今週金曜日の官邸前抗議は7日の日曜日に大規模抗議があるので、お休みです。
NHKの大河ドラマ『いだてん』が、大河ドラマ史上最低の視聴率を驀進しているのが話題になっています。
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なんでも落語家・古今亭志ん生を演じるビートたけしの出番になると途端に視聴率が落ちるそうで、明治、大正、昭和と時代を縦横無尽に跨いで語られる物語が大河ドラマの固定層には難しすぎる、とか言われてます。
今までボクは大河ドラマなんか、まともに見たことありませんが、何度も書いているように『いだてん』は大傑作ドラマ(映画)、神戸大震災からの復興をテーマにした『その街のこども』、福島の復興をテーマにした『Live!Love!Sing!生きて愛して歌うこと』を作った制作:井上剛&音楽:大友良英というコンビなので見逃したくない。生まれて初めて大河ドラマを毎週見るという体験をしています。録画で見るにしても時間的にはかなり厳しいんですけどね。
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「LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと」 オリジナル・サウンドトラック
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スポーツもオリンピックもボクは全く興味ありません。日本のマラソン・ランナーの草分け、金栗四三なんかもっと興味ない。日本兵みたいなイガ栗頭も気持ち悪い。主人公に全く共感できないので確かに見ていて辛い部分もありました。
それでも橋本愛ちゃんや森山未来くんなど今までの井上作品にゆかりがある俳優さんが脇を固めているのは非常に楽しいし、明治期の自由闊達な天狗クラブは眩しかったし、段々世の中の自由が失われていく描写も興味深かった。音楽はもちろんカッコいいし。
お話しも金栗個人ではなく、女子スポーツが勃興する話になってから個人的に盛り上がってきました。特に女性が足を出して走るようになった話や女学生たちが教室をロックアウトしてストライキしたところはマジでかっこよかった。
日本でも自分の運命に対して能動的だった人たちがいた。『始めて』を切り開いてきた人たちの描写は感動的でした。
第22回「ヴィーナスの誕生」| あらすじ | NHK大河ドラマ『いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』
関東大震災から復興しようとする人々の描写もとても良かった。間接的にでも朝鮮人虐殺とフェイクニュースにもちゃんと触れていたし、復興のために人々が自治組織を作っていたり、一般の人のための運動会が行われたというのは知りませんでした。
第24回「種まく人」| あらすじ | NHK大河ドラマ『いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』。
ついでに 復興運動会の際 大友良英氏がバンジョーを演奏しながら出演しているのを見て『その頃 日本にバンジョーなんか在るわけないだろ』と思ったのですが、実はそのバンジョーは100年前のアンティークだったというのも恐れ入った(笑)。
ちなみに原発事故が起きたのに福島の避難が十分に行われないことに対して、総自粛ムードの中で『福島で静かな虐殺が行われている』と、いち早く告発した大友氏は、それ以来ずっと福島の復興、町おこしに取り組んでいます。
ともかくこの程度の話が難しいとか言っている脳軟化症の愚民は放っておけばいいんです(笑)。そもそも世の中は難しいもんなんだよ。
それに第2部になった先週から主人公が阿部サダヲに代わって、やっとイガ栗頭から解放された(笑)。サイタマノラッパーに出ていた俳優、皆川猿時がフィーチャーされてたのも嬉しかった。
お話も今までと段違いに面白くなった先週のサブタイトルが『時代は変わる』(ボブ・ディラン)、今度の放送は『明日なき暴走』(スプリングスティーン)。これはもう、作る方は意識的にやっているんでしょう。『いだてん』、これからが楽しみです。
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●『いだてん』で可児徳を演じる古館寛治氏のツイート
でも本当にこの国は
— 古舘寛治Kanji Furutachi (@Mkandhi091) 2019年7月2日
全体主義国家に簡単に
戻りうると思うのです
こんな風に全体主義に憧れる
権威主義者がかなりいる
そして無関心者と諦めた人が
相当数いるからです
本当に今度の選挙が
どっちに行くかの分かれ道に
なるかも知れません
さて、参院選挙が公示された木曜日、夕食を作りながらNHKの7時のニュースで各党党首の言ってることを見ていました(どうでもいい維新と社民以外)。客観的に見て安倍晋三は、自分の手先の筈のNHKの質問に対してすら全く論理的な受け答えができないダントツのバカで、やっぱり気分が悪くなりました。
一方 元大蔵官僚だけあって国民民主の玉木は頭は一番良いと思いました。でも玉木は人間が軽すぎるから絶対にダメなんですけど。信用できない。
共産党の志位は言ってることがパッとしなかったし、立憲民主の枝野は政策はともかく、しきりに草の根を強調してたのは説得力がなかった。立民が草の根というエビデンスを示さなかったし、現実に地方の選挙では自民と一緒に相乗りもしているからです。勿論 デマ芸人のおしどりマコを比例区に擁立しているのは絶対に許せない。
やはり、ボクも支持政党はなし、です。所詮 選挙なんて、もっともマシな投票をするしかないんですけど。
●このバカ、本当になんとかならないのでしょうか。
党首討論
— さんはん (@sanghanchan) 2019年7月3日
1番最後のシーン
これまでそれぞれ
たくさん意見を述べた
記者から挙手で答える
形の質問が飛ぶ
原発新規増設
選択的夫婦別姓
LGBTについて
安倍首相だけ
1人キョロキョロ
ニヤニヤからの
最後発狂
片割れで
助け船を出す
山口代表
何これ pic.twitter.com/N6Zw7znqQr
前回のエントリーで朝日新聞の『安倍支持の空気』という安倍晋三を支持する人たちの声を紹介する記事に触れました。全3回の記事のうち当日朝に出た今週月曜日の『上』だけでしたので、残りのお話をしたいと思います。
『上』では『18~39歳の男性の間で安倍内閣の支持率が高い、彼らは政治は助けてくれないのだから、現状維持で良いと考えている』というものでした。
その年代の男性はグローバリゼーションが進行する中で『男性+正規社員』という自分たちの既得権が失われていくから尚更、変わることに対して抵抗を持っていると思う。
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火曜日の『中』は『貧困層、生活に不満を持っている人の多くが格差を容認しており自民支持に回っている。政治を変えるより自己責任と考えている』ということが書かれていました。
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●上のグラフ:生活に不満を持っている人の間で自民党支持率が高まっている。95年9.8%⇒15年23.3%に上昇。
下のグラフ:貧困層の間でも格差拡大を肯定する人の割合が高まっている。05年17.4%⇒15年23.7%に上昇
水曜日の『下』では『基幹労連でも支持政党のトップは今や自民党であり、自分は右でもなく左でもなく中間と考える有権者が増えている。したがって各党の政策は似通ってくるため、右左ではなく政党の実現能力や党首のリーダーシップで判断するようになった』ということが書かれていました。
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●有権者の54%が自分は右でも左でもなく『中間』と答えたそうです。
みなさん、どう思われますか?
記事(下)の大企業の労働組合の間で自民党支持が高まっているのは当然だと思います。彼らは全体の3割しかない大企業の、しかも正社員しか組合に入ってないんですから、比較的恵まれた立場です(それでも それなりに大変でしょうが)。特に原発維持の電力労連なんか自民党を支持するに決まっています。そんな連中に幻想を抱く方が間違い。
記事(中)の『生活に不満を持っている人の間で自民党支持が高まっている』、『貧困層の間で格差拡大を肯定する人が増えている』などは正直、『バカじゃねーの』、『一生 奴隷でもやってろ』と思いますが(笑)、現実にはそういう人がいるのは間違いないし、それを生んでいるメカニズムを考えなければ問題は解決しません。
ここにあるのは『政治そのものへの不信と国民の劣化』(上、中)、『野党への失望』(上、中、下)、『右/左という対立軸の希薄化』(下)です。
かねがね『安倍晋三の最大の応援団は無能な野党』と思ってましたが、国民の生活悪化やスキャンダルがこれだけ起きても安倍政権が続いているのは、野党の責任が大きいということだと思います。
最初から失敗するのが判っていたアベノミクスに対抗する経済政策だって未だにまともな対案が出てこないし、これだけしょっちゅう野党間で仲間割れしてれば、誰だって嫌になりますよ。
まして枝野も玉木も小沢も蓮舫も民主党政権の総括すら、オフィシャルにやっていない。そんなところだけ安倍晋三の真似をしないで(笑)、総括して謝ればいいんです。
過去の間違いを正すのは恥ではない。それこそが未来につながる。今のような野党の体たらくでは政治に希望なんか持てない、という人が出てくるのも無理はない。
だからと言って棄権しても、現実は変わらない(笑)。いや、もっと悪くなるだけです。
上のグラフで『国会で自民党だけが強いのは良くない』と考える人が8割を超えていることから判るように、今の与党を積極的に支持する人は少ない。誰も今の政治が自分の暮らしを良くしてくれるとは思ってない。
でも、それは野党に対しても言えます。安倍晋三個人はあんなにバカでクズでも、『アベ政治を許さない』だけじゃ安倍政権という現象には勝てないんですよ(笑)。
与野党問わず、どこが政権をとっても自分の暮らしが良くなるとはボクだって全く思わない!です(笑)。それが『政治不信』の正体でしょう。
ボクは支持しませんが,、反知性主義そのものの山本太郎に支持が集まるのも、政治不信が原因です。勿論 一時的に人気は集めたとしても、反緊縮、消費税廃止など山本が主張していることで現実が良くなる筈がないので、『信者たち』(笑)は早晩裏切られ、政治不信は一層進むでしょう。
だけど国民が政治に関わっていないと、社会のシステムそのものが不公平になってしまいます。日本経済はどんどん衰退しているのに、お金持ちの負担が下がり続ける税金が良い例です。
●法人税は海外との競争も含めてどうか、という観点はありますけど、金持ちの所得税は下がって消費税が上がる。こんなのおかしいでしょ。
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関わり方は人それぞれ、選挙の手伝いもあるし、デモや集会もあるでしょうし、近くの人と話をするなど色々でしょう。あと『(組合ではなく)もっと国民の方を向け』と、ダメな野党のケツをどやしつける。これは大事。
でも絶対に投票だけは行く。そして国民一人一人がもう少し利口になる、リテラシーを高めていく。それしかないと思います。
最後は抗議の代わりに、今週はこの前食べた夏のイタリアン特集です(笑)。
まず、味が濃いので生ハムに合うというイタリアのマントヴァ産メロン。出始めです。
こちらはサマー・トリュフのパスタ。サマ―・トリュフは白や黒とは違って香りも大したことないので好きじゃないんですが、甘いマルサラ酒とチーズで和えた手打ちパスタ自体は美味しかった。
昨年から輸入されるようになったピエモンテ州のファッソーネ牛ヒレ肉。脂まみれの霜降り和牛とは違って、ちゃんと肉の味がします。ボクは日欧EPAを断固支持します(笑)。