特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

大事なことは『何が大事なことか』、ってこと(笑):★7.13緊急!大飯原発3号機を停止せよ!首相官邸前抗議

木曜日にはちゃぁんと翌日の夕飯用の肉じゃがを煮込んでおいた。メインのおかずにできるよう肉を多めにいれて、だ(笑)。それで準備万端、今日も官邸前へ。★7.13緊急!大飯原発3号機を停止せよ!首相官邸前抗議 | 首都圏反原発連合
●お祭りみたい(笑)。                       

                                           
今日は先週以上に警官が一杯、しかも官邸前に続く歩道を徹底的に封鎖している。デモの参加者は必然的に遠回りさせられる。ボクは地下鉄で2駅分は歩いた。全体像を見るために先頭の官邸前から列の最後尾へ、というのがボクの参加パターンだったのだが、ところどころで警察官が大げさにスクラム組んで封鎖しているから、全体を歩きまわることが出来なかった。官邸前には機動隊も投入されていたそうだ。ボクは国会議事堂前あたりをうろちょろしていたのだが、参加者は先週より少なく、きっと5万人くらいなんだろうか。それでも、もの凄い人数だ。しかも普通の人が大多数。3・11前なら考えられないことだろう。
金曜日のデモは今や、全国に広がっているそうだ大事なことは、デモに来ている人もそうでない人も、多くの人が考え方を変えているってことだ。もう、もとには戻らないよ(笑)それだけは確かなことだ。                                      
●国会前で

                                              
●機動隊の車両の脇で

                                                 
●車椅子の人も

                                            
●夜になっても

                                          
                                             
さて、国家戦略室がパブリックコメント募集中の『エネルギー・環境に関する選択肢』を見ていて、多くの人が『インチキ臭い』(笑)と思ったのではないだろうか。物事を考える前提となる2030年の経済状況やエネルギー需要が全く触れられていなかったり、(原発の新設や核燃料サイクルを続ける)原発15%のシナリオへの誘導がわざとらしかったりするからだ。
この2、3日、国家戦略室のホームページにある『重要文書・データ』に目を通していた。http://www.sentakushi.go.jp/database/どんなことでもそうだが資料の原本、元データは自分の目で確認したい、からだ。
                                      

会議に出された重要そうな書類や、終盤の議事録は一応 読んでみた。特に面白かったのは『総合資源エネルギー調査会基本問題委員会』というところが作った『選択肢の原案』。http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/27th/27-1-2.pdf


90ページくらいある資料を読んで感じたことは、やっぱ官僚はバカじゃないってこと(笑)。●村総研や○菱総研に作らせたのかもしれないが、エネルギー需要や経済規模など重要そうなことは網羅的に積み上げているし、一部は賛否両論を併記するなど比較的公平に見える(笑)表記になっている。
                                      
将来のエネルギーについて、ボクはこう思っている。
1.今後 日本は労働人口の減少につれて名目経済は縮小する景気について知っている2,3の事柄 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)
2.為替&人件費高で(電力事情に関係なく)製造業の海外移転はどんどん進む
3.おまけに技術進歩で省エネがどんどん進む。
                                             
つまり将来の日本のエネルギー需要は現在より減っていくに決まっている。だから今だって原発なしで大丈夫かもしれないのに、今後はエネルギー需要は減少していくのだから、将来は原発なんかなくたって何の問題もない と深く深く、確信している(笑)。つーか、当たり前じゃん。

                                         
資料を見ると『慎重案』という形で、上記の考え方、『労働人口減で経済がほぼ横ばいになる』試算も作っていた。それに基づけば、2030年の日本の発電電力量は2010年比で3割減になる。これなら原発なしでも全然OKだ。ただ、官僚がその試算を取り上げなかっただけだ(笑)。

結局 採択されたシナリオでは2030年にかけて日本は緩やかに成長し、エネルギー需要も増えることを前提にしている。そのため厳しい省エネを行って電力需要を2010年比で1割減にする、ということになっている。成長の夢から覚める気はないぞ(笑)、ってわけだ。
委員会には高木仁三郎氏が作った原子力資料情報室の伴氏なども居るし、議事録を見るとがんばって抗議とかしているけど、技術的なことから経済、労働力に至るまで網羅的な対案を作るにはカネも暇もかかるから、市井の人では無理だ。そうなると、やっぱり事務局(官僚)に引きずられてしまうのだろう。

                                  
ただ、もうひとつ大きなポイントがある。前提が変ってしまえば、いくら精密に作った予測とかシナリオでも全然役に立たない(笑)ということだ。2030年までの間にもう一回 大地震が起きたり、中東とかで戦争が起きたりしたら話は全然変ってくる(ありそうじゃん)。
                                    

昨年ドイツが脱原発を決めたのは『倫理』に基づいて、だという。技術やデータ、経済予測だけではないらしい。
(判断の決め手となった)『より安全なエネルギー供給に関する倫理委員会』には元環境相やドイツ研究振興協会の会長、カトリック司祭、財界人、消費者団体など17人の委員がいたが、原子力の研究者は1人もいなかった。どのようなエネルギー政策を求めるかは、社会、消費者が決めるべきとの考えからだ。 asahi.com(朝日新聞社): なぜドイツは原発を止められたのか - ポスト3.11の日本と世界 - 朝日地球環境フォーラム2011 - 環境
いわば『哲学者や社会学者が原発を止めた』ことになる。 社会学者や哲学者が原子力に終止符を打った:日経ビジネスオンライン
                                               

ボクはこれは正しい、と思う。勿論 専門家が作ったコストとかリスクとか最低限の基礎資料は否定しない。それは必要。だけど 一番大事なことは倫理、自分が何を大事だと思うかと言う『価値観』だ。 ビジネスでも、いくら専門的な問題でも経理やシステム、原子力の専門家(笑)に重要な判断を任すような会社だったら、あっというまに潰れてしまうだろう(ex.東電)(笑)。
                                            
倫理とか価値観の問題はその人の社会的地位とか年齢とか性別は関係ない。子どもや犬にマジで教えられたりする。また予測が多少外れようが、カネの計算が多少違っていようが(笑)、ぶれるものではない。だからこそ,物事の本質に迫る判断ができる

 将来 自分はどういう社会に暮らしたいか、
 どういう世界をあとに続く人や犬たちに残したいか。

そういうことを考えながら、パブリックコメントを考えようとボクは思っています。(なお締め切りは8月12日に延長されたそうです)。

                                                 

*ちなみにこの『パブリックコメント』という制度はアメリカの圧力(年次改革要望書)で行われるようになった、とぼくは理解しています(笑)。

パブリックコメントの活用を日本政府に要求するアメリカの年次改革要望書(97年版、27ページ) >http://aboutusa.japan.usembassy.gov/pdfs/wwwf-deregulation-j-1997.pdf