特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

デブの大暴れとオリンピック(に共通するもの)

渋谷でテネイシャスD。tenaciousdトイレつまり
最近はラブ・ロマンスからアニメまでやたらと出まくっているジャック・ブラック。でもこの人の本性はわかってる。自分が90年代からやっていると言うメタル・フォークデュオ(笑)を描いた今回は、テーマと言い、ストーリーと言い、ジャック・ブラックの本音が見事に現れた映画だろう。とにかくデブで、バカで、下品。ハゲで、エロで、弱気で、もてない男たちの物語だ。要するにだめなんだ。
冒頭からいきなり、観客をドツボに放り込むミュージカル仕立ての展開は見事としか言いようがない。泣いてたデブの子供がたちまち大人のデブになり、半ズボン姿でギターを弾きまくる。’F××K’とか’C○○K’とかシャウトしてるデブを見てると、お前ら幾つなんだ、と思うんだけど、一生このまんまなんだろうな。それがロックなんだよ。それに露骨になり過ぎないところもいい。下品なんだけど下品じゃない、実は『品格』溢れる映画だ。例えば、尻のタトゥーを見せるためにパンツを脱いでも、尻の穴までは見せない(笑)。そういうところが大事なんだよ。巷に溢れる自分で品格がどうのこうの言ってる馬鹿より、遥かに上品じゃないか。ここでは『恥ずかしさ』という言葉が生きているのだから。                                       また元祖ロック・デブ、ミート・ローフが親父役で出てたのも嬉しい。こういう愛情溢れるリスペクト、それを教養と呼ぶのだとおもう。リスペクトと言えば、この映画にはティム・ロビンスも出てたみたいだが判らなかった。                                     この映画で描かれている、「軟弱な文科系デブが、意義も意味もなく、しかもメタルをBGMに、ヤケクソになって暴れてる」という『訳の判らなさ』は、資本主義が行くつく先の一つではないだろうか。

やっとオリンピック中継が終わってくれた。                  オリンピックどころか、スポーツ中継自体全く興味がないし、とにかく期間中うるさくてかなわなかった。収穫はせいぜい、金メダルしかいらない、とか大口叩いてた星野バカ野球(ジャック・ブラックとは馬鹿の種類が違う)、これまた偉そうな、ニックネームと現物がビタ一文似てない某柔道選手が共にあっさり負けてくれたのが嬉しかったくらいか。負けてくれてありがとう。でも往生際がわるいというか、どちらももう一度とか言ってるみたいだが。とにかくキモいとしかいい様がない。このまま消えてくれ。
 ただチャン・イーモウがプロデュースしたという開会式だけは見てしまった。前回のトリノ・オリンピックの開会式では、テーマソングを歌ったクラウディオ・バリオーニが日本のTV中継でも写ったらしい、ので多少は反省したからだ。
 今回の北京の開会式は、中国らしい鮮やかな色彩とスケール感が感じられる素晴らしい演出だった。まず今、日本であれだけのことが出来る、センスのある奴が居るのかね。北野武ソナチネでは天才だと思ったが、構成力と言うか、種類がちょっと違うよな。口パクだのやらせだの、どうのこうの言ってる馬鹿もいるが、口パクで何が悪い。それなら日本のアイドル歌手はどうなんだよ。それどころか、ストーンズだってマドンナだって、ステージでは事前に作ったテープも使ってるだろ。それで文句言ってる奴なんか いまどき世界中のどこに居るんだよ。まあ、 頭が悪い奴が多くて困るわ。
 あと選手が入場する際にグラウンドに並んでたミニスカートのお姉さんたち。世の中にはきれいなお姉さんがたくさん居るものだ、と感心して見とれてしまった。選手が入場する間 1時間近く お姉さんたちがずっとやってた、リズムに乗ってるんだか乗ってないんだかよくわからない、所在無げなダンスもよかった。
 一つだけ残念だったのは事前に一部の新聞が報じていた、開会式で聖火台に点火するのはパンダらしい、という噂http://mainichi.jp/select/today/news/20080808k0000e050071000c.htmlが、ガセだったこと(笑)。日本以上に資本主義の、中国なら本当にやってくれるかもしれないと、実は期待していた(笑)。ヤケクソというか、そこまで、訳がわからなければ、グローバリズムの祝祭としては完璧だったのに。