特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

ただ振り返るだけでなく:映画『サニー永遠の仲間たち』+国家戦略室のパブコメ募集

俳優のアーネスト・ボーグナイン氏(95歳)が亡くなった。第一報を知ったときはまだ生きてたのかと(笑)意外に思ったけど、大変残念だ。この個性が溢れる悪相を見て欲しい(笑)。まさに男の中の男〜って感じだ。
●笑っていてもマジ、顔が怖い

この人はボクの大好きなロバート・アルドリッチ作品に良く出ていたんだけど、特に『北国の帝王』の鬼車掌役は絶対に忘れられない。

この人やリー・マーヴィンみたいな人は殺しても死なないと思ってた。合掌。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120709-00000000-jij_afp-ent

                                                              
ロングランが続いている韓国映画サニー永遠の仲間たち』。お金の勉強|不動産投資の基礎知識ずっとスルーしてきたが、評判が良いので新宿へ足を運んでみた。封切から2ヶ月が経とうとしているのに劇場は満員。観客同士の話を聴いてると何度も見に来ている人も多いようだ。

主人公は40代の主婦。エリートサラリーマンと結婚して、子供にも恵まれ、豊かな生活を送っているが、内心どこか満たされないものを感じている。ある日偶然 末期がんで入院している女子高時代の親友に出くわす。余命2ヶ月の友人から頼まれた主人公は、長い間会っていなかった仲良し7人組『サニー』のメンバー探しを始める。
そんなお話。

友情、難病、過去への回顧、お涙頂戴、ボクの嫌いなものが詰まっている映画だと思っていたが、全然違った(笑)。
お話は、仲間たちを探す現在の主人公の姿と過去の高校時代のエピソードが交錯して進んでいく。高校時代という設定だが日本で言うと中学生みたいなことばかりしている。この子たちがキラキラして、とてもかわいい。80年代という設定のエピソードにはところどころ『タイム・アフター・タイム』(シンディ・ローパー)や映画『ラ・ブーム』(ソフィー・マルソー!)のテーマなど当時の曲がちりばめられる。またナイキのスポーツバッグ(笑)やラジオ番組など当時の風俗も描かれていて郷愁がそそられる。
●高校時代の主人公たち


でも、それだけなら『●丁目の夕日』みたいな金儲け映画と一緒だ、見てないけど(笑)。
『サニー』の舞台は80年代の韓国ということで民主化運動と機動隊の激突が描かれたり、学校では軍隊上がりの先生がいたり、宿題に『反共のキャッチフレーズ』が出たりする時代背景がきちんと描かれる。声高には語らないけれど、当時の韓国の人たちが抱えていた『不自由さ』が明確に判る。  
もう一つ描かれるのは現代の韓国。高級ブランドに囲まれる生活がある一方、貧しさや職探しに苦しんでいる人もいる。また物資的には豊かでも夫や子供のために生きているうちに自分を見失ってしまったり、姑との関係など『家』に苦しんだりする生活はまだ残っている。財閥系企業とそれ以外の格差もひどい。つまり、主人公だけでなく、韓国と言う国が大人になった姿を描いているようにも見える。 見たくないこともきちんと直視し、回顧だけでなく現代の我が身に置き換えて描く姿勢、ボクはこの映画は誠実だと思う。
●25年後の女子校生たち(笑)

                                
この映画のすばらしいところは主人公たちの現在の生き方をきちんと描いているところだ。
いつも笑っていることが出来た高校時代とは違ってしまった現在の生活。主人公たちが友人を捜し求めていく中で、自分自身を見つけていく過程がとても感動的なのだ。
白眉なのは主人公が高校時代にあこがれていた男の子を訪ねていくシーン。歳を取った男の子の柔和な顔(良い顔してる)、また再会を果たした後 過去と現在の主人公が交錯するところは本当にすばらしかった。ボクの完全武装した心の奥底(笑)に土足で入られたのは久しぶりだ。今も書いているうちに涙が出てくる(笑)。
                                                               
韓国の作品特有?の、ベタなギャグはボクは今いち笑えなかったし、勧善懲悪と言うか、カネで万事めでたしみたいなラストシーンには多少違和感はある。また多くの人が泣くであろう友情物語みたいなところはあまり面白くなかった。
                                              
だけどこの映画は完成度が高いだけでなく、感動的なくらい、クリエイティヴで誠実なのだ。
ラストシーンで油断したあとに流れる、主人公が描いたイラストで綴られるエンドロールにはマジで泣かされました。



拡散希望:国家戦略室のパブリックコメント募集(7月31日まで)
国家戦略室のエネルギー・環境会議の『将来の日本のエネルギー政策の選択肢』に対するパブリックコメントの募集が始まっている。2030年の日本のエネルギーを
1.原発ゼロを目指す
2.原発15%を目指す(40年廃炉を忠実に実施した場合、原発の新設あり)、
3.原発20〜25%を目指す(原発の新設、増設あり)
のどれを選ぶか、意見を募集している。役所はシナリオを書いて誘導しようとはするけれど、出されたパブリックコメント自体は無視は出来ないはず。
期限は7月31日今までパブコメなんか出したことはないけれど、ボクは今回は出そうと思っています。自分に出来ることはやるつもり。

日経ビジネスの解説記事
第1回 この夏、エネルギーの「国民的議論」に参加しよう:日経ビジネスオンライン
河野太郎のブログ(高校生のとき会った際の印象が悪いので、この人自体は余り好きじゃない)
http://www.taro.org/2012/07/post-1230.php
●国家戦略室のパブリックコメント募集ページ
<入口のページ>
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive01.html

<各シナリオの解説>
http://www.sentakushi.go.jp/
http://www.sentakushi.go.jp/scenario/

<シナリオ解説(文章版)>
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120629/20120629_1.pdf

パブリックコメントの募集要項>
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf