特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『フリーダム・ブレンド』と『アベノミクスが日本を滅ぼす』

 大寒とはいえ、今週の寒さには参りました。
 昔はもっと寒かったとは思いますが、今週の東京の最低気温、マイナス3度でも死の危険すら感じます(笑)。我ながら人間の感覚なんて相対的、いい加減なものです。夜明け直後の富士山も寒々としています。

 この前 赤坂で入った店で珍しや、モルドバのワインが出てきました。
 お店の人が『以前は普通のラベルだったが、年末に輸入したらワインのラベルがウクライナカラーに変わってた』と言ってました。題して『フリーダム・ブレンド』(笑)。

 

 ワイン自体は手ごろだし、ジューシーでかなり美味しかったんですが(笑)、旧ソ連モルドバの人もウクライナへの同情は大きいんだな、と改めて思いました。明日は我が身、だからです。

 ロシアの侵攻当初から、和田春樹や想田和弘のようなバカ左翼は『ウクライナはさっさと降伏しろ』と言ってます。
 軍事力に圧倒的な差があるならさっさと降伏、という選択肢はありますが、現実に占領地の住民を虐殺したり、1万人以上の子供をウクライナから拉致しているプーチンに降伏しても生命が保証される可能性は、どこにもありません。アホか( ´艸`)。

 プーチンのような独裁者が味を占めて武力侵攻が繰り返されるリスクもある。ヒトラーのズデーデン進駐や大日本帝国仏印進駐が良い例です。
 和田や想田のような左巻きは新たな侵略戦争を引き起こそうとしている、とさえ言える。

●武力侵略の推進を主張する左巻きの望月衣塑子


 水曜日の日経の1面。『日米同盟に関する質問で日本が果たすべき役割を「増やすべきだ」(49%)との回答が「増やすべきではない」(46%)を初めて上回った。』という世論調査の結果が載っていました。
www.nikkei.com

 日米同盟で日本の役割を拡大、というのが、具体的には何を意味しているのか、ボクには判りません。
 しかし日本への武力による脅威の高まりは多くの人が感じていると思います。具体策がない癖に外交で、とか、非武装や非同盟とか60年代の発想から未だに抜けられない頭がお花畑の人ではない限りは、誰だってそう思うでしょう。
 
中国を「脅威と感じる」人は89%で21年の90%から高止まりしている。北朝鮮は4ポイント上昇し87%だった。今回から質問対象に追加したロシアは90%に達した。
 
 脅威を感じているのは野党の支持者でも同じです。

一方 他国から攻撃される不安を「感じる」は立民支持層でも81%に上った。

 実際 ニューズウィークによると、ウクライナ侵攻前、ロシアは日本への局地的な侵攻も準備していたそうです。

www.newsweekjapan.jp

 真偽は判りませんけど、ウクライナ侵攻と言う現実の前には、荒唐無稽なホラ話と言い切ることはできないでしょう。専制的な政府が人気取りのために他国へ武力でちょっかいを出すことがあるのは洋の東西を問わずあり得る話です。

 まして台湾有事の可能性もささやかれている時代です。例えば元朝日の中国特派員の峯村は今週の日経ビジネスでこう言っています。


無血で台湾統一を実現する秘策!? 海底ケーブル切断で情報封鎖も (2ページ目):日経ビジネス電子版

 峯村は安倍の代弁者として他社に圧力をかけて停職になるなど、いかにも朝日らしく権威に弱い癖に傲慢な、問題のある記者ですが、これは一理あると思いました。習近平だけがなぜ3期もトップを続けられるのか、ある程度の理由になっているからです。

 中国もアメリカも全面戦争なんてしないでしょうし、日本やアメリカ、台湾から中国に攻撃を仕掛けるはずがありません。しかし局地紛争で済むと判断すれば習近平が仕掛けてくる可能性は十二分にある。南シナ海という前科があります。
 事実として今 日本が難しい立場に置かれていることは間違いありません。

