特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

日本の『選択する未来』と★0404 再稼働反対!首相官邸前抗議!

昨日の雨で東京はサクラが散り始めました。ちょっと寂しいけれど、春風の中、花びらが舞い散るのも美しい光景です。
さて、消費税前の3月末、勤労統計が発表されました。物価を考慮した実質賃金は昨夏から下がり続けています2月はこの2年間の最低近くまで行った(笑)。昨年のGDPは前年よりは増えたけど地震後の急落から民主党政権の頃とほぼ同じペースで戻っているだけだ。なんだかんだマスコミが煽っても、要するにアベノミクスの1年の結果はこういうことです。改善したのは雇用統計と株価くらいで、あとは国民の生活にはマイナスばかり
●最新の実質賃金の前年比推移(今年2月まで)

●年間名目GDP推移(単位=兆円):2013年は前年より増えたが大震災から前年並みのペースで戻っているに過ぎない。趨勢として労働力人口の減少に伴って97年をピークに日本のGDPは減り続けている。


ニュースでは報じられませんが、今 政府の経済財政諮問会議の下で『選択する未来』という研究会が行われています。学者や経営者が集まって『成長』、『人の活躍』、『地域』の3点から日本の中長期的な発展のための課題を検討しています。その内容がなかなか面白いです。「選択する未来」委員会 : 経済財政諮問会議 - 内閣府
検討はまだ中途だが、『成長』のワーキンググループで内閣府が2月に出してきた検討資料『目指すべき日本の未来の姿について』をご紹介します。大筋として、日本の将来像が的確に描けていると思うからです。

1.日本の人口は大幅に減少する:現在12752万人の日本の人口は現状の出生率のままだと2060年には現在の約7割、出生率が2.0以上に回復しても現在の約8割弱、更に移民を受け入れても現在の9割弱に減少する。
2.日本はマイナス成長に陥る:人口減少の結果 今のままだと2020年頃から、緩やかな改革を行った場合でも(女性登用、限定的な経済開放、雇用制度改革、消費税率25%)でも2030年には、日本はマイナス成長に陥る

3.格差は増大する:高齢化が進むにつれて、社会の格差はどんどん広がる
4.社会保障の不足と『地方消滅』が起きる:東京圏は高齢化に伴い医療・介護サービスが不足する一方、現状の人口移動のペースが続くと全国の1800自治体のうち約3割の523自治体が『消滅』する可能性が高い。
5.日本はいずれ資金不足になる:家計の貯蓄率の減少でいずれ国内は資金不足に陥り、海外に投資してもらうことが必要になる。
6.日本の将来の選択肢:『(人口減を許容した)極東の静かな国』か、『(人口減を極力防いで)国際社会で活躍し、ヒト・モノ・カネ・情報の集まる国』か
                                    
*将来の日本の選択肢(太線枠内):『極東の静かな国』か、『ヒト・モノ・カネ・情報の集まる国』か

*表現はボクが判りやすく直しています。内容は平易だし、たった8枚のパワーポイントなのでオリジナルを多くの人にご覧になって欲しいと思います。⇒http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/wg1/0306/haifu_05.pdf

                                                               
ここで言われていることにボクもほぼ同意します。使われている人口予測は中位推計なので実際はもっと人口減が進む可能性が高いから、状況はもっと厳しいでしょう。まして、団塊世代の老後の預金引き出しが進むと日本は資本不足になってくるのだから、公共事業をバカバカやる余裕など全くないし軍備を増やしたり、海外へ自衛隊を展開するようなカネなどあるはずがありません。

唯一の希望は、そして政府の落としどころもそうでしょうが、画期的なイノヴェーションを生み出して生産性を向上させること。だが、さすがの日本政府も(笑)、今まで出来た試しがないことをあてにして将来の計画を作るわけにはいきません。

だから日本の将来のハードルはかなり高いように思えます。出生率を2.0以上に回復するには女性の社会進出と子育て支援を徹底的に行う必要があるし、フランスのように事実婚婚外子の権利も平等に認めなければならないでしょう。現在役所や自民党が検討している移民の年間20万人受け入れも現実的には可能でしょうか?要するにあと10年くらいで日本人はそこまでオープンに意識を変えられるかってことだからです。ボクはどれも全然OKだけど(笑)。
経済、資本の海外開放や労働市場の見直しも議論が分かれるところです。国全体の生産性を高めるために潰れる産業もあるだろうし、クビになったり給料が減る人も出ます。そのための対策だって議論しなくちゃならない。メリット・デメリットあることだから、これは大変です。小泉改革はデメリットをまともに議論もせず、犠牲になる人を放置したから、ああいう風に失敗したんです。
                                         
