特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

世界の終わりとマイケル・サンデルとウディ・アレン

今日はマヤ暦の世界最後の日だそうだ。
さあ、今日の12時までに世の中が終わるかどうか(笑)。もし今晩 世界が終わったら選挙の結果はぜんぶチャラじゃないか!ざまあみろ!(笑)

                                                     
この前の選挙での(政党の一般的な支持率を示す)比例区での自民党の得票率は前回と殆ど変わっていないそうだ(前回26%⇒今回27%)。必ずしも自民党を支持した人が増えたわけではない、というのはほっとした(笑)。要するに、投票に行かない人間が増えた結果がああいう体たらくになったわけだ。若者の投票率が低いという話だが、今の若い人はそんなにバカ(敢えて言います)なのかなあ。他人のことはとやかく言いたくないけれど、自分が棄権することに何か意味があるとでも思っているのなら、その無能さ、無責任さには呆れてしまう。

                                             

だが冷静に考えると、未来の党を初めとした原発を止めようとする側の政治家は自民に比べて人材不足であることは間違いない。(半分くらい自民党の分家みたいな)政権をとった民主党ですら組織を動かす能力、マネジメント能力がまるでなかった。政治主導は結構だが、官僚を最初から敵に廻して霞ヶ関に乗り込めば、うまくいかないのは当たり前だ。ボクは何度かちっちゃな会社を立て直したことがあるけれど、会社に乗り込んだ早々 民主党みたいに、従業員に『皆さんがダメだから経営がおかしくなりました。今後は私が主導して行きます。』とか言ったら、会社再建なんかうまくいくはずがない(笑)。みんなが共感できる目標を掲げて、ニコニコ笑いながら、ムチを振るうんだよ(笑)。結果責任は自分がとる覚悟でね。
                                     
ボクは小沢一郎亀井静香もどんどん表へ出てきてもらったら良いと思う。彼らには組織を動かす能力、経験はあるだろう。若い政治家はそこから学べばいい(もちろん若い人でもマネジメントできる人は幾らでも居るが)。来春の期限切れで6万社が倒産の恐れがあるという『金融円滑化法』をごり押しした亀井先生の能力は、たいしたもんだ(法律の賛否は別)。二人とも一般的な人気はないかもしれないが、彼らが出てくると何がまずいのか、具体的に指摘できる人はいないのではないか。 参議院選挙が半年後にある今 優先すべきなのは自民の暴走を抑える勢力を作っていくことだ。

                                                    
そこで、各政党の違いを明らかにしようと思って、マイケル・サンデル風に考え方を分類したマトリクスを作ってみた(笑)。


縦軸は経済に対する考え方横軸は政治に対する考え方。そうやって考えてみると『未来』は、おそらく旧自民党のポジションに近いように思える。(宗教を除けば)公明との違いも良くわからない。 ちなみに日本はもっとも成功した社会主義国家(笑)といわれますけど、ベトナム共産党の『ドイモイ』(市場開放政策)はマジで、かっての自民党がモデルだ、とむこうの政府関係者に聞きました(笑)。
もちろん原発の問題は大きなポイントだ。だが、それだけでは足りない。自民に対抗するには原発を潰して世の中をどういう風にもっていきたいのかを明確にしなければいけないと思う。訴えるポイントをお猿さん誰にでもわかるようにしないと、次も今回の選挙の二の舞になりかねないからだ。
政党だけではない。各自がそれぞれ自分なりに自分はどうしたいかを考えていくことが、他人任せから脱却して自分の人生を取り戻すことに繋がると思うのだが。え、お前は何だって?ボクは、政治的自由を絶対視し、経済の再分配を重視するリバタリアン左派、要するに変わり者です(笑)。

                                                      
選挙がどうだろうと映画は見なくちゃなんない(笑)。新宿でウディ・アレンの新作恋のロンドン狂騒曲

引退した老夫婦とその娘夫婦の物語。老夫婦の夫(アンソニー・ホプキンス)は突如 健康志向に目覚めてジム通いを始めるだけでなく、離婚して若いコールガールと結婚する。妻のほうは相談事を持ちかけた予言者の言いなりになり、オカルト狂いになってしまう。娘夫婦の夫(ジョシュ・ブローリン)は一発屋の小説家で向かいの家の美人学生を口説いている。妻(ナオミ・ワッツ)は画廊のイケメン上司(アントニオ・バンデラス)にふらふらする始末。
                                            
要するに、どうにもならないダメ人間を集めて、お手軽にコメディにした感じ。

その少し前 銀座で見たドキュメンタリー『映画と恋とウディ・アレン』はすご〜く面白かった。彼の半生が興味深かっただけでなく、歳をとって行くにつれて作風が丸くなっていくところが良く描かれていたのだ。
           

                                                  
80年代 絶頂期を迎えたアレンは90年代からスランプに陥る。確かに90年代の作品は凝りに凝った作りは以前と全然変わらないのだが、息が詰まるような感じがして、確かにあんまり面白くなかった。共産党ステートメントみたいな硬直した感じですよ(笑)。それが、彼がヨーロッパに活躍の舞台を移すと途端に面白くなった。良い意味で適当というか、いい加減というか、風通しが良くなったのだ。中年男に愛人二人(ペネロペ・クルスに、スカーレット・ヨハンソンだ!)の三角関係を描きながら、愛人二人がレズになってしまうというオチの『それでも恋するバルセロナ』や、都合良く昔のパリへタイムスリップする今夏の『ミッドナイト・イン・パリ』なんかはその典型だろう。

今回もそれと同じ系統。悪く言うと、ただ適当に作ったという感じ。質は高いし、面白くもあるんだけど、本当に適当すぎて、気持ち的には作ってる側が図に乗ってる感じがして(笑)、あんまり好きじゃない。
それにしても歳をとるにつれて、ウディ・アレンは人間の描き方が『えっち』(笑)になってきた。前作までのスカーレット・ヨハンソンエイドリアン・ブロディ、今作のナオミ・ワッツアントニオ・バンデラスもそう。画面の中の男も女も色気たっぷりだし、女性は眩いばかりに美しい。
●やたらと色気があるアントニオ・バンデラス(恋のロンドン狂騒曲)

スカーレット・ヨハンソンナオミ・ワッツと。うらやましい(笑)(映画と恋とウディ・アレン

●ダイアン・キートン、個人的に好きなんですよ(笑)。彼女は別れたアレンのことを悪く言ってなかった。(映画と恋とウディ・アレン

エリック・ロメールもそうだったが、こういうえっちな爺さんは絶対 長生きすると思う(笑)。 これも目標だよなあ(笑)。