 武力紛争を避ける、外交で解決する、なんて当たり前です。バカでも判る
 問題なのはその具体的な方法論です。軍拡に反対する、と言っても、共産党社民党、それに左巻きの連中には平和を守るための具体的な方法論がない(笑)。平和を守れ、と言ってるくせにね(笑)
●バカの典型。『平和のための準備』もない癖に平和を唱える。常に独りよがり。勿論、加藤周一には罪はありません(笑)。

 それでは国民の支持が得られないのは当たり前です。共産党社民党、それに左巻きの市民は自分たちの主張ばかりに固執して、一般の人々のことを考えていない
 結果的に連中は自民党独裁政権をアシストしてるいつも反対だけで政権を取る気なんかなかった旧社会党時代からの伝統か(笑)。
 岸田の増税に反対する人は多くても、軍備強化への反対が盛り上がらないのには理由がある


 敵基地攻撃用ミサイルなんか持っても仕方がない、とはボクも思いますが、対空・対艦ミサイルなど抵抗するための武力を整備しておかなければ習近平が武器を使う可能性は高まるのも事実。南西諸島の人の避難方法だって考えておかなければならないでしょう。何も準備していないというのはあり得ない。
www.nikkei.com


 日米欧で外交と武力で連携して抑止力を強化する。中国が武力で暴発するのを抑止する手段はボクは他に思いつきません。どの程度の軍備が必要かは議論しなくちゃいけませんが、丸腰はあり得ないし、アメリカと縁を切るのも有り得ない。日米同盟だって仕方ないでしょ。現実に日本は他に味方がいないんだから(笑)。

 勿論 それとは別に、もし台湾の人が自ら望んで、もしくは洗脳されて(笑)、平和的手段で中国と併合されるのだったら、それはそれで仕方がない。それは別の話です。
 とにかく武力紛争を避けるためにはどうするか、与党も野党も真剣に議論して欲しいものです。

●自民幹事長の茂木が自分たちが導入した『児童手当への所得制限を撤廃すべき』と国会で述べました。やっと判ったか。無駄遣いだのバラマキだの尻馬に乗ったマスコミも国民も反省しろ。


 さて、今週 この写真がネットで話題になってました。住宅情報誌が、最近売り出された新築マンションの東京の市区ごとに70平方メートル換算の平均価格を表示したものです。ツイートをクリックすると大きくなります。


東京は怖い街だ 異次元のマンション相場に震えるTwitter民 「メーカー勤務者はもう東京なんて住めないからな」|まいどなニュース

 千代田区(16781万円)を筆頭に、渋谷区、港区、目黒区、文京区、品川区、新宿区は新築マンションの平均価格が1億円オーバーと、この7つの区では億ションは当たり前になっています。

 アベノミクスの金融緩和では給料は上がりませんでしたが、不動産、特にマンションの価格は上昇しました金利を極端に下げたからです。昨年末の価格は2010年の1.8倍になっています。

 
www.ncn-se.co.jp

 昨日の朝日新聞によると、今や首都圏(東京、千葉、神奈川、埼玉)の新築マンションの平均価格は6288万円。

 23区だと8449万円(笑)。
 

www.tokyo-np.co.jp

 中古も酷い。2022年の都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の中古マンションの平均価格は9800万円。23区全体でも6842万円。


www.nikkei.com

 冒頭の記事にあるように、普通の人が東京で家を買うのは至難になりつつあります
 外資系の金融やコンサルなどの超高給取り、もしくはペアローンが組める正社員共働きの夫婦でなければ、なかなか手が出る価格ではない。特に若い人は買えませんよね。