この研究会の議事録で、その小泉の息子が良いことを言っていました。『民主主義とは何かと聞かれると日本人は「多数決」と答えるのが殆どだが、海外では「参加」と言う答えが多数だったのがショックだった。
太平洋戦争にしろ、原発にしろ、日本のお家芸は『決めない』ことで、そのうちにニッチもサッチもいかなくなって、カミカゼとか玉砕とか訳の分からないことになるのが得意のパターンだ(笑)。確かにこんなことは政治家や官僚は『選択できない』でしょう。国民の議論が極端に分かれるようなことを実行するには、国民が『参加』して決めていくしかありません。
                                                                         
ボクは日本の将来は『(人口減を許容した)極東の静かな国』で全然OKだと思います。海外派兵とか余計なことはしないで『静か』であればだけど(笑)。日本のGDPが減ったって、一人当たりのGDPがキープできれば問題はない。『静かな国』を目指すにしても、『ヒト・モノ・カネ・情報が集まる国』(笑)を目指すにしてもやるべきことは多々あります。いずれにしても日本人の意識が民主主義=参加へ向かないと、実行不可能なことばかり。残された時間はそう多くないです。

ただ、一つだけ間違いないことがあります男が家事をやらなければ日本は滅びるってことだ。
男が家事をやれば女性の社会進出も進み労働力が増える。また社会の多様性も増して産業の高付加価値化が促進され、生産性も高まるでしょう。もちろんそれだけでは足りないし、女性の社会進出といっても高市早苗片山さつきのような輩がのさばったら迷惑極まりないですが、それくらいのことすら出来なければ日本のお先は真っ暗です。
日本経済の処方箋は金融緩和でもなければ、公共事業でもなければ、規制緩和でもない。それだけでは本質的な問題は解決しません。
まず、男が家事をやれよ!ってこと(笑)。



と、書いた手前(笑)、デモから帰宅したら夕飯をすぐ食べられる様に、前の日に煮魚を煮こごりにして、ご飯を炊飯器にセットして、官邸前へ★0201再稼働反対!首相官邸前抗議 | 首都圏反原発連合
今日の温度は17度。昼間は晴れていたけれど、空を見ると何やら怪しそうな雲行き。案の上、抗議が始まって少ししたら雨と時折の強風が襲ってきた。雨も嫌だけど、風はプラカードが曲がったりするから結構大変。それでも少し我慢したら雲も晴れて、美しい春の月夜が広がってきました。今日の参加者は官邸前800人くらい、国会前他で800〜900人くらい、合計1800人くらいか(主催者発表2000人)。
●抗議風景。時折 傘の花が咲く。


                                                      
報じられるところによると、来週決定される?エネルギー基本計画の内容は想像以上に酷いです。『原発は重要なベースロード電源?』に、『もんじゅは研究用として継続?』。それじゃあ、311前と殆ど変わってね〜じゃん!まだわからないのかってーの!
今日の抗議もエネルギー基本計画と再稼働1番手を狙っている川内原発へ怒りが集中しました。
●国会前:国会議員は原発止めろ!

●ファミリーエリア。お母さんに抱かれた子供。


                                                         
これだけ官僚や政治家が原発固執するのは、それだけ原発には天下り献金などの利権がある、ということなんだろう。どうせ、これからの日本ではそんなカネは長続きしないのだが。税金と電気代にたかる害虫どもにはホント、呆れてしまう。
だが、諦めたら311の前と同じだ。とにもかくにも自分の声を挙げて、NOと言い続けるしかない。昨日も函館市大間原発建設差し止めの提訴があったし、とにかく原発を止める時間が長くなればなるほど原発ムラの力が弱まるのは間違いないのだから。
                                              
いつも書いている通り、ボクは原発即全廃みたいな議論は『そんな極論で大丈夫かよ』と思わないでもない。即全廃って言っている人の多くは具体的道筋をマトモに考えてないだろうって思うからだ。悪いけどボクはそんなに楽観的にはなれない。でもベントフィルターも設置せず、原発周辺30キロのまともな避難計画も作らないまま再稼働をするのは、誰がどう考えてもおかしい。ボクはヒステリックな絶叫はしたくないし、自分が絶対的に正しいとも思ってはいない。だけど、納得できないことには声を挙げ続けるつもりだ。
                                       
それにしても今日の雨上がり、美しい春の夜だった。ずっと国会前へ通ってたけど、こんな空は初めてでした。
●国会前の桜

●プラカードと美しい春の月夜