上野千鶴子の新作『女ぎらい』。
- 作者: 上野千鶴子
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2010/10/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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要は80 年代に上野氏が書いてたことの焼き直しで、『何をいまさら』というのが正直な感想。今頃 吉行淳之助なんて誰が読むんだよ。ここで取り上げられている事象が現存しているのは否定しないが殆どが時代遅れだったり、程度が低すぎて、議論の価値すらないのではないか。例えば最近の事象、赤木智弘や秋葉原のK君の中にある女性差別・蔑視を取り上げて見せるが、そんなもの取り上げてなんになるのか。最初から判りきっている話だ。
物事をひたすら一面的にしか捉えない論考を読んでいると、上野氏こそがまるで囚人のように『ミソジニー』に囚われているように思える。
良くも悪くも先鋭的な議論を期待していたのでガッカリした。最近 発表された表現を述べた部分になると、とたんに内容や文章量が薄くなるからなあ。まあ、この人もそろそろ、賞味期限切れか?団塊世代の女性の怨念がこの本を支配しているって感じかな。
それとある意味対照的なのが昨年 NHKで放送されて一部で話題になったドラマ、『セカンドバージン』
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2011/04/22
- メディア: DVD
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出版社のやり手専務、仕事一筋の独身女性(鈴木京香)が20歳近く若い元エリート官僚の男の子と不倫の恋に落ちる、というお話。
マスコミで話題のベッドシーンはNHKだから当然、大したことない(笑)。
鈴木京香の値段が高そうでコンサバティヴなデザインの割に過剰にエロいファッション(熟女キャバクラ?ってこんな感じか)、さらに夫の不倫で精神のバランスが崩れていく主婦役の深田恭子の怪演、は見物だ。この部分だけはレコーダーを通常速度に落として繰り返し(笑)見ていた。
このドラマで最も面白いのは、この年代の女性の欲望がいかにもそれらしく、あからさまに描かれているところ。本当にそうなのかはボクにはわからないけど。
鈴木京香と恋に落ちる若い男の子は聡明で、金融関連で一旗挙げようとする野心を持っている。年上から見ると『やんちゃ』なんだよね。ドラマでは、金融で日本の社会をどうにかする、みたいな志が描かれていたが、その発想自体がまるで80年代後半のように華やかでバブリー、古臭いのだ(笑)。
だけど その男の子のルックスはあくまでも今風だ。サラサラ髪に細身のシルエット、いかにも自立した年上の女性が好みそうな『頼りなさ』をも醸し出している。
聡明で野心家、やんちゃだけどどこか頼りない、そういう年下の男の子が向こうから、しかも情熱的に、もう恋愛をあきらめかけていた中年の自分に迫ってくる(笑)。あ、二人が最初に結ばれるのはシンガポールの名所ラッフルズ・ホテルね。
滅茶苦茶、都合がいい(笑)。
でもボクが中年女性だったら、思わずあこがれちゃう世界、文字通りのファンタジーだ。ちなみに脚本は大石静という女性。
挙句の果てに結末は、男の子はおっ死んで、残された鈴木京香と深田恭子、女性二人はそれぞれ会社の社長として力強く生きていく、というものだ。中国系マフィアに銃で撃たれた男の子はその場で直ぐ死ぬのかと思ったら、わざわざ病院で鈴木京香に見守られながら弱々しく死んでいく設定になっている。
目茶苦茶 都合がいい
もう、これでもかというくらい徹底していて、笑ってしまう。
要するに中年女性がキャリアもカネも情熱もセックスも、全て手に入れる都合のいいお話だ。ドラマの質としてはもうちょっとなんとかして欲しいが、中年女性の欲望丸出しの(笑)あっけらかんとした表現は見ていて案外 気持ちがよかった。『女ぎらい』のような上野氏の若い頃の恨みつらみの繰り返しや権力主義のバカ男の身勝手な繰言が溢れているよりは遥かにマシだし、バランスがとれて世の中の風通しは多少、良くなるのではないか。
ボクは、もっと女性が世の中に出て行けばいいと思う。
もちろん女性だからって何でも良い訳ではない。政治家ではサッチャーに始まり、小池百合子や蓮舫、女子アナ上がりのわけのわからない参院議員(名前忘れた)などロクでもない例が一杯転がっているし、実業界でも『過労死は(死んだ人自身の)自己管理が出来てないから』と言い放った奥谷禮子(派遣会社 ザ・アールの社長)みたいなのもいる。そういうのは金輪際お断りだ。
先日のNHKクローズアップ現代で、女性が景気を良くするとか言う(笑)『ウーマノミクス』特集とかやってたが、そういう風に女性だから、ということで持ち上げるのは頭悪すぎだし、そんな単純なことで問題が解決するなら何の苦労もない。
だけど、女性だからではなく、能力本意で考えていけば、当然のことながら立派な女性はたくさん居るんじゃないの。今日の日経にも『新卒者の新規採用を成績本位で決めたら8割が女性になる』という企業の採用担当者の話がでていたが、まったく同感だ。ボクが面接してもそうだもの。
要するに資本主義の世界で血道をあげるのは元気で聡明な女性の皆さんにお任せしておけばいいじゃないか。いい大人が、そんなものにムキになってどうするんだ(笑)。
少なくともボクは映画と音楽、読書に、夕食作り、と日々、非常に忙しい。くだらない俗事に関わりあっているヒマはないんだよ。
いや、ほんと。
まして、冬がこんなに寒かったら、布団から出るだけで精一杯だよ(笑)。