特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

日本のバート・ランカスターとリチャード・クー先生、そして★0131 再稼働反対!首相官邸前抗議!

 しかし、菅原文太と言う人は格好良い人です。
 ボクはヤクザ映画もトラック野郎映画も見たことありませんが、時折 教育テレビで地方で地道に頑張る人たちをルポする彼の姿はなんとも深みがあって『渋い!』と思っていました。
 今朝の朝日朝刊でのインタビューによると、70過ぎてガンを患ってから『こんなバカじゃいかん』と思って勉強を始めたそう。今の彼はまるで日本のバート・ランカスターのようにすら見える。バート・ランカスターはタフガイを演じつつ、ずっと反戦主義者だったアメリカの名優。

 今日 菅原文太氏は瀬戸内寂聴氏などと一緒に、都知事選で細川を支援する記者会見をわざわざ開いたそうです。午後には選挙カーにも乗ったという。前回の選挙では宇都宮氏を応援していたはずだ。そう、彼は今回の選挙の意味を良くわかっています。

                                                                                                 
 今 大事なのは小異を捨て大同につくこと。つまり舛添を落選させて 安倍に異議申し立てをすることだ。

 宇都宮を応援する人の中には『細川と宇都宮を併せた票数が大事』とか言ってる輩もいるが、そういうのはかっての日本軍と同じ、頭の悪い精神論です。自民党は従来の選挙から殆ど得票を増やしていないのに、こんなに議席が増えてしまったのをどう考えるのか選挙は勝たなくては意味がない。

 小泉の過去の悪行、TPPの問題、色々言いたいことがある人はいるでしょう。ダンス規制はま、いい(笑)。だが名護で稲嶺氏が勝ったのは保守票をも取り込んだからだということを東京の人間はしっかり学ばなくちゃ。

小さなことに拘って大事なことを見失ってはならない。菅原文太氏を始め、今日記者会見をした人たちは皆 そういう気持ちなのでしょう。ボクもまったく同じ気持ち。宇都宮氏を推薦している緑の党の候補者でも大野たくおという人のように公然と細川を支援する人が出てきている。
大野拓夫 takuo ohno (@takuo0811) / Twitter

 この前 見に行った細川・小泉の街頭演説、集まった人の中からは『頑張って〜』という声や大きな拍手が挙がっていました。普通の街頭演説でそういうのはあまり見たことがないです。
デモや官邸前に行かなくても原発を止めたいと思っている人が大勢いることを改めて実感しました。幸い 今回の都知事選の期日前投票投票率は好調で、前回の10倍、前々回も60%も上回っているらしい。目の前に世の中を変えるチャンスが広がっています。今 それを掴み取らないでどうする?
期日前投票の進捗
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140127/k10014801461000.html

 今回の選挙で大事なのは投票率、そして、勝ち目がある候補、マシな候補に一本化して投票すること。
とにかく選挙に行こう。
投票率注視 50%台後半が分岐点:名護なんか投票率76%もあったんだぞ。
http://www.47news.jp/47topics/e/249897.php



                                                                  
 今週はエコノミストリチャード・クーの講演を聞いてきました。
 貴重と言えば貴重なので、情報提供として少し内容を書きます。この人はアメリカの連邦準備銀行FRB)に居た人。今はシンクタンク野村総研に在籍して論文を書く他は、野村グループのVIP客などに講演をやっている。野村は囲い込んで出し惜しみしているんじゃないか、とボクはうがった見方をしています(笑)。

 彼は一時期 TVなどにも良く出演していたが、今は殆ど姿を見ません。その理由は、『小泉に反対しすぎてTVに出られなくなったから』だそうだ(本人の弁)。
                                                                                                     
 小泉改革郵政民営化財政再建のための緊縮財政がメインでした。クー氏は『日本経済はバブル崩壊で民間が投資より借金返済を優先する「バランスシート不況」に陥っている現時点で緊縮財政や郵政民営化などをやっても効果がないばかりか、日本を更に不況にするだけで全く無意味だ』という論陣をたった一人で張っていました。その姿勢が各方面から疎まれたそうです。

結果としては彼が正しかった。多くの企業が投資より借金を返すことを優先した結果、今や上場企業の半分以上が無借金、そしてデフレは続いています。
 バランスシート不況という彼の概念は、リーマンショックなどでバランスシート不況に陥ったアメリカやEUに広まって、昨年は米議会でも証言を求められるほどになっています。また彼が麻生の智恵袋として、不況を下支えするためにエコポイントなどで財政出動をさせたのも、ある程度効果はあったと認識しています。TVのエコポイントは日本のメーカーが他国のメーカーにやられて壊滅するという違う意味での副作用もあったのでトータルとしては失敗かもしれませんが(笑)。
                                                                     
 彼の話のテーマは『アベノミクスと世界経済』。アベノミクスについては、こんな感じだった。
第1の矢の金融緩和は当初の狙いの資金を流通させる効果は全くなかったが、日本の実態を知らない外国人投資家を誤解させて株価を上昇させる効果はあった』、
第2の矢の財政出動、第3の矢の構造改革は投資機会を増やすという点では方向は間違ってないが、実際に実行できるかが問題。』、
金融緩和は将来大きな副作用を引き起こすのではないか。長期金利の暴騰を引き起こし、経済の成長を抑えてしまう可能性がある。』

 一方 世界経済のほうはEUとアメリカは日本と同じバランスシート不況に陥っており脱却には時間がかかる。中国はこれから日本と同じように人口減少が始まるので、先進国になるための時間はあまり残されていない、日本と同様、領土がどうのとかバカなことをやっている時間はない、という話だった。
                                                                        
 構造改革に関すること以外はほぼ、同感。富の再配分のことは触れなかったけれど、エコノミストがそういうことに興味がないのはある意味 仕方ない。このまま行けば 将来大きなツケが回ってくるでしょう
 クー氏が言っているように金利の高騰による経済成長の鈍化だけでなく、格差拡大による需要の縮小と社会の不安定化、それに年金生活者の貯金取り崩しが進むと国債の買い手が減って、国の財政破綻だって可能性があります。

 アベノミクスとか言って浮かれている場合ではない。所詮は『強欲資本主義』。このまま行くと日本の前途はなかなか厳しいものがあると思うのですが。
日刊ゲンダイの細川のインタビュー『強欲資本主義では国が滅亡する』
http://gendai.net/articles/view/news/147619
http://gendai.net/articles/view/news/147618


                                               
 ということで、今週も官邸前へ
★0131 再稼働反対!首相官邸前抗議! | 首都圏反原発連合

 今日の温度は10度くらい。いつもより暖かいけれど、立ち止まってると風はちょっと寒い。今日の参加者は官邸前800人くらい、国会前1200人くらい、ファミリーエリア300人くらい、併せて2300人くらいだろうか(主催者発表3000人)。いつもは官邸前でひとしきり怒りを発散させたあと(笑)、国会前&ファミリーエリアへ回るのだが、今日は最初から国会前へ。というのは選挙前でスピーチは面白いかなと思ったので。
●国会前風景

 最初にマイクを持ったのは福島瑞穂。選挙のことを何も言わないからどうしてかなと思ったら、よく考えたら公選法の問題なんだな。安倍が原発を止められないと言ったことなど国会のことを中心に話す。
 そのあとは共産党の吉良よしこと笠井亮の両議員。笠井議員はオレンジのコートで独特の服装のセンスは健在だ(笑)。話はみずほと同じような感じ。3月のNO NUKES週間の成功を訴える。いつも思うんだけど集会とかの成功って何?(笑)。そのあとは元社民、元未来、現在は無所属で脱原発議連事務局長の阿部知子議員。社民に一言嫌味を言うのを忘れず満場の笑いを取っていた。

 そのあと登壇したのは宇都宮氏。原発を止めることだけでなく、フクシマの避難民の支援と被爆防止について述べた後、選挙がダメでも一弁護士としてこれからも反原発運動にかかわっていきたい と述べる。なかなか感動的な良いスピーチだったが、彼のスピーチが終わるころを見計らって彼の選挙カーが通ったのはあまりにもミエミエで少し白けた。案外、この人えげつないのかも。
●順に福島瑞穂氏、吉良よし子+笠井亮阿部知子

●宇都宮氏


                        
 そのあとは細川と小泉。と言っても彼らは登壇せず、細川が肉声で呼びかける。
 壇上に登ってマイクを取るのは選挙違反で告発される恐れがあるので、このようなかたちにしたい、とのことだった。それはそれでいいんだけど、元々声が小さい男なので、声は全く聞こえない。さすがに会場から不満の声も挙がる。
 反原連の兄ちゃんが『一生懸命話しているんだから、静かにしろ』と怒鳴る。最後は思い切り声を張って、『再稼働は反対。原発は即時ゼロ。私の想いをくみ取っていただきたいと思います』と述べる。それを引き取って反原連側が『お話はあとでyou streamなどで確認してください。細川さんは原発即時ゼロを訴えていました』とフォローする。

 段取りが悪いというか、これじゃ、なんで来たんだろうという気もしないでもない。だが段取りが悪くとも、彼が自分の意志を伝えるためにわざわざやって来たのはよくわかった(写真参照)。だから彼が去った後 会場から上がる拍手は細川のほうが宇都宮氏より大きかったのも事実。それにしても、あの小泉が官邸前へ来ることがあろうとは。
●細川、小泉(白髪のおっさん)

●細川のスピーチ風景。人並みで全然姿が見えない。肉声が聞こえない。反原連の人が口に手を当てて『静かにしろポーズ』をしているのに注目。


                                   
 それをひきとって壇上に登り、マイクをとったのは湯川れい子氏。彼女は細川を支援している。
 『前回の選挙では私は宇都宮さんを支持していました』と述べたあと、『でも、今回の選挙で舛添さんが当選したらどうするんですか?田母神さんが当選してしまったらどうするんですか?』と懸命に呼びかける。そうなんだよ。そういうことなんだよ。

 続いて、湯川氏が細川佳代子氏を紹介して壇上にあげる。いかにも品の良い老婦人だ。『政界を引退して以降 大変楽しい暮らしをしてまいりました。だけど311を体験して元総理大臣として原発を推進してしまった責任を非常に感じるようになったのでございます。』

湯川れい子氏、細川佳代子氏


                                             
 そのあと同じく都知事選に立候補している中核派の弁護士が登壇するようだったので、さっさと国会前を離れて(笑)、官邸前へ回りひとしきり声を挙げてきた。人の話を聞いてるより、自分で声を出さないと来た気がしないよ。
●官邸前


 とにかく都民の人は選挙へ行こう!そして自分の一票が死に票にならないよう、よりマシな候補へ投票するしかない。候補者が一本化できないなら、我々が投票で一本化すればいいじゃないか!