安全だと考えたからだ。反面 その緊張感から帰国後 何人もの自殺者を出したのだろう。
      
非常に説得力がある話だし、ボクもその通りだと思う。半分は誤解にしろ、日本にはそう思ってもらえるだけの実績がある。戦後70年間 戦争で誰も殺していないという、安倍晋三の大好きな戦後レジームの成果だ(笑)。ただし現実にはアメリカの民間軍事会社自衛隊の周りを護衛していたという話もボクは現地に行った人から聞いている。この件はTVも新聞も取材は絶対NGだったそうだ。

                                       
敵は作らない、武力は使わないのが最も効率的で安全。伊勢崎氏の話は倫理じゃなく、実利的な、プラグマティックであるところが良い。ただ9条を守れとだけ言ったって、北朝鮮のミサイル実験が行われたり、中国軍が日本の周りをウロチョロしてる中では説得力はない。安全保障のためにはどうすればいいのか、も考えなければただのアホだ。かといって安全保障とか国を守れとか言いながら、原発を日本中に並べて平気なのは殆ど認知症と一緒だ。北朝鮮工作員のテロや連中のボロミサイルがまぐれで当たっただけで、日本はもうアウトじゃないか。

                                      
更に伊勢崎氏は今の日本の反韓・反中国の雰囲気を顧みて、そういう『熱狂は核兵器を超える真の大量破壊兵器』と言う。彼は東ティモールで国連平和維持軍(PKO)を統括していた際、ニュージーランド部隊の若い兵士が1名、現地の民兵に喉をかき切られて殺された、という事件があったそうだ。その事件を受けて伊勢崎氏は、従来は警告した後でなければ許されなかった武器の使用基準を目視のみで発砲して良いと緩めたところ、怒りに燃えたニュージーランド部隊はたいした装備も持ってない現地の民兵を徹底的に追い詰めて全員 蜂の巣にしたそうだ。武器の仕様基準を緩めたことが良かったのかどうか、彼にとっては心に一生背負う十字架になっているという。伊勢崎氏は今の日本の雰囲気はその時のニュージーランド兵の復讐のための熱狂とそっくりだ、と指摘している。

                                                             
伊勢崎氏が言っている『敵を作らないのが日本にとって最良の安全保障』は今回のイスラム国による日本人人質の件にも見事に当てはまる。素人の癖に民間軍事会社を自称している湯川というバカを捕まえて以来、イスラム国が何か機会を狙っていたのは間違いない。また後藤氏が消息不明になったのは10月だから、政府はそのことを知っていて発表しなかったのも間違いないだろう。それなのに安倍晋三がカモがネギを背負ってきたかのように『ネタニヤフとカメラの前で会見』したり、『イスラム国対策で2億ドル』なんて言っちゃうからだ。歴史にifは禁物にしろ、同じ金を出すにしても『避難民に2億ドル』と言っていたら、何の問題もなかったのではないか(ホントはフクシマの避難民に2億ドル出すべきだけどな)。
田中康夫のツイート。頭が軽い総理大臣がこんなこと言ってるんだもの。イスラム国が日本を狙うのは当たり前だ。

                                    
世の中の常として、相手はこちらが思う通りには動いてくれない。自分が言うこと、やることを他人はどう思うか、それを考えながら動くのは政治家というより社会人生活の基本だろう。だが世にいうお坊ちゃまくんは良い意味でも悪い意味でも屈託がないというか、他人を気にしない人が多いと思う。他人を慮らなくても自分が周りに受け入れられるのは当たり前だし、困ったら必ず誰かが助けてくれるからだ。嘘かホントか知らないが、麻生の息子なんか子供の時 パジャマを着る際にお手伝いさんの前で手を広げて仁王立ちしていたらしい。つまり着せてもらうのが当然だったそうだ(笑)。お前は金正恩かって(笑)。
偏見かもしれないが、頭が悪い3世政治家の意気がった軽率な発言が今回の事態を自ら招いたように、ボクは思えてならない。
●こういうことがあると直ぐ、頭が悪い奴が自己責任とか言い出す。実に醜い日本の風景だ。少なくとも後藤氏のような人は助けるのが政府の仕事だ。でなかったら税金払って役人や政治家を養っておく必要なんかない。


                                                                                  
と、言うことで、今週も官邸前へ。

今日は昼間はポカポカ陽気で安心して出かけたが、夜になって北風が吹き出した。午後6時の気温は6度。それ以上に寒かった〜。参加者は官邸前400人くらい、国会前400人くらい、併せて1000人弱くらいだろうか(主催者発表1300人)。
●まさに今、ふさわしいプラカード。

●毎度おなじみ日本人ジョーク

●抗議風景






●韓国から来た人たち

                          
今週 元東電の勝俣、清水ら3人を検察は不起訴にした。全く納得いかないが検察は勝てるかどうかわからない裁判はやりたくないんだろう。あとは検察審査会が強制起訴するか。検察審査会アメリカが日米構造改革議定書で押し付けた仕組みだが、アメリカの仕組みを受け入れることにメリットがないわけでもない。勿論 時価会計とか四半期決算とか世の中を悪くするロクでもない仕組みをアメリカは押し付けてくるわけだが、日本の仕組みだってロクなもんじゃない。パブコメもそうだがアメリカの仕組みには良いものも多い。そこいら辺は一人一人が丁寧に見極めないとなあ。


●国会前

                        
国会前でスピーチした彼が良いことを言ってた↑。『河野太郎は国会議員は誰も聞いてないから、デモなんかやめたらと言ってたが、私は自分の声を挙げたくて、自分が変わらないでいるために、自分の意志で来てるんだよ!』ボクもそうだ!
●寒空と国会議事堂