 リクルートによると21年に首都圏で新築マンションを契約した人の平均世帯年収は1019万円だそうです。ちなみに年収1000万の人は全体の5%程度(嘆息)。

「東京都心の物件を物色する富裕層と、東京を離れていく中間層の二極化が強まる」
www.nikkei.com

 こんなの『異常』としか言いようがない。こんな社会がマトモである筈がない。


 日本の安全保障上 最大の脅威は少子化です。でも家すらなければ、子供なんか作ろうと思わないですよね。

 少子化の原因の一つはアベノミクス、です。アベノミクスの金融緩和は給料増ではなく、マンションなどの高騰を引き起こした。日本を取り戻すどころか(笑)、日本を滅ぼしつつあるのはアベノミクス、です。
 それに対する反省すら、未だに聞こえてこないのだから、日本の前途はかなり暗い、と思わざるを得ません。
 
 

映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』

 大寒も過ぎて、明日から今期最強の寒気がやってくるそうじゃないですか。そういわれると何となく怖い(笑)。
 華やかな夜景を見ても寒々と感じます。

 

 今日 ANNの世論調査では岸田内閣の支持率が過去最低を更新しました。

news.yahoo.co.jp

 国民に説明もしないで勝手に防衛費を上げるわ、原発は動かすわじゃ、支持率は下がって当然、いくら野党も酷いとは言え、今の内閣を支持する方がどうかしていると思います。

 国会が始まるようですが、野党は『内閣をチェックする』その1点に絞って、国会審議を進めて欲しい。それと比べれば、どこの政党がどこと組むとか、どうでもいい。
●ジャーナリストの尾中氏が真っ当なことを書いています。枝野氏もリツイート

 どうせ弱小政党ばかりだし、野党の政策だって画期的な物はないんですから、政策の違いで仲たがいしている場合ではない(笑)。今の日本にとって最も必要なのは憲法守れとかミサイルがどうとか、そんな話じゃない。政府へのチェック機能です。

 自民党も酷いけど、国民の側もない物ねだりは止めて、少しでも現状をマシにしていくことを考えた方がいい。今の日本にそんな余裕ないよ。


 と、いうことで、六本木で映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け

 2016年、ニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン)は大統領選に立候補したトランプのセクハラ・暴行を調査、記事にするが、それでもトランプは大統領に当選してしまう。失意のミーガンはもう一人の記者、ジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)と共に有名映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが数十年にわたり性的暴行を重ねていたという情報を追及することになる。被害女性たちは多額の示談金で口を封じられ、報復を恐れて声を上げることができずにいた。記者たちは、さまざまな妨害行為に遭いながらも真実を求めて奔走する。
shesaid-sononawoabake.jp


 
 超有名映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの長期にわたる性的暴行を告発した記者たちによる回顧録を映画化。この事件は世界的に広がった#MeToo運動の切っ掛けにもなりました。
ピューリツァー賞を受賞。

二人の記者を演じるのは『プロミシング・ヤング・ウーマン』などのキャリー・マリガンと『ルビー・スパークス』などのゾーイ・カザン。二人とも大好きな女優さんです。監督はマリア・シュラーダー、製作陣にはブラッド・ピットが参加。

 映画は過去の回想も交えながら、淡々と記者たちの調査を描いていきます。
 20年以上前の事件の被害者を一歩一歩訪ねあて、何が起きたかを調べ、証言を依頼する。多くの被害者はトラウマを抱え、過去を思い出したくもない状態です。たいていの場合 多額の示談金で口を封じられている。

 淡々と、と書きましたけど、この映画の根底に流れているのは『怒り』です。

 映画にはワインスタインの姿や犯行は一切出てきません。証言のテープだけが使われてますけど、ワインスタインのやったことは聞いているだけで気分が悪くなるくらい酷い。

 問題はワインスタインだけではない。ワインスタインは数十年も似たようなことを続けてきましたが、ワインスタインの権力や金に釣られて業界やマスコミも知らんぷりをしてきた。皆 同罪です。ワインスタインの弁護士に至ってはフェミニズム団体ともつながりがある人物です。元々ワインスタインは数々の名作を手掛けてきただけでなく、マイケル・ムーアの反ブッシュ映画の手助けをするなど政治的にはリベラルだった。ところが一皮むけば、こんな人物だったわけです。
 映画では淡々とした描写が続くからこそ、状況の酷さ、そして怒りが伝わってきます。

