特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

Occupy My Heart:『1.11 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議』

今週は北海道へ行ってきた。新千歳空港へ着いた際の飛行機のアナウンスは『本日は少し温度が上がりまして、外の気温はマイナス16度になりました』だって(笑)。札幌市中央部まで行ったら温度はマイナス五度くらいだった。現地の人に冗談交じりに『冷蔵庫要らないんじゃないですか?』とたずねたら、『食べ物が凍らないよう暖めるために冷蔵庫が必要なんだ』という答えが返ってきた。なるほど〜(笑)。
東京では、『北海道は原発が止まっていることで厳しい節電要請が出ている』というニュースが流れていたが、札幌駅の長大な地下道の柱ごとについているLED広告もお店のイルミネーションもつきっぱなし、良いか悪いかは別にして、現地では節電なんて話は全然聞かなかった。いつもながら、東京のマスコミの話とはずいぶん違うなと思った。
               
                             
原発改憲も安倍は夏の選挙前までは本性を見せないだろう。だが原発の新規建設だの、海外の核ゴミを引き受けての再処理継続だの、断片的に聞こえてくる話はやっぱり怪しい(笑)。だが原子力ムラ関係者以外にも、消極的にしろ、積極的にしろ、そういう話を支持している人種は結構居るのだと思う。安倍の支持層は世代的には20代後半から30代前半のいわゆるロスジェネ世代に多いという話もあるが、どうなんだろうか。

ボクは自分の意見を言わないのは無責任だと思うから、はっきり自分の意見は言う主義だけど、他人の意見を変えようとは全く思っていない。(ナイーヴすぎるかもしれないが)他人を変えることなんかできないし、僭越だと考えるからだ。正直、自分が被害を受けない遠隔地だったら、例えば浜岡や東海村は別だが、東京から遠い敦賀や青森の人が原発乞食になりたいんだったら勝手にやれば〜、という気持ちもないわけではない。自殺したい人は止めるけど、それでも自殺したいならボクには止める権利はないと思うからだ。(その替わり もう一度 原発事故があったら、真っ先に自分たちの身体で責任を取ってね〜、あとボクが払う電気代からは君たちへのばら撒きをするのはお断りだよ〜ていうだけだ。)
選挙以来 原発を進めたい人種は勢いづいているように見えるし、原発を止めたいと言う側は分裂したり、仲間割れしたり、あんまり建設的な方向に行ってないようにも見える。原発に反対している人たちには、少なくとも政治家は『質』の面で問題がある人もいるのかな、と思ったりもする。
そういうことは判っている。判っているけれども、それでもボクは原発NOと言い続けたいんですよ。

                                                
ということで、今日も官邸前へ行ってきた。★0329 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議 | 首都圏反原発連合 謹賀新年、抗議初め(笑)。今日 集まった人は官邸前5000〜6000人くらい、国会前は2000人くらい、併せて8000人強くらい(主催者発表1万3000人)。前回より多かった。寒いのにずいぶん集まったなあと思った。でも、やっぱり寒い(笑)。ずっとプラカードを持ってるから、手がかじかむ。その分 大きな声をだして暖を取る、と(笑)。

官邸前でスピーチを聞いたのは福島みずほ鎌田慧氏(さよなら原発1000万人アクション)、『福島のおんなたち』の人、浜岡の労働者だった息子さんを白血病で亡くしたというお母さん。
福島みずほへの反応はやはり冷ややかだ。彼女が『一緒に頑張りましょう』というのはいいんだけど、ボクの周りからも『社民党に何ができるの?』という声が挙がる。続く鎌田氏は何を言っているか判らない(笑)。ま、話すことが不得意な人は居るから。だが、そのあとマイクを握った『福島のおんなたち』の人が言っていた『男は立場で物事を話すからダメなんです!』には満場の拍手が挙がる。浜岡のお母さんは『原発近くの活断層の話がニュースになっているけれど、みんなピントがずれていませんか?活断層があろうとなかろうと、地震列島の日本に原発があること自体ダメなんです!』と言っていた。確かにそのとおり。恐れ入りました。
要するに政治家の質に問題がある分(笑)、一般市民の力が重要なんだと思った。 *ここで言っている政治家の質とは物事を進める実行力とかマネジメント能力などのテクニカルな話で、志とか良心など人間の質のことではありません。もちろん人間の質はもっと大事です。

経産省

                                                          
●官邸前







                             
●自転車抗議の人たち

                                  
●国会前




                              
                                     
出張中ずっと、ウォール街占拠について語ったノーム・チョムスキーの『アメリカを占拠せよ』という本を読んでいた。

アメリカを占拠せよ! (ちくま新書)

アメリカを占拠せよ! (ちくま新書)

その中に感銘を受けた写真があった。ボストンで占拠に参加している人がこんなことを書いたプラカードを持っていたのだ。
Occupy Your Heart. Another World Is Possible
自分の心を占拠しよう。もう一つの世界をつくることは可能だ

(これはボストンのその写真じゃなくNYのものですが、こういう感じ)                                        

                                             
ボクは、他人がどうあろうと自分は自分ができることをやるだけだと思っているけれど、どうせ世の中を変えることなんかできない、と思っているところもある(正確には『結果はどっちでもいい』っていう感じかな)。だけど一つ大事なことを忘れていた。ウォール街も官邸前も占拠するのは良いけれど、もう一箇所占拠しなきゃいけないところがある。結局 自分の心が問題なのだ。