 ミーガンもジョディも懸命の調査を続けますが、なかなか被害者から実名での証言は得られません。事件が事件ですからそれは理解できますが、記者たちの苦悩はどんどん深まっていく。さらにワインスタインからの圧力もかかってくる。記者たちは被害者に寄り添いながら、しかし断固たる意志を貫きます。


 
 見ていて、どうしてもドラマ『エルピス』を思い起こします。どちらも権力者による性犯罪と隠蔽、圧力、記者たちの勇気を描いています。しかし、こちらは事実に対してより慎重で、記者や被害者の心情により深く寄り添っている。静かだけど力強い描写が続きます。

 記者二人を支える家族も素晴らしい。二人の記者にはそれぞれ子供がいる。夫たちは子育てをしながら妻の仕事を支える。子供たちにこんなことが当たり前の世の中と思わせてはいけないからです。映画がそこを執拗に描くところも素晴らしい。観客にとっても感情移入できる。

 この映画の見せ場は主役二人の演技です。子供を産んだばかりという設定のキャリー・マリガン、弱気になるところもタフネスを発揮するところも、いつもながら素晴らしいです。

 ゾーイ・カザン(エリア・カザンの姪)も名優キャリー・マリガンの向うを張って頑張ってる。


 このお話が説得力があるのは二人の演技があるからこそ、と思いました。

 新聞を舞台にした映画ですから劇的なアクションや裁判があるわけではありません。でも、クライマックスの演出はお見事です。こうやって盛り上げるんだな、と思いました。


 
 ワインシュタインは懲役23年の刑を受け、映画界から事実上追放されました。しかしめでたしめでたしとはいかない。トランプが大統領に就任したことに象徴されるように、ワインシュタインを放置してきた社会の構造は変わっていないからです。

 いかにも女性監督らしい細やかな演出と主役二人の的確な演技、非常に端正な映画です。
 今年のゴールデン・グローブ賞ではキャリー・マリガンしかノミネートされませんでしたが、もっと評価されても良い映画です。2016年にキリスト教会の神父の幼児への性的虐待を暴いた新聞記者たちを描いた『スポットライト 世紀のスクープ』がアカデミー作品賞を取りましたが、それよりボクは上だと思います。それくらい面白かったし、二人の記者に共感できる。非常に好感が持てる作品でした。


www.youtube.com

『マルクスかアルゴリズムか』ではなく『熱干麺』(笑)

 今日は大寒。まだまだ寒いですけど、夜明け前に歩いていると極寒の中に温かさが芽生え始めているように感じます。人間の感性って面白いですね。季節はそうやって過ぎていくものなのでしょうか。ボケてきたとは言え、この歳になっても感じることは沢山あります(笑)。

 岸田が異次元の少子化対策、と言い出しています。今のままでは支持率はどうにもならないので、目玉が欲しいんでしょう。金もかからない、尤も効率的な少子化対策はただ、男たちが家事をやればいいんですが(笑)。

 ただ少子化対策に反対する人はいないでしょう。元来 野党が打ち出すような話の筈です。安倍政権の時もそうでしたが、野党は消費税廃止とか平和を守れとか、抽象論ばかりで具体論や現実的な話を打ちだしてないから、いつも論点を与党に奪われる

 自民党をアシストしているのは野党。それに頭がお花畑のロートル左翼。最近はそう思えてなりません。
●欧州の左派は現実的な政策を打ちだすのが当たり前なのに。


 今週 面白いなーと思った記事がありました。文藝春秋がオンラインで行った、イエール大准教授の成田悠輔と東大准教授の斎藤幸平の対談です。


bunshun.jp

bunshun.jp 

 成田悠輔は今週1月17日に「高齢者が老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」とTVで発言して炎上したばかり『モーニングショー』“高齢者は集団自決しろ”で炎上中の成田悠輔が平然と出演で視聴者が猛反発「あの言葉は玉川さんより酷い」「もう怒りしかない」 - Yahoo! JAPAN
、悪く言うと新自由主義的ともいえる人です。それに自他ともに認める(環境保護マルクス主義者の斎藤、ある意味 対極の組み合わせです。

 因みにボク自身、今週話題になった成田の集団自決発言は文脈を見てないので良く知りません。興味ない。騒いでいる連中もあまりマトモではない、為にする議論でやっているみたいですから。
 成田も斎藤も立場が違う相手と対話が出来るだけ、連中よりまともじゃないですか(笑)。

 記事では対極の組み合わせにも関わらず、二人が言ってることが同じなのが面白かったんです。

 『資本主義では地球温暖化に対応できないから、グリーン社会主義へ移行すべきだ』という斎藤に対して、成田はこう言います。

「いま、成長を作り出している経済システムが問題を抱えている」、このこと自体は僕も斎藤さんも、おそらく全員が同意すると思います。

 ふむふむ。

 『ただ、その問題が、徐々に相対的には改善されているように見える事実も明らかになってきている。だから、今の資本主義社会のシステムも少しずつ前進している。

 これもまた事実です。
 ノーベル賞を取ったディートンなどの研究↓を見ればわかるように、長期的に見れば一人当たりGDPだけでなく、世界の貧困人口、病死した人の数などは減少を続けている。先進国など特定の国の中では格差は拡大しているかもしれないが、世界的に見れば格差も減少している。経済成長している中国やインドの人口を考えれば子供でも判る事です(笑)。

 だから、成田はこう言います。

 『脱成長論者の主張は、進んでいる車が渋滞しているから逆走しようと言っているのに近い。少しずつでも前進している今の仕組みをやめて、なにか別のシステムに変えたとき、それが以前のものよりうまくいくという論理がぼくにはよくわからないんですよ。加えて、それが実現可能であるという論理もよくわからない

 その通りです。まだまだ問題点は多々あるにしても、事実として資本主義は少しずつ改善している。
 斎藤の言う通り、今の改善スピードでは地球温暖化には対応できないかもしれない。だからと言って資本主義から社会主義へ転換しても上手く行く保証は皆無、どころか、歴史上 社会主義が成功した例は聞いたことがない。中国は社会主義じゃないし(笑)、キューバだって成功とは言えない。


 ちなみに成田は「ABEMA Prime」で『札束を刷るだけのMMT経済理論は「根拠のない情弱ビジネス」』と、テレ東のネット番組で『MMTを主張する著名人や漫画家を指して全員ただの馬鹿かポジショントーク』と称したそうですが、うまいこと言いますね成田悠輔さんの高齢者に「集団自決」を求める発言がボヤを起こす一部始終(文春オンライン) - Yahoo!ニュース

 コロナ下の金融緩和や減税で起きたインフレで世界中がヒーヒー言っているのに、未だにMMTとか言ってる奴はただのバカ、としか表現しようがない(笑)。


 
 しかし成田の言ってることも斎藤の言ってることに近い。成田は『IOTやAIを活用して世の中の事象をとことんデータ化し(DX)、AIのアルゴリズムで政治をやればいい。政治家は猫で充分』と主張しています。
 確かに、与野党問わず日本の政治家が政治をやるより、実務はAIに任せてあとは犬やパンダに政治をやってもらった方が良いかもしれません。

 しかしAIだったらうまく行く、というロジックはどこにもない。AIはデータ化した過去の事象から物事を判断するだけで、未来のことは判らないからです。それにAIをどう教育し、どうコントロールするのか。マルクス主義も政府をどう、コントロールするのかという問題があるのと同じです。

 そう考えてみるとグリーン共産主義(斎藤)もアルゴリズム万能論(成田)も、同じです。現状の問題点を解決するために、具体的なロジックなしにお手軽な希望に頼ろうとしている。
 成田の言葉を借りれば、どちらも『情弱ビジネス』(笑)。統一教会と仕組みは一緒です。
 
 反ワクチンや外国人を排撃するYouTube陰謀論もそうですが、今の日本は情弱ビジネスに溢れてますよね。世の中がおかしくなってくると、人は猶更 希望に飢えるようになるのか。

 山本太郎MMTも、バカウヨの憲法改正も、ロートル左翼の平和憲法を守れ(だけ)も、安易な希望は答えじゃない。こんな複雑な世の中、簡単な答えがある訳がない。あれば、とっくに誰かがやっているでしょう(笑)。子供でも分かる、一般常識の世界です(笑)。

 資本主義という大きなことを考えるのも大事です。我々の社会は行き詰っていることも事実。
 それでも、現実には自分の身の回りのことから少しずつ、世の中を良くしていくしかない。だって、今はそれしか手段がないから(笑)。
 そもそも一世代くらいで人間にできることは限りがあるものです。少しずつ物事を改善しているうちにそこからまた、別の答えも見えてくるかもしれません。ボクはそう思います。

 


 もし、世の中に希望があるとすれば、美味しい物(笑)。
 中国料理と言っても地方によって大きく違っています。そのなかでも有名な麺類を並べて、五大麺と呼ばれているそうです。諸説あるそうですが、代表的なものは山西省刀削麺河南省の烩麺、四川省の担担麺、北京市炸醤麺、そして湖北省の熱干麺(れっかん麺)と言われています。説によっては最近日本でも食べられるようになった蘭州拉麺やビャンビャン麺も入るのかもしれない。
 ボクは粉食地帯、北方の刀削麺や烩麺、ビャンビャン麺が小麦粉の味がするので好きですが、日本でも有名な担々麺や炸醤麺も美味しいですよね。

 五大麺のうち、熱干麺だけは食べたことがありません。
 と、言うことで少し前に銀座にできた日本で唯一、という湖北料理の店へ行ってきました。銀座シックスの隣の新しいビルの中です。ガチ中華にありがちな怖い系(笑)ではなく、店は綺麗なお洒落系。


珞珈壹号 | 中華料理 | 銀座ランチ | 銀座ディナー | ガチ中華

 ボクは見てませんが、TV番組の『ゴチになります』でも取り上げられたそうです。

 最初はレンコンとスペアリブのスープ。優しい味は中華特有の蒸しスープならではです。レンコンが豊富にとれる武漢の名物だそうです。味が深くて美味しい~。

 燻製肉と唐辛子の炒め物。中華では唐辛子をガバガバ入れて炒める調理法がありますけど、そんなに辛くないんですよね。唐辛子の種類が日本や朝鮮半島とは違うのでしょうけど、食べると口の中に爽やかさが残る。大好きです。

 豆苗の炒め物。中華や東南アジアの料理で何が美味しいって、こういう料理です。火は通っているけど、素材にはしゃきしゃき感が残っている。塩とゴマ油、ショウガだけの味付けだと思うのですが、どうしてこんなに美味しいのだろう。家で何度もチャレンジしているのですが、青菜類のこの火加減はどうしても真似できません。

 これが熱干麺。ゴマのペーストと唐辛子、大蒜で味がついています。コクと言い、感触と言い、イタリアンのカルボナーラに近い。まったりとしたコクや辛さ、それにパプリカやコリアンダー、ナッツなど食感の違う様々な食材が入っているから、カルボナーラより味は複雑です。勿論 超美味しい。

 お客は隣の銀座シックスの店員さんも含めて、9割以上中国の人。彼らが注文したものを覗くと、やっぱり美味しそうなものをよく知っている。それを見ながら、次はあれを食べよう、これを試してみよう、と妄想が拡がりました。
 ヘルシーだし、美味しかった。また食べたいです。